先週の日経225先物は前週末比770円高の36,890円と大幅続伸。
週初は、前週末の米国市場で主要株価指数が上昇したほか、1ドル=148円台へと円安が進むなど良好な外部環境を背景に、下値では押し目狙いのロングが入る一方、高値圏での推移が続いていたため利益確定のショートも入りやすかった。また、決算発表のピーク週のため、積極的にポジションを傾ける動きも限られた。
2月6日にトヨタ自動車<7203>が好決算を発表し、投資家心理は上向いたものの、相場全体を押し上げる動きとはならず、膠着感の強い展開が続いた。
8日は内田日銀副総裁のマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持するとの発言がロングを仕掛けるきっかけとされたもよう。2月限先物ミニ・日経225オプションの特別清算指数(SQ)算出前の最終取引日であることから、ヘッジ対応のショートカバーも断続的に入り、日経225先物は急伸した。
翌9日はソフトバンクG<9984>の急伸も追い風となり、日経225先物は朝方に37,280円まで上昇した。その後は急ピッチでの上昇に警戒感が出て上値の重さが意識されたものの、日本株への先高期待も根強く、37,000円を挟んでもみ合いながら週末の取引を終えた。なお、2月限オプション取引に係る特別清算指数(SQ)は確定値で37,018.07円だった。
2月2日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆430億円の買い越し(前週は9,808億円の買い越し)と増加した。一方、株数ベースでは、4億4,320万株の買い越しで、1月26日時点(4億2,732万株の買い越し)から増加している。
日経平均と裁定残(2月2日時点)

先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比で0.14pt安の19.25と続落。
高値警戒感が台頭しやや上昇する場面はあったものの、週を通じておおむね19〜20pt台で推移し大きな動きはなかった。
3月限オプションの建玉状況
<プット>
35,500円:約5,600枚(前週末比+1,000枚)
36,000円:約4,600枚(同+900枚)
36,500円:約2,600枚(同+1,400枚)
37,000円:約400枚(同+400枚)
<コール>
36,500円:約6,400枚(同-900枚)
37,000円:約8100枚(同+1,000枚)
37,500円:約4500枚(同-2,000枚)
38,000円:約8700枚(同+1,800枚)
ボラティリティ

NT倍率(先物)は上昇、週を通して14.4倍台まで推移
NT倍率(先物)は上昇。
週初から日経平均は36,000円を挟んでのもみ合いとなり、14.2倍台前後で推移していた。ただ、英アームの株価上昇や決算などを材料にソフトバンクG<9984>が急騰して日経平均が上昇し、NT倍率は昨年7月以来の14.42倍まで急拡大。また、内田日銀副総裁の発言を受けて銀行株がさえなかったこともNT倍率拡大の背景にあった。
結果的に週を通して、NT倍率は14.4倍まで上昇した。

今週の日経225先物は堅調か。
先週急ピッチでの上昇が続いただけに高値警戒感が意識されそうで、利益確定のショートが入りやすい地合いではあるだろう。決算発表ラッシュが週半ばで一段落することで、現物市場での売買エネルギーも徐々に落ち着きをみせてきそうだ。
再び日米の金融政策に視線が向かうとみられるなか、米国では2月13日に1月消費者物価指数(CPI)、15日に1月小売売上高、16日に1月生産者物価指数(PPI)と重要な経済指標発表を控えている。インフレ鈍化基調に変化がないことを確認できれば、米国の年内利下げ見通しを後押しし、米株高の流れが日本株にとって支援材料につながろう。
なお、東証が公表した1月第5週(1月29日-2月2日)の投資主体別売買動向によると、海外投資家は日経225先物・TOPIX先物ともに売り越していた。先週は日経225先物が大きく上昇したことから海外投資家は買い越しに転じたと推察される。今週はSQを通過しヘッジ対応のショートカバーなどは落ち着くとみられるものの、海外勢の資金流入が続けば日経225先物は37,000円台を固める動きとなりそうだ。
今週の225先物予想レンジは37,000−38,000円とする。
