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成長続く世界の自動車産業(その1) 〜グローバル経済をけん引へ

2014/3/24
投資調査部 鈴木英之

投資調査部による特別企画、2014年の第2弾では「自動車産業」をグローバルに分析してみたいと思います。ご存知の通り、日本のような先進国では、自動車産業は成熟産業と捉えられ、成長余力に乏しいとみる向きも少なくありません。しかし、これから見てゆく通り、グローバルな自動車産業の将来は、意外に成長余力が大きいと考えられます。第1回は、そのようなグローバルな自動車産業の「鳥瞰図」をご提示し、分析の足掛かりにしたいと思っています。

自動車産業は「成熟産業」か?「成長産業」か?

日本の自動車販売台数は年間約538万台(2013年)です。過去10年間でみた場合、リーマン前の好況期、リーマンショック、東日本大震災など、様々なことがありましたが、年平均成長率は▲0.3%でした。我が国を見る限り、自動車産業は「成熟産業」と表現しても、差支えないと考えられます。不況が長期化し、一人当たりGDPが伸び悩んできた上、少子高齢化の影響が出始めているためと考えられます。

しかし、目を世界に転じると、自動車産業は着実に成長を続けていることがわかります。図1はそうした、世界の自動車産業における販売台数の推移をグラフ化したものです。図にもある通り、世界の自動車販売台数は、年間7,577万台(2013年)で、リーマンショックを背景に、世界経済が混乱を極めた2008〜09年以外は、ほぼ右肩上がりの成長を遂げてきたことがわかります。ちなみに、過去10年間、年平均成長率は5.0%になっています。

販売台数でみる日本市場のシェアは、約7%に過ぎず、それだけで世界のトレンドを語るには小さい市場と言わざるを得ないのです。図2は、そんな世界の自動車販売台数について、地域別シェアをみたものです。欧州や米国のシェアが下がる一方で、アジア・太平洋地域のシェアが上昇していることがわかります。

グローバルな自動車産業は、アジア・太平洋をけん引役に成長を続けていると考えられます。ただ、足元では北米販売台数も増加傾向を示しています。2013年における地域別販売台数シェアでは、アジア・太平洋48%、北米24%となっています。世界の自動車メーカーでは、この2つの市場での「戦い方」が長期的な成長力を分ける大きなカギになりそうです。

図1 地域別の自動車販売台数(万台)
図1 地域別の自動車販売台数(万台)

BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

図2 地域別・自動車販売台数シェア(%)
図2 地域別・自動車販売台数シェア(%)

BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

図3は、アジア・太平洋地域における国別販売台数シェアをグラフ化したものです。この地域の中では中国の構成比が圧倒的に高くなっており、2013年で62%となっています。ちなみに同国の年間販売台数は2,199万台で、すでに日本を大きく上回っていることがわかります。なお、同国の販売台数は、2005年には576万台で、シェアが34%でした。この8年間でいかに急成長したかがわかります。

ちなみに、同じ期間(2005年⇒2013年)の販売台数の伸びとしては、上記の中国が3.8倍と際立っているものの、インドネシアが2.3倍、インドが2.1倍、タイが1.8倍など、他にも急成長を遂げている国がいくつか見られます。グラフにすると目立ってはいませんが、中国に次ぐ、アジア自動車市場のけん引役になっています。

人件費が先進国に比べて安く、生産コストが低いことに加え、人口の増加や経済成長を背景に、自動車にとっては、最終消費地としても、アジア・太平洋地域は魅力的な存在になっています。

残念ながら、例外なのは日本です。この期間の販売台数は累計で8%の減少となっています。日本の自動車メーカーにとっては、海外戦略がいかに重要か、おわかりいただけるかと思います。

図3 アジアの自動車販売台数・地域別シェア(%)
図3 アジアの自動車販売台数・地域別シェア(%)

BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

グローバル市場で高い競争力を維持する日本メーカー

表1 上場自動車メーカーの時価総額上位20傑(ドルベース)

社名

ティッカー

時価総額
(百万ドル)

同日本円換算
(億円)

