【特別対談】バンガード×SBIアセット「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」
〜新しいマーケットの創造まで考えることが使命〜
2019/6/7
2013年5月に誕生した「ETF x ETF」が由来の「EXE-i」シリーズは、異なるETFを組み合わせてファンドに組み入れるというコンセプトから生まれたもの。シリーズ中、最も投資家の注目を集めているのが、名前の通り世界中の中小型株式に投資をする、2つのバンガードETF・「VB」と「VSS」を組み合わせた「グローバル中小型株式ファンド」。
同ファンドの特徴と両社が本コラボレーションに至った経緯について、バンガード・インベストメンツ・ジャパンのセールス・クライアントサービス本部長 マネージングディレクターの小林賢氏とSBIアセットマネジメント代表取締役社長の梅本賢一氏が対談を行いました。
6年に渡るコラボレーションの背景には、
「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」と「顧客中心主義」
※以下、括弧内は省略
(敬称略)
小林
EXE-i シリーズでSBIアセットさんとコラボレーションを始めてから早6年経ちますね。このシリーズ設立を検討していた時、最適なETFプロバイダーを探していたと思います。そのときのことについて少しお話いただけますでしょうか?
梅本
EXE-iのコンセプトは、ETF(上場投資信託)とETFを掛け合わせた「EXE(エグゼ)」、ETFのパフォーマンスを左右する「インデックス(index)」の頭文字の「i(アイ)」、これら二つを合わせて「EXE-i(エグゼアイ)」と命名しました。ロゴのモチーフの螺旋階段と人は、「毎月の積立投資&長期にわたる着実な歩み」を表現しています。SBIアセットは、『シンプル』&『低コスト』を追求した「EXE-i」シリーズを2013年5月に商品化しました。
小林
シリーズ全体もそうですが、このファンドの「シンプルさ」が投資家の皆さまの人気を集めている要因の1つだと思います。
梅本
おっしゃる通りです。EXE-iシリーズは、海外ETFを複数組み合わせて運用するという従来にはないかたちで、シンプルに投資家の皆さまにご提案する商品です。
小林
6年前、なぜバンガードの商品を利用しようと思ったのですか?
梅本
世界のトップETFプロバイダーであるバンガードさんの商品なら低コストで良質なので安心できました。あとはやはり、バンガードさんはデューデリジェンス等がしっかりとされているので、そのあたりの価値観も非常に合うと感じました。
小林 ありがとうございます。SBIアセットさんの社是にフィデューシャリー・デューティーという言葉があります。なんと言っても『顧客中心主義に基づく業務運営方針』を掲げていると共に、顧客満足度など常にお客さまの視点から取り組みや成果を評価し、定期的に見直しを行っていらっしゃるように見受けられます。バンガードはそのビジョンに非常に共感し、そういう理念を掲げている会社なら良好なリレーションシップが築けると確信しました。そしてやはりSBIグループとしての総合的な力が活用できることは、非常に大きな強みだと感じています。一例を挙げますと、SBI証券さんは口座数が最も多い日本のオンライン証券会社さんです。この顧客層にリーチができるのは凄いことだと思っています。梅本さんから見てSBIグループの差別化ポイントはどのあたりですか?
梅本 やはりスピードと意思決定の速さですね。また目先の利益というより長期目線で運営をしている点では、本当の意味の『顧客中心主義』が実現できていると思います。例えば、商品によってはフィーが多少低く、あるタームで見た時にはあまり収益が出ないこともありますが、そういった商品でも投資家の皆さまのためになると判断すれば、我々はそれを「継続させる」という決断が速くできます。グループ全体では、ポリシーとして「世のため人のため」を追求していますので、投資家の皆さまの役に立つことを最重視します。
小林
プロダクトを開発される際には色々厳しい基準があると思いますが、どのようなプロダクト開発を目指していますか?
梅本
SBIアセットマネジメントは常に金融のフロンティアでありたいので、我々にしかつくれないものを出したいという思いがあります。完全な「ブルー・オーシャン」はないかもしれませんが、会社としては、「ブルー・オーシャン」を開拓していきましょう、というコンセプトを掲げています。投資家の皆さまの選択肢とメリットをどう創造するかを常に考えています。
シンプルでありつつ先進的なEXE-i グローバル中小型株式ファンドの特徴
<米国、日本、新興国に幅広く分散投資を実現できているバンガードETFを2本組み入れたファンド>
小林
SBIアセットさんのファンド・EXE-i グローバル中小型株式ファンドの特徴は色々あると思いますが、梅本さんから見てどこが注目ポイントでしょうか?
