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2019-08-20 03:19:45

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  強気意見が大勢も、あえてリスク要因に耳を傾けると?

225の『ココがPOINT!』

2017/12/19

強気意見が大勢も、あえてリスク要因に耳を傾けると?

米国市場が高値更新を続ける中で、日経平均株価も年初来高値近辺の水準を回復しています。目先は23,000円が強い上値抵抗ラインになっていると考えられますが、株式市場では先行きを悲観する声はあまり聞こえないようで、むしろ強気意見が大勢を占めているように思われます。

しかし、今回の「225の『ココがPOINT!』」では、あえてリスク要因に耳を傾けてみました。2018年は米国の長短金利差の動きに加え、主要国の金利動向にも注意を払いたいと思います。

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23,000円の上値抵抗ラインに跳ね返され続ける日経平均株価

日経平均株価(図1)終値は12/11(月)に22,938円73銭となり、年初来高値を更新しました。12/8(金)に発表された米雇用統計(11月)で「雇用は強いものの、賃金上昇圧力は弱い」という米労働市場のトレンドに変化のないことが確認され、NYダウ(図2)が過去最高値を更新した流れを引き継ぎました。テクニカル的には、日経平均株価が25日移動平均線を長期間割り込むことなく、そこから短期間で切り返しに転じたこと、11/9(木)の高値示現から1ヵ月を経過し、重要日程もある程度消化したことから調整局面を脱した形になりました。

ただ、日経平均株価にとって23,000円は強い上値抵抗ラインとなっているようです。心理的な節目であることに加え、平成バブル高値である89年12月の38,915円から、バブル崩壊後安値である08年10月の6,994円までの下落幅に対し、半値戻しに相当する水準が22,954円とほぼ23,000円に近く、戻り売りが出やすい水準でもあるようです。12/12(火)から12/15(金)までの日経平均株価は、再び23,000円の上値抵抗ラインに跳ね返されたかのような形となり、4営業日続落となりました。共和党がアラバマ州の上院補欠選挙で敗北したことや、中国経済への不安等が悪材料視されました。

それでも、12/15(金)の米国株式市場では、財政改革法案に異議を唱えていた共和党議員が賛成に転じたことで、同法案の年内成立が濃厚になったことから主要株価指数が軒並み過去最高値を更新。それを好感した12/18(月)の日経平均株価は前日比348円高と急伸し、年初来高値水準に迫る22,901円77銭まで上昇しました。同日の米国株が続伸したことから12/19(火)の日経平均株価も買い先行となり、一時22,990円まで上昇したものの、その後は大きく伸び悩んでしまいました。日経平均株価が23,000円という上値抵抗ラインに跳ね返されたのはこれで4回目になっています。

もっとも、株式市場では先行きを悲観する声はあまり聞こえないようです。金融政策の「正常化」を進めるFRB(米連邦準備制度理事会)の「市場との対話」は今の所うまくいっており、米国経済は穏やかに拡大し、株式市場もそれを好感しているようです。これで税制改革法案が通れば、企業の予想EPS(一株利益)は拡大し、それが株高に結び付くと予想されます。日本株も米国株高を追い風にできることに加え、米税制改革が追い風になる企業もあり、企業業績の更なる拡大を通じて、株高持続の恩恵を受けると考えられています。基本的には、2018年も株高が進むと予想されます。

図1:日経平均株価(日足)〜23,000円の上値抵抗ラインに跳ね返され続ける日経平均株価

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2017/12/19現在

図2:NYダウ(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2017/12/18現在

図3:ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2017/12/19取引時間中
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当面のタイムスケジュール〜年内の重要日程はほぼ一巡へ

米国では現地時間12/13(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表され、政策金利(上限)が1.25%から1.5%に引き上げられました。しかし、市場で事前に予想されていた通りであり、株価への影響は限定的でした。それまで円安・ドル高気味の動きになっていた外為市場(図3)では、FOMC後に円高・ドル安方向へ振れ直すという動きがみられましたが、株式市場への影響は限定的であったように見受けられます。

続く12/14(木)にはECB(欧州中銀)理事会の結果が発表され、金融政策に変更はありませんでしたが、これも市場の予想通りの結果でした。また、12/21(木)には日銀金融政策決定会合が予定されていますが、ここでも政策変更のような大きな変化は起きないと市場は考えているようです。

