先週の225先物は前週末比160円安(下落率0.53%)の29,770円と反落した。米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比91.6万人増加と、市場予想(66万人程度の増加)を大きく上回ったことを好感し、週初の225先物は3万円台での推移と好調なスタートを切った。
しかし、ISM非製造業景況指数が過去最高を記録したことで祝日明けの米国市場が大幅高となった流れを受けた翌6日は、欧米市場が休場だった間に先んじて大きく値を上げていたため、逆に反動安の展開に。前の週末からの東京市場の大幅上昇については、海外市場の休場期間中に他市場のエクスポージャーのヘッジを目的とした機械的な買いが入っていたのではとの指摘があった。
その後は、国際通貨基金(IMF)による世界経済見通しの上方修正や原油価格の持ち直しなどの支援材料もあったが、現物市場で今後本格化していく決算を前に様子見ムードが強まった。一方、市場心理を悪化させるほどの悪材料もなく、短期筋の仕掛け的な先物売りなども見られず、こう着感の強い動きが続いた。
4月2日時点の裁定残高は、ネットベースで2,362億円の買い越し(前週は3,250億円の買い越し)と減少した。株数ベースでは、1億2,591万株の買い越しで、3月26日時点(1億5,361万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(4月2日時点)
両先物でBofA証券が買い方トップ
売り方では特段目立った動きは少なかった。225先物が380円安と大きく下げた日に、商品投資顧問(CTA)など短期筋と思われるCSによる1,000枚の売り越しがあったほかは、TOPIX先物で国内証券による売り越しが散見された程度だった。
一方の買い方では、BofA証券が両先物で揃って買い越し基調となり、累計でも揃ってトップと存在感を見せた。そのほか、TOPIX先物ではモルガンSやUBSの買い越しがやや目立った。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比2.36pt安(下落率12.16%)の17.05ptと低下した。米国では雇用関連から景気動向に関するものまで多くの経済指標が良好な結果となっており、経済活動正常化への期待が更に強まってきている。
一方、そうした中でも米10年物国債利回りが1.6%台前半へと低下するなど、金利動向にも一層の安定感が確認されはじめた。日米ともに今後の企業決算を見極めたいとする様子見ムードが強く、主要株価指数が大きく上昇する動きは見られないものの、下値不安を高めるような材料もほとんどない。
手掛かり材料に欠けるなか市場のボラティリティーは低下し、日経VIは週を通して警戒水準とされる20ptを下回っての推移となった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、米金利の一層の落ち着きでハイテク株がしっかり
NT倍率(先物)は上昇。前の週末に発表された3月米雇用統計が市場予想を大幅に上回る良好な結果だったことに加え、3月ISM非製造業景況指数も過去最高を記録するなど経済正常化への期待が高まる好調な経済指標が相次いだ。
その一方で、米国10年物国債利回りは低下するなど長期金利の上昇一服・落ち着きが鮮明となり市場心理が改善した。こうした背景から、半導体関連など値がさハイテク株がしっかりとした動きとなり、前の週に続きNT倍率は上昇基調となった。
今週の225先物はもみ合いか。今週から米国では大手金融企業の決算がはじまり、日本では小売企業の決算が本格化する。その後は徐々に製造業の本決算が5月半ばにかけて本格化するため、前週みられた決算前の様子見ムードがより強まりそうだ。
基本的には、決算を受けた個別株物色が主体となり、現物市場での取引がメインとなろう。オプションSQを通過したばかりでもあり、先物市場は閑散となりそうだ。不安心理を高めるような材料が少ない中、決算以外のイベントもほとんどないため、仕掛け的な先物売りは出にくいだろう。こうした背景から、225先物はこう着感を強めそうだ。
一方、良好な決算が相次ぎ、現物市場でポジティブに反応する動きが多く見られてくれば、先高観の高まりとともに先物市場でも断続的な買いが入りそうだ。ただ、そうした動きもやはり4月下旬から始まる主力製造業の本決算が一巡してからと思われる。今週の225先物予想レンジは29,700-30,300円。
経済スケジュール(4月12日〜4月16日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
---|---|---|---|---|
4月12日 |
月 |
国内 |
08:50 |
貸出動向 銀行計(3月) |
08:50 |
銀行貸出動向(含信金前年比)(3月) |
|||
08:50 |
国内企業物価指数(3月) |
|||
15:00 |
工作機械受注(3月) |
|||
|
65歳以上の高齢者へのコロナワクチン接種開始 |
|||
|
決算発表 コスモス薬 |
|||
海外 |
17:00 |
ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(4月7日まで1カ月間) |
||
18:00 |
欧・ユーロ圏小売売上高(2月) |
|||
21:00 |
印・CPI(3月) |
|||
21:00 |
印・鉱工業生産(2月) |
|||
27:00 |
ブ・貿易収支(週次)(4月7日まで1カ月間) |
|||
27:00 |
米・財政収支(3月) |
|||
|
米・政府が半導体不足巡り業界関係者と協議 |
|||
|
中・資金調達総額(3月、15日までに) |
|||
|
中・マネーサプライ(3月、15日までに) |
|||
|
中・元建て新規貸出残高(3月、15日までに) |
|||
|
ハノーバーメッセ(16日まで) |
|||
4月13日 |
火 |
国内 |
08:50 |
マネーストック(3月) |
