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2019-08-24 14:08:47

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  どう読む!?地政学的リスクと東京株式市場

225の『ココがPOINT!』

2017/08/29

どう読む!?地政学的リスクと東京株式市場

日経平均株価はボックス相場が続いていましたが、8/9(水)にそれを下放れてしまいました。地政学的なリスクが高まったこと、人種問題を巡りトランプ政権への不振が高まったこと等が要因であると考えられます。決算発表(2017年4〜6月期)を通じ、我が国の好調な企業業績が確認される形になりましたが、株価を押し上げるには至りませんでした。

当面は重要日程が集中している9/1(金)が要注意とみられます。9/4(月)の米国市場が休場(レーバーデー)で、同国が3連休となることも考慮すると、その直前はポジションを取りにくい状況になると考えられます。

こうした中、日本時間8/29(火)午前6時頃、北朝鮮からミサイルが発射され、日本上空を通過し、北海道の襟裳岬の東約1千キロメートルの地点に落下しました。8/29(火)の東京市場では、ドル・円相場が一時1ドル108円33銭まで円高・ドル安が進み、日経平均株価も一時前日比169円安となる19,280円まで下げるなど、警戒感を示しました。今後の株式市場について、我々はどう考えればよいのでしょうか。

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日経平均株価は200日移動平均線の近辺まで下落

日経平均株価は6/15(木)の19,755円34銭を安値、6/20(火)の20,318円11銭を高値とするボックス相場が続いていましたが、8/9(水)にそれを下放れてしまいました。

「北朝鮮が核弾頭をミサイルに搭載する技術を開発した」という米国防情報局(DIA)の分析が報じられて地政学的なリスクが高まったこと、人種問題を巡りトランプ政権への不振が高まったこと等が要因であると考えられます。7月下旬以降発表が本格化した決算発表(2017年4〜6月期)を通じ、我が国の好調な企業業績が確認される形になりましたが、それが株価を押し上げるには至りませんでした。

図2はドル・円相場について、過去3ヵ月の動きを示したものです。7/11(火)に1ドル114円台半ばを付けた後はおおむね、円高・ドル安基調になっています。米労働市場は非農業部門雇用者数の増加数が過去3ヵ月(5〜7月)の平均で19.5万人増になり、失業率も「完全雇用」状態とされる4.7%を下回る水準(7月は4.3%)まで低下するなど拡大を続けています。しかし、住宅関連指標をはじめ米経済指標は強弱が対立しており、物価上昇率はFRB(米連邦準備制度理事会)が目安とする2%に程遠いのが現状です。このため、7/3(月)には55%もあった年内追加利上げ確率(短期金利先物市場)は8/28(月)現在で28%まで低下しており、米10年国債利回りは低水準にとどまり、円高・ドル安圧力の強い状態が続いています。

なお、現地時間8/24(木)〜8/26(土)に開催された「ジャクソンホール会議」では、FRBのイエレン議長およびECBのドラギ総裁から、金融政策の先行きを示唆する内容のコメントは出ませんでした。

また図3は米株式市場全体の動きを示すS&P500指数の動きを示したものです。こちらも、2017年4〜6月期の決算発表を通じ、好調な企業業績が確認されましたが、8/8(火)の2,490ポイントを高値に調整色の強い展開になっています。割高感の台頭に加え、米トランプ政権への不信感が背景とみられます。

このように、外為相場で円高・ドル安圧力が強いことや、米国株式市場に調整色が強まっていること等も、東京市場には逆風となったようです。こうした中、8/29(火)の早朝に北朝鮮が新たなミサイル発射実験を実施し、日経平均株価は200日移動平均線(8/29現在19,321円)を一時下回る波乱含みの展開になっています。

図1:日経平均株価(日足)〜一時200日移動平均線を下回る

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2017/8/29現在

図2:ドル・円相場(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2017/8/29取引時間中

図3:S&P500指数(日足)・一目均衡表

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2017/8/28(現地時間)現在
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当面のタイムスケジュール〜9/1(金)に重要日程が集中

当面は重要日程が集中している9/1(金)が要注意とみられます。9/4(月)の米国市場が休場(レーバーデー)で、同国が3連休となることも考慮すると、その直前はポジションを取りにくい状況になると考えられます。

9/1(金)は日本時間21:30に米国で雇用統計(8月)が発表される予定です。非農業部門雇用者数の増加数(前月比)は7月に前月比20.9万人増と事前予想(18万人増)を上回る伸びを示しましたが、8月は18万人増になると市場では予想しています。また、失業率については4.3%、時間当たり賃金については前年同月比2.6%増と予想されています。

米国時間9/20(水)に結果発表が予定されているFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4.5兆ドル(約490兆円)まで膨らんでいるFRB(米連邦準備制度理事会)の資産について、縮小開始が発表されると市場ではみています。また、政策金利の再引き上げについては、年末にあと1回できるか否か微妙な所です。賃金上昇圧力が鈍く、インフレ高進が進む可能性が低い場合、これらの判断に影響が出るとみられます。今回の雇用統計は、そうしたFOMC前の最後の発表になるだけに、特に時間当たり賃金が予想を上回るか、下回るかに市場の注目が集まると考えられます。

