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2020-10-02 07:48:05

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日経平均株価はリーマンショック級の下げでボトム圏に接近か?

2020/3/17

投資情報部 鈴木英之

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。中国での拡大は一巡しつつあるようですが、イタリアを中心とする欧州での感染拡大が加速し、死亡者数も増え続けています。さらに、世界最大の経済大国である米国でも感染拡大が本格化してきたことで、危機は新たなステージに入ったと考えられます。

こうした中、主要国・地域の中央銀行が金融緩和をもう一度強化する方向にかじを切った他、相次いで非常事態宣言を発令するなど、対応を強化しています。それでも、株価は底入れに至らず、NYダウなどはたびたび、過去最大の下落幅の記録を更新するような波乱となっています。そうした中、日経平均株価の下落も続いています。

また、テクニカル指標をみる限り、今回の株価下落は金融危機が市場を震撼させたリーマンショック級になっています。ただ、3/17(火)の東京株式市場では、売りが先行する中で、日経平均株価はかなり重要な節目に到達しており、さすがにボトム圏に入ってきたように思われます。

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1日経平均株価の週間下落幅が過去最大に

東京株式市場では波乱の動きが続いています。3月第2週(3/9〜3/13)の日経平均株価は前週末比3,318円(16.0%)下げ、下落幅としては過去最大を記録しました。週足としては5週連続の下落です。新型コロナウイルスの感染拡大や原油相場の急落等を背景に、世界的に株価が波乱となった流れに翻弄されました。3月第3週も総じて売りが優勢で、3/17(火)には、一時16,378円94銭まで下落しました。

3/9(月)のNY市場では、原油生産国の協調減産体制が壊れ、原油先物相場が急落するという衝撃も加わりました。原油先物相場(WTI)は結局、3/6(金)の1バレル41ドル台が3/9(月)には一時30ドルを割り込む大幅な下落となりました。市場では、これを「逆オイルショック」と表現する向きも出ています。「新型コロナウイルス」と「逆オイルショック」のダブルパンチを受け、株式市場は世界的な波乱となった形です。

新型コロナウイルスについて、世界の感染者数は2月第2週に前週比93%増とピークとなる増加率を記録した後、第3週は16%増、第4週は10%増と鈍化していました。しかし、3月第1週の増加数は前週比19%増、第2週は30%増と再び勢いを増しています。おもな感染拡大国としては、2月は中国が中心でしたが、3月はイタリアを筆頭に欧州各国での感染拡大が目立っている上、死亡者数の伸び率も再び増加が加速している傾向にあります。3月第2週は、3/11(水)にWHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を宣言した他、3/13(金)には米国が非常事態宣言を発するなど、世界的な対応が進んだ1週間でもありました。

こうした中、世界最大の経済大国である米国での感染拡大が本格化し始めたことで、新型コロナウイルス流行の問題は新たなステージを迎えた可能性があります。同国での感染者数は2月末時点では62人で死亡者はありませんでしたが、3/17(火)時点の感染者数は4,657人、死亡者数は86人まで増えています。

3/13(金)には、トランプ政権が非常事態宣言を発し、本格的な政策対応を開始しました。また、FRB(米連邦準備制度理事会)は3/3(火)に0.5%、3/15(日)に1.0%の緊急利下げを行い、金融政策として打てる手は打った形となりました。NYダウは非常事態宣言に対しては「買い」で反応しましたが、FRBの金融政策に対しては「売り」で反応しました。金融政策はやや出尽くしに近づいた感があるようです。3/16(月)には、トランプ大統領が新型コロナウイルスの流行が長期化する可能性を示唆したこともあり、NYダウが前週末比2,997ドル安と、過去最大幅の下げを演じました。

我が国でも、3/16(月)に日銀が金融政策決定会合を前倒しで開催し、金融緩和の強化を決定しました。マイナス金利の深掘りは見送られましたが、ETFおよびREITの買い入れ目標額は倍増となりました。これらが発表された直後、日経平均株価は買い優勢となる場面もありましたが、その後は売り優勢となりました。冒頭でも触れましたように、3/17(火)には一時16,378円94銭まで下落しましたが、これは2016/11/9(水)以来の安値水準となります。

表1 日経平均株価の値動きとその背景(2020/3/9〜2020/3/17)

   日経平均株価 日米株式市場等の動き 
終値 前日比
3/9(月) 19,698.76 -1050.99 欧米で新型肺炎の感染拡大が加速。原油協調減産崩れ、同先物相場急落も警戒
3/10(火) 19,867.12 +168.36 NYダウ(3/9)が過去最大の下げ(当時)となり、それを嫌気。売り一巡後切り返す。
3/11(水) 19,416.06 -451.06 米経済対策について会見で具体策出ず。米国で新型肺炎感染1,000人乗せ報道
3/12(木) 18,559.63 -856.43 WHOが前日に新型肺炎の流行を「パンデミック」と宣言。米経済対策も疑問視される
3/13(金) 17,431.05 -1,128.58 前日のNYダウが2,352ドル安。米国と欧州の往来停止を警戒
3/16(月) 17,002.04 -429.01 FRBの緊急利下げ、日銀のETF追加購入等も、逆に手詰まり感の増幅に
3/17(火) 17,011.53 +9.49 前日のNYダウが過去最大の下げ。新型肺炎流行長期化を警戒。安値では値ごろ感も
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2020/3/17取引時間中。

