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2021-06-20 02:40:10

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成長続く世界の自動車産業(その4) 〜3つの切り口から日本の自動車会社の行方を考える〜

2014/4/14
投資調査部 藤本誠之

投資調査部による特別企画、2014年の第2弾では「自動車産業」について取り上げました。第1回は、「グローバル経済をけん引へ」で自動車産業全体を俯瞰し、自動車市場の今後を示唆する自動車メーカー時価総額増加率ランキングをご紹介しました。
第2回は、「米国発、2つの変化を見逃すな!」で、シェール革命と電子化という2つの変化がもたらす影響について、検証いたしました。
第3回は、「主戦場は先進国から新興国へ」で、新興国の自動車産業について解説しています。
最後の第4回は、今までの3回を3つの切り口でまとめ、その切り口から日本の自動車産業を考察いたします。

成長続く世界の自動車産業を3つの切り口でまとめると

1

北米が最重要地域〜シェール革命〜

2006年までは、北米がグローバル販売台数でトップでしたが、2007年にアジアに抜かれています。しかし、大手自動車メーカーの売上高に占める北米地域のシェアは依然として高く、商品の多様性、消費者の品質に対する要求や、新規制への対応など様々な面から見ても、大手メーカーにとって北米が最重要地域であることは未だ変わっていないと言えるでしょう。アメリカの自動車産業はリーマンショック以後は、順調に回復しています。

しかし、シェール革命が、アメリカの自動車業界における車種構成に変化をもたらしており、これに対応できた会社が大きく収益を稼ぎそうです。アメリカでは伝統的に、ピックアップトラックと呼ばれる小型トラックが人気を集めてきましたが、燃費が悪く、日本の中型セダンにシェアを奪われてきました。しかし、シェール革命によってガソリン価格が下落すると、ピックアップトラックの需要が戻り始めています。

2

今後は、新興諸国への取り組みが重要

世界全体に占める自動車販売の新興国の割合は2000年には約24%でしたが、足元では約55%と過半を既に占め、2024年には65%にまで拡大する予想となっております。新興国が今後の市場の成長を牽引することは明白です。つまり自動車各社にとっていかにして新興国市場を取り込んでいけるかが重要な戦略のひとつとなります。

3

新しい技術への対応ー次世代カーと電子化

今までのガソリン車のみの自動車産業が大きく変わりつつあります。自動車という商品は安全性が最重要であることや、車種にもよりますが3万点(部品の部品まで含めると10万点以上!)もの部品を組み上げた上でガソリンや油圧系統などを有機的に機能させる必要があることなどから、一般的には参入障壁が極めて高い製品だと考えられています。

しかし、その常識が覆されるかもしれません。それは、電気自動車などの次世代カーによってです。電気自動車の部品点数はガソリン車の1/3程度だと言われており、複雑な動力系統もバッテリー、モーター、半導体とシンプルに構成することができます。もちろん十分以上の安全性を確保しないといけないため口で言うほど簡単ではありませんが、とはいえ、ガソリン車の時と比べると参入する際の障壁はかなり下がってきたと言えるでしょう。日本のAV機器がアナログ時代では世界を席巻していましたが、デジタル時代になると、大きくその位置を落としたこともあり、現在の自動車関連銘柄の勢力図を一変させてしまう可能性を秘めているのです。

北米が最重要地域→日本メーカーの対応は

表1:乗用車メーカー8社の2013年第3四半期の地域別売上高(北米降順)

コード

銘柄名

北米

日本

欧州

アジア

その他

7270

62.71

18.22

4.08

14.99

7267

51.67

23.89

4.22

11.78

8.44

7201

41.28

16.11

18.32

8.08

16.20

7261

36.83

18.76

19.01

25.41

7203

28.66

23.35

9.62

18.17

20.20

7211

9.80

24.21

17.58

48.41

7269

-

34.69

7.02

58.15

0.14

7262

-

59.00

-

38.70

2.30

(BloombergデータなどからSBI証券が作成。2013年第3四半期の地域別販売台数構成比率・%)

表1は、日本の乗用車メーカー8社の、2013年第3四半期の地域別の販売台数の構成比です。北米では、圧倒的に富士重工業の比率が高いことがわかります。2位には米国でブランド力の強い本田技研工業が入っています。逆にスズキ、三菱自動車などは、北米では、あまり売れていないようです。その企業の持つ車種構成によって、売れる地域が決まっているともいえそうです。

図1:乗用車メーカー8社のアベノミクス相場以後の四半期末パフォーマンス比較
乗用車メーカー8社のアベノミクス相場以後の四半期末パフォーマンス比較

(BloombergデータからSBI証券が作成。2012年11月14日終値を100%として計算)

また、図1は、2012年11月14日の野田前首相の解散表明時を100%として、直近まで四半期ごとに終値をみた、乗用車メーカー8社の株価パフォーマンス比較です。「アベノミクス相場」での株価パフォーマンスになります。

大きく円安に動いた期間になりますので、日産自動車を除けば、日本国内ではなく、海外の売上高比率の高い銘柄の株価パフォーマンスが相対的に高かったと言えそうです。

また、北米での販売比率の高かった、富士重工業、マツダなどのパフォーマンスも比較的好調でした。

米国は、日・米・欧のリーマンショック以後の世界金融緩和合戦の中、いち早く金融緩和縮小(テーパリング)に踏み切ることが出来た国です。シェール革命の強い追い風もあります。順張り派の投資家には、北米での販売台数の構成比が高い銘柄に注目しても良さそうです。

今後は、新興諸国の取り組みが重要→日本メーカーの対応は?

