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2018-07-17 09:06:48

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225の『ココがPOINT!』

2018/7/10

リバウンド局面で改めて考える「米中貿易摩擦の意味」とは?

7月相場も波乱のスタートとなりました。米中貿易摩擦が「貿易戦争」の様相を強める中、メキシコ大統領選挙での新興左派勢力の当選、米半導体大手マイクロンへの中国司法当局の販売差し止め命令等、新たな不透明要因も表面化し、日経平均株価は一時約4ヵ月ぶりの安値水準まで下落しました。

こうした中、7/6(金)で米中貿易交渉が期限切れとなり、両国が関税を賦課し合う新たなステージに突入しましたが、株式市場は短期的な「悪材料出尽くし」の状態となり、日経平均株価も反発の兆しを強めています。しかし、米中対立の「根」は深い所にあり、妥協はなかなか成立しにくい可能性があり、注意が必要です。

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1リバウンド局面となった日経平均株価

7月相場は波乱の幕開けとなりました。

7/2(月)の東京株式市場では、日経平均株価(図1)が前週末比492円58銭安と急落し、21,811円93銭で取引を終えました。メキシコ大統領選挙で、新興左派勢力の「国家再生運動」を率いるロペスオブラドール氏の当選確実が伝わり、NAFTA(北米自由貿易協定)が瓦解する懸念が強まったと考えられたことが株価下落の大きな要因と考えられます。この日発表された日銀短観(6月調査)は確かに「2期連続の悪化」という結果でしたが、午前中の日経平均株価は小動きにとどまっており、反応は限定的でした。メキシコ大統領選挙の大勢判明となった午後以降、海外先物市場や中国株の下落と同時進行する形で日本株も下落するという展開となりました。

続く7/3(火)はNYダウが続伸したこともあり、反発して始まりましたが、午前中の段階から早くも売りが優勢となるなど、不安定な状態が続きました。この日は、香港や上海の株式市場で大きく売りが先行する展開になり、またも海外株安と連動する形になり、日経平均株価は一時21,574円56銭(前日比237円37銭安)まで下落する場面もありました。ただ、香港や中国が下げ渋りの様相となり、引けにかけては下げ渋る展開となりました。結局、日経平均株価の終値は21,785円54銭となり、前日比26円39銭安の小幅続落となりました。

日経平均株価はその後も続落しました。7/4(水)には米半導体大手マイクロンが中国で司法当局から製品の販売差し止めを命じられ、それを嫌気してNYダウが下げた流れを引き継ぎ、終値は68円50銭安の水準となりました。7/5(木)には決算発表を行った良品計画(7453)が中国販売の減速を警戒され、大幅安したこと等が影響し、日経平均株価は一時、前日比254円09円安の水準となる21,462円95銭まで下落。終値は170円05銭安の21,546円99銭と4/4(水)以来の安値となりました。

しかし、7/6(金)の日経平均株価は5営業日ぶりに反発し、241円15銭高となりました。中国の司法当局により差し止められるマイクロンの半導体販売額が限定的だったことが好感されました。結局、7月第1週(7/2〜7/6)の日経平均株価は21,788円14銭で取引を終え、前週末比516円37銭(2.3%)の下落となり、週次では3週間連続の下落となりました。

こうした中、株式市場で懸念されていた米中貿易摩擦問題ですが、両国の交渉は7/6(金)で期限切れとなり、この日より中国から米国、および米国から中国への輸入それぞれ340億ドル分について、関税が課されることになりました。貿易摩擦問題は新たなステージに入った形になります。しかし、これによって短期的な悪材料出尽くしとなったことや、次項でご説明するように、米雇用統計の内容が好感され、7/6(金)・7/9(月)のNYダウは続伸となりました。これを受けた7/9(月)・7/10(火)の日経平均株価は続伸し、ようやく落ち着きを取り戻すに至りました。

図1:リバウンド局面となった日経平均株価

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2018/7/10取引時間中

図2:NYダウ(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2018/7/9現在

図3:ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2018/7/10取引時間中

2米国で決算発表シーズンがスタート

7/6(金)に発表された米雇用統計(6月)では、非農業部門雇用者数が前月比21.3万人増となり、市場予想(19.5万人)を上回りました。過去2ヵ月分も計3.7万人上方修正され、米労働市場の強さを印象付けました。失業率が前月から0.2%悪化し、4.0%に上昇しましたが、労働参加率が上昇しているので問題にはなりにくいと考えられます。時間当たり賃金は前年同月比2.7%増と事前予想(2.8%)を下回るなど、引き続き賃金の伸びは抑制されています。米労働市場は「強いものの、インフレ加速を懸念させる程ではない」という株式市場にとっては「良好」な結果であったとみられます。

米国では雇用統計発表後、重要日程としては2018年4〜6月期の決算発表開始(7/13頃から)があげられます。S&P500指数採用企業の同四半期の予想EPSは、前年同期比20%増と引き続き好調の見込みで、貿易摩擦で相場が下落する際の下支えが期待されます。決算リリースでは貿易摩擦の影響へのコメントが増えるでしょうが、足もとの良好な業績に安心感が広がる可能性も大きいと見られます。

