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2019-08-26 00:21:06

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「波乱の再来」に要注意!?〜10月以降の下げ相場の背景にある本質的変化は?

2019/1/22

株式相場が落ち着きを取り戻しています。米中通商協議が進展するとの期待が強まり、米国株が総じて上昇に転じたことが背景とみられます。日本電産(6594)が業績予想を下方修正しましたが、その悪影響が限定的だったこともあり、株式相場に対する悲観的な見方は少ないように思います。

しかし、株式相場が再び波乱となる可能性は小さくないと考えられます。ここで改めて、10月以降の株価下落の背景にある本質的な変化にスポットを当てておく必要がありそうです。

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1「半値戻し」を達成した日経平均株価

東京株式市場では、日経平均株価が1月第2週(1/7〜1/11)に前週末比797円74銭(4.1%)高、第2週(1/15〜1/18)に同306円37銭(1.5%)高と、週足ベースで続伸になりました。米中通商協議が進展するとの期待が強まり、米国株が総じて上昇したことが背景とみられます。このうち、1月第3週における日経平均株価の日次の動きは以下の通りです。

  • 1/15(火)195円59銭高・・・1/11(金)・1/14(月)のNYダウは続落も、中国の景気対策に対する期待を背景に上昇しました。
  • 1/16(水)112円54銭安・・・NY株高を背景に上昇し、20,500円超まで上昇した後は利益確定売りが増えました。
  • 1/17(木)40円48銭安・・・NY株高を背景に買い先行も、「トランプ大統領が自動車関税導入検討」と伝わり、警戒されました。
  • 1/18(金)263円80銭高・・・「米財務長官が対中関税取り下げを主張」と報じられNY株が3連騰した流れを引き継ぎました。

1/17(木)の取引終了後、精密モーター大手の日本電産(6594)が業績予想の下方修正を発表しました。1/18(金)には同社株が大きく下がり、その影響でハイテク株を中心に悪影響が広がることが心配されましたが、逆に同社株は売り一巡後買い直される展開となりました。そのことが、株式市場の企業業績に対する警戒心を和らげる役目を果たし、1/18(金)の株価上昇に貢献しました。

中国が米国からの輸入を増やし対米貿易黒字の解消を目指すとの報道もあり、1/18(金)のNYダウは4営業日続伸の336.25ドル高となり、それを好感して日経平均株価は1/21(月)に一時、20,892円68銭まで上昇しました。12/3(月)高値から12/26(水)安値までの下落に対する「半値戻し」(20,823円)を回復したことになります。しかし、その後は利益確定売りが増え、1/21(月)終値は53円26銭高と伸び悩み、1/22(火)は前日比96円42銭安と3営業日ぶりに反落となりました。

図1 「半値戻し」を達成した日経平均株価

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2019/1/22現在

図2:NYダウ(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2019/1/18現在

図3:ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2019/1/22取引時間中

2決算発表シーズンに向け、警戒スタンスを

表3にありますように今後、3月決算もしくは9月決算企業の決算発表が徐々に増えてまいります。発表社数ベースでは1/31(木)402社、2/8(金)551社などが大きなヤマ場になっています。なお、表4には東証時価総額上位銘柄の決算発表予定日をご紹介しております。2/6(水)には時価総額トップのトヨタ(7203)が発表を予定しており、質の面ではこの辺が発表のピークと考えることもできそうです。

「日本株投資戦略」(1/18付)ですでにご指摘させていただいたように、日本電産(6594)の業績予想下方修正は、今後決算発表で業績予想の下方修正が増えることを示唆しているとみられます。グローバルな事業環境は10〜11月頃から急速に悪化したとみられるためです。発表後の同社株の下落率は限定的でしたが、これは同社株がすでに大きく下落した後だったことも影響していると考えられます。また、同社の永守会長が株式市場と対話を続けてきた効果ともいえ、他の銘柄が同じような値動きになるとは限らないでしょう。日本電産の業績予想下方修正は、米中貿易摩擦等が影響しているとみられ、電気機器や輸送用機器、機械、精密等の幅広い業種で同様の影響が出てくる可能性があり、注意が必要と思われます。

企業業績はピークアウトの様相を強めており、日経平均株価の予想EPS(一株利益)は低下傾向に転じています。決算発表の本格化に向け、あまり楽観的なスタンスで臨まない方が良いと考えられます。

