先週の日経225先物は、前週末比1,380円高の39,500円と大幅上昇。
11月5日投開票の米大統領・議会選挙を控え、週初の日経225先物は38,500円水準での小動きとなった。
6日はトランプ氏勝利を織り込む動きが強まり、日経225先物は昼頃には39,850円まで一気に上昇、為替市場でもドル・円が朝方の1ドル=151円台から154円台へ急上昇した。
この日の晩、トランプ氏が勝利宣言を行い、トランプ政権誕生が確実視されたため、夜間取引で一時4万円台を回復したが、7日日中の日経225先物は39,990円を高値に上げ渋る形に。上昇スピードへの警戒感や、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果判明を前に、ポジションを傾けづらかったようだ。
6-7日開催のFOMCは予想通り25bpの利下げ実施を決定し、特に材料視されることなく通過したが、8日も日経225先物は39,940円を高値に伸び悩む形となり、4万円手前での上値の重さが意識されたまま週末の取引を終えた。
東証が公表した10月第5週(10月28日-11月1日)の投資主体別売買動向によると、海外投資家は現先合計で売り越しへ転じた。この週は日経平均が週間で0.37%の上昇にとどまっており、海外投資家の売りが上値を抑えていたとみられる。個人投資家は現先合計で買い越しに転じた。
11月1日時点の裁定残高は、ネットベースで9,744億円の買い越しとなり、前週 (1兆1,076億円の買い越し)から減少した。一方、株数ベースでは、4億6,071万株の買い越しで、25日(5億1,466万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(11月1日時点)
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、前週末比0.01pt高の26.04とほぼ横ばい。
11月6日は朝方に32pt台まで上昇するも、取引終了時には23pt台まで低下するなど、米大統領選結果をにらんで荒い動きとなった。
12月限オプションの建玉状況
<プット>
38,000円:約8,600枚(前週末比+300枚)
38,500円:約4,300枚(同+300枚)
39,000円:約4,500枚(同+100枚)
39,500円:約2,400枚(同+700枚)
<コール>
39,500円:約4,400枚(同+800枚)
40,000円:約8,800枚(同+600枚)
40,500円:約2,300枚(同+500枚)
41,000円:約8,400枚(同+1,200枚)
ボラティリティ
NT倍率(先物)は14.3倍台に縮小
NT倍率(先物)は14.3倍台に縮小。
トランプ氏勝利を材料に半導体株やファーストリテ<9983>などが買われ225先物優勢の地合いとなり、NT倍率(先物)は一時14.56倍まで拡大した。
ただ、週末にかけては銀行など金融株がしっかりとなったことなどから、NT倍率(先物)は縮小した。
今週の日経225先物は上げ渋る展開か。
米大統領選が想定以上に早い決着となり、トランプ氏の減税政策などへの期待感から、先週の米国株は強い動きとなった。トランプ氏の当選が好感される動きが米国株式市場で継続していることは、国内株にとっても下支えとなろう。
一方、議会選においても共和党が上院・下院ともに支配する「トリプル・レッド」となる可能性が高まっており、トランプ氏の政策を推進しやすい状況が想定されることから、次第にトランプ政策のリスク面を見極める姿勢も強まってきそうだ。
トランプ氏の財政拡張路線が現実となれば、米金利上昇やインフレ高止まりへの懸念が高まり、一段とドル高・円安が進む可能性は否定できない。急速な円安進行となれば、日銀の早期追加利上げ実施への圧力となるという見方から、日経225先物の上値は抑えられそうだ。
また、日本株にとってトランプ氏の関税導入は逆風になると警戒されており、上値追いには慎重姿勢が出やすいと想定する。
米インフレ関連指標への関心も再び高まってくるとみられ、13日の消費者物価指数(CPI)などは注目されそうだ。
今週の225先物予想レンジは38,500円-40,100円。