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2020-07-04 18:17:21

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT!』 > 新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻化する可能性も

新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻化する可能性も

2020/6/23

投資情報部 鈴木英之

東京株式市場は強弱感の対立する展開になっています。日経平均株価は6/9(火)に一時23,185円85銭と、2月下旬以来の高値水準を回復した後、6/15(月)には21,529円83銭まで下落しました。しかしその後は再び切り返しています。

一方、世界での新型コロナウイルスの感染拡大が加速する兆しが強まっています。世界の累計感染者数は5月に前月比289万人増えましたが、6月はこのままいくと前月比300万人を大きく超える増加となり、月末には累計で1,000万人に達する可能性が出てきました。

新型コロナウイルスの感染拡大は多くの国で加速する兆しをみせているので、それが株式市場に悪影響を与えてくる可能性は十分あると思われます。

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1強弱感が対立する東京株式市場

東京株式市場は強弱感の対立する展開になっています。日経平均株価は6/9(火)に一時23,185円85銭と、2月下旬以来の高値水準を回復した後、6/15(月)には21,529円83銭まで下落しました。しかしその後は再び切り返しています。

図1はそんな日経平均株価の推移を日足チャートで示したものです。重要な移動平均線である25日移動平均線が右肩上がりの形状になっていることに加え、6/15(月)には下値支持線として機能して日経平均株価の下げ止まりに寄与するなど、チャート形状からみる限り、強気相場が続いている形と見受けられます。

我が国の新型コロナウイルスの感染拡大はピークアウトの様相を呈していますが、そうした中、国内における人の移動自粛は段階を追って解除される方向で、景気底入れ・回復に対する期待が高まっています。日銀による金融緩和政策は維持されており、さらに株価が下落した場合には、日銀によるETF(上場投資信託)の買いという形で下値が支えられています。

海外でも、先進国を中心に人の移動制限策を解除し、経済活動を再開させようとしている国が増えています。米国もその一つで、さらに大胆な金融政策及び財政政策も発動しており、発表される経済指標は予想を上回る回復を示すものが多くなっています。

しかし、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着くどころか、むしろ加速する勢いとなっています。6/23(火)の速報ベースでは、世界の感染者数は1日で18万人増え、累計で900万人を超えたと伝えられています。ブラジルやインドなど新興国での増加ペースが加速している他、感染者数が世界最多の米国でも、南部や西部など、早めに経済活動を再開させた地域での感染拡大が再加速しつつあります。

新型コロナウイルスの感染拡大がさらに深刻化した場合、回復途上にある経済指標が再び悪化する可能性が高まります。6/22(月)の東京株式市場では、東証1部の売買代金が5/25(月)以来の2兆円割れとなりましたが、投資家の気迷い気分を反映したものである可能性がありそうです。

表1 日経平均株価の値動きとその背景(2020/6/15〜2020/6/23)

  日経平均株価 日米株式市場等の動き
終値 前日比
6/15(月) 21,530.95 -774.53 新型コロナウイルス感染拡大を引き続き懸念。先物主導で売り。
6/16(火) 22,582.21 +1051.26 FRBによる社債買い入れ開始を評価。米国の1兆ドルインフラ投資にも期待。
6/17(水) 22,455.76 -126.45 反落。前日大幅高の反動。海外での感染拡大も懸念される。
6/18(木) 22,355.46 -100.30 円高加速も影響し一時300円超の下げ。中国で再び感染拡大の懸念。
6/19(金) 22,478.79 +123.33 県をまたぐ移動制限の解除で景気回復への期待が高まる。
6/22(月) 22,437.27 -41.52 反落。感染第2波を警戒した海外株安の流れ。プロ野球等で7/10から有観客試合。
6/23(火) 22,549.05 +111.78 米国株高を受けて上昇。米中合意解消報道(最終的に否定)で一時マイナス圏に。
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2020/6/23現在。

