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2019-12-11 09:07:14

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT!』 > 日経平均は年末にかけ、28年ぶりの高値水準をトライか?

日経平均は年末にかけ、28年ぶりの高値水準をトライか?

2019/11/19

投資情報部 鈴木英之

日経平均株価がもみ合いとなっています。10/4(金)の取引時間中に21,276円01銭の安値を付けた後、11/8(金)に23,591円09銭の本年高値を付けるまで11%弱上昇しましたが、その後は高値更新に至っていません。NYダウが史上初めて28,000ドル台を付けるなど、米国株は上昇基調ですが、外為市場で円安が一服となるなど、日本株の好材料は目先、少なくなっているように思われます。

ただ、懸念は不要のように思われます。世界で緩和的金融政策が続いていることに加え、景気・企業業績については今後、回復色が強まってくると考えられます。日経平均採用銘柄の予想純利益は今期横ばいにとどまると思われますが、来期は5%程度の増益になりそうです。こうした増益シナリオの確度が高まる中で、日経平均株価は28年ぶりの高値水準(当時)をトライしてくる可能性が大きそうです。

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1目先の日経平均株価はもみ合い

日経平均株価がもみ合いとなっています。10/4(金)の取引時間中に21,276円01銭の安値を付けた後、11/8(金)に23,591円09銭の本年高値を付けるまで11%弱上昇しましたが、その後は高値更新に至っていません。NYダウが史上初めて28,000ドル台を付けるなど、米国株は上昇基調ですが、外為市場で円安が一服となるなど、日本株の好材料は目先、少なくなっているように思われます。

米国では、FRB(米連邦準備制度理事会)が現状の金融政策を正当化する姿勢を示しています。トランプ政権の圧力もあり、足元はFOMC(米連邦公開市場委員会)ごとに3回連続で政策金利を引き下げてきましたが、今後は当面引き下げを見送る方針とみられます。ただ、労働市場が完全雇用状態にある中で、そもそも3回の利下げが必要であったか否かは意見の分かれる所です。FRBは市場に、過剰な流動性を提供してしまった可能性がありそうです。

なお、世界最大の中央銀行とも言えるFRBが当面は政策金利の現状を維持(来年半ばに利下げの可能性)すると予想されることから、日銀やECB(欧州中銀)も金融政策については当面、現状維持を続けるとみられます。すなわち、世界的に緩和的金融政策が長期化するとみられ、過剰流動性の提供も長期化すると考えられます。株式市場は過剰流動性によって下支えされる「金融相場」の様相を呈してくると考えられます。

「金融相場」では一般的に、景気・企業業績は良くないものの、逆に株価は上昇することが多くなります。東京株式市場では10月中旬以降、2019年7〜9月期の決算発表が相次ぎ実施されましたが、確かに、悪い決算を発表後に株価が上昇するケースが多かったようです。決算発表は「悪材料出尽くし」という好材料を、多くの銘柄に提供したことになるのかもしれません。それ故、11/14(木)までに決算発表がほぼ一巡したことは好材料の提供も一巡したことを意味するのかもしれません。

表1 日経平均株価の値動きとその背景(2019/11/11〜11/19)

 日経平均株価日米株式市場等の動き
終値前日比
11/11(月) 23,331.84 -60.03 米国が最高値で買い先行も、一部過熱感を警戒して反落。TOPIXは5日続伸。
11/12(火) 23,520.01 +188.17 反発し、1年1ヵ月ぶり高値圏。香港のデモを警戒も、円安を好感して買い直されました。
11/13(水) 23,319.87 -200.14 米中協議合意への期待が後退して反落。10/3(木)以来の下げ幅でした。
11/14(木) 23,141.55 -178.32 我が国のGDP統計以上に中国経済の下振れが影響したようです。
11/15(金) 23,303.32 +161.77 米クドロー国家経済会議委員長が米中協議合意接近と発言し、それを好感しました。
11/18(月) 23,416.76 +113.44 NYダウが史上初の28,000ドル台乗せ。ただ、円安・ドル高の勢いは限定的でした。
11/19(火) 23,292.65 -124.11 NYダウは続伸も、円高基調が続きやや売り優勢となりました。
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2019/11/19取引時間中。

図2 NYダウ(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2019/11/18現在。

図3 ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2019/11/19取引時間中。

2上場企業の決算発表が終了

日米ともに、重要日程が集中する時期を通過しつつあります。わが国では、11/19(火)の損保大手の決算発表を最後に、2019年7〜9月期の決算発表は一巡しました。

上場企業の決算発表が佳境を迎えている間、決算発表に対する各個別銘柄の反応は刹那的なものになっていることが多いように思われます。発表された数字が持つ真意はすぐには判明しにくいため、株価は市場コンセンサスと発表数値との間の表面的な強弱で動くことが多いためと考えられます。

しかし、決算発表が終わり、アナリストによる個別取材が本格化してくれば、個別企業の成長性に対する評価も見直されてくることになります。この時期は、そうした見直しの結果、株価が動いてくる銘柄も増えてくると思われ、十分な注意が必要であると思われます。