梅本 まずお伝えしたい重要なポイントの1つ目は、このファンドは、厳密にいうとパッシブファンドではあるものの、従来のインデックス・ファンドではない点です。インデックスETFを公募ファンドで組み入れ、その比率はこちらで調整しております。2つ目は、実はグローバルで中小型株に特化したETFを組み入れたファンドは、日本では非常に珍しいプロダクトであり、現時点では日本で唯一のファンドだという点です。このファンドの中の2つのETFのうち、バンガード・スモールキャップETF(VB)については、設定当初の2013年5月から選定し、2015年2月からバンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)を選定し、2019年2月以降はVBとVSSの2つを組入れました。
小林
大変ありがたいお話です。今まさに金融業界が変革期にあり、SBIアセットさんのようにフィンテックという力を活用し、新たなマーケットを切り開く中でこのプロダクトがあります。米国のETFと米国を除くETFを組み合わせた非常にニッチなプロダクトですが、なぜこういう商品が考えられたのか教えてください。
梅本
マーケット全体を長期で見た時に、中小型は伸びるポテンシャルが非常に大きいと感じました。このプロダクトはお客様に長期で持っていただけますし、バンガードさんのETFが入っているので、洗練されたものを見逃すことなくお客様にお届けできると思います。また、このファンドは米国、日本、新興国など、幅広く分散されているので極端な偏りが生じにくい商品のため、長期に積立投資を行いたいと考えている投資家の皆さまに向いている商品かもしれないですね。ファンドの中身は2つのバンガードETF、つまりバンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)と、バンガード・スモールキャップETF(VB)ですが、小林さんが思うこの2つのバンガードETFの特徴は何でしょう?
小林 まず一つ目、バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)は、地域的には欧州、アジア、新興国、アフリカ大陸と40か国以上に幅広く分散投資をし、偏りがなく地域分散を行い世界中の国への投資が実現できています。高度に分散していますが、実は日本が組み入れ比率でいうと一番高い国です。セクターに関しても、業種に偏りなく分散投資を実現しています。一部の高コストのアクティブファンドのような、特定の業種に過度にベット(ギャンブル)するものとは異なります。二つ目のバンガード・スモールキャップETF(VB)は、米国の小型株市場に投資していますが、上位5社の業種は全て別業種なので偏りが少ないです。ファンドのうちの1つのETFが米国だけに投資し、もう1つは米国以外を投資対象としています。この2つのETFを組み合わせているのはかなりニッチですし、やはり幅広い分散投資を支援できるファンドかなと思います。
梅本 バンガードさんのETFがそれぞれ特性を持っているからこそ、我々のファンドもその特性を持つことになります。実はこの2つのETFは、低コスト、トラッキングエラー等を含むモーニングスター・アセット・マネジメント(当ファンドの投資助言会社)の厳しいスクリーニングの基準を満たしていて、そういった点でも投資家の皆さまに非常に安心していただけるのかなと思います。また、このようにETFをファンド化することにより、NISAでもiDeCoでも、金額指定で積立購入が可能という面も大きな魅力だと考えています。先ほどのお話に戻りますが、長期、積立、分散、といったところですね。
小林
お客さまの声を聞くと、複数のETFを混ぜ合わせてポートフォリオをつくりたいというニーズがあると思いますが、やはり個人のお客さまが自分たちで組み合わせて、更にリバランスもしてウェイトを維持するとなると中々大変な作業だと思います。ですので、このようなプロダクトがあると、長期的に規律を持って運用がしやすくなるので、非常に大きなメリットだと思います。
梅本
日本では唯一、この1つで世界のグローバルの中小型がカバーできるファンドなので、そこは我々が提供できる強みかなと思っています。
つみたてNISA認定商品:長期投資のツールとして相応しい理由
<金融庁の厳しいスクリーニング基準を満たした、つみたてNISA認定商品で投資を始めるきっかけに>
梅本
小林さんから見て、この商品の差別化のポイントはどの点でしょう?