図2 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2020/6/22現在。

図3 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2020/6/23取引時間中。

表2 当面の重要スケジュール

月日(曜日) 国・地域 予定内容 ポイント
6/23(火) 米国 5月新築住宅販売件数  
6/24(水) 日本 日銀金融政策決定会合「おもな意見」(6/16発表分)
  日本 〇新規上場〜フィーチャ、ロコガイド、コパ
  ドイツ Ifo景況感指数 約7,000社のドイツ企業に景況感をアンケート
  米国 FHFA住宅価格指数  
6/25(木) 中国 ◎中国市場が休場(〜27日 端午節)
  米国 5月耐久財受注 米国民間設備投資の先行指標
6/26(金) 日本 6月末権利確定銘柄権利付最終日  
6/29(月) 米国 ☆決算発表 マイクロン・テクノロジー
6/30(火) 日本 5月失業率・有効求人倍率
  日本 5月鉱工業生産
  中国 6月製造業PMI
  米国 6月CB消費者信頼感指数  
7/1(水) 日本 6月日銀短観 大企業・製造業業況判断指数の市場予想は-31
  米国 6月ADP雇用統計 雇用者数の市場コンセンサスは+200万人
  米国 6月ISM製造業景況指数  
7/2(木) 米国 6月雇用統計 非農業部門雇用者数の市場予想は約+300万人
7/3(金) 米国 ◎米国市場は休場(独立記念日)  
7/5(日) 日本 東京都知事選挙投開票  

表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2020年
日銀金融政策決定会合 7/22(水)、9/17(木)、10/29(木)、12/18(金)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 7/29(水)、9/16(水)、11/5(木)、12/16(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 7/16(木)、9/10(木)、10/29(木)、12/10(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表3の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

2【ココがPOINT!】新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻化する可能性も

世界での新型コロナウイルスの感染拡大が加速する兆しが強まっています。表4にもある通り、世界の累計感染者数は5月に前月比289万人増えましたが、6月はこのままいくと前月比300万人を大きく超える増加となり、月末には累計で1,000万人に達する可能性が出てきました。

世界で最も感染者数の多いのは米国で、累計感染者数は227万人に達しています。NY州などは一時感染爆発的な状態となりましたが、最近は経済活動を再開させる州が増えていました。しかし、南部や西部など先行して経済活動を再開させた州で再び感染者が増え始めている他、黒人に対する警官の暴行事件を契機に、全米にデモ活動が発生しています。トランプ大統領は経済活動や選挙活動を優先させる姿勢をみせており、感染拡大のペース(1日につき2〜3万人)が加速するリスクが膨らんでいます。

世界で米国に次ぎ感染者数が多い国はブラジルで、累計感染者数は108万人に達しています。同国ではボルソナロ大統領が経済を優先させるのみならず、新型コロナウイルスによる感染の危機の存在さえも認めない姿勢を取り続けており、感染拡大が行きつくところまで行くリスクが膨らんでいます。足元の感染者の拡大ペースは1日につき5万人ペースまで拡大しており、死者も累計で5万人を超えてきました。南米では同国の他にチリでは累計感染者数が24万人、ペルーでも25万人に達しています。

また、インドでの感染者数が増えていることも気がかりです。同国の累計感染者数は5月末に18万人でしたが、6月はすでに6/22(月)の段階で41万人になっています。同国は中国と並び13億人台の人口を擁する国だけに、ここの感染者数増加が加速してくると、世界全体の数字も大きく増えてくる可能性があります。

その他にも、注意すべき国としてイランがあります。同国の新規感染者数は一時落ち着きを取り戻したかに見えましたが、再び感染拡大が加速する兆しを見せています。同国のように、新型コロナウイルスの感染は、いったん下火になったかのようにみえても、何らかのキッカケで再び増加に転じることがある点が恐ろしいところです。その意味では、現在感染が下火になったようにみえる欧州についても、引き続き日次でデータをチェックする必要がありそうです。

