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安定感が魅力!「債券総合型ファンド」徹底比較
2013/10/31
今年注目の投資信託の一つに、「債券総合型」と呼ばれるタイプがあります。1本のファンドでいろいろな種類の債券に分散投資するもので、この種の代表的なファンドである「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドA為替ヘッジ付き」は、2013年9月末までの過去6ヵ月間の資金純流入額が業界全体で1,491億円に上っています。
こうした投資家からの支持と、来年からスタートするNISAに適した商品の1つと見られていることから、今年に入って「債券総合型ファンド」の新規設定が相次いでいます。そこで、最近設定された「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」を例に、「債券総合型ファンド」の魅力に迫ってみたいと思います。
SBI証券取扱いファンドの業界での人気度
(過去6ヵ月間の業界での資金純流入額が大きい順に記載、2013年9月末)
ファンド名 |
資金純流入額 |
トータルリターン(年率) |
|||
---|---|---|---|---|---|
1年 |
3年 |
5年 |
10年 |
||
459,045 |
32.12% |
12.95% |
9.05% |
5.59% |
|
149,185 |
-0.45% |
3.43% |
6.03% |
3.00% |
|
146,833 |
11.88% |
2.47% |
- |
- |
|
140,935 |
31.33% |
14.92% |
2.08% |
- |
|
96,436 |
- |
- |
- |
- |
|
71,779 |
29.56% |
13.63% |
2.76% |
- |
|
62,233 |
12.93% |
- |
- |
- |
|
58,946 |
34.19% |
10.45% |
8.03% |
- |
|
47,119 |
51.60% |
21.87% |
10.84% |
- |
|
46,533 |
- |
- |
- |
- |
- (出所)Bloomberg等よりSBI証券作成。
- ※トータルリターン等の実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
1本のファンドで世界の様々な種類の債券に分散投資が可能
「債券総合型ファンド」の魅力の1点目は、1本のファンドで世界の様々な種類の債券に分散投資が可能な点です。一口に債券と言っても、先進国の国債、社債、ハイ・イールド債券、新興国債券など様々な種類があります。それぞれリターンやリスクの特性が違うため、債券の中だけで分散投資することにも十分意味があります。
今回設定されたばかりの「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」にはまだ実績はありませんが、同様の運用戦略で運用されてきたファンド(以下、「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」類似ファンド)があるため、そのポートフォリオを下の図1に示しています。世界の7種類もの債券に投資していることがわかります。
図1:「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」類似ファンドのポートフォリオ(2013年9月末)
- (出所)「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」販売用資料をもとにSBI証券作成。
景気動向や投資環境の変化を捉え、債券や通貨の配分を機動的に変更
「債券総合型ファンド」の魅力の2点目は、景気動向や投資環境の変化を捉え、債券や通貨の配分比率の機動的な変更を図る点です。「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」類似ファンドでも、以下のように資産配分の変更が行われてきました。最近では、株価上昇の恩恵を受ける転換社債や、金利上昇局面に強いといわれるバンクローンの比率を引上げているのがわかります。
図2:「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」類似ファンドの債券種別構成比率の推移
(2010年3月〜2013年6月、四半期)
- (出所)「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」販売用資料。
なぜ、このように機動的に資産配分を変更することが重要かというと、以下のように、債券の種類によって強みをもっている景気局面や投資環境が異なるためです。
図3:各債券の特性
- (出所)「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」販売用資料。
過去の債券種類ごとの毎年のパフォーマンスを見ると(図4)、パフォーマンス上位の債券は年によって入れ替わっているのがわかると思います。例えばハイ・イールド債券は、景気回復局面では良好なパフォーマンスとなっている一方、リーマンショックが起きた2008年は大きく下落しています。逆に米国国債は、投資家のリスク回避姿勢が高まった時に資金の退避先として選好されやすいため、2008年に大きくプラスの収益を上げています。
図4:債券種類別の年間リターンの推移(過去10年間、米ドルベース)
