先週の225先物は前週末比1,060円高(上昇率4.86%)の22,870円と3週連続して上昇し、2週連続して1,000円超の大幅高となった。大勢として、世界的な経済活動の再開などを受けたリスク選好地合いや海外勢の買い戻しという前週の流れを引き継いだ形となった。225先物は終値べースで、1日に22,000円台をあっさり回復すると、4日には心理的な節目である23,000円台目前まで上昇した。その後は急ピッチの上昇に対する高値警戒感から伸び悩む場面もみられたものの、為替が1ドル=109円台前半まで円安が進んだことが支援材料となり、上昇基調は崩れず、水準を切り上げた。週末5日には米雇用統計の発表を控えていたが、むしろ好結果への期待感もあってか、様子見ムードの後に午後から上値を伸ばし、結局225先物は今週5連騰を達成した。
5月29日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆9,270億円の売り越し(前週は2兆1,041億円の売り越し)と減少した。株数ベースでは、7億1,383万株の売り越しで、5月22日時点(8億6,821万株の売り越し)から減少している。
日経平均と裁定残(5月29日時点)
海外ファンドの両先物買いが目立つ
225先物の手口では、みずほ証券が売り方トップに躍り出たほか、AアムロC、ソジェン、HSBCの海外勢がこれに続いた。買い方では、バークレイ、CS、ドイツ、モルガンSの海外ヘッジファンドとみられる注文を執行した海外勢が上位に並んだ。TOPIX先物手口では、裁定取引の売りをこなしたソジェン、AアムロCなどが売り方の1位、2位に入り、国内勢では、みずほ証券がこれに続いた。
一方、買い手口では、バークレイ、CS、ドイツ、GSの海外ファンド筋の買い注文をこなした外国勢が上位に並んだほか、国内勢では、週末にレバレッジ型の上場投資信託(ETF)などに絡んだ先物買いを入れた野村がこれに続いた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比1.58pt安(下落率5.72%)の26.02ptと3週連続して低下した。世界的な経済活動再開を好感したムードや好調な各国経済指標、海外勢の買い戻しなど良好な環境下で日経平均は上昇して始まったが、高値警戒感などからVIは小幅高で始まった。
日経平均が節目の22,000円台を突破すると、VIも下げに転じたが、米中対立や米国内でのデモ・暴動など先行き不安要素も多く、下げは一時的で、週半ばにかけては再びVIは上昇に転じた。ただ、VIが危険水域とみられる30pt台目前まで上昇すると、週末5日には下げに転じ、週間ベースでは3週連続の低下となった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、日経平均は今年初の5連騰
NT倍率(先物)は上昇。海外投資家による日経平均先物への買い戻しが継続したほか、日経平均への寄与度の高い銘柄が堅調に推移し、3日のNT倍率は14.17倍に上昇。その後週末にかけてほぼ横ばいで推移し、週末5日のNT倍率は14.16倍となった。
今週の225先物は、上昇相場における踊り場局面を迎えることになりそうだ。最近の相場上昇による過熱感から利益確定売りが出て、上値の重さが意識されやすいが中央銀行が金融緩和、各国政府が財政出動する局面では懸念や加熱感がありつつも上昇継続になる可能性がある。
米国では9日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。市場では「大きな波乱要素はない」との声が聞かれるが、日米ともに主要株価指数は上昇基調を維持しているだけに、「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長から相場の過熱感を示唆する発言が飛び出す可能性もあるのではないか」と警戒する向きもある。
また、日経平均がここからさらに上昇して節目の23,000円を突破してきており、一段と達成感が醸成されるほか、週末に控える株価指数先物・オプション6月限の特別清算指数(SQ)算出日を前に「仕掛け的な売買が膨らむことも予想される」との指摘もある。週末に向けてはやや不安定な値動きを強いられる場面もありそうだ。予想レンジは22,500-23,500円とする。
経済スケジュール(6月8日〜6月12日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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6月8日 |
月 |
国内 |
08:50 |
GDP改定値(1-3月) |
08:50 |
GDP民間企業設備(1-3月) |
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08:50 |
GDP民間消費支出(1-3月) |
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08:50 |
GDPデフレーター(1-3月) |
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08:50 |
国際収支(経常収支)(4月) |
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08:50 |
BOP経常収支調整(4月) |
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08:50 |
貿易収支(国際収支ベース)(4月) |
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08:50 |
銀行貸出動向(含信金前年比)(5月) |
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08:50 |
貸出動向 銀行計(5月) |
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13:30 |
倒産件数(5月) |
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14:00 |
景気ウォッチャー調査 現状判断(5月) |
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14:00 |
景気ウォッチャー調査 先行き判断(5月) |
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海外 |
15:00 |
独・鉱工業生産指数(4月) |
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20:00 |
ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(6月7日まで1カ月間) |
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20:25 |
ブ・週次景気動向調査 |
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27:00 |
ブ・貿易収支(週次)(6月7日まで1カ月間) |
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米・ニューヨーク市が経済活動再開 |
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世界銀行グループ(世銀)が世界経済見通し発表 |
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欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会公聴会に出席 |
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6月9日 |
火 |
国内 |
08:30 |
毎月勤労統計-現金給与総額(4月) |
08:30 |
実質賃金総額(4月) |
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08:50 |
マネーストック(5月) |
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09:01 |
マンパワー雇用調査(6-9月) |
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15:00 |
工作機械受注(5月) |
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新型コロナ感染症対応の金融支援特別オペ(日本銀行) |