10:00 |
営業毎旬報告(4月10日現在、日本銀行) |
|||
|
紀文食品が東証1部に新規上場(公開価格:1160円) |
|||
|
衆院北海道2区補選が告示 |
|||
|
決算発表 東宝 |
|||
海外 |
15:00 |
英・鉱工業生産指数(2月) |
||
15:00 |
英・商品貿易収支(2月) |
|||
18:00 |
独・ZEW期待指数(4月) |
|||
21:30 |
米・消費者物価コア指数(3月) |
|||
|
中・貿易収支(3月) |
|||
|
米・フィラデルフィア連銀総裁が講演 |
|||
|
米・地区連銀(サンフランシスコ、カンザスシティー、クリーブランド、アトランタ、ボストン)総裁が人種差別関連イベントに参加 |
|||
|
国際通貨基金(IMF)専務理事と欧州委員会のジェンティローニ委員(経済担当)が講演 |
|||
|
石油輸出国機構(OPEC)月報 |
|||
4月14日 |
水 |
国内 |
08:50 |
コア機械受注(2月) |
10:10 |
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) |
|||
15:15 |
黒田日銀総裁が第96回信託大会であいさつ |
|||
|
決算発表 良品計画 |
|||
海外 |
09:00 |
シンガポール・GDP(1-3月) |
||
11:00 |
NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 |
|||
15:30 |
印・卸売物価(3月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(2月) |
|||
21:30 |
米・輸入物価指数(3月) |
|||
|
米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がオンラインイベントに参加 |
|||
|
米・クラリダFRB副議長がオンラインイベントに参加 |
|||
|
米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表 |
|||
|
米・アトランタ連銀総裁がオンラインイベントに参加 |
|||
|
国際エネルギー機関(IEA)月報 |
|||
|
決算発表 JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン |
|||
4月15日 |
木 |
国内 |
08:50 |
対外・対内証券投資(先週) |
|
サイバートラストが東証マザーズに新規上場(公開価格:1660円) |
|||
|
黒田日銀総裁が日銀支店長会議であいさつ |
|||
|
地域経済報告(さくらリポート)(4月、日本銀行) |
|||
海外 |
10:30 |
豪・失業率(3月) |
||
15:00 |
独・CPI(3月) |
|||
20:00 |
ブ・FGVインフレ率(IGP-10)(4月) |
|||
20:00 |
トルコ・中央銀行が政策金利発表 |
|||
20:30 |
印・貿易収支(3月) |
|||
21:00 |
ブ・IBGEサービス部門売上高(2月) |
|||
21:30 |
米・新規失業保険申請件数(先週) |
|||
21:30 |
米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(4月) |
|||
21:30 |
米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月) |
|||
21:30 |
米・小売売上高(3月) |
|||
22:15 |
米・鉱工業生産指数(3月) |
|||
22:15 |
米・設備稼働率(3月) |
|||
23:00 |
米・企業在庫(2月) |
|||
23:00 |
米・NAHB住宅市場指数(4月) |
|||
29:00 |
米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(2月) |
|||
|
韓・中央銀行が政策金利発表 |
|||
|
米・アトランタ連銀総裁がオンライン討論会に参加 |
|||
|
米・サンフランシスコ連銀総裁が講演 |
|||
|
米・クリーブランド総裁が講演 |
|||
|
米・下院金融委小委員会がLIBOR終了巡る公聴会開催 |
|||
|
米・財務省の半年次為替報告書の議会への提出期限 |
|||
|
北朝鮮・故金日成主席誕生日 |
|||
|
決算発表 シティグループ、デルタ航空、TSMC、BofA、ブラックロック、ペプシコ、アルコア |
|||
4月16日 |
金 |
海外 |
10:30 |
中・新築住宅価格(3月) |
11:00 |
中・GDP(1-3月) |
|||
11:00 |
中・鉱工業生産(3月) |
|||
11:00 |
中・小売売上高(3月) |
|||
11:00 |
中・不動産投資(3月) |
|||
11:00 |
中・固定資産投資(都市部)(3月) |
|||
11:00 |
中・調査失業率(3月) |
|||
15:00 |
欧・ユーロ圏新車販売台数(3月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏貿易収支(2月) |
|||
18:00 |
欧・ユーロ圏CPI(3月) |
|||
21:00 |
ブ・全国失業率(2月) |
|||
21:30 |
米・住宅着工件数(3月) |
|||
21:30 |
米・住宅建設許可件数(3月) |
|||
23:00 |
米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(4月) |
|||
|
米・日米首脳会談 |
|||
|
欧・ユーロ圏財務相会合 |
|||
|
欧・非公式欧財務相理事会 |
|||
|
決算発表 モルガンS |
- 提供:フィスコ社