先週の225先物は前週末比500円高(上昇率2.39%)の21,400円と2週連続して上昇した。19日からは米中の次官級による通商協議、21日からは閣僚級協議が開催され、協議進展への期待から世界的にリスクオンムードが強まり、米国株が上昇。225先物も週初から400円を超える上げ幅を演じるなど買いが先行して始まった。その後も225先物は堅調地合いとなり、21,500円台を回復する場面もあった。3月1日に迎える交渉期限を目前に、難航していた中国の知的財産権侵害や技術移転の強要などの詰めの協議を行う予定だが、海外メディアに「米中協議で両国が歩み寄り、6つの覚書を準備している」と報じられたこともあり、協議進展への期待感に繋がった。
2月15日時点の裁定残高は、ネットベースで2,794億円の買い越し(前週は2,379億円の買い越し)と増加した。一方、株数ベースでは、1億4,418万株の買い越しと2月8日時点(1億1,241万株の買い越し)比で増加している。
日経225と裁定残(2月15日時点)
海外ファンドなど買いが目立つ
225先物の手口では、裁定取引業者であるAアムロCが週を通じてコンスタントに売りをこなしたほか、バークレイやBNPパリバの海外勢も週を通じて売りをこなし売り方上位に名を連ねた。また、国内勢では、みずほ証券の売りが目立った。一方、買い手口では、大和が週を通じてコンスタントに買いをこなし、買い方トップになったほか、海外短期筋の注文を執行するCSを始め、GS、メリル、UBSの海外勢も買い方上位に名を連ねた。また、TOPIX先物の手口では、バークレイ、ソジェン、JPモルガン、BNPパリバの海外勢が週を通じて売りをこなし、売り方上位にランクインした。一方、買い手口では、週前半に大きく買い越したモルガンSが買い方筆頭になったほか、週を通してコンスタントに買いを入れたUBS、CSがこれに続くなど海外勢の買いが目立った。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は、前週末比1.53pt安(下落率8.21%)の17.11ptと2週連続して低下した。米中通商協議への進展期待などから日経平均が21,500円台を回復するなど騰勢を強めたことから、VIは低下基調を辿った。今後を見通す上で、海外短期筋による注文を執行するCSの225先物のポジションに注目したい。市場では「CSは昨年、何度か買いポジションを10,000枚強まで積み上げ、その都度、日経平均を高値圏まで押し上げた経緯がある」と言われている。先週時点で、CSの買いポジションは数千枚程度に留まっており、CSの買いが継続するならば、VIは低下基調をたどることが想定されることから動向を注視しておきたいところである。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、13.3倍を回復
NT倍率(先物)は上昇。週明け18日につけた12.23倍を底にリバウンドが続き、週末には一時13.33倍まで上昇した。TOPIXが節目の1,600ptを回復し、一旦は達成感も意識されるなか、日経平均は節目の21,500円回復に向けて徐々に騰勢を強めると、NT倍率は13.3倍を回復した。
今週は米経済指標睨みの展開か。米国時間24日に米中通商協議が終了した。トランプ米大統領は3月1日を交渉期限としていた対中追加関税の引上げの延期と米中首脳会談開催の意向を示しており、米中貿易摩擦激化への懸念は後退する格好となった。ただ、米中貿易摩擦激化の回避は十分に織り込まれていただけに更なる上昇は見込めないだろう。3月下旬とも言われる米中首脳会談で明かされる合意内容に注目されるが、それまでは大きなマーケット変動は抑えられるか。
一方、今週は10-12月期の米国内総生産(GDP)や、中国では2月の製造業景況指数などの注目度の高いものが予定されている。足元で米経済指標は市場予想を大きく下回るものも散見されるなか、米中ともに経済指標の結果に対する警戒感は高まりやすいところだろう。海外ファンドなどによる先物買いは続いており、これらイベントに対する過度な市場反応がなければ一段と需給改善につながろう。一旦、21,500円で値固め後に上昇再開になるには、経済指標の反転や企業業績の好転を確認する必要があるか。予想レンジは21,000-22,000円とする。
経済スケジュール(2月25日〜3月1日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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2月25日 |
月 |
国内 |
08:50 |
企業向けサービス価格指数(1月) |
海外 |
06:45 |
NZ・小売売上高(10-12月) |
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17:00 |
ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(2月21日まで1カ月間) |
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20:00 |
ブ・FGV建設コスト(2月) |
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20:25 |
ブ・週次景気動向調査 |
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22:30 |
ブ・経常収支(1月) |
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22:30 |
ブ・海外直接投資(1月) |
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22:30 |
米・シカゴ連銀全米活動指数(1月) |
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24:00 |
米・卸売在庫(12月) |
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27:00 |
ブ・貿易収支(週次)(2月24日まで1カ月間) |
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英・カーニーイングランド銀行(英中央銀行)総裁らが記者会見 |
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2月26日 |
火 |
国内 |
16:00 |
東証住宅価格 |
リックソフトが東証マザーズに新規上場(公開価格:4000円) |
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海外 |
22:30 |
ブ・ローン残高(1月) |
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22:30 |
ブ・融資残高(1月) |
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22:30 |
米・住宅着工件数(12月) |
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22:30 |
米・住宅建設許可件数(12月) |
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23:00 |
米・FHFA住宅価格指数(12月) |
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23:00 |
米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(12月) |
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24:00 |
米・消費者信頼感指数(2月) |
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米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が上院銀行委員会で半期に1度の議会証言 |
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英・英中央銀行総裁らが議会委員会で証言 |
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2月27日 |
水 |
国内 |
10:30 |
片岡日銀審議委員が香川県金融経済懇談会であいさつ |
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) |
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東海ソフトが東証2部に新規上場(公開価格:1500円) |
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海外 |
06:45 |
NZ・貿易収支(1月) |
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18:00 |
欧・ユーロ圏マネーサプライ(1月) |
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19:00 |
欧・ユーロ圏消費者信頼感指数改定値(2月) |
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20:00 |
ブ・FGVインフレIGPM(2月) |
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21:00 |
ブ・PPI製造業(1月) |
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21:00 |
ブ・全国失業率(1月) |
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21:00 |
