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今年の米中IPO銘柄を振り返り、注目銘柄をご紹介!

2018/12/12
投資情報部 榮 聡

今回は米国および中国市場で新規上場した主要銘柄を振り返ってみました。今年の大型IPOには中国企業が多く、米国企業は小粒でした。一方、パフォーマンスは貿易摩擦が懸念された中国銘柄が低調で、米国銘柄には好調なものもあります。今後見直しが入る可能性を考え、今回は中国の注目銘柄をご紹介いたします。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(12/11) 52週高値 52週安値
中国鉄塔(00788) 1.28香港ドル 1.30香港ドル 0.99香港ドル
蔚来汽車(ニオ)Inc ADR(NIO) 7.08ドル 13.80ドル 5.35ドル
美団点評 B(03690) 52.50香港ドル 74.00香港ドル 49.45香港ドル
ピン多多 ADR(PDD) 20.81ドル 30.48ドル 16.53ドル
小米 B(01810) 13.38香港ドル 22.20香港ドル 11.40香港ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

12018年の米中IPO銘柄を振り返る

18年もあと3週間と押し迫ったところで、今回は今年上場した米国および中国のIPO銘柄を振り返ってみました。

図表2は、18年の1月〜11月に米国市場あるいは香港市場に新規上場した銘柄(当社が取り扱う銘柄に限る)を時価総額順に並べたものです。

今年の特徴としては、中国企業の大型IPOが多かったことがあげられます。時価総額7位までのうち、スウェーデンのスポティファイテクノロジーを除く6銘柄が中国企業となっています。

米国企業にはあまり大きな新規上場銘柄はなく、イーライリリーの動物向け医薬品事業を分離したエランコアニマルヘルスの時価総額が最大で8位に入っています。

公募価格に対する株価パフォーマンスを見ると、中国企業は総じて冴えません。公募価格の近辺で推移しているか、大きく下落したものも多くなっています。

米中貿易摩擦の影響が懸念されて、香港ハンセン指数は年初から一貫して下落基調を辿り、昨年末来の下落率が13%に達しています。さらに上海総合指数は21%の下落で、逆資産効果による消費への影響も出つつあり、中国銘柄の投資環境は良くありませんでした。

一方、米国の新規上場銘柄にはパフォーマンスが良いものもあります。エランコ アニマル ヘルス(ELAN)、ドキュサイン(DOCU)、セリディアン HCM ホールディング(CDAY)、Zスケーラー(ZS)、ガーダント ヘルス(GH)、アロジーン セラピューティクス(ALLO)などの上昇率は30%を超えています。

ヘルスケアやソフトウェアなど貿易摩擦に関連の薄いことが有利に働いたと見られます。これら好パフォーマンスの米国企業もいずれご紹介したいと思いますが、今回は時価総額が大きい中国企業を中心に次節でご紹介いたします。

5G関連の投資先として日本の投資家にも重要な意味があると考えられる中国鉄塔、他社との差別化が効いている高級電気自動車メーカーの蔚来汽車(ニオ)など特に注目できるでしょう。

図表2:18年の米中主要IPO(当社取扱銘柄)

市場

コード

銘柄名

主力事業

株価
(12/7)

公募価格

上場契約
発効日
(月/日)

時価総額
(12/7)
(億ドル)

香港

01810

小米 B(01810)

スマホ製造

13.64香港ドル

17香港ドル

07/09

435

香港

03690

美団点評 B(03690)

生活関連サイト

54.00香港ドル

69香港ドル

09/20

415

香港

00788

中国鉄塔(00788)

通信鉄塔運営

1.24香港ドル

1.26香港ドル

08/08

323

米国

SPOT

スポティファイ テクノロジー SA(SPOT)

音楽ストリーミング

135.31ドル

04/03

245

米国

PDD

ピン多多 ADR(PDD)

ネット通販

20.61ドル

19米ドル

07/25

228

香港

06862

海底撈國際(06862)

レストラン

17.22香港ドル

17.8香港ドル

09/26

137

米国

IQ

愛奇芸 ADR(IQ)

ネット動画

18.52ドル

18米ドル

03/29

134

米国

ELAN

エランコ アニマル ヘルス(ELAN)

ペット向け医薬品

33.57ドル

24米ドル

09/19

123

米国

DBX

ドロップボックス A(DBX)

ファイル共有ソフトウェア

21.51ドル

21米ドル

03/22

87

米国

NIO

蔚来汽車( ニオ ) Inc ADR(NIO)

電気自動車

6.99ドル

6.26米ドル

09/12

73

米国

DOCU

ドキュサイン(DOCU)

文書関連ソフトウェア

39.66ドル

29米ドル

04/26

66

香港

01833

平安健康医療科技(01833)

ヘルスケアサービス

34.90香港ドル

54.8香港ドル

05/04

53

米国

CDAY

セリディアン HCM ホールディング(CDAY)

人的資本管理ソフトウェア

38.22ドル

22米ドル

04/25

53

米国

ZS

Zスケーラー(ZS)