なお、同じ9/1(金)の日本時間23:00にはISM製造業景況指数が発表されます。企業マインドの強弱を示すこの指数は株価への影響度も強いとみられ、やはり米国経済指標の中では重要度が高くなっており、目が離せないと思われます。

表1:当面の重要なタイムスケジュール〜9/1(金)に重要日程が集中

月日(曜日)

国・地域

予定内容

ポイント

8/29(火) 日本 7月失業率/有効求人倍率 6月失業率は2.8%(94年以来の低水準)
米国 6月S&Pコアロジック住宅価格指数 20都市の価格(コンセンサス)は前年同月比+5.6%
米国 7月コンファレンスボード消費者信頼感 コンセンサスは120.4
8/30(水) 米国 8月ADP雇用統計 コンセンサスでは前月比18.8万人増
米国 4〜6月期GDP改定値 コンセンサスでは前期比+2.7%(年率)
8/31(木) 日本 7月鉱工業生産
中国 8月製造業PMI コンセンサスは51.3
9/1(金) 日本 4〜6月期法人企業統計 設備投資動向などに注目
米国 8月雇用統計 非農業部門雇用者数のコンセンサスは前月比18万人増
米国 8月ISM製造業景況指数 企業マインドを示す最重要指標
米国 8月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) 消費マインドを示す経済指標
9/3(日) - BRICS首脳会議(中国・アモイ)  
9/4(月) 米国 休場(レーバーデー)  
9/6(水) ロシア 東方経済フォーラム(ウラジオストク) ロシア極東の発展を目指す
米国 8月ISM非製造業指数 雇用指数など個別指標にも注目
米国 ベージュブック  
9/7(木) 日本 8月都心オフィス空室率 7月は3.22%
欧州 ECB定例理事会(ドラギ総裁会見) 資産買入の段階的縮小を示唆?
9/8(金) 日本 4〜6月期GDP改定値 速報値は前期比(年率)+4.0%
日本 メジャーSQ算出日
中国 8月貿易統計 7月の輸出(ドル建て)は前年同月比+7.2%

表2:日米欧中央銀行会議の結果発表予定日

  2017年 2018年
日銀金融政策決定会合 9/21(木)、10/31(火)、12/21(木) 1/23(火)、3/9(金)、4/27(金)、6/15(金)、7/31(火)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 9/20(水)、11/1(水)、12/13(水) 1/31(水)、3/21(水)、5/2(水)、6/13(水)、8/1(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 9/7(木)、10/26(木)、12/14(木) 1/25(木)、3/8(木)、4/26(木)、6/14(木)、7/26(木)

※各種報道、日米欧中銀Webサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は現地時間を基準に記載しています。

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【ココがPOINT!】どう読む!?地政学的リスクと東京株式市場

日本時間8/29(火)午前6時頃、北朝鮮からミサイルが発射され、日本上空を通過し、北海道の襟裳岬の東約1千キロメートルの地点に落下しました。8/29(火)の東京市場では、ドル・円相場が一時1ドル108円33銭まで円高・ドル安が進み、日経平均株価も一時前日比169円安となる19,280円まで下げるなど、警戒感を示しています。

報道等を参考にすると、2017年に入り、北朝鮮は計13回にも及ぶミサイル発射実験を行いました。今回は14回目の実験になるとみられています。ミサイル発射実験直後の東京株式市場の反応としては3/22(水)に日経平均株価が414円下げた例がありますが、この日はオバマケア代替法案をめぐり前日の米国市場が大幅安したことが下げの要因と考えられます。その他では7/28(金)に北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射し、日経平均株価が119円安した日の反応がもっとも大きかったとみられます。

2017年のミサイル発射実験後の東京市場の反応を振り返る限り、実質的に大きな反応を示した例はないため、今回も過度な懸念は不要であるとみられます。ただ、テクニカル的には200日移動平均線が19,321円(8/29)に位置しているため、今後ここを長時間割り込むとヘッジ売り等を巻き込んで相場が荒れる可能性は残されており、注意が必要です。

なお、今回のミサイル発射実験が2017年の他の発射実験と異なるのは、落下地点が日本海ではないという点です。日本の頭上をはるか越え、襟裳岬の東約1千キロメートルに落下したと伝えられていますが、この地域は北にカムチャッカ半島(ロシア)、北東にアリューシャン列島(米国)をのぞむ地域です。グアム方面ほどではないにせよ、北朝鮮による挑発活動としてはグレードが一段階上がったとの見方もでき、今後の関係諸国の対応に注目すべきであると考えられます。

当面の日経平均株価の重要な下値支持ラインとしては

(1)19,321円・・・・200日移動平均線
(2)19,230円・・・・年初来高値(6/20)から1,000円下落した水準
(3)19,209円・・・・日経平均予想EPS(1,412円48銭)×予想PER13.6倍(アベノミクス相場開始前日のPER)

等が参考になると考えられます。

図4:北朝鮮によるミサイル発射実験と日経平均株価(日足)

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。矢印(緑色)は北朝鮮によるミサイル発射実験当日または直後の営業日
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