このように、新型コロナウイルスの感染拡大は多くの国で加速する兆しをみせているので、それが株式市場に悪影響を与えてくる可能性は十分あると思われます。

表4 新型コロナウイルスの感染者数と死者数

地域・国    感染者数・死亡者数の推移(人)   増加率   100万人当たり
4月末 5月末 6/22 3月末〜4/30 4月末〜5月末 5月末〜6/22 4月末 6/22
世界 感染者数 3,174,047 6,067,673 8,890,491 945.2% 91.2% 46.5% 419 1173
  死亡者数 229,294 369,718 466,549 479.8% 61.2% 26.2% 30 62
  致死率 7.2% 6.1% 5.2%        
中国 感染者数 82,862 83,001 83,396 1.6% 0.2% 0.5% 59 60
  死亡者数 4,633 4,634 4,634 40.2% 0.0% 0.0% 3 3
  致死率 5.6% 5.6% 5.6%        
日本 感染者数 14,088 16,851 17,916 621.4% 19.6% 6.3% 111 142
  死亡者数 415 891 953 628.1% 114.7% 7.0% 3 8
  致死率 2.9% 5.3% 5.3%          
韓国 感染者数 10,765 11,468 12,438 10.0% 6.5% 8.5% 208 241
  死亡者数 247 270 280 52.5% 9.3% 3.7% 5 5
  致死率 2.3% 2.4% 2.3%          
イラン 感染者数 94,640 148,950 204,952 112.2% 57.4% 37.6% 1,127 2,440
  死亡者数 6,028 7,734 9,623 108.0% 28.3% 24.4% 72 115
  致死率 6.4% 5.2% 4.7%        
イタリア 感染者数 203,591 232,248 238,499 100.1% 14.1% 2.7% 3,266 3,826
  死亡者数 27,682 33,229 34,634 138.8% 20.0% 4.2% 444 556
  致死率 13.6% 14.3% 14.5%        
スペイン 感染者数 212,917 239,600 246,272 149.9% 12.5% 2.8% 4,286 4,957
  死亡者数 24,275 27,125 28,323 230.7% 11.7% 4.4% 489 570
  致死率 11.4% 11.3% 11.5%        
ドイツ 感染者数 159,119 181,482 191,272 157.0% 14.1% 5.4% 1,981 2,382
  死亡者数 6,288 8,500 8,895 978.6% 35.2% 4.6% 78 111
  致死率 4.0% 4.7% 4.7%        
フランス 感染者数 128,518 151,575 160,377 188.2% 17.9% 5.8% 1,901 2,372
  死亡者数 24,087 28,771 29,640 696.5% 19.4% 3.0% 356 438
  致死率 18.7% 19.0% 18.5%        
アメリカ 感染者数 1,069,424 1,799,122 2,279,306 560.7% 68.2% 26.7% 3,222 6,868
  死亡者数 62,996 104,659 119,967 1526.5% 66.1% 14.6% 190 361
  致死率 5.9% 5.8% 5.3%          
イギリス 感染者数 166,435 274,215 304,331 642.6% 64.8% 11.0% 2,505 4,581
  死亡者数 26,161 38,455 42,632 1754.1% 47.0% 10.9% 394 642
    15.7% 14.0% 14.0%          
インド 感染者数 33,050 182,143 410,461 2541.9% 451.1% 125.4% 24 303
  死亡者数 1,074 5,164 13,254 3256.3% 380.8% 156.7% 1 10
    3.2% 2.8% 3.2%          
ロシア 感染者数 106,498 405,843 583,879 5697.4% 281.1% 43.9% 737 4,041
  死亡者数 1,073 4,693 8,101 11822.2% 337.4% 72.6% 7 56
  致死率 1.0% 1.2% 1.4%          
ブラジル 感染者数 85,507 514,849 1,083,341 1388.6% 502.1% 110.4% 408 5,171
  死亡者数 5,912 29,314 50,591 2841.3% 395.8% 72.6% 28 241
    6.9% 5.7% 4.7%          
  • ※厚生労働省公表データ、報道等をもとにSBI証券が作成。死亡率は人口に対する比率。数字は後日、修正されることがあります。
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