プレスリリース
各 位
株式会社SBI証券
「証券コンソーシアム 売買審査AI適用サブワーキング」の活動成果のご報告
〜ホワイトペーパーおよび試行検証結果報告書の公表〜
2019年12月10日
株式会社SBI証券(本社:東京都港区、代表取締役社長:村正人、以下「当社」)は、証券および証券関連業界が一丸となり設立された「証券コンソーシアム」の活動の一環である「共通事務ワーキンググループ 売買審査AI適用サブワーキング」に参加し活動してまいりました。本活動の活動成果についてご報告すると共に成果物を公表いたします。
「売買審査AI適用サブワーキング」(以下、「本サブWG」)は、当社がリーダー企業となり、非競争領域である売買審査業務において、証券およびベンダー各社が協働して、様々な不正に対して迅速かつ高度な審査業務を実現し、ひいては市場の公正性・透明性を向上させ、顧客が安心して取引可能な環境創りに貢献することを趣意とし、「共通事務ワーキンググループ」の第一弾として2019年2月より活動を行ってまいりました。
本サブWGは参加企業29社が、参加各社の有する知見と技術を結集し、以下の3テーマを掲げ検討してまいりました。
(A)売買審査業務におけるAI適用検討のホワイトペーパー策定
現在、証券会社の売買審査業務は審査担当者の高齢化や人材不足などの課題を抱えています。一方で、2018年に日本取引所自主規制法人がAIを活用した売買審査を開始したように、今後、証券会社の売買審査業務においてもAI活用の検討が進むと想定されます。売買審査業務でのAI活用は、今まで人が行っていた売買審査業務の一部をAIが担うことで、複雑なケースや新たな不正手口の対応など、人でしか行えない事案の対応への時間捻出が期待されます。
このような中、本サブWGでは、今後、証券会社が売買審査業務にAI活用を検討する際に拠り所となるような方針を作成する必要があると考え、売買審査業務にAI活用を検討する際の方針や業務利用上における注意点を検討しホワイトペーパーとしてまとめました。
(B)過去の売買審査結果を学習したAIモデルを利用しての試行検証
本サブWGでは、同一の売買審査AIモデルを複数社で利用する事の可能性の有無を、過去の売買審査結果を学習したAIモデル※に、売買形態や顧客属性の特質が違う証券会社7社の実データを適用し、検証を行いました。
試行検証を実施した手口においては、売買審査業務におけるAIの有用性を確認し、複数社で同一の売買審査AIモデルが利用できる可能性を確認することが出来ました。
※当社の過去の取引データおよび不公正取引の判定結果を学習データとした日本電気株式会社のAIモデル
(C)複数社に跨る不公正取引検知の実現に向けた論点整理
現状、複数社に跨る不公正取引は証券会社単独では検知することが難しいことから、日本取引所自主規制法人の実態説明によって認知し、証券各社にて対応する運用となっています。しかしながら、現在の仕組みでは認知・対応に時間を要することなどから、それらの改善策として、証券会社横断の事業体による課題解決という視点から、実現に向けた論点の整理を行いました。本テーマの検討の過程においては、日本取引所自主規制法人とお互いの課題認識について意見交換を行い、建設的な議論を行う事が出来ました。
なお、本テーマについてはAI適用に関わらず、業界としての課題解決の観点で検討を行いました。
本サブWGでは各社が抱えていた課題を共有し、共通認識をもって各テーマに対して検討を行ってまいりました。今回の活動にとどまることなく、今後もこの様な活動の必要性を感じております。
引き続き、様々な不正に対して迅速かつ高度な審査業務の実現に向け、証券および証券関連業界が一丸となり努力してまいります。
【関連資料】
参加企業一覧(五十音順、敬称略)
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 |
日本証券金融株式会社 |
SMBC日興証券株式会社 |
日本電気株式会社 |
SCSK株式会社 |
日本電子計算株式会社 |
株式会社SBI証券 |
野村證券株式会社 |
SBI Ripple Asia株式会社 |
株式会社野村総合研究所 |
岡三オンライン証券株式会社 |
野村ホールディングス株式会社 |
GMOクリック証券株式会社 |
株式会社日立製作所 |
株式会社証券ジャパン |
松井証券株式会社 |
株式会社スマートプラス |
マネックス証券株式会社 |
株式会社ソルクシーズ |
丸三証券株式会社 |
株式会社だいこう証券ビジネス |
みずほ証券株式会社 |
大日本印刷株式会社 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 |
大和証券株式会社 |
楽天証券株式会社 |
東海東京証券株式会社 |
他 |
東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社 |
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