来週の株式見通し(2022/4/25〜4/29)
来週(2022/4/25〜4/29)の日経平均株価の予想レンジは26,800円〜27,500円。東京株式市場は神経質な展開か。4/22の米国株式市場の動向や、フランス大統領選の決選投票の結果に影響を受ける可能性がある点が週初の留意点となる。一方、週後半からは主に3月期決算企業の業績発表が本格化することで、個別物色の様相が強くなりそうだ。ゴールデンウィーク(GW)前で様子見ムードが強くなりやすい。
米国では相場に影響を与える主要企業の決算発表が多数あるほか、後半には日銀金融政策決定会合(〜4/28)の結果や黒田日銀総裁会見などが控えている。為替市場はさることながら株式市場もGWを前に手控え要因になることが予想され、指数は方向感が出づらい環境が予想される。
一方、国内でも企業の決算発表が本格化する。相場全体の地合い改善と合わせ、ガイダンス(企業が公表する今年度の業績見通し)リスクが和らぐかが焦点となる。
また、このところ連続しているわけではないが、三連休を前にした月末安も警戒要因となる。業種面の物色では、今月に入って相対的に買われている鉱業や水産・農林、電気・ガス、医薬品などの銘柄にポジション調整の売りがかさむ可能性がある一方、最も売られている海運や電気機器、空運などに買い戻しが入る展開が予想される。
ちなみに、1年前のGW前の週は木曜が昭和の日の休場だった。この近辺に米国の重要イベントが集中していたこともあり、中盤までは不安定な地合いが続いた。個別の物色は賑わったが、週初からエムスリーが決算を受けて急落したことで、業績期待の高い銘柄に対しては警戒感が強まった。米国株はFOMCやバイデン議長の施政方針演説などを大きな波乱なく通過した。ただ、アップルが好決算を受けても好反応が限られたことや、良好な経済指標が米長期金利の上昇を促したことなどは懸念材料となった。休場明けの4/30は、長期休場を前に手仕舞い売りが優勢となり、日経平均は節目の29,000円を大きく割り込んで週を終えた。
日経平均株価(図表1)は4/21までに3日続伸。強気の陽線を形成し、上向き基調にある25日移動平均線(27,371円 4/21)を終値ベースで上回った。4/12安値を起点とした二段上げ目の上値試しの動きである。
RSI(9日)は56.9%→60.8%(4/21)に上昇。前日に50%超えの強気局面入りとなり、上昇が続いている。一目均衡表の基準線(26,904円 同)の上昇も続く見込み。
短期的な上値メドとしては、昨年9/14高値(30,795円)を起点に11/16高値(29,960円)を通る右肩下がりの上値抵抗線、200日移動平均線(28,119円 同)、3/25高値(28,338円)、1/5安値(29,204円)など。下値メドは、10日移動平均線(26,980円)、4/18安値(26,571円)、4/12安値(26,304円)、1/27安値(26,044円)、心理的フシとなる(26,000円)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2022/4/21)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、3月失業率、3月有効求人倍率(4/26)、日銀金融政策決定会合(〜4/28)(4/27)、3月鉱工業生産、3月商業動態統計、3月住宅着工統計、黒田日銀総裁会見、日銀が経済・物価情勢の展望を公表(4/28)がある。
国内企業の決算発表では、中外薬、JSR、コーエーテクモ、キヤノンMJ、キヤノン電、不二家、日車輌(4/25)、ファナック、キヤノン、JR東海、シマノ、野村HD、オムロン、日東電、JPX、大ガス、日立金、野村不HD、相鉄HD、アマノ、コメリ、信越ポリ、アイチコーポ、ゲンキードラ、東エレデバ、モーニングスタ、NECキャピ、トーメンデバ、JFE−SI、エステー、マクアケ(4/26)、キーエンス、OLC、信越化、第一三共、アステラス薬、エムスリー、JR東日本、NRI、アドバンテ、キッコーマン、大和証G、マキタ、関西電、ZOZO、東ガス、ヒューリック、小林製薬、積水化、イビデン、サイバエージ、小糸製、日立建、住友林、日野自、ゼオン、邦ガス、松井証、アサヒHD、MARUWA、航空電、マネックスG、四国電、フューチャー、東海理化、沖縄セルラー、Vコマース、インフォコム、SHOEI、北陸電、メタウォーター、ストライク、日本エスコン、岡三、西部ガスH、トランコム、大阪製鉄、コネクシオ、山洋電、SBテクノロジ、太平洋、カワチ薬品、ユアテック、愛三工、神奈交、未来工業、ピーシーエー、東京エネシス、丸三証(4/27)、デンソー、村田製、JT、ZHD、三菱電、コマツ、豊田織機、京セラ、レーザーテク、豊通商、SGHD、NEC、MonotaRO、JR西日本、ANA、アイシン、商船三井、中部電、大東建、TOTO、CTC、小田急、新電工、エプソン、SCSK、LIXIL、東武、日本M&A、京成、日立物、ガイシ、メルカリ、九州電、特殊陶、ナブテスコ、スタンレ電、テクノプロHD、東北電、ポーラオルHD、トヨタ紡織、山崎パン、中国電、きんでん、SMS、カゴメ、ジェイテクト、南海電、三菱倉、日電硝、ネットワン、NESIC、アルプスアル、ISID、マブチ、エフピコ、大和工、豊田合、アンリツ、八十二、コクヨ、九電工、アイカ工、日ガス、太陽HD(4/28)などが予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、フランス大統領選決選投票(4/24)、独4月Ifo景況感指数(4/25)、米3月耐久財受注、米2月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米4月消費者信頼感指数、米3月新築住宅販売、米2年国債入札(4/26)、米3月NAR仮契約住宅販売指数、米5年国債入札(4/27)、米1-3月期GDP速報値、米7年国債入札(4/28)、中国財新4月製造業PMI、ユーロ圏1-3月期GDP、米3月個人消費支出・個人所得(4/29)などがある。