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海外 |
15:00 |
独・貿易収支(4月) |
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15:00 |
独・経常収支(4月) |
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17:00 |
ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(6月7日まで1カ月間) |
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18:00 |
欧・ユーロ圏GDP確報値(1-3月) |
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20:00 |
ブ・FGVインフレ率(IGP-M、1次プレビュー)(6月) |
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23:00 |
米・JOLT求人件数(4月) |
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23:00 |
米・卸売在庫(4月) |
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石油輸出国機構(OPEC)総会(テレビ会議) |
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欧・欧財務相理事会(テレビ会議) |
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米・連邦公開市場委員会(FOMC)(10日まで) |
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6月10日 |
水 |
国内 |
08:50 |
国内企業物価指数(5月) |
08:50 |
コア機械受注(4月) |
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10:10 |
国債買い入れオペ(残存3-5年、残存5-10年、日本銀行) |
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海外 |
10:30 |
中・消費者物価指数(5月) |
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10:30 |
中・生産者物価指数(5月) |
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16:00 |
トルコ・失業率(3月) |
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21:00 |
ブ・拡大消費者物価指数(IPCA)(5月) |
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21:30 |
米・消費者物価コア指数(5月) |
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27:00 |
米・財政収支(5月) |
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27:00 |
米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表 |
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中・元建て新規貸出額(5月、15日までに) |
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中・マネーサプライ(5月、15日までに) |
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中・資金調達総額(5月、15日までに) |
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経済協力開発機構(OECD)が経済見通しを公表 |
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OPECプラス会合(テレビ会議) |
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国際オリンピック委員会(IOC)理事会 |
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米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見 |
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6月11日 |
木 |
国内 |
08:50 |
対外・対内証券投資(先週) |
08:50 |
景況判断BSI大企業全産業(4-6月) |
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08:50 |
景況判断BSI大企業製造業(4-6月) |
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10:00 |
トヨタ自動車が株主総会 |
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11:00 |
東京オフィス空室率(5月) |
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海外 |
21:30 |
米・生産者物価コア指数(5月) |
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21:30 |
米・新規失業保険申請件数(先週) |
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欧・ユーロ圏財務相会合 |
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決算発表 アドビ |
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6月12日 |
金 |
国内 |
10:00 |
営業毎旬報告(6月10日現在、日本銀行) |
10:10 |
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年)(日本銀行) |
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13:30 |
鉱工業生産(4月) |
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13:30 |
設備稼働率(4月) |
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CP買い入れオペ(日本銀行) |
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海外 |
15:00 |
英・鉱工業生産指数(4月) |
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15:00 |
英・商品貿易収支(4月) |
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18:00 |
欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(4月) |
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21:00 |
印・CPI(5月) |
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21:00 |
印・鉱工業生産(4月) |
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21:30 |
米・輸入物価指数(5月) |
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23:00 |
米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(6月) |
- 提供:フィスコ社