来週の株式見通し(2022/6/20〜6/24)
来週(2022/6/20〜6/24)の日経平均株価の予想レンジは25,500円〜26,500円。株価反転につながる期待材料に乏しいが、自律反発の週となりそうだ。引き続き外部環境に左右される地合いが続こうが、日米の金融政策イベントが通過することで為替市場の変動も落ちつくことが予想される。個別株ベースでも押し目買いで下げ渋る銘柄が増える公算が大きい。経済再開や通信などディフェンシブ関連は指数とは違った動きがイメージされ、全体的には出遅れ物色も意識されることから、米国株との相対的な底堅さは保たれることが予想される。目先の値動きや外部環境に一喜一憂することなく、我慢が必要な正念場だろう。米国市場ではダウ平均が3万ドルを下回ったが、新型コロナショック前の高値(29,551ドル)の支持線がまもなく意識されそうだ。
日経平均株価(図表1)は6/9高値(28,389円)をつけた直後から急反落となり、5/12安値(25,688円)に迫る値崩れを起こしている。6/16は5日ぶりの上昇となったが、直上のマドを完全に埋めきれず、75日移動平均線(26,857円 6/16)なども上値抵抗として意識された。6/17は一段安となり、5/12安値が通る支持線まで下落幅が拡大した。
一方、ストキャスティクスなどは短期売られ過ぎの水準にあり、いったん反発局面を迎える可能性が高い。目先的には、3/9安値(24,681円)を起点に5/12安値(25,688円)を通る右上がりの抵抗線が上値を抑えるフシとなるが、5/12安値を下回らずに25日移動平均線(27,092円 同)上に回復できるかが当面の焦点となる。
ただ、6/9高値からの下落幅が短期間で大きく、早々に高値を上抜けていくイメージは持ちづらい。ここから反発基調になった場合でも、当面は200日移動平均線(27,929円 同)付近や、6/13の急落で形成したマド埋め水準(27,795円)を上限とした保ち合い相場になっていく可能性の方が高いとみられる。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/7/1-2022/6/16)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、日銀金融政策決定会合議事要旨(4/27〜28開催分)(6/22)、5月全国消費者物価指数(6/24)がある。
国内企業の決算発表では、ツルハHD(6/21)が予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、米5月中古住宅販売(6/21)、米1-3月期経常収支、EU首脳会議(〜6/24)(6/23)、独6月Ifo景況感指数、米5月新築住宅販売(6/24)などがある。
なお、6/20の米国市場はジューンティーンスの振替休日のため休場となる。
来週の注目銘柄!(6/20〜6/24)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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3401 | 1,620 | 1,330 | 合成繊維の大手。2023年3月期の通期連結営業利益は500億円(前期比13.1%増)を見込む。マテリアルでの堅調な需要継続と生産能力増強の投資効果が寄与するもよう。株価は長く下げトレンドが続いている。一方、今年3/9に1,251円まで下げた後は、約3カ月間、安値を更新していない。4月の安値は1,286円、5月の安値は1,295円と下値を切り上げており、日柄・値幅ともに調整が十分進んだ可能性が高い。週足では、5月に26週移動平均線を上回る場面があったが、この時はそれが久々であったこともあり、戻り売りに上値が抑えられた。26週移動平均線は横ばい、13週移動平均線は上向きに転じつつあり、5月の時よりもチャートの形状は良好だ。昨年2月高値(2,076円)から今年3月安値(1,251円)までの押しの半値戻し狙いで挑みたい。ターゲットは1,620円、ロスカットは1,330円 | |
6036 | 4,050 | 2,890 | カーコーティングに強みを持つ。5/26の「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)で特集されており、そこではコーティング技術の高さや、お風呂の浴槽コーティングなどにも同社の製品が使われていることが紹介された。6/1に月次を公表しており、放映後の反響もかなり大きいとのこと。今後の月次にも好影響が見込まれる。株価は不安定な相場環境の中でも、6/6には年初来高値を更新。経済活動が正常化に向かう中では自家用車の使用も増えるし、クルマをキレイに保ちたいというニーズも高まる。業績拡大期待を背景に、上昇基調の継続を予想する。ターゲットは4,050円、ロスカットは2,890円 | |
6905 | 1,100 | 760 | 産業機器向けスイッチング電源の標準品で国内2位。6/15の場中に決算を発表。前期は計画を上振れたほか、今期の営業利益はコロナ前(2019年5月期)に近い水準まで回復する見通し。同日の終値811円で見るとPERは前期予想で約18倍だったが、今期予想では約12倍に下がる。前述の決算発表を好感し、6/15は25日移動平均線付近で推移していた株価が上放れの兆候を示した。これによって75日移動平均線をブレイクアップ、6/16は200日移動平均線に突っかける動きとなった。一目均衡表の抵抗帯(雲)も再び上抜けてきており、業績の回復傾向を好感した買いが続くと予想する。ターゲットは1,100円、ロスカットは760円 | |
8304 | 3,000 | 2,540 | 旧日本債券信用銀行。事業再編など専門的な投融資に強みがあり、GMOとの共同出資によるネット銀行をもつ。米国を中心とした金利水準の上昇により収益環境の改善が見込めるほか、配当利回りも6%近くメガバンク3行を上回る。数少ない年4回配当を実施しており、6月の権利を控えていることから他行と比べて時期的にも買われやすいと考える。 株価は今年度に入ってからは4/8安値2,520円から徐々に下値を切り上げる展開。5月後半からは200日移動平均線から浮上してきており、25日移動平均線も上向いてきている。高利回りを狙った買いにより、不安定な環境下において今後も堅調に推移すると予想する。ターゲットは3,000円、ロスカットは2,540円 | |
8830 | 4,100 | 3,250 | 総合不動産最大手級。FOMCを通過して米国の長期金利は大きく低下した。FOMCのイベント通過で債券市場も落ち着きを取り戻すと見込まれる。金利低下を受けて米国では不動産株に資金が向かっており、国内不動産株にも好影響が及ぶと予想。大手不動産株に比べて出遅れ感も強い。5月後半から6月前半にかけては強い動きがみられており、6/10には年初来高値を更新している。下方には25日移動平均線が控えている。週足の13週・26週移動平均線が25日移動平均線近辺に位置しており、強いサポートになることが期待できる。短期調整は一巡し、上昇再開の展開を予想する。ターゲットは4,100円、ロスカットは3,250円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・6/16現在、東証プライム銘柄で時価総額が300億円以上、信用倍率が10.0倍以下(6/10現在)、今期増収・増益予想(日経、経常)、株価が25日・75日・100日移動平均線を上回っている中から、成長性、話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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