米・MBA住宅ローン申請指数(先週) |
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24:00 |
米・中古住宅販売成約指数(1月) |
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24:00 |
米・製造業受注(12月) |
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24:00 |
米・耐久財受注(12月) |
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ベトナム・米朝首脳会談(28日まで) |
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米・FRB議長が下院金融委員会で半期に1度の議会証言 |
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英・下院がEU離脱方針巡り審議・採決 |
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2月28日 |
木 |
国内 |
08:50 |
鉱工業生産指数(1月) |
08:50 |
対外・対内証券投資(先週) |
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08:50 |
商業動態統計(1月) |
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10:30 |
鈴木日銀審議委員が茨城県金融経済懇談会であいさつ |
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13:00 |
自動車生産台数(12月) |
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14:00 |
住宅着工件数(1月) |
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スマレジが東証マザーズに新規上場(公開価格:1370円) |
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フロンティアインターナショナルが東証マザーズに新規上場(公開価格:2410円) |
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海外 |
10:00 |
中・総合PMI(2月) |
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10:00 |
中・製造業PMI(2月) |
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10:00 |
中・非製造業PMI(2月) |
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15:45 |
スイス・GDP(10-12月) |
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20:30 |
印・インフラ産業8業種(1月) |
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21:00 |
印・GDP(10-12月) |
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21:00 |
印・年間GDP予想(2019年) |
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21:00 |
ブ・GDP(10-12月) |
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21:00 |
ブ・GDP(4四半期累計)(10-12月) |
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21:00 |
南ア・貿易収支(1月) |
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22:00 |
独・消費者物価指数(2月) |
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22:30 |
ブ・基礎的財政収支(1月) |
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22:30 |
ブ・純債務対GDP比(1月) |
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22:30 |
米・新規失業保険申請件数(先週) |
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22:30 |
米・GDP(10-12月) |
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23:45 |
米・シカゴ購買部協会景気指数(2月) |
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印・財政赤字(1月) |
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米・クラリダFRB副議長が講演 |
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米・アトランタ連銀総裁が講演 |
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米・フィラデルフィア連銀総裁が講演 |
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米・ダラス連銀総裁が講演 |
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米・セントルイス連銀総裁が講演 |
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韓・韓国銀行(中央銀行)が政策金利発表 |
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3月1日 |
金 |
国内 |
08:30 |
消費者物価指数(都区部、2月) |
08:30 |
有効求人倍率(1月) |
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08:30 |
失業率(1月) |
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08:50 |
法人企業統計調査(18年10-12月) |
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14:00 |
自動車販売台数(2月) |
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14:00 |
消費者態度指数(2月) |
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海外 |
10:45 |
中・財新製造業PMI(2月) |
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17:55 |
独・失業率(失業保険申請率)(2月) |
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18:00 |
欧・ユーロ圏製造業PMI(2月) |
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18:30 |
英・製造業PMI(2月) |
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19:00 |
欧・失業率(1月) |
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19:00 |
欧・消費者物価コア指数(2月) |
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22:00 |
ブ・製造業PMI(2月) |
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22:30 |
米・個人所得(1月) |
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22:30 |
米・個人消費支出(12月) |
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22:30 |
米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(12月) |
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24:00 |
米・ミシガン大学消費者マインド指数改定値(2月) |
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24:00 |
米・ISM製造業景況指数(2月) |
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米・自動車販売(2月、2日までに) |
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米中貿易戦争の休戦期間が終了 |
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米・アトランタ連銀総裁が講演 |
- 提供:フィスコ社