表2 当面の重要スケジュール

月日(曜日) 国・地域 予定内容 ポイント
11/19(火) 日本 ★決算発表(3社)〜主要企業の決算発表が一巡 SOMPOHD、MS&AD、東京海上
  米国 10月住宅着工件数 前回(9月)は前月比9.4%減
11/20(水) 日本 10月貿易収支  
  日本 10月訪日外客数 1〜9月は2,441万人(前年同期比4.0%増)
11/21(木) 米国 10月中古住宅販売件数 市場コンセンサス(前月比)は2.2%増
  米国 11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数  
11/22(金) 日本 10月全国消費者物価指数
  米国 11月マークイット製造業PMI  
11/23(土) 日本 ローマ法王が来日(〜11/26  
11/25(月) ドイツ 11月Ifo景況感指数 約7千のドイツ企業を対象にアンケート調査
11/26(火) 米国 9月FHFA住宅価格指数
  米国 9月S&PコアロジックCS住宅価格
  米国 10月新築住宅販売件数 市場コンセンサス(前月比)は+0.4%
  米国 11月消費者信頼感指数  
11/27(水) 米国 7〜9月期GDP改定値 市場コンセンサス(前期比・年率)は1.9%増
  米国 10月耐久財受注 米民間設備投資の先行指標
11/28(木) 米国 ◎米国市場は休場(感謝祭)
11/29(金) 日本 10月失業率・有効求人倍率  
  日本 10月鉱工業生産
  米国 ブラックフライデー 米国年末商戦の開始
11/30(土) 中国 11月製造業PMI 5〜10月に50割れ

表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2019年 2020年
日銀金融政策決定会合 12/19(木) 1/21(火)、3/19(木)、4/28(火)、6/16(火)、7/22(水)、9/17(木)、10/29(木)、12/18(金)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 12/11(水) 1/29(水)、3/18(水)、4/29(水)、6/10(水)、7/29(水)、9/16(水)、11/5(木)、12/16(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 12/12(木) 1/23(木)、3/12(木)、4/3(金)、6/4(木)、7/16(木)、9/10(木)、10/29(木)、12/10(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表2の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

3【ココがPOINT!】日経平均は年末にかけ、28年ぶりの高値水準をトライか?

最初の項でご説明したように、「金融相場」では一般的に、景気・企業業績は良くないものの、逆に株価は上昇することが多くなります。東京株式市場では10月中旬以降、2019年7〜9月期の決算発表が相次ぎ実施されましたが、確かに、悪い決算を発表後に株価が上昇するケースが多かったようです。決算発表は「悪材料出尽くし」という好材料を、多くの銘柄に提供したことになるのかもしれません。

ただ、「金融相場」とはいえ、景気・企業業績について、今後も悪化傾向の継続が予想されるのであれば、相場上昇は短命に終わるのかもしれません。今回の相場で決算発表が「悪材料出尽くし」ととらえられたのは、来期以降の景気・企業業績は回復に転じるという市場コンセンサスがあるからではないでしょうか。

まず、景気についていえば、我が国の実質GDP(前期比・年率)は2019年10〜12月期にマイナス成長が予想されるものの、その後は少しづつ回復に転じる予想です。我が国の場合、米中貿易摩擦にとどまらず、消費増税の影響がこの時期、厳しく表れやすいと予想されます。もっとも、2020年は五輪特需の反動も警戒され、暦年ベースでは2020年の成長がボトムになる可能性もありそうです。

企業業績については、日経平均採用銘柄の純利益ベースでみると、今期は横ばいにとどまりそうです。ただ、来期については5%前後の増益に転じてくる見込みです。

ここまで、業績予想の下方修正が多かったこともあり、日経平均の予想EPS(1株利益)も下方修正が続いてきました。10月末に1,767円あった同EPSは11/18(月)には1,667円まで減少しています。もし、市場の予想通り、来期の日経平均株価の予想純利益が5%程度回復するのであれば、予想EPSは再び1,750円程度が見通せるようになるかもしれません。

消費税引き上げという大きな関門を通過した上に、仮に米中通商協議で明確な妥協が成立すれば、景気・企業業績は本当の意味で「悪材料出尽くし」になるのかもしれません。日経平均株価24,500円という水準は、上記の予想EPS1,750円を現在の予想PERである約14倍で評価した水準です。少なくとも、その程度の株価回復は実現されても不思議ではないでしょう。ちなみに、1991/11/13の日経平均株価終値は24,416円でした。年末に日経平均株価が24,500円を回復できれば、28年ぶりの高値水準を回復するということになります。

表4 日経平均採用銘柄〜おもな増益予想銘柄、減益予想銘柄

今年度

コード 増益予想銘柄
7203 トヨタ自動車
8411 みずほフィナンシャルグループ
8604 野村ホールディングス
6501 日立製作所
9501 東京電力ホールディングス
コード 減益予想銘柄
6758 ソニー
4502 武田薬品工業
9984 ソフトバンクグループ
7201 日産自動車
5401 日本製鉄

来年度

コード 増益予想銘柄
4502 武田薬品工業
7201 日産自動車
7203 トヨタ自動車
2503 キリンホールディングス
7267 本田技研工業
コード 減益予想銘柄
9984 ソフトバンクグループ
9501 東京電力ホールディングス
8354 ふくおかフィナンシャルグループ
8604 野村ホールディングス
9502 中部電力

※Bloombergが集計した予想純利益の市場コンセンサスを参考に計算。あくまでも、市場の参考データを示すことを目的としており、銘柄の推奨を意図したものではありません。なお、順位は予想増益額、予想減益額の大きい順になっています。

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