表1 当面の主要タイムスケジュール〜決算発表の本格化に要注意

月日(曜日) 国・地域 予定内容 ポイント
1/22(火) - 世界経済フォーラム(ダボス会議)  
1月ZEW景況感指数 350人のアナリスト等市場関係者に景況感をアンケート
米国 12月中古住宅販売件数  
米国 ☆決算発表 J&J、IBM他
1/23(水) 日本 日銀金融経済対策決定会合の結果発表/展望レポート  
日本 ★決算発表 日本電産他
米国 11月FHFA住宅価格指数  
米国 ☆決算発表 フォード、P&G、フォード・モーター
1/24(木) 欧州 ECB(欧州中銀)定例理事会  
米国 ☆決算発表 インテル、スターバックス、STマイクロ
1/25(金) ドイツ 1月Ifo景況感指数 約7千のドイツ企業を対象に景況感をアンケート
米国 12月耐久財受注 米民間設備投資の先行指標
米国 12月新築住宅販売件数  
1/28(月) 日本 日銀金融政策決定会合(12/20発表分)議事要旨  
日本 通常国会召集  
米国 ☆決算発表 キャタピラー他
1/29(火) 日本 ★決算発表(68社) 信越化学、JPX他
英国 EU離脱修正案を議会で採決  
米国 11月S&PコアロジックCS住宅価格指数  
米国 1月CB消費者信頼感指数  
米国 ☆決算発表 3M、AMD、アップル他
1/30(水) 日本 ★決算発表(180社) OLC、キヤノン、JR東・西・東海、ヤマトHD
米国 10〜12月期GDP  
米国 1月ADP雇用統計 市場コンセンサスは前月比17万人増
米国 米中首脳級協議  
米国 ☆決算発表 ボーイング、マクドナルド、マイクロソフト、ビザ、FB他
1/31(木) 日本 12月鉱工業生産  
日本 日銀金融政策決定会合(1/23発表分)「主な意見」  
日本 ★決算発表(403社)〜前半のヤマ場 第一三共、コマツ、ファナック、村田製、任天堂、東京エレク他
中国 1月製造業PMI 前月は49.4
米国 ☆決算発表 アマゾン、GE、スプリント
2/1(金) 日本 12月労働力調査・有効求人倍率 有効求人倍率の前回は1.63倍
日本 ★決算発表(156社)〜重要企業の発表が多い 住友化、武田、日立、ソニー、キーエンス、デンソー、三井物、ドコモ
米国 1月雇用統計 非農業部門雇用者数のコンセンサスは前月比16.5万人

表2 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2019年
日銀金融政策決定会合 1/23(水)、3/15(金)、4/25(木)、6/20(木)、7/30(火)、9/19(木)、10/31(木)、12/19(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 1/30(水)、3/20(水)、5/1(水)、6/19(水)、7/31(水)、9/18(水)、10/30(水)、12/11(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 1/24(木)、3/7(木)、4/10(水)、6/6(木)、7/25(木)、9/12(木)、10/24(木)、12/12(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表2の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

表3 決算発表スケジュール(社数)

1/21
1件

1/22
5件

1/23
4件

1/24
9件

1/25
47件

1/28
34件

1/29
68件

1/30
180件

1/31
402件

2/1
156件

2/4
117件

2/5
172件

2/6
168件

2/7
262件

2/8
551件

2/11
(休日)

2/12
239件

2/13
337件

2/14
332件

2/15
23件

表4 東証時価総額上位銘柄の決算発表予定日

コード

銘柄名

発表予定日

7203

トヨタ

2/6

9437

NTTドコモ

2/1

9432

NTT

2/7

9984

ソフトバンクG

2/6

8306

三菱UFJ

2/4

6758

ソニー

2/1

9434

ソフトバンク

2/5

9433

KDDI

1/31

4502

武田

2/1

6861

キーエンス

2/1

  • ※弊社WEBサイト「決算発表スケジュール」(国内株式)より、SBI証券が作成。決算発表スケジュールは予告なく変更される場合があり、上記の決算発表スケジュールも日々変化する可能性があります。

3【ココがPOINT!】10月以降の下げ相場の背景にある本質的変化は?

ここにきて戻り歩調の日経平均株価ですが、そもそも10月上旬頃から下落に転じた理由は何なのでしょうか。その答えとしては「米中貿易摩擦の激化」という答えがもっとも多いと思われますが、正直「貿易摩擦の激化」という表現は、問題の一部しか表現していないと考えられます。

昨年10/4(木)に米ペンス副大統領が演説を行い、覇権を目指す中国を激しく非難しました。その激しい内容から「宣戦布告」に近いと表現する人も少なくないものでした。単純に貿易面で中国を批判しているのにとどまらず、世界の覇権を目指す中国と長期戦覚悟で「戦う」ことを宣言したものと理解されました。米国の対中戦略の転換を意味するものであり、同国の超党派の人々が賛意を示すものとなっています。中国が米国からの輸入を増やすという程度の妥協では、最終的な解決に至る可能性は小さいと考えられます。この「ペンス演説」が株価の大きな転機点になったとみられます。

同時に米国は、中国の通信機器大手である中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ)に圧力をかけ始めます。近年、世界的な大手企業になっていたこれらの企業は半導体や電子部品の重要な買い手であり、米国や日本の多くの企業も取引しているとみられます。また、米アップルのスマホ販売にもブレーキがかかりつつあります。今後、半導体や電子部品の需給悪化には十分な注意が必要です。日本電産の業績予想下方修正をもって悪材料出尽くしとみるのは時期尚早かもしれません。

現在は世界的な自由貿易体制が、崩れようとしている境目の時代とみられ、企業経営者の多くは警戒心を強めているとみられます。世界経済の不透明感は、企業の設備投資にブレーキをかけることが多いと考えられます。今後、世界的に設備投資が減速に向かうと予想されます。

もっとも、米国企業が労働力や技術について、中国からの調達をやめ、米国企業だけで賄うことは難しいでしょう。日本企業が活躍する余地は小さくないと思います。ただ、企業の世界的なサプライチェーンが再構築され、新秩序のもとで安定するには時間を擁すかもしれません。

図4 日経平均株価(日足)の過去6ヵ月の推移

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成
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