- (出所)「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」販売用資料。
来年始まるNISA口座では、1年間の買付累計枠が100万円までとなっています。口座内でファンドの入れ替えのための売買を行うと、その非課税枠を買付分だけ新たに使ってしまうため、自分では機動的な資産配分の変更がしにくいという問題点があります。ファンドの中で、投資環境に応じて組入れ債券の配分比率を変更してくれる当ファンドのような仕組みは、NISAでの活用に適しているといえます。
収益の安定性
最後に、「債券総合型ファンド」の魅力の3点目は、収益の安定性です。
マニュライフ・アセット・マネジメントのグローバル・マルチセクター債券運用チームには、機動的に債券の組入れ比率を変更する手法で過去25年以上の実績を持つ「ストラテジック・インカム戦略」という運用戦略があります。下図のように、この長い期間において年間リターンがマイナスになった年が、1990年、1994年、2008年の3回のみという、安定した実績が強みです。
「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド」は、この「ストラテジック・インカム戦略」と同じスタイルの「フレキシブル戦略」という、2010年からスタートした運用戦略で運用されます。過去3年間の運用実績では、「ストラテジック・インカム戦略」をも上回る実績を上げています。
図5:マニュライフ・アセット・マネジメントのグローバル・マルチセクター債券チームが運用する各運用戦略の年間リターンの推移【1987年〜2013年(※)】
- (出所)「マニュライフフレキシブル戦略ファンド」販売用資料。
冒頭で紹介しましたフィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドA為替ヘッジ付きも、2012年までの過去10年間の暦年トータルリターンをみると、マイナスになった年は2年間のみで、それ以外の8年間は安定的にプラスの収益を上げています(2013年は9月末時点でマイナス)。
1998年9月に設定された運用実績15年の比較的古参のファンドですが、人気化したのは2012年10月以降です。リーマンショックを経て投資家がリスクの重要性を学んだためか、アベノミクス効果で日本株が大きく上昇する中でも、当ファンドのように長期的に安定的に収益を上げてきたファンドが見直されているものと考えられます。
NISAを機会に投資を始めてみようという初心者の方や、「株式には投資したくないけど、日本の国債では利回りが低すぎる」と感じている安定志向の投資家の方には、「債券総合型ファンド」がひとつの選択肢になるのではないでしょうか。
図6:フィデリティ・ストラテジック・インカムファンドA為替ヘッジ付きの過去実績(2013年9月末)
- (出所)BloombergよりSBI証券作成。
- ※トータルリターン等の実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
当社取扱いの主な債券総合型ファンド
ファンド名 |
決算 |
為替 |
設定日 |
運用会社 |
機動 |
投資対象 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
主に |
世界 |
||||||
毎月 |
◯ |
2013/10/31 |
マニュライフ |
◯ |
- |
◯ |
|
毎月 |
- |
||||||
年2回 |
◯ |
||||||
年2回 |
- |
||||||
毎月 |
◯ |
1998/9/30 |
フィデリティ |
- |
- |
◯ |
|
毎月 |
- |
||||||
年1回 |
◯ |
2013/5/8 |
|||||
年1回 |
- |
||||||
毎月 |
◯ |
2013/3/8 |
DIAM |
◯ |
◯ |
- |
|
毎月 |
- |
||||||
毎月 |
◯ |
2013/5/7 |
三井住友TAM |
◯ |
◯ |
- |
|
毎月 |
- |
- (出所)SBI証券作成。
- (注)為替ヘッジは為替ヘッジを行うものに「◯」を付与。
上の表のように、「債券総合型ファンド」の中でも、投資対象や運用方針に違いがある場合があります。自分の投資目的や好みに応じて選びましょう。
投資対象
主に米ドル建て債券のみを投資対象とするものと、米国外の先進国債券や新興国の債券も投資対象とするものがあります。
運用手法
投資環境に応じて機動的に資産配分を変更するものが最近の主流ですが、「フィデリティ・ストラテジック・インカムファンド」は基本資産配分から大きくは変更を行わない設計(リバランス中心)となっています。
決算頻度
毎月決算(分配)のものから、年1回決算のものまであります。
為替ヘッジの有無
為替の見通しによって、為替ヘッジの「あり」「なし」が選べます。
なお、「フィデリティ・ストラテジック・インカム」の2013年9月末までの過去10年間のトータルリターン(年率)を為替ヘッジの有無で比較すると、Bコース(為替ヘッジなし)が3.86%、Aコース(為替ヘッジあり)が3.00%とほぼ同程度でですが、標準偏差(年率、リターンのばらつきを表す指標で、大きいほどリスクが高い)はAコース(為替ヘッジあり)が4.83%、Bコース(為替ヘッジなし)が10.31%となっており、為替ヘッジ「あり」の方が値動きが安定していることがわかります。
投資信託に関するご注意事項
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