来週の株式見通し(2022/1/11〜1/14)
来週(2022/1/11〜1/14)の日経平均株価の予想レンジは28,300円-29,000円。米長期金利の動向に神経質な米株式市場の動向次第だろうが、不安定な値動きや投資家心理が続きそうだ。米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げとバランスシートの縮小開始観測を受けて、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む3月会合での0.25%の利上げ決定確率は約80%となり、米10年債利回りは昨年3月につけた1.74%台に迫る勢いだ。
年明けは米金利上昇を背景に高PERのグロース株の急落が目立っているが、特に個人投資家の売買が中心のマザーズ市場の崩れが大きく、米NASDAQの混乱が続くようだと下値模索が続く公算が大きい。
一方、小売や外食関連に加え、小型株の決算発表が多くなる。期待値の低さは織り込みながらも、さえない内容には売り圧力が強まる展開が予想される。
新型コロナウィルス感染者が再び増加している一方、リスクオンに切り替わる可能性が高いイベントもなく、しばらくはディフェンシブ業種や大型バリュー株中心に安定志向の選別物色が続こう。ドル円相場が1ドル=115円台を保てれば大型株には多少の安心材料となる。グロース株の極端な下げが続くことは想定しづらいが、機械や商社などの景気敏感株、銀行や自動車といった、バリュー株でも指数寄与度が大きいセクターへの買いが続くかが相場全体を支えるカギとなる。
日経平均株価(図表1)は年初から反乱の展開となっている。1/6は寄り付きでマドを開けたあとは下値模索の展開となった。昨年5月以降、高値一巡後の下げ過程で「大陰線」を形成することが多い、「魔の価格帯」である。
RSI(9日)は75.2%→48.4%(1/6)に低下。強弱の分岐点となる50%水準を下回っており、弱気局面入りを示唆している。9/14高値を起点に11/16高値を通る右肩下がりの上値抵抗線、11/18安値(ネックライン)、12/8高値を起点に12/16高値を通る右肩上がりの抵抗線などが集中する水準でいったん頭打ちとなり、12/3安値(27,588円)を起点に12/20安値(27,893円)を通る右肩上がりの支持線が下値サポートになるかが目先の焦点となる。
目先の上値メドは、9/14高値を起点に11/16高値を通る右肩下がりの上値抵抗線、1/5高値29,388円、11/16高値29,960円など。上記以外の下値メドは12/14安値28,309円、12/20安値27,893円などが考えられる。
基本的には昨年からのもみ合いの範ちゅうで推移しており、当面は逆張り姿勢が有効となろう。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2022/1/6)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表は、11月景気動向指数(1/11)、12月景気ウォッチャー調査(1/12)、12月都心オフィス空室率、12月工作機械受注(1/13)、12月企業物価指数(1/14)がある。
企業決算では、安川電、コスモス薬品、イオンモール、キユーピー、イズミ、クリエイトSDH、ライフコーポ、U.S.M.H、コーナン商事、技研製、フジ、タマホーム、リテールPT、リソー教育、コジマ、わらべや、ライク、東京個別、アレンザHD、進和、カネ美食品、キユソー流通、ライトオン、エコス、アヲハタ、バイク王、カンセキ、タキヒヨー、三光合成、チームスピリト、WACUL(1/11)、イオン、東宝、ABCマート、イオンFS、ローツェ、USENNEXT、イオンディライ、OSG、マニー、サイゼリヤ、吉野家HD、MV西日本、MV東海、コメダ、ベル24HD、大有機、大黒天、パルGHD、トーセイ、サーラ、ファンタジー、CSP、AIT、トランザクショ、チヨダ、インタアクション、三協立山、イートアンドH、イージェイHD、ジーフット、中本パクス、シグマ光機、Fブラザース、毎コムネット、トレファク、メディカネット、シイエヌエス、スタジオアタオ、ワンプラ(1/12)、ファーストリテイ、7&I−HD、久光薬、Sansan、ビックカメラ、サカタのタネ、いちご、竹内製作、乃村工、S Foods、不二越、エスプール、ウイングアーク、メディアドゥ、歌舞伎、コシダカHD、アイドマHD、オンワードHD、松屋、PRTIMES、オキサイド、スターマイカHD、プラズマ、セラク、ブックオフGH、アステナHD、小津産業、明光ネット、オオバ、AVANTIA、前沢工、エヌピーシー、ティアンドエス、MORESCO、東洋電、Bエンジニア、エルテス、エムビーエス、インタファクトリ、SERIOHD、アクアライン(1/13)、ベイカレント、SHIFT、マネフォワード、ウエストHD、ディップ、JINSHD、松竹、クリレスHD、パソナG、近鉄百、プレナス、ニッケ、IDOM、ドトル日レス、TKP、ベクトル、リンガハット、日本国土、ビザスク、北の達人、ダイト、キャンドゥ、古野電、ココナラ、スタジオアリス、三栄建築、柿安本店、SFP、サイエンスアーツ、TSIHD、バリュエンスH、グッドパチ、霞ヶ関キャ、アスタリスク、Enjin、ロコンド、UUUM、ウォンテッドリ、メタリアル、シンメンテHD、トライステージ、Jフロンティア、クリーマ、サマンサJP、農総研、関通、GRCS、リックソフト、モビルス、オンデック、アララ、247、U&C、ラストワンマイル、エコモット、クックビズ、スローガン、シリコンスタシオ、エディア、ALiNK、AHCG、FLN(1/14)がある。
