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2018-09-19 14:08:03

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  「激動の1週間」、その先に待っている展開は「波乱」か「株高」か?

225の『ココがPOINT!』

2018/6/12

「激動の1週間」、その先に待っている展開は「波乱」か「株高」か?

6月前半の東京株式市場では、日経平均株価がおおむね上昇基調となっています。米雇用統計(5月)で好調な米国経済の現状が確認され、ナスダック指数が史上最高値を更新するなど、米国株高が追い風になりました。

こうした中、カナダで行われたG7(先進国首脳会議)の紛糾、米朝首脳会談の実現など、歴史的にも重要な出来事が続き、市場はそれらをひとつひとつ織り込む展開となりました。しかし、日本時間の6/14(木)には、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表、ECB(欧州中銀)理事会の結果発表等、重要日程が続きます。今後はどうなるのでしょうか。

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5/21(月)以来の2万3千円台

日経平均株価は5/21(月)に23,002円37銭と、2/2(金)以来の2万3千円台を付けた後は下落に転じました。5/23(水)に米国のトランプ大統領が米朝首脳会談中止(その後再び開催の方向となる)を示唆したことや、5/23(水)に同大統領が輸入自動車に対する関税引き上げを示唆したと報道されるなど、緊張緩和や自由貿易の動きに逆行する出来事が続いたことが理由とみられます。日経平均株価は5/30(水)には一時21,931円65銭と、4/18(水)以来の2万1千円台(取引時間中ベース)まで下落しました。

しかし、その後の東京株式市場は反発に転じました。6/1(金)に発表された米雇用統計(5月)では、同国労働市場の強さが確認されると同時に、賃金上昇率は心配すべき程でないと考えられ、米株価は「上昇」という形で反応しました。これを受けた週明け6/4(月)の日経平均株価は304円59銭高と大幅高。その後も6/5(火)に63円60銭高、6/6(水)に86円19銭高、6/7(木)に197円53銭高と続伸しました。米国ではナスダックが6/4(月)に約3ヵ月ぶりに高値を更新するなど、主力ハイテク株を中心に上昇の勢いを取り戻し、それが日本株にも好影響を及ぼしました。

日経平均株価は6/8(金)には利益確定売りに押され、128円76銭安と反落したものの、6/11(月)には109円54銭高と反発しました。6/8(金)から6/9(土)にカナダで開催されたG7首脳会議では米国と他の6ヵ国との間で、貿易をめぐる対立が厳しくなり、トランプ大統領がいったんまとまった首脳宣言を「承認しない」という異例の事態に達しました。しかし、市場の関心は米朝首脳会談の成否に移り、貿易戦争への心配は「棚上げ」される格好となりました。

こうした中で迎えた6/12(火)の東京株式市場では、米朝首脳会談を通じて東アジアでの緊張緩和が進むという期待が先行し、日経平均株価は買い先行の展開となり、取引開始直後には23,001円57銭と、5/22(火)以来の2万3千円台回復(取引時間中ベース)を実現しました。思惑が先行した反動で一時伸び悩む場面もありましたが、悲観的な報道があまりみられない中で、13時台後半にトランプ大統領が「これから署名する」と発信し、何らかの合意が形成されたことが示唆されたことから再び買い直される展開になりました。結局、米朝首脳は朝鮮半島の非核化、朝鮮戦争終戦に向けた包括的な合意文書に署名。この日の日経平均株価は前日比74円31銭高の22,878円35銭で取引を終えました。

図1:5/21(月)以来の2万3千円台

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2018/6/12現在

図2:NYダウ(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2018/6/11現在

図3:ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2018/6/12取引時間中
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米国、欧州、日本で金融政策を決定する会合が相次いで開催される

米国時間で6/13(水)、日本時間では6/14(木)未明に、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表され、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見が行われる予定です。

現在、米国の政策金利(上限)は1.75%です。市場では今回のFOMCで、この政策金利(上限)が2.0%に引き上げられる可能性は88.6%(6/12現在)であると予想しています。したがって、仮に政策金利が引き上げられた場合も市場にとっては「織り込み済み」となり、大きな反応は生じないと予想されます。

むしろ焦点は、FOMC後にメンバーの金利予想がどのように変化するかであると考えられます。米国時間3/21(水)に結果が発表されたFOMCの後、年内の利上げ回数を3回とみる人数、4回とみる人数ともに6人となりました。今回の会合の後に4回とみるメンバー数が増えれば、米長期金利が上昇し、ドルが上昇する可能性が大きくなると考えられます。

一方、日本時間6/14(木)(欧州時間も同じ日)にはECB(欧州中銀)理事会の開催も予定されています。ECBは現在、本年9月末までの予定で月300億ユーロの資産買入を進めていますが、その停止時期について論議されると予想されています。市場の一部で予想されているように、年内に買入停止という方針になれば、ユーロ高を促す要因になるとみられます。もっとも、イタリアやスペインの政治不安や、米国との貿易紛争など、欧州は新たな問題を抱えつつあります。ECBがこれらのことを考慮してハト派的なスタンスを取る可能性もゼロではないと考えられます。

続く6/15(金)には日銀金融政策決定会合の結果発表および黒田日銀総裁の会見が予定されています。こちらは、政策の変更が予定されていないため、市場の注目度は低いようにみられます。

