「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」分配金引下げをどう考える?
2017/01/31
SBI証券でも、日興アセットマネジメント「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」は多くのお客さまにご支持いただいている人気ファンドです。
昨年から海外リートに投資する毎月分配型ファンドの分配金の引下げが相次いでいますが、当ファンドも2017年1月5日の決算で分配金が60円から40円(税引前、1万口当たり)に引下げとなりました。
分配金の引下げは、このファンドをお持ちの方もこれから投資を検討しようと思っていた方も、不安を感じてしまうはず。そこで今回はそんなお客さまの声に日々接している日興アセットマネジメントのコールセンター長に、気になるポイントを伺いました!
日興アセットマネジメント
コールセンター長
井芹 薫 氏
井芹氏当社のコールセンターにも分配金引下げ後、しばらくはそのようなお電話も多くいただきました。しかし実は、分配金の変更自体は、その投資信託の先行きとは直接関係がないことを、まずはご理解いただきたいと思います。
わかりやすく一言で申せば、今回分配金(税引前、1万口当たり)を60円から40円にしたのは、基準価額と分配金との「バランス調整」を行ったということです。
ご存じの方も多いかもしれませんが、分配金は、いかなる場合もファンドの資産を「切り出し」て払うものであり、その分だけ基準価額が下がります。今回は、その「切り出し率」(分配率)が大きくなりすぎていたので、従来のレンジに戻そうという比率調整だったとご理解ください。
下図の通り、基準価額が下がることで「分配率」は自動的に高まっていました。しかし今回、分配金を60円から40円にしたことで、約24%だったその率(60円×12ヵ月÷2,945円※)は、約16%(40円×12ヵ月÷2,945円※)に下がりました。
言い換えれば、今回の分配金の引き下げは、年率24%もファンドの資産を外に出してしまうのではなく、40円に下げて様子を見た後、今後の上昇を待とう、という意味合いが強いと言えます。
※2017年1月5日(決算日)の基準価額(税引前、1万口当たり)
なお、減額した分はファンドの資産に残る(基準価額がその分下がらない)ため、減額自体はお客さまの「損得」に直接的に影響を及ぼしません。確かに、投資家のみなさまにとって、分配金の入金額は減りますが、その分だけ「ファンドに残っている分」が増えたのだということを、今一度ご理解いただければと思います。
日興アセットマネジメント作成資料より抜粋
SBI証券では、分配金が引き下げられても、このファンドの先行きは期待できるのでしょうか。
井芹氏それこそが、今まさにお伝えしたいポイントです。
世界景気は米国をけん引役に今後回復に向かうと期待されており、景気に敏感な不動産を投資対象とするREITにはポジティブな力が働くと考えられます。つまり、緩やかな経済成長を背景に、賃料や稼働率などの不動産の事業環境には堅調さが見込まれ、それがREIT各社の収益性の追い風になると考えられるのです。
下図のように、すでに発表された米国のREITの7-9月期の決算を見ても、収益環境は良好なようです。そして今後も、堅調に推移することが期待されているわけですね。
日興アセットマネジメント作成資料より抜粋
SBI証券米国では利上げが再開しました。金利上昇はREITにはマイナスだと聞いたことがありますが、影響はないのでしょうか?
井芹氏はい。確かに長期金利の上昇は、REITと国債などの利回り差縮小により、利回り商品としての相対的な投資魅力低下を想起させること、そして、REITが物件を取得するときの借り入れコストの増加が懸念されることなどから、短期的にはREIT価格の押し下げ要因となることがあります。しかしながら、過去を振り返ると、景気回復局面の金利上昇の場合、景気の回復・拡大を背景とした不動産賃借需要の増加などが、REITの収益拡大につながり、その後のREITのパフォーマンスを支える要因となってきたことも事実です。今回の米国の利上げは堅調な景気を背景にした利上げであり、今後も景気拡大が見込まれています。
日興アセットマネジメント作成資料より抜粋
SBI証券トランプ氏の大統領就任を受け、影響は受けるのでしょうか。
井芹氏昨年11月の大統領選挙後、市場では、トランプ氏が掲げる景気対策への期待が大きく拡がっているだけに、仮に、市場の期待に沿う内容が確認されないようであれば、失望感からマーケットの変動率が高まる可能性が考えられます。その場合は、REIT価格も少なからず、影響を受けることが想定されます。ただし、緩やかな景気拡大に伴なう収益拡大期待などから、REIT価格は、中長期的には、堅調な推移を辿ると期待されます。
SBI証券では為替の見通しはどうでしょうか。
井芹氏日興アセットでは、今後、緩やかな円安傾向になるとみています。利上げを進める米国に比べると、日銀の政策は引き続き非常に緩和的であることから、円安・米ドル高が続くと予想しています。
なお、ユーロについては、対円で概ね横ばい、オーストラリアドルについては、国際商品市況の上昇やオーストラリアでの金利上昇などを背景に上昇を見込んでいます。
分配金の変更によってご心配をおかけしてしまったかもしれません。しかし、米国をけん引役に世界経済の回復が期待される今こそ、ファンドの投資対象資産の今後の期待について改めて考えていただきたいと思っています。本日はご質問いただき、ありがとうございました。これからも「ラサール・グローバルREITファンド」を宜しくお願いいたします。
為替見通しは、2017年6月にかけての見通しです。
※上記は見通しおよび予測であり、将来の運用成果などを約束するものではありません。
ご注意事項
- 「毎月分配型」の投資信託については、お取引の前に必ず「毎月分配型投信の収益分配金およびNISAでのご注意事項、ならびに通貨選択型投信に関するご注意事項」の内容をご確認いただきますようお願いいたします。
- 投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
- 投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客さまが実質的に負担する信託報酬を算出しております(投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
- ご投資にあたっては、目論見書や契約締結前交付書面をよくお読みください。