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アナリストの視点〜(16)ロング・ショート投資入門〜絶対リターンの追求はこれ?!

2020/6/25
投資情報部 長谷川 稔

当レポートは、一般投資家の皆さんにも、アナリストの分析手法の基本知識や考え方、さらにはノウハウを身につけていただく一助になればとの思いで執筆しています。毎回一つのテーマに関して、分析手法やその裏側に隠れている大事な意味などについて解説していきたいと思います。

第16回のテーマは、「ロング・ショート」です。この手法はヘッジファンドの代表的なもので、株式の場合は、ある銘柄で買いポジションを作り(ロング)、逆に別な銘柄で信用取引を使った売りポジションを作り(ショート)、これをペアとして運用する手法です。

「ロング・ショート」、ヘッジファンドと聞くと、一般の投資家の方にとっては、リスクが高そうで、手を出しにくい感じを受けるかもしれません。しかしこの手法は、株式相場の上げ下げに左右されにくく、損失を回避しやすい、「絶対リターン追求型」とも呼ばれる投資手段です。この手法を使った公募の投資信託も存在しますが、個人でもこの手法を使った運用は十分に可能です。ぜひご参考にしていただければ幸いです。

1ロング・ショートの利点は?;相場環境に関わらずプラス損益を目指せる

ロング・ショート投資の最大の利点は、絶対利益の追求(元本を増やすこと)を求め、その可能性が高まることです。通常の現物株投資の場合、業績予想が良好で割安と思った銘柄を単純に買い(ロングポジション)、その後の株価上昇を期待します。相場全体が強い場合はその銘柄(A銘柄とします)の株価も上昇することが多く、利益を生み出すことができます。また、その銘柄の市場での評価が高まれば(個別要因で株価が上昇)、相場全体の上昇率を上回る値上がり益を得ることができます。

例えばTOPIXが10%上昇した時、A銘柄の株価が20%上昇するなどの場合です。(下図1)

ところが相場全体が弱くなった場合は、いかにその銘柄が市場の人気を集めたとしても、株価が下落することはよくあります。例えばTOPIXが10%下落、A銘柄が5%下落したなどの場合です。アクティブ運用(TOPIXをベンチマークとしてそれを上回るリターンを追求する)を手掛ける機関投資家なら、A銘柄に関してはベンチマークを上回ったので、「よく運用した」となるのですが、ファンドの価値は5%目減りしてしまうことになります。もちろん投資家は、これでは満足できません。

これに対し、ロング・ショート投資では、A銘柄を買うと同時に、B銘柄を同金額だけ空売りします。実はこのB銘柄の選び方が大きなポイントになるのですが、ここではA銘柄と同じ業種に属するがB銘柄の方が業績面でA銘柄に比べ見劣ると設定します。

先ほどのTOPIXが10%下落したケースですが、A銘柄は5%下落ですが、業績面に不安のあるB銘柄は15%下落すると仮定します。そうすると投資家の損益は、A銘柄が-5%ですが、B銘柄の空売りでは+15%の利益が発生するため、通算の損益は+5%となります。下げ相場の中、プラスのリターンを得ることができるわけです。(下図2)

逆に冒頭のTOPIXが10%上昇したケースでは、A銘柄の株価は20%上昇ですが、B銘柄の株価も5%上昇したと仮定します。この場合の投資家の損益は、A銘柄が+20%ですが、B銘柄は空売りで5%の損失が発生するため、通算の損益は+7.5%となります。単純にA銘柄を保有した方が大きなリターンを得ることができたことになりますが、これは相場リスクに対するヘッジコストと考えることができます。(下図3)

それでは最後に相場が動かなかった場合はどうなるのでしょうか?あくまでもベストシナリオのケースですが、A銘柄が業績好調を反映し10%上昇、一方業績低迷のB銘柄が10%下落したと仮定します。この場合の通算の損益は買いで+10%、空売りでも+10%、通算の損益でも+10%を得られることになります。(下図4)

要するに、A銘柄とB銘柄の業績格差をテーマにした、今回のロング・ショート戦略では、株価が業績格差を反映するという前提なら、どのような相場局面でもプラスのリターンを得ることが期待できるわけです。

図1 ロング・ショートの運用例(模式図)

  • 注 2〜4の損益はA銘柄の買い、B銘柄の空売りを、同金額で行ったときの通算損益です。手数料等の諸コストは考慮していません。

2ロング・ショート投資の留意点

1. ロング・ショート投資において重要なのは売りと買いのペアリング決定にあります。ペアリングを決める要素としては、同業種内での業績格差に着目するのが最も一般的な方法です。これは相場が上昇、下降いずれの方向に向かってもプラスリターンを取れる可能性が高いためです。同業種内にするのは、景気変動や業種特有の株価変動リスクを軽減するためです。

2. リスクは増大しますが、シナリオに自信がある場合は異業種間でのペアリングも一法です。また、売り買いは基本同額ですが、売り買いいずれかのバランスを変えることも(買い2に対し売り1など)可能です。

3. ロング(買い)は流動性をさほど気にしなくとも良いのですが、空売りする銘柄の流動性は高いものを選択します。これは空売りした銘柄に株価上昇につながるようなニュースが出た時に、買戻しが難しくなるケース(いわゆる踏み上げ)が発生するためです。

4. ペアリングを決める要素として、仮に新型コロナウイルス感染が収束するシナリオ前提で、感染影響が大きい空運株をロング、感染拡大で恩恵を受ける薬品株をショートとした場合などで、シナリオ通りに事態が推移すれば大きなリターンを得られますが、シナリオが逆に推移した場合は逆に大きな損失を被ることがあります。シナリオが間違った場合は、損失覚悟でも早めにポジションを整理することを推奨します。

5. 売り買いともに売買手数料、貸株料等がコストとなり、利益発生時には譲渡益課税が発生することも多いため、それを計算に入れて戦略を組むことが肝要です。

表1 【ご参考】業績格差以外のシナリオ別ロング・ショートのペアリング例

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 シナリオ 売り買い 株価(円)
6月24日
7735 7735 7735 7735 SCREENホールディングス 相場上昇 買い 5,120.0
7741 7741 7741 7741 HOYA 売り 10,375.0
9531 9531 9531 9531 東京瓦斯 景気悪化 買い 2,498.5
5401 5401 5401 5401 日本製鉄 売り 1,072.0
8058 8058 8058 8058 三菱商事 株主優遇 買い 2,296.5
8002 8002 8002 8002 丸紅 売り 502.2
9681 9681 9681 9681 東京ドーム コロナ収束 買い 807.0
7974 7974 7974 7974 任天堂 売り 49,390.0
4768 4768 4768 4768 大塚商会 テレワーク 買い 5,600.0
3479 3479 3479 3479 ティーケーピー 売り 2,327.0
1605 1605 1605 1605 国際石油開発帝石 原油上昇 買い 699.4
9201 9201 9201 9201 日本航空 売り 2,060.5
  • ※当社WEBサイトの「スクリーニング(銘柄条件検索)」、「テーマキラー!」等よりSBI証券が作成。あくまでもテーマに沿ったペアリング例であり、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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