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2019-08-21 06:29:57

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  「英国がEU離脱」も下げは短期間に収束し、日本株再評価の可能性も?

225の『ココがPOINT!』

2016/06/28

「英国がEU離脱」も下げは短期間に収束し、日本株再評価の可能性も?

全世界から注目されていた英国民投票は波乱の結果となりました。事前予想では僅差でEU残留派が勝利するとされていましたが、実際にはEU離脱派の勝利となりました。この国民投票の開票速報は東京株式市場の取引時間と重なっていたこともあり、6/24(金)の日経平均株価は開票速報を横目に見ながらの神経質な展開になりました。しかし、午後に入ると「離脱派勝利」に大勢が傾き、結局、この日の日経平均株価は前日比1,286円安の14,952円で取引を終えました。

この投票結果を経て、英国のみならず欧州経済、しいては世界経済が大きな打撃を受けるとの見方が市場では支配的なように思われます。仮にそうであれば、週明け6/27(月)の東京市場における株価の反発は、下げ過ぎに対する反動に過ぎず、株価は再び下落に転じるでしょう。

しかし、英国のEU離脱問題を背景とする日経平均株価の下げは短期間に収束すると「225の『ココがPOINT!』」では考えています。この問題がむしろ、日本株の再評価につながる可能性すらあると考えています。どういうことでしょうか。

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「英国がEU離脱」も日本株の下げは短期間に収束?

6/23(木)に実施された英国民投票は、日本時間6/24(金)の朝から昼にかけて開票が進む格好となりました。そして事前予想通り、昼過ぎには大勢が判明しましたが、予想に反し勝利を収めたのは「EU離脱派」でした。結局、英国民投票は「離脱派」が得票数全体の51.9%を獲得して勝利を収めるという結果に終わりました。

6/24の東京市場は英国民投票の開票状況を横目に見ながら、まさに一喜一憂させられることになりました。外為相場ではポンドが対円で1ポンド159円98銭をピークに一時同133円13銭まで下落、同様にユーロは1ユーロ121円76銭をピークに一時109円54銭、ドルは1ドル106円63銭をピークに一時99円00銭まで、それぞれ大きく下落する波乱となりました。株価もそれに共鳴する形で下落し、日経平均株価の終値は14,952円02銭(前日比1,286円33銭安)となりました。この日は海外市場でも波乱が伝搬し、NYダウなどは前日比610ドルの急落となりました。

これまで、英国はEU加盟によって多くの恩恵を享受してきました。域内28ヵ国の間での貿易取引には原則関税がなく、金融業などはどこか1ヵ国で開業許可を得られれば域内のどの国でも営業拠点を設けることが可能(単一パスポート制)になります。英国はEUから離脱した場合、これらの数多くのメリットを放棄することになります。英国経済はEU離脱決定後まもなく失速し、IMF(国際通貨基金)の試算によるもっとも悲観的なシナリオでは、2019年の実質経済成長率がマイナス5.6%程度に落ちる可能性があると指摘されています。こうした英国の混乱はEUにも動揺を与え、しいては日本を含む世界にも逆風になると考えられています。

しかし、英国民投票の結果を受けた株価下落は、短期間で収束する可能性があると「225の『ココがPOINT!』」では考えています。理由はおもに以下の3点が考えられます。

(1)英国が即座にEUを離脱する訳ではなく、EUとの条件交渉に「最低7年」(EU大統領)、「可能性として10年以上」(英政府)など長期間を要する可能性が大きく、株価がその間下がり続ける訳にもいかなそうなこと。
(2)「離脱派」を主導した政治家の公約違反が一部指摘され、国民投票の結果を後悔する空気が強まっており、穏やかな着地を望む声が今後は増えるとみられること。現実に今後はEUとの妥協を探る動きが強まりそうなこと。
(3)日経平均株価は15,000円が依然として心理的な下値支持ラインとなっている上、PBR1倍ラインが14,720円(6/27現在)に接近しており、値頃感が強まっていること。

さらに、日本株が積極的に評価される理由も想定されますが、それは第3項でご説明したいと思います。

図1:日経平均株価(日足)〜一時2/12の安値をわずかに下回った日経平均株価

  • ※当社チャートツールもとにSBI証券が作成。データは2016/6/27現在。
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当面のタイムスケジュール〜「英国民投票」以前のマインドを反映した指標は意義が低下

6/28(火)より東京株式市場は「受け渡しベース」で7月相場になっています。この日、欧州ではEU首脳会議が開催される予定ですが、事態打開に向けた動きが多少なりとも見えるか否かがポイントになりそうです。

内外の経済指標では7/1(金)発表の日銀短観(6月調査)、米ISM製造業指数(6月)、中国製造業PMI(6月)等に続き、7/8(金)には米雇用統計(6月)の発表が続きます。通常であれば「英国民投票終了後で一息入れたい所にもかかわらず目を離せない」状況が続くことになります。しかし、英国民投票の結果を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)は年内に利上げすることが難しくなり、日銀は追加緩和の可能性が強まっています。正直、英国民投票以前のマインドを反映した経済指標は「参考値」程度の価値しかなくなるように思われます。

なお、我が国では7/10(日)に参議院選挙の投開票が予定されています。そこに向けて政府・与党から補正予算の規模や内容について各種発言が出てくる可能性があり、株価もそれに応じて動く可能性がありそうです。

表1:当面の重要なタイムスケジュール/「Brexit」が原因で「雇用統計」などの重要度が低下?