小林
つみたてNISA認定商品というところが注目されるポイントですね。昨年の1月から始まったつみたてNISAですが、2018年12月末時点で総買付額は約927億円、全口座数は約103万口座でしたので、制度が始まって1年ちょっとでここまで着実に伸びています。EXE-i グローバル中小型株式ファンドは、そのつみたてNISAアクティブカテゴリーの中のたった18本(2019年5月7日時点)の認定商品のうちの1つです。金融庁はパッシブカテゴリー以上にアクティブカテゴリーに厳しい基準を設けていて、その高い選定基準をクリアしているということになりますね。
梅本
日本に存在する約6,000本の公募投信の中からの18本、その一つに選ばれたファンド、つまり金融庁に認められている数少ない商品の1つですね。税制メリットを受けながら投資ができることは、投資家の皆さまにとって非常に重要なことですし、今後の継続的な投資につながりやすいのではないかと思います。投資期間5年を表す表@を見ると、現金貯蓄に比べてのEXE-i グローバル中小型株式ファンドのリターンが分かります。表Aでは、日経平均株価や他のインデックスに比べてのパフォーマンスの優位性が見えて、このファンドの伸びも分かりやすいかなと思います。
【表@】
- ※(出所)当ファンドの基準価額・ドル円為替レートのデータを基にSBIアセットマネジメントにて作成
【表A】
- ※FTS Global Small Cap Index(円換算)は、 FTS Global Small Cap Index(米ドルベース)をもとに、委託会社が円換算しています。 FTS Global Small Cap Indexに対する著作権、知的財産権その他一切の権利はFTSE社に帰属します。
- ※(出所)当ファンドの基準価額・ドル円為替レートおよびブルームバーグのデータを基にSBIアセットマネジメントにて作成
小林
NISAやiDeCoは今後伸びていく重要な分野だと思いますが、梅本さんはこのあたりをどう見ていらっしゃいますか?
梅本
過渡期だと思いますね。制度を利用すると簡単には投資をやめられないという点も、投資を長期的に継続するという意味では非常に良い点だと思います。
小林
我々としてもこの2つのエリアに非常に注力しておりまして、ここは大きくなってもらえるといいなと思っています。
梅本
何事もそうですが、やはり本当に良いと思えるかどうかは投資家の皆さま自身、または周りに成功体験があるかどうかにかかっているのではないかと思いますが、日本では今までそのような成功体験が少ないですよね。しかし、米国ではそういった成功体験が多いですよね。
小林
もしかしたら外資系金融機関として、我々がそういった話をどんどん発信していくことが使命なのかもしれません。
梅本
景気後退期は定期的に訪れるものですので、そこは多少スランプが来てもそれに懲りず、長い目で見て粘り強く続けて欲しいですね。この一つの商品でリテールの投資家の皆さまは、NISA、iDeCo、という複数のチャネルからアクセスができます。日本の場合は通常リテールの窓口販売で、DCやつみたてNISA専用ファンドなどほぼ同じ運用戦略の低コスト商品を、高コスト商品として提供する傾向があります。一方、米国では低コストで良い商品はそれ一つでどのチャネルからも購入が可能です。その点で、当ファンドは米国の商品と似ていて、我ながら非常に先進的だと考えています。できればこうやって、お客様の「ニーズ」を創っていきたいですね。
投資家の皆さまへのメッセージ 〜今後、「積立」に引き続き注力〜
梅本
やはり日本では長期・積立は始まったばかりと言えると思いますが、米国では既に長年定着しているコンセプトです。そんな米国の中でバンガードさんは実績をお持ちなので、我々はそういう情報の発信のあり方等を勉強させていただきたいと思います。共通の価値観や方向感を持っている会社同士なので、より多くの方にこのファンドのことを一緒に伝えていけたらと思います。
小林
ぜひ一緒に伝えていきたいですね。戦略としては今後どのあたりに注力していく予定ですか?
梅本
更に強化するという点で言いますと、やはり「積立」です。引き続き積立に力を入れていきたいです。
小林
SBIアセットさんのファンド・オブ・ETFの海外ETFラインアップも、現在積立対象だと思いますが、今そういう仕組みづくりに力を入れているように見受けられます。
梅本 そうですね。その発信にフォーカスしていきたいですね。今回のファンドも「積立」というテーマのうちの一環です。そして、目先の経済で起きている様々な動向はコントロールしにくいですが、長期で見るとそういった動きに左右されずに投資を続けていくことの重要性を伝えていきたいですね。
小林
やはり長期目線で規律を持って投資をすることが、最も確実な投資方法だと我々は昔から思っていますし、今も変わらず思っていることです。
梅本
おっしゃる通りです。その共通の価値観がコラボレーションの原動力になっています。この先もリレーションシップを発展させつつ、よりたくさんの投資家の皆さまにEXE-i グローバル中小型株式ファンドを含むEXE-i シリーズおよびバンガードETFのことを一緒に伝えていきたいですね。
小林
今後もお互いの強みを生かし、素晴らしいコラボレーションができればと思います。梅本さん、本日はどうもありがとうございました。今後も宜しくお願いします。
梅本
こちらこそ、ありがとうございました。今後も宜しくお願いします。
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- ※モーニングスターレーティングは2019年4月末時点のものを表示しています。
ご注意事項
- 「毎月分配型」の投資信託については、お取引の前に必ず「毎月分配型投信の収益分配金およびNISAでのご注意事項、ならびに通貨選択型投信に関するご注意事項」の内容をご確認いただきますようお願いいたします。
- 投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
- 投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客さまが実質的に負担する信託報酬を算出しております(投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
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