上昇は継続か?主要国政策の見極が必要
足元のレンジ上限をようやく突破 |
前週の225先物は週間ベースで510円上昇。市場参加者が少なく買戻し主体の相場展開だったなか、現物市場では安川電機の決算発表を受けてアク抜け感が先行し、売り優勢となっていたコマツ、新日鉄住金、三菱商事など主力銘柄が買われる展開となった。9月の貿易収支が6ヶ月連続赤字となったことも政策期待を誘発。週半ばに足元の上値抵抗ラインだった9日高値18,450円を上抜けた。出来高はさほど増加しない相場展開が続いたものの、週末、ドラギECB総裁が年末の追加緩和を示唆したことを材料に一段高。23日の夜には中国人民銀行が緩和を実施したことから、225ナイト・セッションで19,000円台を回復した。なお、16日時点の裁定買い残は、14.6億株と目立った変化は観測されなかった。
225先物の手口では、Aアムロが5,000枚超の売り越しで一手売りの格好となった。一方、モルガン、みずほ証券、シティグループ、クレディ・スイスが買い方上位に並んだ。TOPIX先物に関しては、JPモルガン、三菱UFJ、BNPパリバが売り方に回った一方、225先物同様、モルガンが買い筆頭となった。なお、21日の225先物の手口ではフィリップ証券の2,440枚の買い越しが話題となった。同社は翌日2,806枚売り越したことで、現在の推定ポジションは583枚の買い越しとの観測(ナイト、立会い外含む)。過去、大きなポジションを構築したことがなかっただけに「裁定取引を手掛けるファンドが顧客についたのではないか」など様々思惑が錯綜している。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
オプション市場の商いが増加 |
日経ボラティリティ・インデックス(VI)は26p台で推移している。225先物が上に動いた21日のプット、コールの合計売買枚数は10万枚程度に留まるなど参加者は少なかったが、週末はプット6.5万枚、コール8.2万枚と売買が増加。閑散としていたオプション市場だったが、225先物が足元のレンジ上限を突破したことなどから、やや動意付く格好となっている。11月限、12月限のコールのOP権利行使価格で最も多い価格帯は19,000円。週明けの225先物はこの水準を上抜く可能性が高いことからオプション市場の商いはより増加する公算が大きい。
NT倍率(先物)は目立った動きは観測されず。225先物、TOPIX先物ともに目立った出来高増などは観測されないなか、買戻し優勢の展開となった。現物市場では、TOPIXコア30銘柄を中心とした上昇が見られる。ただ、世界的な緩和観測が強まっていることから、30日の日銀金融政策決定会合に向けた日銀ラリーで225先物が強含む可能性もありそうだ。
各国の金融政策の発表控え思惑先行 |
今週は、26-29日に中国共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)、27-28日に米FOMC、30日に日銀金融政策決定会合がそれぞれ開催される。市場では、米FOMCでの金利引上げは見送りとの公算だが、週末の日銀会合での追加緩和に関しては五分五分との見方。ただ、市場では世界的な追加緩和の流れが強まり思惑先行の展開となっている。日銀ラリーが活発化すると緩和実施のサプライズ感は低下し、仮に追加緩和を実施しても反応は瞬間的に留まり利益確定の流れが強まる可能性はある。成長戦略や補正予算などの詳細な内容が伝わらない限り、インパクトには欠けると想定。
テクニカル面では、75日移動平均線19,144円、200日移動平均線19,158円、一目均衡表の雲上限19,160円と重要なテクニカルポイントが集中している。足元の上昇に対する達成感が意識されやすい水準となっていることで上値抵抗ラインとして意識されやすい。一方、これらの節目を上抜くと、8月の年初来高値20,940円から9月29日に安値16,890円の下落幅(4,050円)に対する61.8%戻しの19,392円がターゲットとなろう。
今週は思惑先行で上下に振れるボラタイルな展開を想定。上値メドは19,500円、下値メドは18,500円とする。
経済スケジュール(10月26日〜11月1日)
- 提供:フィスコ社
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