225先物は前週末終値比90円安(下落率0.31%)の28,780円と2週続落。月末の衆院選投開票を目前に控えていることもあり、方向感に欠ける動きとなった。週初は、参議院静岡選挙区補欠選挙での自民党候補敗北が政局不透明感を高めさせ、売りが嵩むなか、225先物は250円安。
しかし、翌日には一転し、自民党が単独過半数を獲得できる公算との一部報道をきっかけに、短期筋主導で買い戻されると、225先物は510円高と急反発、一時は29,170円まで買われた。ただ、その後は投開票結果を見極めたいとの様子見ムードが漂うなか、企業の決算発表が本格化していることもあり、現物株市場での個別株物色が中心で、225先物は次第にじり安に。
28日は指数インパクトの大きい値がさ株のファナック<6954>が決算を受けて急落したこともあり、先物でも売りが入り、225先物は240円安。週末は、アップルやアマゾンなどの米大型ハイテク株が決算を受けて時間外取引で下落していたこともあり、朝方は一時28,470円まで突っ込むなど急落したものの、急速に切り返して反発となるなど、政治イベントを前に荒い動きとなった。
10月22日時点の裁定残高は、ネットベースで8,572億円の買い越し(前週は1兆1,380億円の買い越し)と減少した。株数ベースでは、3億688万株の買い越しで、10月15日時点(3億7,470万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(10月22日時点)
様子見ムードのなか短期筋主導でCSの225売り越し目立つ
衆院選投開票を前に様子見ムードが強く、全体的に特段目立った動きはなかった。ただ、薄商いのなか短期筋主導の動きだったとみられ、225先物ではCSの売り越し傾向がやや目立った。
一方、TOPIX先物では、こちらも大きな動きはほとんどなかったが、売り方では前週に続き、モルガンSの売り越し基調が確認されたほか、前週まで見られたバークレイの売り越し基調は一服した。反面、買い方ではUBSが週を通じて買い越す動きが見られた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末終値比0.93pt高(上昇率4.44%)の21.88と上昇した。衆院選投開票のほか、翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)などイベントを前に、全体的に方向感に欠ける動きが続いた。
そうしたなか、オプション市場ではコール(買う権利)とプット(売る権利)の出来高が共に前週より増加し、これを映す形で日経VIは週を通してじり高基調となった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は小幅上昇、半導体株上昇やCS買い越し基調が225型に寄与
NT倍率(先物)は小幅に上昇。衆院選投開票を目前に控えるなか、週初は政局報道に一喜一憂する展開。週後半も一段と様子見ムードが強まるなか、指数に明確な方向感は出なかった。
ただ、そうした中でも、SCREENHD<7735>の好決算を背景に東エレク<8035>などの値がさ半導体関連株が大きく上昇したほか、値がさ株の信越化学<4063>も好決算を受けて買われたことで、先物市場でもやや225型が優位の展開となった。
また、商品投資顧問(CTA)など短期筋の動きを表すことの多いクレディ・スイス(CS)が、週を通して225先物を買い越したこともNT倍率の上昇に寄与したとみられる。
今週の225先物は買い先行の展開となりそうだ。
事前に懸念されていた衆院選は、結局、自民党が単独で過半数を取得するばかりか、国会の安定運営に必要とされる絶対安定多数をも単独で確保した。今後の政局不透明感の後退を好感し、短期筋主導でこれまで様子見だった海外勢が買い戻しを入れてきそうだ。
2日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、量的緩和政策の縮小(テーパリング)開始の正式決定が公表されるだろうが、こちらはほぼ織り込み済み。今会合では政策金利見通しは公表されないが、市場が来年の利上げを織り込むなか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見が注目される。
そのほか、米国ではISM製造業・非製造業景況指数、雇用統計などが発表される。主要株価指数が最高値圏にあり、米国では再び強気ムードが漂うなか、指標結果が予想を上回れば、相場の支援要因となろう。
他方、企業決算が本格化しており、トヨタ<7203>など注目決算もあるため、引き続き現物株市場での個別株物色が主体となりそうだ。今週の225先物予想レンジは28,500-29,900円とする。
経済スケジュール(11月1日〜11月7日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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11月1日 | 月 | 国内 | 09:30 | 製造業PMI(10月) |
14:00 | 自動車販売台数(10月) | |||
決算発表 小野薬、エーザイ、CTC、塩野義薬、京セラ、日本酸素ホールディングス、AGC、TDK、ヒロセ電機 | ||||
海外 | 10:45 | 中・財新製造業PMI(10月) | ||
14:00 | 印・製造業PMI(10月) | |||
17:30 | 香港・GDP(7-9月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(10月) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
22:00 | ブ・製造業PMI(10月) | |||
23:00 | 米・建設支出(9月) | |||
23:00 | 米・ISM製造業景況指数(10月) | |||
23:45 | 米・製造業PMI(10月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(月次)(11月1日まで1カ月間) | |||
英・国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)(10月31日-11月12日) | ||||
COP26首脳級会合(1-2日) | ||||
決算発表 ウエストパック銀行、NXPセミコンダクターズ | ||||
11月2日 | 火 | 国内 | 08:50 | マネタリーベース(10月) |
08:50 | 日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月21・22日分) | |||