日本

7203 JP Equity

189,638

193,431

フォルクスワーゲン

ドイツ

VOW GR Equity

115,020

117,320

BMW

ドイツ

BMW GR Equity

72,341

73,788

日本

7267 JP Equity

64,473

65,763

米国

F US Equity

61,099

62,321

米国

GM US Equity

55,913

57,031

韓国

005380 KS Equity

47,926

48,885

日本

7201 JP Equity

39,369

40,156

アウディ

ドイツ

NSU GR Equity

36,784

37,520

米国

TSLA US Equity

29,571

30,162

ルノー

フランス

RNO FP Equity

28,638

29,211

上海汽車集団

中国

600104 CH Equity

22,281

22,726

韓国

000270 KS Equity

21,804

22,240

日本

7270 JP Equity

20,622

21,035

中国

1211 HK Equity

19,264

19,650

タタ・モーターズ

インド

TTMT IN Equity

18,511

18,882

中国

2333 HK Equity

15,375

15,682

日本

7269 JP Equity

14,508

14,799

フィアット

イタリア

F IM Equity

13,919

14,197

日本

7261 JP Equity

13,503

13,773

中国

489 HK Equity

11,028

11,249

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。2014年3月19日時点のデータをもとに作成。時価総額は百万ドル単位に統一。日本円換算は1ドル102円として計算。

表1は、世界の株式市場に上場する自動車メーカーを時価総額の大きい順に20社並べたものです。前項でご説明した通り、世界の自動車産業の成長をけん引するのはアジア・太平洋地域の新興国であり、先進国、特に日本は成熟していると考えられます。しかし、時価総額上位20傑のうち、日本は6社を占めており、アメリカの3社、ドイツの3社を大きく上回っています。生産台数でみた市場では成熟していても、個別企業レベルでの競争力はまだまだ高いと、市場は見ているようです。

表2は、世界の自動車市場における生産シェア・トップ10傑をご紹介したものです。上記の時価総額上位企業と重複している企業が多いことから、時価総額は、自動車メーカーの競争力を反映したものであると。考えることができます。

表2 自動車メーカーの世界シェア(%)

企業名

シェア

トヨタ

12.9

GM

12.6

フォルクスワーゲン

12.5

現代・起亜

9.7

ルノー・日産

9.4

フォード・モーター

8.2

上海汽車集団

6.6

フィアット・クライスラー

5.7

ホンダ

4.6

プジョー

3.6

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。2013年・生産台数ベース。

自動車市場の今後を示唆する自動車メーカー時価総額増加率ランキング

表3は、世界の株式市場に上場する自動車メーカーについて、時価総額が大きく増えた順にランキングしたものです。時価総額の金額で比べた「表1」と異なる示唆が得られると考えられます。すなわち、

(1)もっとも発展著しい中国の企業が数多くランクインしており、同国の成長性を示唆していること

(2)日本メーカーでは、円安効果が増益に大きく寄与しやすい銘柄が上位となっていること

(3)テスラの時価総額増加率が際立っていること

などが「表3」の特徴であるとみられます。このうち、(1)について、中国の企業は過去5年間でみると、増加率が大きくなっている企業が多く、中国の市場が成長してきたことを示しています。このことは、中国をはじめとする新興国への取り組みが世界の自動車メーカーにとり、重要であることを示しています。

さらに、テスラ社が時価総額増加率でトップになっていることは、市場が自動車メーカーの環境対応に期待していることを示しています。ご存知のとおり、テスラが電気自動車を主体に展開する企業だからです。

それでは、グローバルな自動車市場ではいったい何が起きているのでしょうか。第2回以降で詳細にご説明したいと思います。

表3 自動車メーカーの時価総額増加率ランキング(%)

社名

ティッカー

過去1年

過去3年

過去5年

米国

TSLA US Equity

634.6

1,251.0

-

中国

1211 HK Equity

138.7

117.2

370.9

プジョー

フランス

UG FP Equity

98.2

-27.0

31.7

日本

7270 JP Equity

77.5

373.5

691.1

フィアット

イタリア

F IM Equity

75.8

34.0

93.2

日本

7211 JP Equity

69.0

90.7

64.2

日本

7261 JP Equity

60.8

325.8

475.5

江鈴汽車

中国

200550 CH Equity

50.5

-8.7

160.9

米国

GM US Equity

45.9

12.5

-

一汽轎車

中国

000800 CH Equity

32.7

-41.4

-11.9

タタ・モーターズ

インド

TTMT IN Equity

32.6

69.3

1,309.9

中国

2238 HK Equity

31.6

-0.6

-

ルノー

フランス

RNO FP Equity

30.9

82.4

414.6

重慶長安汽車

中国

200625 CH Equity

28.9

112.4

283.6

日本

7269 JP Equity

19.8

52.4

57.8

米国

F US Equity

19.6

11.5

932.3

BMW

ドイツ

BMW GR Equity

15.5

48.0

262.8

フォルクスワーゲン

ドイツ

VOW GR Equity

14.7

70.5

21.9

日本

7203 JP Equity

14.4

72.6

83.2

中国

2333 HK Equity

10.5

268.4

4,044.9

韓国

005380 KS Equity

7.3

30.9

334.4

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。2014年3月18日現在の時価総額(現地通貨ベース)が、過去1年、3年、5年で何%増減したかを示している。
  • ※上記実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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