表1:米朝首脳会談は6/12(火)の予定

月日

国・地域

予定内容

ポイント

6/12(火) - 米朝首脳会談(シンガポール) 朝鮮半島の非核化は実現するのか?
ドイツ 6月ZEW景況感調査 市場関係者に景況感をアンケート
米国 5月消費者物価指数(食品・エネルギーを除く) 市場コンセンサス(前年同月比)は+2.2%
米国 ゲーム見本市「E3」  
6/13(水) 米国 FOMC結果発表(日本時間では14日午前3時) 政策金利(上限)は1.75%から2.0%へ引き上げられる見通し
6/14(木) 中国 5月鉱工業生産 市場コンセンサス(前年同月比)は7.0%増
中国 5月小売売上高 市場コンセンサス(前年同月比)は9.6%増
中国 5月都市部固定資産投資(年初来) 市場コンセンサス(前年同月比)は7.0%増
欧州 ECB(欧州中銀)理事会(ドラギ総裁会見) 資産購入プログラム(9月まで月300億ユーロ)の停止時期は?
- イスラム世界のラマダン明け  
米国 5月小売売上高(自動車・ガソリンを除く) コンセンサスは前月比0.4%増
- サッカーW杯ロシア大会開幕  
6/15(金) 日本 日銀金融政策決定会合結果発表(黒田日銀総裁会見)  
米国 6月NY連銀製造業景気指数 市場コンセンサスは18.5
米国 5月鉱工業生産・設備稼働率 鉱工業生産の市場コンセンサス(前月比)は0.2%増
米国 6月ミシガン大学消費者マインド指数 米国個人消費の先行きを占う
米国 知的財産侵害に関する対中国関税の公表  
6/18(月) 日本 5月貿易統計  
米国 6月NAHB住宅市場指数  
中国 ◎休場(端午節) 香港、台湾等も休場
6/19(火) 米国 5月住宅着工件数 市場コンセンサス(前月比)は1.7%増
6/20(水) 日本 5月訪日外客数  
米国 5月中古住宅販売件数 市場コンセンサスは前月比1.7%増
6/21(木) 米国 6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数 市場コンセンサスは26.5
米国 4月FHFA住宅価格指数  
米国 5月CB景気先行総合指数  
6/22(金) 日本 5月消費者物価指数(生鮮食品を除く) 4月(前年同月比)は+0.7%

表2:日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2018年
日銀金融政策決定会合 6/15(金)、7/31(火)、9/19(水)、10/31(水)、12/20(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 6/13(水)、8/1(水)、9/26(水)、11/8(木)、12/19(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 6/14(木)、7/26(木)、9/13(木)、10/25(木)、12/13(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀Webサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表2の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。
3

【ココがPOINT!】「2つの指標」が先高感を示す?

当レポート作成時点で、注目の米朝首脳会談は、米国と北朝鮮が包括的な合意文書に署名したことが報道されています。両首脳は今後も会合を重ねるとみられ、今回ですべてが解決した訳ではないようです。ただ、基本的には朝鮮半島を巡る地政学的リスクは後退していくと期待してよさそうです。

上述したように日本時間の6/14(木)には、米国と欧州で金融政策を決める会合が開催される予定で、続く6/15(金)には日銀金融政策決定会合の結果発表も予定されています。機関投資家をはじめ、多くの投資家はこれら重要日程で「万が一」予想外の結果が生じた場合に備え、持ち高を調整しておく可能性が大きそうです。

想起してみれば、先週のG7首脳会合も含めれば、重要日程が目白押しで、まさに「激動の1週間」と表現できるような局面になっていると考えられます。しかし、この1週間を大過なくクリアすることができれば、市場参加者はよりリスクを取りやすくなると予想されます。折しも「2つの指標」は株価の先高観を示しているようにも思われ、今後日経平均株価は次第に上向きの動きを強める可能性がありそうです。

図4は株式市場の信用取引の買い建て額に対し、平均して何%程度の評価損または評価益になっているのかを示したものです。信用取引では、評価益が発生すると速やかに益を確定する投資家が多いため、通常この数字はマイナス(評価損)になることが多くなっています。6/8(金)現在、この数字はマイナス10%弱となっていますが、最近は信用評価損益がマイナス10%程度をメドに日経平均株価が反発に転じるケースが多いようで、現在の数字はそれに近いと思われます。ちなみに、この数字がマイナス10%以下の数字で長期間居座るようになると、相場は弱気局面にあると言えそうです。

ちなみに、始めの方でもご紹介した通り、日経平均株価は値を戻す局面にあるように見受けられます。高値から大きく下げた局面ではなく、信用評価損益率のマイナスが大きいことに違和感を持つ投資家も多いと思われます。そこで、もう一つの指標である騰落レシオをチェックしてみます。

図5は日経平均株価の騰落レシオです。騰落レシオは市場の値上がり銘柄数(一般的に25日間)を値下がり銘柄数(同)で割った数字をパーセンテージで示したものです。一般的に130%以上で「買われ過ぎ」、70%以下で「売られ過ぎ」を示唆しているとみられます。

日経平均株価の騰落レシオは5月半ばに140%超の水準まで上昇しましたが、現在は100%弱の水準まで「調整」が進んでいます。日経平均株価自体は戻し歩調にあるものの、日経平均採用銘柄を個別でみると、結構下がっている銘柄も多いということになります。

信用評価損率や騰落レシオでみる限り、日経平均株価の採用銘柄には上昇余地が多く残っていそうです。そうしたタイミングで、重要日程が一巡ということになれば、日経平均株価は「意外高」の展開になるかもしれません。

図4:日経平均株価(左)と「信用評価損益率」(右・%)

図5:日経平均株価(左・円)と騰落レシオ(右・円)

  • 図4・図5は日経平均株価データ、Bloombergデータ等を用いてSBI証券が作成
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