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2024-12-14 17:02:41

マーケット > レポート > サキモノの『ココがPOINT!』 >  2つの懸念後退で株高到来か

2つの懸念後退で株高到来か

2018/12/3

先物・オプション口座開設先物・オプションお取引

1外部環境の好転から6連騰

先週の225先物は、前週末比650円高の22,350円と「11月最終日を含む週は強い」とのアノマリー通りの展開となった。また、金曜日の上昇で6連騰となり、8月21日〜30日までの8連騰以来約3カ月ぶり。

米長期金利の低下や対中貿易摩擦懸念の後退に対する思惑、為替市場での円安などもあり、225先物は堅調に推移した。また、2025年の大阪万博開催が正式に決まったことで、20年の東京オリンピック後の国内景気の失速に対する警戒感も後退。ただ、連日の株価上昇に対する警戒感などから戻り待ちの売りも散見され、週末にかけては上値の重い展開となった。さらに、モルガン・スタンレーが週初に来年の日本株見通しを強気に引き上げたことも海外勢の買いを誘う一因に。

11月22日時点の裁定残高は、ネットベースで4,664億円の買い越し(前週は5,734億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、2億5,380万株の買い越しと11月16日時点(3億414万株の買い越し)比で減少している。

日経225と裁定残(11月22日時点)

日本株に強気のモルガンSの手口目立つ

先物の手口では、週初に来年の日本株見通しを強気に引き上げて以来、モルガンスタンレーによる連日の買い越し基調が目を引いた。前週末時点でショートポジションを大きく積み上げていたこともあり、週初から225/TOPIX先物ともに大幅な買い越し基調をみせた同社が両先物の買い方筆頭となった。これを受け市場では、「12月のメジャーSQを睨んでのショートカバーの動き」との指摘もみられている。他方、週を通じてコンスタントに売り越し基調を継続したJPモルガンが両先物における売り方筆頭になった。

日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)

  • ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。

TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)

  • ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。

2VIは2週連続で低下

日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は、前週末比-0.19pt(-0.94%)の20.10ptと2週連続で低下した。週初は、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感からVIは上昇した。しかし、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演発言を受け、米金利上昇に対する警戒感が後退したことで、調整が続いていた米国株にも持ち直しの動きが見られ、日経平均も終値ベースで12日以来約2週間ぶりに22,000円台を回復するなど株価の底打ち期待が高まったことから、週末にかけて低下傾向となった。とはいえ、米中首脳会談の結果を見極めたいとのムードも根強く、警戒水域である20.00pt台は割り込まなかった。

ボラティリティ

NT倍率(先物)は上昇、約1カ月ぶりに高値更新

NT倍率(先物)は上昇。日経平均が6日続伸と週を通じて上昇するなか、週半ばにかけてNT倍率は13.45倍まで上昇、11月2日以来約1カ月ぶりに高値を更新した。ただ、日経平均が200日線水準で一旦勢いを弱めると、NT倍率も若干縮小し、週ベースで13.4倍回復とはならなかった。

32つの懸念後退で株高到来か

1日に行われた米中首脳会談で中国へ追加関税の猶予が決まり、米中貿易戦争の緩和期待から、為替市場で円安・ドル高が進行、株価にも好影響をもたらしている。根本的な問題の先送りとなるが、今回、目先の経済安定を優先した事実は大きい。米中貿易戦争が米国のリセッションの引き金を引くことは起きないのではないか。今後の状況を注視しておきたい。

また、先週のパウエルFRB議長講演で、短期金利は中立金利に近づいており、あと2、3回の利上げで金融引き締めは打ち止めになる可能性を示唆した。中長期的に更なる金利上昇を想定していた市場の見方に反しており、金利上昇から来る米国の景気減速の想定が覆る可能性がある。その場合、株安想定から株高想定と極端な方針転換となり、来年に向け大きなリリーフラリーが始まることも想定しておく必要がある。売り方にはリスク要因となるため、注意しておきたい。

今週は世界景気の先行指標とされる原油市況の動向を左右する石油輸出機構(OPEC)総会が6日に行われる。協調減産が決まり原油相場が戻り歩調に転じれば、支援材料として意識される可能性がある。

テクニカルでは、日経平均が5日と25日がゴールデンクロスとなったものの、2万2,500円近辺には11月戻り高値:2万2,583円の他、75日、100日、200日など中長期の抵抗線が並んでおり、この水準はそれなりの売りも出てくることが予想される。しかし、逆に10月初旬の下落局面では2万4,000円〜2万3,000円までが速く、真空地帯となっているため、戻りが急になるリスクも想定しておく必要がある。今週の予想レンジは22,000-23,000円とする。