なお、国内では小売・外食等の企業を中心に、2018年3〜5月期の決算発表が進捗していますが、決算期変更により2月決算となった安川電機(6506)の第1四半期の決算発表(7/12)が注目されます。省力化関連企業でもあり、7月下旬以降に決算発表本格化が見込まれる3月決算企業の「先行指標」となる可能性がありそうです。

表1 米国で決算発表シーズンがスタート

月日(曜日) 国・地域 予定内容 ポイント
7/10(火) 中国 6月消費者物価指数 6月は前年同月比1.8%上昇
日本 ★決算発表 ビックカメラ
7月ZEW景況感指数 エコノミストら市場関係者にアンケート
7/11(水) 日本 5月コア機械受注 5月は前年同月比9.6%増
日本 ★決算発表 ローソン
米国 6月生産者物価指数 6月(食品・エネルギーを除く)は前年同月比2.4%上昇
7/12(木) 米国 6月消費者物価指数 6月(食品・エネルギーを除く)は前年同月比2.2%上昇
日本 ★決算発表 安川電、ユニー・ファミマ、ファーストリテ他
7/13(金) 中国 6月貿易収支 輸出・輸入の増減に注目
米国 7月ミシガン大学消費者マインド指数 米国の個人投資動向を示唆
米国 ☆決算発表 JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティG
7/16(月) 日本 東京市場休場(海の日)  
- 米ロ首脳会談(ヘルシンキ)  
米国 6月小売売上高 米個人消費の重要指標
米国 7月ニューヨーク連銀製造業景況指数 前回は25.0
米国 ☆決算発表 バンカメ、ネットフリックス
中国 4〜6月期GDP(前年同期比) 1〜3月期は6.8%成長市場コンセンサスは前年同期比6.7%成長
中国 固定資産投資 市場コンセンサス(年初来・前年同月比)は6.2%増
中国 6月鉱工業生産 市場コンセンサス(前年同月比)は6.5%増
中国 小売売上高 市場コンセンサス(前年同月比)は9.0%増
- 中国・EU首脳会議  
7/17(火) 米国 6月鉱工業生産  
米国 ☆決算発表 J&J
7/18(水) 米国 6月住宅着工件数 5月(前月比)は5.0%増
7/19(木) 日本 6月貿易収支  
米国 7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数  
米国 ☆決算発表 マイクロソフト、フィリップ・モリス他
米国 米商務省が自動車輸入関税に関する公聴会を開催(〜7/20)  
7/20(金) 日本 6月全国消費者物価指数 5月(生鮮食品を除く)は是年同月比0.7%上昇
米国 ☆決算発表 GE
7/21(土) - G20財務相・中銀総裁会議(〜7/22) ブエノスアイレス

表2 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2018年
日銀金融政策決定会合 7/31(火)、9/19(水)、10/31(水)、12/20(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 8/1(水)、9/26(水)、11/8(木)、12/19(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 7/26(木)、9/13(木)、10/25(木)、12/13(木)
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は日本時間(ただし、表2の中央銀行会議の結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

3【ココがPOINT!】米中貿易摩擦の意味

7/6(金)・7/9(月)の米国株式市場では、良好な雇用統計の発表に加え、米中貿易問題の短期的な悪材料出尽くしにより、NYダウは続伸しました。これを受けた7/9(月)・7/10(火)の東京株式市場も戻りを試す場面になりました。

図4は日経平均株価の「一目均衡表」です。日々線がクモの下限を下値抵抗線として反発に転じた形ですが、当面はクモの中でもみ合う形も想定されます。現在は、基準線22,237円(7/9現在)を超えてきた所であり、当面は「クモの上限」22,465円(同)が節目の株価になる可能性がありそうです。

米国と中国の貿易摩擦問題は、そもそもはトランプ大統領が本年11月の中間選挙を意識した選挙対策であった可能性が指摘されています。貿易赤字を「損失」と捉え、損失は中国をはじめとする貿易相手国の不公正な取引が原因との考え方です。真偽はともかく、米国民に一定の理解を得ていることは否定できないようです。

そのように「選挙対策」であったかもしれない通商政策ですが、ここにきて中国との防衛上、貿易上の覇権争いという要素が出てきています。このまま、中国が経済成長を遂げた場合、近い将来に経済規模の面で米国を抜き、どこかの時点で軍事力についても、米国を抜く可能性が強まっています。すなわち、仮にトランプ大統領が出現しなかったとしても、米中の対立は将来に発生した可能性があり、今回の対立はそれが「前倒し」されたものに過ぎないという考え方もできます。

だとすると、米中対立の「根」は深い所にあり、妥協はなかなか成立しにくい可能性があり、注意が必要です。今後のおもなリスク要因としては、

  • (1)米国がさらに広範囲の中国製品に輸入関税を賦課してくること
  • (2)自動車分野で輸入関税を賦課してくること
  • (3)貿易収支の調整を為替で実現するべく、ドル安政策を取ってくること

等のリスクが残っています。これらは単にニュースになっただけでも、株価に衝撃を与える可能性があります。当面は現金を高水準に維持しながら、保守的な運用を心掛けた方が良いと考えられます。

図4 日経平均株価は「一目均衡表」のクモ下限を下値抵抗線として反発局面に

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2018/7/10取引時間中
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