表2:2013年第3四半期の地域別売上高(アジア・その他の合計降順)

コード

銘柄名

北米

日本

欧州

アジア

その他

7269

-

34.69

7.02

58.15

0.14

7211

9.80

24.21

17.58

48.41

7262

-

59.00

-

38.70

2.30

7203

28.66

23.35

9.62

18.17

20.20

7261

36.83

18.76

19.01

25.41

7201

41.28

16.11

18.32

8.08

16.20

7267

51.67

23.89

4.22

11.78

8.44

7270

62.71

18.22

4.08

14.99

(BloombergデータなどよりSBI証券が作成。2013年第3四半期の地域別販売台数構成比率・%)

しかしながら、もう少し中・長期で考えてみると、日・米・欧の先進国ではなく、新興国が自動車市場の成長を牽引することであろうことは明白であり、この新興国市場への取り組みが、今後重要になってきそうです。

表2が表1の地域別販売台数の表をアジア・その他の合計の降順に並び替えたものです。

例えば、スズキのインド、三菱自動車のタイ、フィリピン、ダイハツ工業のインドネシア、マレーシアなど企業別に強みを持つ新興国があります。

現在、新興国経済は、米国のテーパリング(金融緩和縮小)のあおりや、中国のシャドーバンキング問題などで、経済状況が芳しい状況とはいえませんが、今後の成長余力などを考慮して、じっくりと中・長期投資での逆張り的な発想で投資するのも良さそうです。

新しい技術への対応

次世代カーということでは、ハイブリッドカー(HV)、プラグインハイブリッド(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などが群雄割拠しており、現時点ではどの次世代カーが、どれくらいの期間、脚光を浴びるか判りません。将来的には、走行距離の問題さえ解決すれば、電気自動車が本命次世代カーとなりそうですが、充電のインフラ整備など課題は山積されています。

電気自動車が本格普及するまでの「つなぎ」の技術としては、マツダが研究しているプラグインハイブリッド車(PHV)の一種で、EVの弱点である航続距離を延ばすために、エンジンで発電しながら走行するレンジエクステンダーEVの存在が注目されそうです。

排気量330cc・シングルローターの小型エンジンと発電用モーター、インバーター、燃料タンクなどで構成したユニットを既存の電気自動車に取り付けるだけで、電気自動車の走行距離が大きく伸びます。ロータリーエンジンを用いることで通常のピストンエンジンを使うよりも、軽量・コンパクトで静粛性を高くした点が大きな特徴です。価格も安く、既存の電気自動車にも取り付けることが可能でシステムとして外販も可能です。マツダの持つ独自技術である「ロータリーエンジン」が脚光を浴びる可能性がありそうです。

株式データ

株価 448円
売買単位 1,000株
予想PER 11.7倍
実績PBR 2.45倍
予想配当 1円
予想配当利回り 0.22%
時価総額 約1兆3.387億円

図2:マツダ 日足チャート
マツダ 日足チャート

(当社HPより、SBI証券が作成)

どの次世代カーが勝つか正確には判りませんが、どの次世代カーも基本はモーター駆動です。また、自動車の最大の問題である安全性の確保については、自動運転など自動車の電子化・IT化が大きく進みそうです。

表3が、日本の自動車関連として、輸送用機器とゴム製品の2業種の時価総額ランキングTOP5です。大手自動車メーカーに混じって、自動車用電装部品最大手のデンソーが3位に、世界最大手のタイヤメーカーのブリヂストンが5位に入っています。自動車の電子化・IT化が進めば、デンソーの活躍の場が大きく広がりそうです。自動車メーカーよりも、デンソーのような自動車の電子化・IT化で恩恵を受ける部品メーカーのほうが、投資妙味がある可能性があります。

表3:輸送用機器・ゴム製品 時価総額ランキングトップ5

コード

銘柄名

時価総額(百万円)

7203

18,346,794

7267

6,195,085

6902

4,248,834

7201

4,145,495

5108

2,906,027

(当社HPより、SBI証券が作成)

株式データ

株価 4,798円
売買単位 100株
予想PER 14.83倍
実績PBR 1.51倍
予想配当 94〜107円
予想配当利回り 1.96%
時価総額 約2兆9,052億円

図3:デンソー 日足チャート
デンソー 日足チャート

(当社HPより、SBI証券が作成)

また、映画「ブレードランナー」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の空飛ぶ自動車が開発されるような時代になるまでは、どんな次世代カーであっても、4つのタイヤで走ることは不変のようです。

日本においても、世界においても自動車メーカーより圧倒的に少ないのが、タイヤメーカーです。その中でも、自動車関連株の時価総額5位に入って、世界最大のタイヤメーカーのブリヂストンが、成長続く世界の自動車産業の最大のメリットを受ける会社かもしれません。

株式データ

株価 3,574円
売買単位 100株
予想PER 10.02倍
実績PBR 1.54倍
予想配当 80円
予想配当利回り 2.24%
時価総額 約2兆9,060億円

図4:ブリヂストン 日足チャート
ブリヂストン 日足チャート

(当社HPより、SBI証券が作成)

PER、予想配当は東洋経済新報社予想。株価は2014年4月10日終値基準
株価チャートは、当社HPより、SBI証券が作成。(図2〜図4)

銘柄選定の根拠(基準や前提)

 ・ 上場している乗用車メーカー8社と、自動関連銘柄(輸送用機器とゴム製品)の時価総額上位5銘柄を選定しました。

  • ※上記実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

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