経済スケジュール(12月3日〜12月7日)

日付 曜日 国内 海外 時間 内容
12月3日 国内 08:50 法人企業統計調査(7-9月)
14:00 自動車販売台数(11月)
海外 10:45 中・財新製造業PMI(11月)
14:00 印・製造業PMI(11月)
16:00 トルコ・消費者物価指数(11月)
18:00 欧・ユーロ圏製造業PMI改定値(11月)
18:30 英・製造業PMI(11月)
19:00 ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(11月)
19:25 ブ・週次景気動向調査
21:00 ブ・製造業PMI(11月)
24:00 米・ISM製造業景況指数(11月)
24:00 米・建設支出 (10月)
ブ・CNI設備稼働率(季調済)(10月、4日までに)
ブ・貿易収支(月次)(11月、8日までに)
米・ダラス連銀総裁が講演
米・自動車販売 (11月、4日までに)
欧・ユーロ圏財務相会合
12月4日 国内 08:50 マネタリーベース(11月、日本銀行)
10:00 営業毎旬報告(11月30日現在、日本銀行)
海外 09:30 豪・経常収支(7-9月)
12:30 豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表
16:00 ブ・ FIPE消費者物価指数(月次)(11月)
17:15 スイス・消費者物価指数(11月)
18:30 南ア・GDP(7-9月)
19:00 欧・ユーロ圏生産者物価指数(10月)
20:00 ブ・鉱工業生産(10月)
欧・欧財務相理事会
英・カーニーイングランド銀行(英中央銀行)総裁が議会で証言
12月5日 国内 09:30 サービス業PMI(11月)
09:30 総合PMI(11月)
10:30 若田部日銀副総裁があいさつ、同記者会見
海外 09:30 豪・GDP(7-9月)
10:45 中・財新サービス業PMI(11月)
10:45 中・財新総合PMI(11月)
14:00 印・サービス業PMI(11月)
14:00 印・総合PMI(11月)
18:00 印・インド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表
18:00 欧・ユーロ圏サービス業PMI改定値(11月)
18:00 欧・ユーロ圏総合PMI改定値(11月)
18:30 英・サービス業PMI(11月)
18:30 英・総合PMI(11月)
19:00 欧・ユーロ圏小売売上高(10月)
21:00 ブ・サービス業PMI(11月)
21:00 ブ・総合PMI(11月)
21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)
22:15 米・ADP全米雇用報告(11月)
24:00 加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表
24:00 米・ISM非製造業景況指数(11月)
米・パウエルFRB議長が上下両院合同経済委員会で証言
米・地区連銀経済報告(ベージュブック)
12月6日 国内 08:50 対外・対内証券投資(先週)
海外 09:30 豪・貿易収支(10月)
09:30 豪・小売売上高(10月)
16:00 独・製造業受注(10月)
22:30 米・新規失業保険申請件数(先週)
22:30 加・貿易収支(10月)
22:30 米・貿易収支(10月)
24:00 米・製造業受注 (10月)
米・アトランタ連銀総裁が講演
オーストリア・石油輸出国機構(OPEC)総会
独・与党・キリスト教民主同盟(CDU)党大会(8日まで)
12月7日 国内 08:30 家計支出(10月)
09:00 毎月勤労統計(10月)
13:00 日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会・表彰式
14:00 景気動向指数(10月)
海外 16:00 独・鉱工業生産(10月)
19:00 ブ・FGVインフレ率(IGP-DI)(11月)
19:00 欧・ユーロ圏GDP確報値(7-9月)
20:00 ブ・拡大消費者物価指数(IPCA)(11月)
22:30 加・失業率(11月)
22:30 米・非農業部門雇用者数(11月)
22:30 米・失業率(11月)
22:30 米・平均時給(11月)
24:00 米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(12月)
24:00 米・卸売在庫 (10月)
29:00 米・消費者信用残高 (10月)
中・外貨準備高(11月)
米・ブレイナードFRB理事が講演
米・一部政府機関の予算が期限切れ
独・CDU党首選
12月8日 海外 中・貿易収支(11月)
12月9日 海外 10:30 中・消費者物価指数(11月)
10:30 中・生産者物価指数(11月)
  • 提供:フィスコ社
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