図2 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2020/3/16現在。

図3 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2020/3/17取引時間中。

2中国経済は急速に悪化

3/16(月)に、中国国家統計局から同国の主要経済指標が発表されました。このうち、百貨店やスーパー、電子商取引の売上高を合計した小売売上高(社会消費品小売総額)は1〜2月の累計で前年同期比20.5%減と、統計開始以来で初めて減少となりました。自動車、家電、家具などが軒並みマイナスとなりました。特に、多くの人が家にこもり、レストランの売上高は前年同期比4割超減少したようです。同様に、同期間の工業生産高や固定資産投資も大幅減となりました。

中国に限らず、今後世界の主要経済指標は軒並み、各国経済活動の急激な縮小を示すことになりそうです。3/18(水)には、2月の訪日外客数が発表されますが、インバウンド消費の動向を探る重要なヒントになりそうです。

表2 当面の重要スケジュール

月日(曜日) 国・地域 予定内容 ポイント
3/16(月) 日本 1月機械受注  
  中国 2月工業生産(年初来) 前年同期比13.5%減
  中国 2月小売売上高(年初来) 前年同期比20.5%減
  中国 2月都市部固定資産投資(年初来) 前年同期比16.3%減
3/17(火) ドイツ 3月ZEW景況感指数 350人の市場参加者に景況感をアンケート調査
  米国 2月小売売上高
  米国 2月鉱工業生産
3/18(水) 日本 2月訪日外客数 1月は前年同月比1.1%減
  米国 2月住宅着工件数  
3/19(木) 日本 2月消費者物価指数
  米国 3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数  
3/20(金) 日本 ◎東京市場は休場(春分の日)
  米国 2月中古住宅販売件数  
3/24(火) 日本 2月全国百貨店売上高 インバウンド消費の落ち込みの程度は?
  米国 2月新築住宅着工件数  
3/25(水) ドイツ 3月Ifo景況感指数 ドイツ企業の景況感を探る
  米国 2月耐久財受注 米国企業の設備投資意欲は?
  米国 1月FHFA住宅価格指数  
3/26(木) 欧州 EU首脳会議(〜27日)  
3/27(金) 日本 3月決算銘柄権利付き最終日 株主優待実施企業は826社

表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2020年
日銀金融政策決定会合 4/28(火)、6/16(火)、7/22(水)、9/17(木)、10/29(木)、12/18(金)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 4/29(水)、6/10(水)、7/29(水)、9/16(水)、11/5(木)、12/16(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 4/30(木)、6/4(木)、7/16(木)、9/10(木)、10/29(木)、12/10(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表3の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

3【ココがPOINT!】日経平均株価はリーマンショック級の下げでボトム圏に接近か?

東京株式市場の波乱が続き、3/17(火)も売りが先行する展開になりました。取引開始直後には一時、日経平均株価が前日比623円安水準となる16,378円まで下落する場面がありました。その後は押し目買いも入り、プラス圏まで値を戻す場面も出るなど、相変わらず荒っぽい値動きになっています。

3/15(日)にはFRB(米連邦準備制度理事会)、3/16(月)には日本銀行が臨時の会合を開催し、前者は追加利下げ(1.0%)と資産購入、後者はETF買い入れの増額等を発表しました。急激な景況感の悪化を背景に、世界的にマネーの流れがよどむ可能性が大きく、日米の中央銀行による政策は必要であると考えられます。ただ、感染の拡大が脅威の源になっている現状で、金融政策だけで事態を打開することはもともと、相当に困難であると考えられます。3/16(月)のNYダウは急反落し、前週末比2,997ドル安となり、過去最大の下げ幅の記録を更新しました。

株式市場の関心は新型コロナウイルスの感染がどこまで続き、ピークがいつ訪れるのか等にかかっていると考えられます。その意味で、欧州の感染拡大がイタリアからさらに広がろうとしていること、米国での感染拡大が本格化し始めていること等を考えると、株価が底を打ったとは考えにくいのが現状です。

ただ、主要テクニカル指標やバリュエーションを再検討した時、日経平均株価の下落はリーマンショックや東日本大震災並みのスケールになってきたことは確かです。ここは冷静に、この下げが本当にリーマンショックや東日本大震災並みの下げとなって致し方ないのか否か、吟味する必要がありそうです。日経平均株価は以下のように、非常に重要な節目に到達しており、底値ゾーンに入っている可能性は大きいと考えられます。

(1)16,587円・・・PBR(株価純資産倍率)が0.80倍となり、リーマンショック直後の最低記録(0.81倍)を更新
(2)16,373円・・・「アベノミクス相場」(2012/11/14〜)における半値押し水準
(3)16,040円・・・予想PERが10倍ちょうどまで低下

リーマンショックは2008/9/15(月)に米国で、大手金融機関のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことで、世界的に金融危機が連鎖した事件です。2008/9/12(金)〜2009/3/6(金)におけるNYダウの下落率は43%超に達しました。ほぼ同じ期間に、日経平均株価もほぼ同程度の下げになっています。テクニカル指標的には、2008/10/10(金)に25日移動平均線からのかい離率がマイナス27%、RSIが7.1%、騰落レシオが51%と、極端に低い数字になりました。

3/16(月)現在、日経平均株価の25日移動平均線からのかい離率がマイナス21%、RSIが9.0%、騰落レシオが34%(過去最低)と、歴史的低水準まで低下しており、今回の下げはリーマンショック級であることが示されています。その意味で、日経平均株価が3/17(火)の安値(16,378円)で上記の(1)や(2)に接近してきたことは、改めて、日経平均株価がボトム圏に近いことを示している可能があります。

図4 日経平均株価と25日移動平均線・PBR1倍ラインの推移

  • ※日経平均株価データをもとにSBI証券が作成
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