10:00 | 営業毎旬報告(10月31日現在、日本銀行) | |||
10:10 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存10-25年)(日本銀行) | |||
決算発表 協和キリン、丸紅、三菱ケミH、東ソー、王子HD、三井物、ヤマハ、横河電機 | ||||
決算発表 アズビル、花王、JAL、住友電工、JR西日本、日本製鉄、ZHLD | ||||
海外 | 12:30 | 豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | ||
16:30 | スイス・消費者物価指数(10月) | |||
米・自動車販売(10月、3日までに) | ||||
米・連邦公開市場委員会(FOMC)(3日まで) | ||||
決算発表 BP、スタンダードチャータード、ファイザー、KKR、デュポン、Tモバイル、リフト、プルデンシャル、アムジェン | ||||
11月3日 | 水 | 国内 | 09:30 | 総合PMI(10月) |
09:30 | サービス業PMI(10月) | |||
株式市場は祝日のため休場(文化の日) | ||||
海外 | 06:45 | NZ・失業率(7-9月) | ||
10:45 | 中・財新サービス業PMI(10月) | |||
10:45 | 中・財新総合PMI(10月) | |||
16:00 | マレーシア・中央銀行が政策金利発表 | |||
16:00 | トルコ・消費者物価指数(10月) | |||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(10月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(10月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(10月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏失業率(9月) | |||
20:00 | ブ・ブラジル中央銀行金融政策委員会(Copom)議事録 | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(10月) | |||
21:15 | 米・ADP全米雇用報告(10月) | |||
23:00 | 米・ISM非製造業景況指数(10月) | |||
23:00 | 米・製造業受注(9月) | |||
23:45 | 米・サービス業PMI(10月) | |||
23:45 | 米・総合PMI(10月) | |||
25:00 | 露・CPI(10月) | |||
27:00 | 米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表 | |||
米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見 | ||||
決算発表 BMW、メットライフ、エレクトロニック・アーツ、クアルコム | ||||
11月4日 | 木 | 国内 | 10年物価連動国債入札 | |
決算発表 日本郵船、住友商、味の素、京王電鉄、テルモ、オリックス、リコー、ソフトバンク、SUMCO | ||||
決算発表 シャープ、コナミHD、任天堂、ベネフィト、富士フイルム、トヨタ、ダイキン工 | ||||
海外 | 09:30 | 豪・貿易収支(9月) | ||
16:00 | 独・製造業受注(9月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏生産者物価指数(9月) | |||
21:00 | ブ・鉱工業生産(9月) | |||
21:00 | 英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表 | |||
21:30 | 加・貿易収支(9月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・貿易収支(9月) | |||
22:00 | ブ・サービス業PMI(10月) | |||
22:00 | ブ・総合PMI(10月) | |||
欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がイベントで冒頭挨拶 | ||||
「OPEC(石油輸出国機構)プラス」閣僚級会合 | ||||
決算発表 INGグループ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・スイス、コメルツ銀、バイアコムCBS | ||||
決算発表 モデルナ、リジェネロン・ファーマ、AIG、ウーバー、イルミナ、エアビーアンドビー、レノボ | ||||
11月5日 | 金 | 国内 | 08:30 | 家計支出(9月) |
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2021年度第2四半期運用状況公表 | ||||
Photosynthが東証マザーズに新規上場(公開価格:1500円) | ||||
決算発表 リンナイ、カカクコム、伊藤忠、日清食品ホールディングス、三井化学、キッコーマン、旭化成、スバル | ||||
決算発表 JFEHD、クボタ、TIS、太陽誘電、Food & Life、ミネベア、INPEX、ユニチャム | ||||
決算発表 オリンパス、三井不、島津製作所、ダイフク、スクエニH、ホンダ、三菱商 | ||||
海外 | 13:00 | インドネシア・GDP(7-9月) | ||
16:00 | 独・鉱工業生産指数(9月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏小売売上高(9月) | |||
21:30 | 加・失業率(10月) | |||
21:30 | 米・非農業部門雇用者数(10月) | |||
21:30 | 米・失業率(10月) | |||
21:30 | 米・平均時給(10月) | |||
28:00 | 米・消費者信用残高(9月) | |||
韓・野党「国民の力」が大統領選の公認候補選出 | ||||
中・国際輸入博覧会(CIIE)(10日まで) | ||||
中・経常収支速報(7-9月) | ||||
11月6日 | 土 | 海外 | 決算発表 バークシャー | |
11月7日 | 日 | 海外 | 中・貿易収支(10月) | |
中・外貨準備高(10月) | ||||
米・夏時間終了 |
- 提供:フィスコ社