先週の日経225先物は前週末比510円高の39,120円と続伸。
2月21日に米半導体大手エヌビディアの決算を控え、週前半は方向感のない展開が続いた。ただ、38,000円に迫る場面では積極的な押し目狙いの買いもみられ、底堅い推移が続いた。
21日米国株式市場の取引終了後に発表された注目のエヌビディア決算では、前期第4四半期が市場予想を上回る好業績だったほか、今期第1四半期の見通しも市場予想を上回った。
エヌビディア好決算から投資家心理は上向きとなり、22日の日経225先物は前日比500円高の38,790円とギャップアップでスタート。現物市場では前場に日経平均株価が終値水準の史上最高値(38,915.87円)を34年ぶりに更新した。達成感から一旦売りは出たものの、後場も上昇トレンドは続き、日経平均株価も日経225先物も初の39,000円台へ突入した。
なお、東証が公表した2月第2週(2月13日-2月16日)の投資主体別売買動向によると、海外投資家は現物・先物合計では買い越しを継続していたものの、日経225先物では売り越しへ転じていたことから、高値更新により海外投資家によるショートカバーが積極的に入った可能性がある。
2月16日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆5,830億円の買い越し(前週は1兆2,090億円の買い越し)と増加した。一方、株数ベースでは、6億1,474万株の買い越しで、2月9日時点(4億7,965万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(2月16日時点)
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比で2.04pt安の19.56と反落。
週半ばの米エヌビディア決算への警戒感から日経VIが上昇する場面もあったが、日経平均株価が底堅い推移を見せていたことで投資家心理は上向き、週間で日経VIは低下した。
3月限オプションの建玉状況
<プット>
37,500円:約3,200枚(前週末比+2,000枚)
38,000円:約3,800枚(同+1,200枚)
38,500円:約1,100枚(同+500枚)
39,000円で約300枚(同+100枚)
<コール>
39,000円:約8,000枚(同-1,800枚)
39,500円:約3,100枚(同+1,600枚)
40,000円:約10,800枚(同+1,200枚)
40,500円:約5,600枚(同+3,000枚)
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、週を通して14.7倍まで上昇
NT倍率は上昇。
先週の日経平均は週の前半は、その前の週の日経平均が1600円ほど上昇していたことから、その反動で調整気味に推移し、NT倍率を低下傾向にあった。
しかし21日に米NVIDIAの決算発表があり、市場予想を上回る業績が確認されると、22日の日経平均は半導体関連銘柄などを軸に800円を超える大幅上昇となり、NT倍率も再び上昇に転じた。
結果的に週を通して、NT倍率は14.7倍まで上昇した。
今週の日経225先物は続伸か。
先週末のシカゴ日経225先物は39,410円まで上昇しており、今週の日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で買い優勢のスタートが見込まれる。
日経平均が史上最高値更新となったものの、通過点のひとつにすぎないという見方も強いほか、複数の大手証券による日経平均年末見通しが4万円を超えていることから、ひとまず4万円の大台を目指し上昇トレンドは続くとみる。
2月に入ってから日経225先物は終値ベースで3,200円程上昇しており、引き続き利益確定の売りは出やすい状況とはみられるものの、日本株への先高観は根強く、積極的にショートへは向かいづらいだろう。
ここのところ為替市場ではドル・円が1ドル=150円前後で安定した推移をみせていることも安心材料だが、今週は日本銀行が重視する消費者物価コア指数や米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するPCEコア指数の発表のほか、FRB高官の発言機会も多い。日米金融政策見通しに変化が生じ為替が急変する可能性には念のため気を配っておきたい。
今週の225先物予想レンジは39,000−40,100円とする。