波乱の新春相場!今後どうなる?2015年の相場は?
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2014年の株式相場のポイントを改めて整理 |
図表1は、2014年における日経平均株価の推移を、主要な出来事とともにグラフ化したものです。5月頃までは軟調な推移が続き、日経平均株価はたびたび、1万4千円前後まで下げる場面がありました。2013年12月のFRB(米連邦準備制度理事会)による量的緩和縮小開始決定もあり、新興国からの資金流出懸念が強まったことが、強い逆風となりました。世界経済のけん引役である米国も大寒波に見舞われ、景気拡大にブレーキがかかる場面が見られました。また、ウクライナ問題が深刻化し、市場のリスク許容度が低下する要因となりました。我が国では、4月1日からの消費税増税をにらみ、景気減速を懸念する声も、かなり聞かれました。
こうした中、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による株式運用比率の引き上げ観測が台頭。それを受ける形で、2013年度決算発表が終了した5月中旬頃から、年金資金の株式買い越しが増加し、株式市場も上昇に転じました。円安を背景に、輸出企業等の業績拡大も続き、日経平均は9月下旬まで、上昇に転じました。その後一時的に下げる場面もあったものの、米国株式市場の上昇や、日銀による大規模な追加金融緩和等を受け、日経平均株価は2013年末の高値を更新し、12月上旬には1万8千円台に乗せる場面もみられました。
なお、政治面では9月3日に成立した第2次安倍改造内閣で主要閣僚の辞任が続き、政権がやや不安定になる場面もありました。しかし、安倍首相が11月18日に解散・総選挙を発表し、それを受けて実施された12月14日の総選挙では、与党が3分の2超の議席を獲得するに至りました。ただ、事前に多くのメディアが与党有利の世論調査結果等を報道したこともあり、株式市場への影響は、結果的には、やや限定的なものとなりました。
年末相場は、原油価格が2009年4月以来の50ドル台に沈む中で、ロシアや中南米など、一部産油国の経済不安が連想され、日経平均も伸び悩む展開となりました。結局、2014年の日経平均株価は、17,450円77銭で大納会を迎え、前年末比7.1%の上昇という結果になりました。
図表1:春頃に安値を付け、年末に高値を付けた2014年の日経平均株価
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
2015年の日経平均株価をどう読むか? |
2015年の日経平均をどう読むべきでしょうか。図表2は、その考え方の参考になるグラフです。2013年半ば以降の日経平均とともに、予想PER(株価収益率)14倍、15倍、16倍に相当する日経平均がどう推移してきたかを示しています。
2013年末の日経平均終値は16,291円で、予想EPSは980円、予想PERは16.6倍でした。それに対し、2014年末の日経平均は17,450円で、予想EPSは1,093円、予想PERは16倍でした。株価が上昇したにもかかわらず、予想EPSがそれ以上に上昇した結果、予想PERはむしろ低下し、割高感は強まりませんでした。
図表2からも概ね把握できるように、2014年の日経平均株価は、予想PER13.5倍から予想PER16.8倍の間で推移してきました。仮に2015年も日経平均株価が予想PER13.5倍〜16.8倍で推移するという前提条件を置くとどうなるでしょうか。
ここで、ポイントは、予想EPSが1年後にどの程度まで増えているのか、言い換えれば、日経平均採用銘柄の純利益がどの程度増えているのかという点になります。2014年末現在、大手リサーチ機関の見方を総合すると、上場企業の予想純利益は10%増程度が期待できそうです。仮に、2015年末の予想EPSを1割増しにするならば、「1,093円×1.1倍=1,202円」より、日経平均の予想EPSは1,202円前後に上昇しても不思議ではないことになります。ちなみに、
1,202×13.5=16,227円、 1,202×16.8=20,194円
ですので、予想EPSが1,202円に上昇し、予想PERも16.8倍まで上昇した場合は、日経平均株価の高値が2万円を超えてくるという計算になります。
実際に、企業の純利益が10%増え、日経平均の予想EPSが10%上昇することは可能でしょうか。結論から申し上げますと、円安による輸出の増加と、エネルギーコストの低下という2つの強い追い風が、企業業績を押し上げる可能性が大きそうです。2014年のドル・円相場平均レート(日足終値の1年間の平均)は105.80円、原油先物(WTI)は、平均1バレル91.91ドルでした。仮に、為替・原油相場ともに、2014年末の水準が継続したと仮定すると、ドルは対円で13%上昇し、原油価格は43%下落する計算になります。かなりの円安・原油安効果と言えそうです。
さらに、2014年末に決定した税制改正大綱で、2015年度の法人税率が34.62%から2.51%引き下げられる予定です。上場企業の純利益は、税引き後利益ですので、この法人税引下げだけで単純に3.8%程度純利益が増える計算になります。これらを総合して考えると、日経平均採用銘柄の予想EPSが10%増え、日経平均が2万円大台に乗せる可能性が十分あると考えられます。
ちなみに、弊社が実施したアンケート調査でも、日経平均の2015年における高値は20,000円〜22,000円という予想が最多となっています。ぜひ、ご参考頂ければと思います。
図表2:予想EPSの上昇とともに、予想PER14倍、15倍、16倍に相当する日経平均も上昇
- ※日経平均データをもとにSBI証券が作成。
足元の波乱相場をどうみるか? |
2015年の日経平均株価は、基本的には、企業業績の拡大とそれを反映した予想EPSの上昇に伴い、上昇する可能性が大きいと予想されます。
その意味で、主力の3月期決算企業の第3四半期決算発表の時期およびその直前は重要なタイミングとみられます。図表3にもある通り、2015年3月期決算企業の第3四半期決算発表は、1月30日・2月6日当たりがピークになるとみられますが、一部企業は20日頃から発表を始めるとみられます。この時期になると、市場では業績予想の上方修正期待が高まるとみられ、株価も上昇する可能性が膨らむとみられます。
無論、それに先立つ米雇用統計(1月9日)や、ECB理事会(1月22日)も目の離せないタイムスケジュールです。米国経済の強さが確認され、ユーロ圏での量的緩和が実施されるということになった場合、株価はいち早く上昇傾向を強める可能性もありそうです。
こうした中、2015年初頭の株式市場はやや波乱の展開となっています。原油価格の下落やギリシャのユーロ離脱懸念が背景になっているようです。このうち、原油価格の下落については確かに、産油国にとり、痛手になるのみならず、米国のエネルギー産業の一角にも打撃を与える可能性があり、注意が必要です。ただし、前項で述べた通り、資源輸入国である日本へのメリットは大きいとみられます。相場の変動がある程度落ち着けば、こうしたメリット面が織り込まれてくると考えられます。また、ギリシャ問題についても、実際に日本経済へ与える影響が大きくなるとは考えにくいと思います。海外投資家の本格的な参戦直前というタイミングも重なり、1月第1〜2週に安値が形成され、「買い場」となる可能性もありそうです。
当面の下値支持ラインとしては、以下の株価水準を想定したいと思います。
@13週移動平均17,001円(5日現在)
A12月17日の安値16,672円
B予想PER15倍のラインに相当する16,454円
図表3:当面の主要タイムスケジュール
- ※各種資料を基にSBI証券が作成。