「グローバルな株式投資の重要性と、アクティブ運用の魅力について」Vol.2
2020/11/11
コロナ渦で先が見えない中、我々が取り組んでゆくべき資産形成の方向性とは一体何なのか?
「人生と社会を豊かで幸せにする投資の本質」を説くインベスコ・グローバル資産形成研究所所長の加藤氏と、個人投資家に向けた情報発信を続けてきた、LIFE MAP合同会社代表で金融ジャーナリストの竹川氏が、資産形成において大切な二つのテーマについて熱く議論を交わしました。全3回に渡る対談内容の第2回目をお届けします。
加藤 航介
インベスコ・アセット・マネジメント(株)
グローバル資産形成研究所
竹川 美奈子
LIFE MAP合同会社社長
グローバル株式投資へ一歩を踏み出すコツとは?
加藤
今回は前回からの流れで、個人投資家の方がグローバルな資産形成の一歩をどう踏み出していくのかについて、お話したく思います。竹川さんは、そのコツは何だと思われますか?
竹川
そうですね。無理に「投資をするぞ!」と意気込まないことがコツかもしれません(笑)。日常生活の中にいかに「投資を取り込むか」が大切です。実際、皆さんは仕事や家事、子育て、趣味など、お忙しいはずです。日常生活の中で継続的に投資を続けられる「仕組みづくり」が、資産を作っていく上で一番大事だと思います。
加藤
ご著書にもあったように、「仕組みを作る」のは一番大切かもしれません。株式投資というのは自分と社会とのつながりを強め、社会の成長の恩恵を受けられる仕組みです。これを習慣化してしまえば、自然と資産が増えていくと思います。
竹川
加藤さんがよく言われている人的資産を考慮すると、稼ぎ力のある現役時代に、投資信託で、「積立投資」を生活に取り込むことが最良の方法ではないでしょうか。今は、ネット証券などに便利なサービスもありますし、気軽に積み立てができる環境は整っています。理想は、現役時代にコツコツ積み立てして資産を増やし、余裕をもって退職時代に入っていく。その後は、投信を運用しながら自動的に解約しても、安全資産に替えてもいい。そのまま運用し続けるという選択肢もあります。
加藤
日本人にグローバルな資産形成が定着して、豊かな老後を迎えることは、日本全体の幸せにつながります。過去のデータを見ると、豊かな老後への資産形成は、月数万円の長期積み立てで十分だったりします。そして、全国民の老後の生活に余裕があれば日本経済自体が元気になる。世界の大きな富を日本に還流する「仕組み」を作っていかなくてはならないでしょう。
竹川
なぜ資産形成が必要かといえば、人生の選択肢を増やすため、です。それは、明るい未来につながります。そもそも会社というのは様々な社会の課題を解決している主体で、株式に長期にお金を投じるというのはギャンブルでもなんでもないですよね。若い方で「つみたてNISA」を始める方が増えるなど、少しずつですが投資に興味や関心を持つ人は増えてきています。ただ、金融庁が6月末に公表した「NISA口座の利用状況調査ー2019年12月末時点」をみると、開設された口座の4割超で1度も買い付けがされなかったそうです。これはもったいないですよね。
加藤
積立口座があるのに、肝心の積立投資がスタートできていない。その理由はどう思われますか?
竹川
安い時に買って高い時に売るなど、「投資のタイミングを考えてしまう」ことではないでしょうか。積立投資は、始めるタイミングは考えなくてもよい、長期の投資法なのですけどね。基準価額が下がれば買える口数が増える訳ですから、元本をしっかり積み上げていくことが大切です。口座を開設したら、まずは1本で日本を含む世界の株に分散できる投信を積み立てることから始めてもよいでしょう。
加藤
まず、経験を積んでいくということですね。長期に投資を続けていけば、世界中の企業が作り出す社会の豊かさの増加の恩恵を受けることができる。投資とは、短期でもうけた・損をしたというものではありません。人生のバランスを取りながら、世界経済と共に歩むことを当たり前の状態にすることが、大切と思います。
竹川
そのためには、お金の行き先をイメージできるとよいですね。例えば、投資信託の月次レポートをみると、投資している地域や国、企業などがわかります。アクティブ運用の投信はもちろん、パッシブ運用の株式インデックスファンドも株価指数に投資をしているのではなく、企業の集合体にお金を投じているわけですから。
加藤
確かに、どの地域のどの会社と同じ船に乗っているのか、肌感覚を高めることは有意義ですよね。次回の3回目では、今、話に出ましたアクティブ運用とパッシブ運用について考えてみたいと思います。
〜投資のタイミングを考えずコツコツと積み立て投資を続けよう〜
(第3回に続く)
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- 「毎月分配型」の投資信託については、お取引の前に必ず「毎月分配型投信の収益分配金およびNISAでのご注意事項、ならびに通貨選択型投信に関するご注意事項」の内容をご確認いただきますようお願いいたします。
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