クラウドセキュリティ

40.39ドル

16米ドル

03/15

49

米国

PVTL

ピボタル ソフトウェア A(PVTL)

クラウドソフトウェア

17.75ドル

15米ドル

04/20

46

米国

BILI

ビリビリ ADR(BILI)

動画共有サイト

14.69ドル

11.5米ドル

03/28

41

米国

GH

ガーダント ヘルス(GH)

がんの診断技術開発

45.01ドル

19米ドル

10/03

39

米国

EAF

グラフテック インターナショナル(EAF)

黒鉛電極

12.68ドル

15米ドル

04/18

37

米国

PLAN

アナプラン(PLAN)

計画立案ソフトウェア

27.53ドル

17米ドル

10/11

34

米国

ALLO

アロジーン セラピューティクス(ALLO)

バイオ医薬品

26.28ドル

18米ドル

10/10

32

  • 注:18年1月〜18年11月に米国・香港市場に新規上場した時価総額上位の銘柄です。尚、スポティファイは、上場にともなう資金調達をしない「直接上場」という手法を使ったため、厳密には「IPO」ではなく、このため公募株価もありません。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2注目IPO銘柄のその後を追跡

  • ※当社のWEBサイトを通じてSBI証券が作成

5G関連で注目度が高い鉄塔会社

・中国の携帯電話基地局の運営会社です。日本の携帯電話基地局は通信会社自身の運営ですが、中国や米国には基地局を運営する専門企業があります。2014年7月に中国の大手通信3社が主要株主となって設立され、携帯電話基地局のシェアが97.3%に達する事実上の独占企業で、世界最大の基地局企業です。

・注目点は、今後利益率が改善する可能性です。図表3の通り、同社の営業利益率は米国の類似会社に比べると低いものの、EBITDA(利払い、税金、償却前利益)利益率は上回っています。設備の償却負担が低い営業利益率の要因であり、中国市場が成熟して減価償却費の比率が低下すれば利益率は上昇していくことが期待できます。尚、同社の事業内容について、より詳しくは、2018/8/7(火)掲載の「世界最大の携帯電話基地局運営会社「中国鉄塔」が香港市場に上場!!(8/8(水)予定)」をご覧ください。

・また、この銘柄は日本の投資家にとって特別な投資機会を提供すると考えられることにも注目できます。2018/11/28(水)掲載の「テクノロジー株の調整、「5G」関連銘柄を仕込むには良いタイミング!?」で指摘した通り、5G関連で恩恵が確実と期待されるのは鉄塔会社です。しかし、米国の鉄塔会社は「REIT」であるため新規の買い付けができず、これを代替する銘柄として注目できるでしょう。また、米中の貿易摩擦から遠い点も安心材料です。

図表3:類似会社との利益率比較(17年12月期)

 

中国鉄塔

アメリカンタワー
(AMT)

クラウンキャッスル
(CCI)

EBITDA利益率

58.8%

55.7%

52.5%

営業利益率

11.2%

30.0%

24.0%

純利益率

2.8%

18.6%

10.2%

  • 注:EBITDAは、利払い、税金、償却前利益で、営業利益率との差異は、減価償却費を含めるかどうかになります。
  • ※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※当社のWEBサイトを通じてSBI証券が作成

世界的に希少性のある電気自動車専業の上場企業

・2014年11月に創業した中国のEV(電気自動車)メーカーです。量産車の販売を始めたばかりのベンチャーですが、上海の本社のほか、自動車デザインはドイツのミュンヘン、自動運転技術の開発は米国のサンノゼ、フォーミュラE(電気自動車のレース)の本部はイギリスのオックスフォードと、世界トップレベルの自動車メーカーを目指す態勢となっています。また、人工知能・自動運転の技術をもつバイドゥ、画像処理半導体のモービルアイ(インテル傘下)、世界最大の電気自動車用電池メーカーのCATLなど業界の先端企業とも提携関係にあります。

・注目ポイントは、(1)中国は世界のEV市場の54%を占め、今後も最大であり続けると考えられますが、その中国を母国市場とすること(図表4)、(2)中国にはEVに参入しているメーカーが何十社もありますが、プレミアム市場をターゲットとする唯一の国内メーカーとして差別化できていること、です。尚、同社の事業内容について、より詳しくは、2018/9/6(木)掲載の「中国の高級EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」が米国市場に新規上場!!(9/12(水)予定)」をご覧ください。

・株価は上場直後に大口投資家の取得が報道されて大幅に上昇しましたが、その後は6〜8ドルのレンジでもみ合っています。世界市場を見渡してもEV専業で上場しているのはテスラと同社のみで、株式市場で希少性があるため世界の投資家が投資を検討する対象になっていると考えられます。

図表4:世界の電気自動車の市場

  • 注:予想は調査会社のFrost&Sullivanによります。
  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成
  • ※当社のWEBサイトを通じてSBI証券が作成