海外の経済指標の発表は、中国12月消費者物価指数、中国12月生産者物価指数、米12月消費者物価指数、米12月財政収支(1/12)、米12月生産者物価指数(1/13)、米12月小売売上高、米12月鉱工業生産(1/14)がある。
米企業決算では、シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ(1/14)が発表を予定している。
来週の注目銘柄!(1/11〜1/14)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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6264 | 4,050 | 3,000 | 液晶、半導体、太陽電池製造装置の精密部品加工を手掛けている。2022年8月期1Q(9-11月)の営業利益は6億円(前年同期比3倍)で着地し、上期計画に対する進ちょく率は66.1%に達した。株価は10月前半に200日移動平均線をサポートに安値1,747円をつけ、順調に右肩上がりが続く。1/5は出来高の増加を伴って中陽線を形成し、11月につけた昨年来高値(3,360円)を更新した。出来高は1/5だけでなくこのところ増加基調にあり、しばらくは強いモメンタムが続きそうだ。高値更新で買い方の回転が効いており、11月高値から直近安値2,670円までの下げ幅に対する倍返し4,050円どころを狙いたい。ターゲットは4,050円、ロスカットは3,000円 | |
6481 | 3,300 | 2,720 | 工作機械や半導体製造装置などに用いられる直動案内機器で世界シェア5割超。前期となる2021年12月期通期の連結営業損益(IFRS)は290億円の黒字(前の期は85億円の赤字)を見込む。11月の決算発表時に下方修正した数値であるが、当時の株価は自社株買いの発表などが支援材料となり、底割れを回避して足元までは緩やかな上昇基調にある。一目均衡表上では「三役好転」の強気局面。12/13につけた高値(2,850円)で9月の戻り高値(2,834円)をすでにクリアした。転換線や基準線が上昇基調にあり、200日移動平均線突破を目指すような一段高が期待できそうだ。ターゲットは3,300円、ロスカットは2,720円 | |
6626 | 16,500 | 11,900 | センサーを中心に電子部品の製造販売を手掛ける。11月に発表した2022年3月期上期(4-9月)の連結営業利益は18.2億円(前年同期比51.5%増)と上期計画を上回っての着地だったが、材料出尽くしで11月相場は弱含んだ。一方、12月は一転して騰勢を強め、12/24には11月初旬に付けた高値(12,960円)を更新し、今年に入って14,940円まで上昇する場面があった。出来高の膨らみがもう少し欲しいところだが、むしろ出来高の増加余地ありとみれば、株価上昇余地もあるとの見方ができる。高値もみ合いが目先続く可能性もあるが、年初来高値更新して間もないため強いモメンタムは続こう。ターゲットは16,500円、ロスカットは11,900円 | |
7267 | 3,900 | 3,200 | 米国のファンダメンタルズが良好でドル高・円安が進行している。これを手がかりに、自動車株の見直し機運が強まっている。同社株は、直近安値である12/20安値(3,085円)を起点とした上昇で12月前半につけた戻り高値を更新。一目均衡表では抵抗帯(雲)を上抜けてきた。目先的には戻り売り圧力が強まる水準ではあるが、トヨタ自動車株に対する長期波動の出遅れ感もあり、目先の強いモメンタムに加え、長期視点でも今の水準感は魅力的だろう。PBRは1倍を大きく割り込み、PERは10倍台、配当利回りは3%を超えている。ターゲットは3,900円、ロスカットは3,200円 | |
8570 | 1,450 | 1,210 | イオン系の金融サービスを統括。グループで銀行、クレジットカード等展開している。2022年2月期上期(3-8月)の連結営業利益は332.4億円(前年同期比4.3倍)で着地。デジタル化による利便性および生産性の向上に加え、審査の精緻化や債権回収の強化に取り組み、貸倒関連費用を中心とした費用の抑制が寄与している。通期の連結営業利益予想は460〜510億円(前期比13.2〜25.5%増)を見込む。株価は12/2安値1,168円から緩やかな戻り歩調。1/5の上昇で12/8の戻り高値(1,302円)をわずかに更新した。PERは12倍弱、PBRは1倍を割り込んでおり、下値リスクは薄いといえそうだ。なお、1/12に第3四半期の決算発表を予定している。ターゲットは1,450円、ロスカットは1,210円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・1/6現在、東証上場銘柄で時価総額が300億円以上、PERが35.0倍以下、PBRが7.0倍以下、今期増収予想(日経予想)、株価が25日移動平均線を上回っている中から成長性や話題性を含め総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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