表1にもあるように、日米欧の金融政策決定会合が終わると、年内にあまり重要なスケジュールは残されていません。その意味では、投資家にとってリスクが取りやすくなる時期であると考えられます。もっとも、海外投資家の多くがクリスマス休暇に入るとみられ、市場参加者が減少する可能性があります。すなわち、株式の注文が減り、市場の流動性が細る分、株価が大きく動く可能性はありますので、一応の注意が必要です。

表1:当面の重要なタイムスケジュール〜年内の重要日程はほぼ一巡へ

月日

国・地域

予定内容

ポイント

12/19(火) 米国 IFO企業景況感指数 約7千社のドイツ企業の現況・半年先景況感をアンケート
米国 11月住宅着工件数 市場コンセンサス(前月比)は-3.3%
12/20(水) 日本 11月訪日外客数 10月は259万5,200人(前年同月比21.5%増)
米国 11月中古住宅販売件数 10月は前月比+2.0%
12/21(木) 日本 日銀金融政策決定会合結果発表 政策変更はない見通し
米国 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 米国の企業マインドは?
12/22(金) 米国 11月耐久財受注(前月比) 米民間設備投資の先行指標
米国 11月PCEコア指数 10月は前年同月比+1.4%
米国 11月新築住宅販売件数 10月前年同月比+6.2%
米国 12月ミシガン大学消費者マインド指数(確報値)  
米国 2018会計年度予算の期限  
12/25(月) - ◎主要海外市場が休場 欧米、香港、シンガポールなど(クリスマス)
12/26(火) 日本 11月全国消費者物価指数 10月は前年同月比(生鮮食品を除く)+0.8%
日本 有効求人倍率/失業率 10月有効求人倍率は1.55倍(74/1=1.64倍以来の高水準)
日本 日銀金融政策決定会合議事要旨 10/31結果発表分
12/27(水) 米国 12月コンファレンスボード消費者信頼感指数  
米国 11月中古住宅販売成約指数  
12/28(木) 日本 日銀会合「おもな意見」 12/21発表分
12/29(金) 日本 大納会 終値は日経平均株価終値は19,114円37銭
12/31(日) 中国 12月製造業PMI 11月は51.8

表2:日米欧中央銀行会議の結果発表予定日

  2018年
日銀金融政策決定会合 1/23(火)、3/9(金)、4/27(金)、6/15(金)、7/31(火)、9/19(水)、10/31(水)、12/20(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 1/31(水)、3/21(水)、5/2(水)、6/13(水)、8/1(水)、9/26(水)、11/8(木)、12/19(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 1/25(木)、3/8(木)、4/26(木)、6/14(木)、7/26(木)、9/13(木)、10/25(木)、12/13(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀Webサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は現地時間を基準に記載しています。
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【ココがPOINT!】強気意見が大勢も、あえてリスク要因に耳を傾けると?

図4は米国の長短金利差と株価の関係をみたものです。赤丸で強調した部分は長短金利差がマイナスとなっている局面、すなわち長期金利が逆転している局面です。

一般的に、景気が順調に拡大している時、長期金利は短期金利よりも高くなりやすいので、長短金利差はプラスの値を取ります。しかし、長短金利が逆転している時は、市場が景気に対して自信をもてない時であると考えられます。

図4でも、長短金利逆転が起こっている赤丸の部分では株価下落局面が観察されます。したがって、もし2018年の米国市場で同様の事態が生じた場合、株価下落リスクが高まると予想されます。青丸は現在の「長短金利差と株価」です。幸い、プラスの値を取っていますので、過度の懸念は不要かもしれません。しかし、足元で米10年国債利回りはもみ合いを続ける一方、短期金利は上昇傾向が続いています。2018年は米金利動向から目を離せないとみられます。

なお、米国が政策金利引き上げを続ける一方で、欧州も量的緩和縮小を決めており、主要国の金融政策は出口戦略の過程にあるとみられます。このような局面では、自国からの資金流出を避けるべく、新興国の間にも利上げが増えてくる可能性があります。このように、世界的な金利の動きは2018年の世界市場をみる重要な鍵になりそうです。

図4 米長短金利差と株価(S&P500)

  • BloombergデータをもとにSBI証券が作成。米長短金利差は同国10年国債利回りから3ヵ月国債利回り(ジェネリック)を引いた数値。長短金利差、S&P500ともに月足データ。
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