月日(曜日)

国・地域

予定内容

ポイント

6/28(火)

日本

◎決算発表〜Jフロント、日本オラクル他

 

 

欧州

EU(欧州連合)首脳会議(〜29日)

英国民投票後初の会合で注目

 

米国

GDP(2016/1〜3期)確定値

改定値(前期比・年率)+0.8%から+1.0%に上方修正?

 

米国

6月消費者信頼感指数

コンファレンスボードから発表

6/29(水)

日本

★新規上場〜コメダホールディングス

 

 

米国

5月個人所得・個人支出

 

 

米国

5月中古住宅販売仮契約

仮契約から本契約まで4〜6週間。中古住宅販売の先行指標

6/30(木)

日本

5月鉱工業生産

 

 

日本

◎決算発表〜ニトリHD他

 

 

米国

6月シカゴ購買部協会景気指数

 

7/1(金)

日本

日銀短観(6月調査)

3月調査で大企業・製造業の現況は+6、先行きは-3%

 

日本

5月消費者物価、有効求人倍率他

 

 

日本

◎決算発表〜良品計画他

 

 

中国

6月製造業PMI

 

 

米国

6月ISM製造業指数

 

7/3(日)

豪州

総選挙

 

7/4(月)

米国

米国市場休場(独立記念日)

 

7/5(火)

米国

5月製造業受注

 

7/6(水)

米国

6月ISM非製造業指数

新規受注や雇用指数など内訳もヒントに

 

米国

FOMC議事録

 

7/7(木)

日本

景気動向指数

 

 

日本

◎決算発表〜セブン&アイ他

 

 

米国

6月ADP雇用統計

労働省発表雇用統計の先行指標。

 

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イスラム世界でラマダーン明け

 

7/8(金)

日本

◎決算発表〜小売を中心に82社が予定

 

 

米国

6月雇用統計

「12日を含む週(日〜土)の3週間後の金曜日」に発表

7/10(日)

日本

参議院選挙投開票

 

7/27(水)

米国

FOMCの結果発表

利上げ観測が後退する中でのFRBの考え方は?

7/29(金)

日本

日銀金融政策決定会合結果発表

追加金融緩和はあるのか?

  • ※各種報道等をもとにSBI証券が作成。予想は市場コンセンサス。データは2016/6/28現在。
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【ココがPOINT!】欧州への不安増幅が日本株再評価につながる可能性も

第1項でご説明したように、英国によるEU離脱は「軟着陸」に向かう可能性が出てきたことに加え、離脱のための条件交渉自体に長い時間を要しそうなため、世界のマーケットに対する悪影響を過大評価すべきではないと思われます。

そもそも、日本にとって英国やEUとの交易関係は米国・アジアほど重要ではないと見受けられます。図2は、日本の国・地域別輸出額を示したものですが、EU(英国以外)向け輸出額は全体の9.0%、英国向けは1.9%にとどまっています。アジアや米国向けと比べ金額はかなり少ないのが現実です。図3は日本の国・地域別貿易収支を示したものです。英国以外のEUに対して日本は貿易赤字(輸入超過)になっています。ゆえに日本にとっては円高・ユーロ安は交易面では追い風ということができます。逆に、英国向けは輸出超過のため、円高・ポンド安が逆風ですが、英国以外のEUの部分と相殺されると考えられます。

英国に進出している自動車、電気機器等の日本企業が、英国のEU離脱により、関税なしでEU諸国に輸出できるメリットがなくなる可能性があります。この点については今後の英国とEUの交渉を見守る必要がありそうです。ただ、ポンドがユーロに対して下がりやすくなることで輸出が促進される面もあり、実際は悪影響ばかりではないと推測されます。

このように、英国によるEU離脱は仮に実現しても、日本経済に与える影響は限定的だとみられます。政治面ではむしろ、今後EU統合をおびやかす各国の総選挙等のスケジュール等もあり、不安材料があります。これに対し、今のところ日本の政治は相対的に安定しており、海外投資家が資金を振り向ける動機づけになる可能性があります。

今後、補正予算等で景気浮揚がはかられる可能性があること、2019/10まで消費税増税が見送られていること、日銀による追加緩和が期待できること等、日本株に追い風となり得る要因も少なくなく、ある程度、今回の問題が小康状態になれば、相対的に日本株が優位になる可能性もありそうです。

最も重要な問題点はむしろ、今回の投票結果をもたらした世界的な格差拡大傾向に対する人々の不満蓄積にどう向き合うかということかもしれません。こうした問題は米国においては、大統領選挙における共和党のトランプ候補の勢力拡大になって表れているとみられ、年末には再び世界を揺り動かす可能性もありそうです。

図2:日本の国・地域別輸出額(2015年度・兆円)

図3:日本の国・地域別貿易収支(2015年度・兆円)

  • 財務省「貿易統計」のデータをもとにSBI証券が作成

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