主要国で長期金利が低下を続ける一方、株式市場が低迷してきたため、株式の配当利回りが債券利回りを上回るという現象が起こっています。下図は、ドイツ（DAX)、米国（NYダウ）、香港（ハンセン）、豪州（ASX）の配当利回りと10年国債利回りの推移です。

従来の常識では、利回り（インカムゲイン）重視の投資戦略なら債券が、値上がり（キャピタルゲイン）重視の投資戦略なら株式が、投資対象としてふさわしいと考えるのが自然でしたが、現在は利回りにおいても、株式が投資対象として魅力を増してきています。

下の図は、世界の株式市場の2005年12月から直近までを、おおよそ上昇局面2回と下落局面2回の4つの局面に分け、投資信託のリターンを比較したものです。

好配当株投信とは、公益株など配当利回りが比較的高い株式を中心に組入れる投資信託で、

(1)上昇局面では債券型投信よりもリターンが高く、
(2)下落局面では一般的な株式投信より下落の程度が小さい

という傾向があることがわかります。

もちろん、債券型投信より値動きが大きいのは当然ですが、長期の保有を前提にすれば、利回り重視の投資戦略において、好配当株投信も注目できるのではないでしょうか。

（注）SBI証券取扱い投信に2011年2月末現在運用資産20億円、残存3年以上の追加型国内籍株式投信を加えたものを母集団とし、投資対象でグループ化し、平均リターンを指数化したもの。指数は4局面の期初の月末を100として期末の上昇率・下落率をパーセントで示している。

（出所）SBIファンドバンク

好配当株投信の中でも、新興国、あるいはアジア・オセアニアの好配当株投信が人気です。

下図は、好配当株投信のネット買い越し額を推定したものです。新興国とアジア・オセアニアの好配当株投信が継続的に買い越されていることがわかります。

（注）個々の投資信託の基準価額、純資産データからネットの概算買い越し額を計算し、グループ別に集計したもの。投資信託全体は、短期金融商品、401K、変額年金保険向けを除いて集計している。

（出所）SBIファンドバンク

（注）直近分配金は2012年10月10日時点。過去1年の分配金の累計額は2012年10月10日から遡る1年間の分配金累計額。
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（出所）SBIファンドバンク