積極的な事業展開が目立つインターネットサービス企業

・美団点評は中国のインターネットサービス企業で、2010年創業で中国最大のクーポン共同購入サイト「美団」と、2003年創業で中国最大の口コミサイト「点評」が2015年に合併してできた会社です。消費者が求める情報をサイトで提供することで各種サービスの購入に繋げています。2017年の部門別売上高は、フードデリバリーが62%、店舗販売・ホテル・旅行が32%、その他が6%を占めます。

・2017年には中国2,800都市の440万の事業者が同社のサイトに参加、3.1億人のユーザーが58億件の取引を行い総取引額は3.57兆人民元(約58兆円)に達しています。中国の消費者に浸透していると言えるでしょう。また、18年4月に中国最大の自転車シェアシステムのモバイクを27億ドルで買収したほか、滴滴出行(ディディ・チューシン、Didi Chuxing)のような配車サービスにも展開しようとしており、消費者の日常生活に係るインターネットサービスへの積極的な展開が目立ちます。

・18年7-9月期は、総取引額が前年同期比40%増加し、さらに収益化率(マネタイゼーション・レート)が9.3%から13.1%に上昇したことで、売上が191億人民元、前年同期比97%増と高成長が継続しています。18年12月期、19年12月期は営業赤字継続ですが、20年12月期には黒字転換が予想されています。

図表5:ユーザー数とユーザー当たり年間取引数

  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成
  • ※当社のWEBサイトを通じてSBI証券が作成

斬新なビジネスモデルで注目を集める

・ピン多多(ピンドォドォ、Pinduoduo)は、中国のECサービスを展開している企業です。元Googleのエンジニアであるコリン・フアン氏が2015年に設立した会社でわずか3年でナスダックに上場、テンセントから出資を受ける「テンセント銘柄」のひとつでもあります。「ピン」は日本では使われない漢字ですが、「まとめる」という意味です。

・同社が運営する共同購入のプラットフォームでは「一人で購入すると高いが、複数人で購入すると安くなる」ため、ユーザーは商品を買う前に、SNSを利用して同じ商品が欲しい人を探して「一緒に買いませんか」と誘うことができます。ユーザーに他の購入者を探させ宣伝させる「ソーシャルEコマース」の仕組みを立ち上げ、商品を安く購入できる上、SNSの楽しさを同時に提供しています。

・図表6の通り、同社の総取引額は急成長が続いています。18年6月から9月にかけて、過去12ヵ月の総取引額が3,448億人民元へ32%増加、ユーザー数が3.86億人へ12%増加、ユーザー当たり年間支出額が894.4人民元へ17%増加しています。売上は33.7億ドルへ前年同期比8.0倍と急増、一方マーケティングや研究開発費用も大幅に増やしているため、調整後営業利益の赤字幅は7.9億ドルと前年同期比拡大しています。

図表6:総取引額の推移(各月までの過去12ヵ月間)

  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成
  • ※当社のWEBサイトを通じてSBI証券が作成

スマホ主体からインターネット・IoT企業への進化を目指す

・中国のスマホメーカーです。2010年の創業ですが、スマートフォン市場で短期間のうちにシェアを獲得、17年10-12月期にはアップル、サムスン電子、ファーウェイに次ぐ世界シェア7.2%の4位に位置する大手に台頭しました(図表7)。スマホの利益率を低く抑えることで、顧客を増やしてIoTとインターネットを2つの柱に育てていく戦略です。

・IoTに関しては、自社開発のスマートTV、ノートパソコン、AIスピーカー、スマートルーターのほか、パートナー企業の開発による機器を含みます。インターネットについては、スマホをはじめとするハードウェアによってユーザー基盤を構築して、そこにインターネットサービスを展開する意向です。売上の構成比は低いものの、売上総利益では39%を占めています。同社が自身を「インターネット企業」と呼ぶのも、この辺りが理由になっていると見られます。尚、同社の事業内容について、より詳しくは、2018/7/3(火)掲載の「中国の世界的スマホメーカー、小米(シャオミ)が香港市場に上場!!(7/9(月)予定)」をご覧ください。

・同社をスマホメーカーと評価するか、インターネット企業として評価するかで妥当株価には大きな格差が生じると考えられます。公募価格はインターネット企業よりのバリュエーションでしたが、市場の評価はいまのところ、そうではないということでしょうか。足もとでは、米中貿易摩擦の影響が懸念されており、ハードウェア主体の企業は買いにくいということも株価低迷の要因と見られます。

図表7:スマホのシェア(17年10-12月期、出荷台数)

企業

世界

中国

インド

順位

シェア

順位

シェア

順位

シェア

シャオミ

4位

7.2%

4位

13.9%

1位

26.8%

アップル

1位

19.7%

5位

12.9%

9位

2.8%

ファーウェイ

3位

10.7%

1位

21.3%

15位

0.8%

レノボ

8位

3.1%

26位

0.1%

4位

5.6%

オッポ

5位

6.9%

2位

17.5%

5位

4.9%

サムスン電子

2位

18.9%

9位

1.0%

2位

24.2%

ビボ

6位

6.0%

3位

16.5%

3位

6.5%

  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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