来週の株式見通し(2022/6/27〜7/1)
来週(2022/6/27〜7/1)の日経平均株価の予想レンジは26,000円〜27,000円。米国株式市場の急反発は見込みづらいが、円安や原油相場の調整を背景に日本株優位の展開か。半導体関連を中心にハイテク株や主力株の一角に売りが目立つが、内需株シフトが支えになりそうだ。小売企業の決算もあり、国内消費の回復度合いをはかるバローメータになる。
月末、四半期末、月初を含む週でポジション調整やリバランスが意識されやすいことや、3月期決算企業の配当支払いがピークを迎え、需給面での注目の週となる。市場推計では来週の配当金支払い総額は約3兆円規模に達するという。すべてが再投資にまわることはないが、米国株上昇の追い風などがあれば、再投資効果を材料に買い物が増加する可能性はある。6月最終週は比較的勝率が高い(上昇)こともアノマリーとして有名だ。
経済指標では、米6月消費者信頼感指数(6/28)、中国6月製造業PMI、米5月個人所得・個人消費支出(6/30)、6月日銀短観、中国6月財新製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数(7/1)など注目材料が多い。
日経平均株価(図表1)は3/9安値(24,681円)を起点に5/12安値(25,688円)を通る右上がりの抵抗線を前に伸び悩む展開となっている。一方、5日移動平均線(26,060円 6/23)上を保っており、同線の上向きへの変化を通じて抵抗線を上方に抜け出せるかが焦点となる。できるだけ早く25日移動平均線(26,987円 同)上に回復できるかが、相場の安定には欠かせない。
一方、ここから反発基調が続く場合でも、当面は200日移動平均線(27,888円 同)付近や、6/13の急落で形成したマド埋め水準(27,795円)を上限とした保ち合い相場にとどまる可能性が高いとみられる。
6/20安値(25,520円)を下回ると、3月安値水準まで下落余地は拡大する。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/7/1-2022/6/23)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、日銀金融政策決定会合の「主な意見」(6/16〜17開催分)(6/27)、5月商業動態統計(6/29)、5月鉱工業生産、5月住宅着工統計(6/30)、5月失業率、5月有効求人倍率、6月都区部消費者物価指数、6月日銀短観(7/1)がある。
国内企業の決算発表では、しまむら、壱番屋、オークワ、あさひ(6/27)、スギHD、ハローズ、パイプドH、ピックルス、銚子丸、ヒマラヤ、NaITO、パレモ・HD(6/28)、ナガイレーベン(6/29)、Jフロント、ダイセキ、高島屋、DCM、平和堂、WNIウェザー、ケーヨー、スターマイカHD、マルマエ、ダイセキソリュ、三陽商、FフォースG、セキチュー、ソーバル、識学(6/30)、ニトリHD、アスクル、象印、トシンG、霞ヶ関キ(7/1)
が予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米5月耐久財受注(6/27)、米4月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米6月消費者信頼感指数(6/28)、米1-3月期GDP確報値、NATO首脳会議(〜6/30)(6/29)、中国6月製造業PMI、米5月個人所得・個人消費支出(6/30)、中国6月財新製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数(7/1)などがある。
来週の注目銘柄!(6/27〜7/1)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2378 | 1,300 | 850 | プール、スタジオを備えた総合型フィットネス施設運営。介護リハビリ施設も展開している。2023年3月期の見通しで業績改善基調に変化なしとの見方が強い。株価は5月に底打ち反転となり、緩やかな上昇局面にある。世界的に株式市場が不安定となっているだけに、持ち直す局面でも業績回復の確度が高い銘柄の方が選好されやすいと想定。外部環境の弱材料には一定の耐性を示し、底堅く推移する公算が大きい。2020年以降の底値圏にある点から、中期スタンスでもうま味のある局面だ。アフターコロナ関連銘柄。ターゲットは1,300円、ロスカットは850円 | |
4979 | 2,200 | 1,300 | 農薬と肥料の製造開発を手がける。世界的な原材料高や需給ひっ迫により、農薬と肥料価格も上昇。1Q時点で通期業績予想を上方修正しており、5/31にはJA全農が一部品目を最大で前期比94%値上げすると発表した。同社製品も国内外で好調に推移しており、国産農薬の強い需要継続でさらなる業績上振れが期待できる。株価は上記の1Q決算と上方修正(5/11発表)が好感され、6/8には高値1,919円を付けた。地合いの悪化を受けて調整局面にあるが、押し目買いに注目したい。好業績を支えに2018年以来の2,000円台到達をめざすと予想する。ターゲットは2,200円、ロスカットは1,300円 | |
6078 | 1,600 | 1,225 | 企業や健康保険組合を中心に健康管理関連の業務を展開する。株価は5月中旬以降は横ばい圏で推移していたが、6/17に値幅を伴った上昇となり、直近5/24に上を試した際につけた高値1,336円を超えてきた。一目均衡表では、雲がねじれるタイミングで一気に抵抗帯(雲)上に浮上している。週足では実体の長い陽線を形成し、13週移動平均線や26週移動平均線をまとめて上に抜けてきた。今年3月に上場来高値を更新しており、長期では右肩上がりのトレンドは崩れていない。日柄での短期調整が一巡し、上昇基調に回帰する展開を予想する。ターゲットは1,600円、ロスカットは1225円 | |
7157 | 1,020 | 610 | インターネット専業生保の草分け。今期2桁増収を見込むが、成長投資費用がかさむため最終赤字が続く見通し。直近2022年5月末の保有契約の年換算保険料は、前年同月比14%増と順調。昨今では値上げラッシュによる家計圧迫が取り沙汰されることも多く、同社の保険商品は低価格とわかりやすさに定評があることから、保険の見直しによる顧客流入の加速も期待できる。株価は2021年に入ってから下落が続いていたが、今年4月末から徐々に買い戻される展開。5月半ばには一目均衡表の抵抗帯(雲)を上抜け、25日移動平均線の上向き基調が続いている。6/20には軟調な地合いのなかで陽の丸坊主を形成しており、騰勢を強める展開を予想する。ターゲットは1,020円、ロスカットは610円 | |
8462 | 1,000 | 640 | 独立系ベンチャーキャピタル。金融機関との連携や投資のうち半分がIPOしなくても回収できる仕組みを構築するなど、独自のビジネスモデルを展開している。事業の特性上、今期の予想は開示していないが、前期は大幅な最終増益となった。6/6には1Q(4-6月)に関係会社株式売却益として約2.8億円を計上すると発表。増配や自社株買いなどの株主還元を検討すると説明しており、今後の期待が高まる。6/14は大引け後に大量保有報告書が提出され、同社に株主提案をしているファンドの買い増しが判明した。株価は高値圏でもみ合い局面であり、再度騰勢を強める展開を予想する。ターゲットは1,000円、ロスカットは640円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・6/22現在、東証プライム銘柄・スタンダード銘柄で時価総額が1,000億円以下、PBRが7.0倍以下、今期増収予想(日経)の中から、テクニカル面や成長性、話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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