米企業の決算では、コカコーラ(4/25)、アルファベット、マイクロソフト、ビザ、ゼネラル・エレクトリック、UPS、テキサス・インスツルメンツ、ゼネラルモーターズ(4/26)、メタ・プラットフォームズ、ボーイング、クアルコム、フォード、クラフト・ハインツ(4/27)、アップル、インテル、マスターカード、アマゾン・ドットコム、メルク、ツイッター、メルク、キャタピラー、ギリアド・サイエンシズ(4/28)、シェブロン、エクソン・モービル(4/29)などが発表を予定している。
来週の注目銘柄!(4/25〜4/29)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
---|---|---|---|---|
2157 | 1,050 | 650 | 「カラオケまねきねこ」を展開。コロナ禍では業績に大きく影響を受けた。4/13に発表した2022年8月期の上期(9-2月)の連結営業損益は2.8億円(前年同期は26.4億円の赤字)と、上期の会社計画0.3億円の黒字を上振れた。世界情勢の不安定化や原材料高などによる下方修正リスクがある中、本業となる通期営業損益予想は27億円の黒字を維持しており、決算発表後は安心感から株価が大きく上昇した。昨年と比べて人流も目に見えて回復しており、今後の業績の回復ペースも早まるとみる。株価は2020年2月以降、新型コロナの影響を受けて暴落し、その後は戻り基調が続いている。決算を好感した上昇で昨年11月高値763円を更新しており、右肩上がりの戻りが続く確度が高まった。ターゲットは1,050円、ロスカットは650円 | |
6506 | 5,200 | 4,210 | 独自制御技術でサーボモーターとインバーター世界首位。4/8に発表した本決算は営業利益ベースで着地は計画未達も、今期の見通しは大幅増益と強弱入り交じる内容。株価は発表を受けても方向感が定まらず、もみ合い基調が続く。ただ、今期の見通し720億円(前期比36%増)は前期の従来計画580億円を基準にしても前期比24%増と、海外要因の不透明材料が山積する中ではアグレッシブなものとなっている。3月中旬ごろに下値固めをした水準を意識して下げ渋っているようにも見え、次第に押し目買いが強まると上昇再開が期待できそうだ。3/23の戻り高値5,010円を上回ると中期スタンスでも面白い。ターゲットは5,200円、ロスカットは4,210円 | |
7713 | 1,900 | 1,425 | 研究開発用や製造用レーザーが主体。4/12に発表した2022年5月期の3Q累計(6-2月)の連結営業利益は11.3億円(前年同期比60.8%増)となり、通期計画に対する進ちょく率も82.5%と順調。電子部品・半導体業界向けのレーザー加工機などが好調となったことが寄与した。今後は半導体などの精密分野だけでなく、宇宙航空分野でのさらなる活躍にも期待がかかる。同社の光学部品は、その高い品質からNASAの火星探査機にも採用されている。移動通信関連の業界団体であるGSMAの発表によれば、2025年には世界の5G接続数が20億に届くという。今後、5Gを活用した衛星通信サービスが本格化するにつれて、同社への注目度も高まる公算が大きい。株価は3/9安値1,382円を起点とした上昇が一服し、押し目買いの好機とみている。ターゲットは1,900円、ロスカットは1,425円 | |
8308 | 660 | 534 | 2022年3月期の連結純利益予想は1,450億円(前の期比16.5%増)を見込んでいるが、3Q累計の着地は1,265億円。進捗率は87.3%と高く、本決算は計画上振れの公算が大きい。前年4月の米長期金利は1.6%台だったが、足元は2.8%台にまで上昇。利ザヤ拡大は今期の業績にとってプラスに働く。また、同社は2020年度〜2022年度の中期経営計画において総還元性向を40%台半ばまで引き上げることをめざしており、今期のガイダンス発表とともに増配や自社株買いなどの株主還元策にも期待できる。株価は堅調だ。2月や3月の高値を上抜けてきており、上値余地は拡大した公算が大きい。2018年1月高値(734.4円)を目指すだろう。ターゲットは660円、ロスカットは534円 | |
8572 | 420 | 309 | 三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社。消費者ローン専業最大手の一角である。同社は4/20、2022年3月期の通期連結純利益予想を従来の610億円から557億円(前期比29.4%減)に引き下げると発表した。市場コンセンサスは469.0億円。下方修正ながらも市場コンセンサスを上回ったことで市場は買いで反応。4/21の株価は1/12の戻り高値350円を上回る展開となった。2021年3月高値546円を起点とした下落相場は上昇相場に転換した可能性が高く、しばらくは上値追いが期待できそうだ。PERは10倍割れ、PBRは1倍程度とバリュエーション面でも下値不安は乏しい。ターゲットは420円、ロスカットは309円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・4/20現在、東証プライム銘柄かスタンダード銘柄、時価総額が2兆円以下、PERが23.0倍以下、PBRが5.0倍以下、25日移動平均線が上向きである中から、成長性や話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
- ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。