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2019-08-21 05:19:07

マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  「大波乱」も想定されるスケジュールを控えてとるべき投資戦術は?

225の『ココがPOINT!』

2016/06/14

「大波乱」も想定されるスケジュールを控えてとるべき投資戦術は?

東京株式市場が波乱となっています。6/13(月)に同平均株価は前日比582円安となり、4/28(木)に624円安となって以来の急落となっています。続く6/14(火)も不安定な動きが続いています。

6/23(木)に英国のEU(欧州連合)離脱の可否を決める国民投票を控え、同国世論調査でEU離脱賛成派の比率が同残留賛成派を上回り、市場のリスク許容度が急速に低下したことが波乱の引き金となりました。また、米国フロリダ州の銃乱射事件も投資家心理が冷え込む原因になりました。

今後の株式市場はどうなり、日経平均株価はどう推移するのでしょうか。また、波乱の株式市場で投資家がとるべき投資戦術はどういったものになるのでしょうか。

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「3役逆転」となり、「当面は波乱」の形だが

株式市場が波乱となっています。英国のEU(欧州連合)離脱の可否を決める国民投票を6/23(木)に控え、同国世論調査でEU離脱賛成派の比率が同残留賛成派を上回り、市場のリスク許容度が急速に低下したことが波乱の引き金となりました。また、米国フロリダ州で起きた銃乱射事件(不幸にも50人余りが死亡)も投資家心理を冷え込ます要因になりました。

日経平均株価は5/31(火)に17,251円まで回復していましたが、6月に入って下落に転じ、6/14(火)の取引時間中には1万6千円台を割り込む展開になっています。

図1は日経平均株価の「一目均衡表」(日足)です。先週までは何とか「弱気転換」を免れていましたが、(1)遅行スパンが日々線を下抜け、(2)転換線が基準線を下抜け、(3)日々線が「クモ」を下抜け、という条件がすべて重なる「3役逆転」が生じてしまいました。教科書的には「弱気転換」の形になりましたので、株式市場では当面波乱が継続することを警戒せざるを得ない状況になっています。

ただ、ここから仮に株価が下落した場合、重要な下値支持ラインが多く、そのどこかで下げ止まる可能性も十分ありそうです。6/13(月)時点の日経平均予想EPS(一株利益)は1,200円84銭となっていますが、これに本年で最低となった2/12の予想PER12.97倍をかけると15,574円と計算され、時価からの下値余地は大きくないとみられます。また、4/8(金)に付けた短期的な安値15,471円や、2/12(金)に付けた本年最安値14,865円なども重要な節目になっていると考えられます。

ちなみに、6/13(月)は英国のEU離脱懸念で世界的に株価が下げましたが、主要国の株価指数下落率は英国1.15%、ドイツ1.80%、米国(NYダウ)0.74%でした。それに対し、日本(日経平均)の下落率は3.5%に達していますが、「震源地」である英国よりも日本の方が株価を大きく下げている点には違和感を覚えます。その意味で日経平均株価はすでに下げ過ぎの領域に入っているのかもしれません。

図1:日経平均株価(日足)・一目均衡表〜「3役逆転」で相場の波乱を示唆

  • ※当社チャートツールもとにSBI証券が作成。データは2016/6/14現在。
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当面のタイムスケジュール〜「6/23(木)」が最大の関門に?

6月は重要指標が目白押しとなっていますので、これをどう乗り切るかが相場の重要なポイントになっています。中でも、英国の国民投票はその結果が株式市場の方向感を大きく左右する可能性があり、注視する必要があると思います。

英国の国民投票は6/23(木)が投票日で、結果は翌日にも判明しそうです。万が一、英国のEU離脱が決まった場合、世界の株式市場・外国為替市場で大きな波乱が起きる可能性があります。第2次世界大戦以降は統合の動きを続けてきたとみられる欧州で初めての本格的な「分離」に向けた動きとなるため、今後EUの分離がドミノ的に続くとの懸念につながりそうです。
また、近年の規制緩和等を受けて英国には「EUのゲートウェイ」として多くの域外企業が進出しており、仮に離脱が決定すると、英国展開の意義が著しく低下してしまうことになります。我が国でも、日立、富士通、日産などの主力企業が英国を起点に欧州展開しており、それらの企業は大きな逆風を受けると予想されます。このため、英国から多くの企業が撤退し、同国経済の衰退につながる可能性が大きいとみられます。

英国のみならず欧州金融の中心であるシティ(ロンドン)も、英国がEUに属しているからこそ重要なポジションを維持できると考えられますので、英国のEU離脱はシティの地盤沈下につながりかねないと考えられます。

このように、仮に英国のEU離脱が決まると、英国やそこへの進出企業に想像以上の強い逆風が吹く可能性があります。また少なくとも、外為市場では「リスク回避の円買い」から円高が加速する可能性もあり、そちらにも目配せが必要になりそうです。

ただ、日本と欧州、なかでも英国との貿易取引は、アジア、米国ほど大きくはないため、日本経済全体、特に内需系企業にとっての影響は限定的になりそうです。また、仮にEU離脱が決まっても、その後2年間交渉の猶予期間が残る決まり(厳しい道筋だが)なので、軟着陸を図れる可能性がゼロでないとみられる点は過小評価すべきでないとみられます。

その他のスケジュールでは、米国時間6/15(水)(日本時間では6/16未明)に結果が発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や6/16(木)に結果が発表される日銀金融政策決定会合が重要です。このうち前者は、5月雇用統計で雇用者数の伸びが著しく減速したことを受け、今回は利上げが見送られる公算が大きいとみられます。また、後者についても一部に追加緩和観測は残るものの、英国民投票の前でもあり、追加緩和の可能性は低下していると考えられます。当面はやはり英国の国民投票が最大の関心事になりそうです。

表1:当面の重要なタイムスケジュール/英国民投票の重要度が高まる

月日(曜日)

国・地域

予定内容

ポイント

6/14(火)

米国

5月小売売上高

事前予想では前月比0.4%増

 

米国

ゲーム見本市(E3)(〜6/16)

バーチャルリアリティなどが注目材料に?

6/15(水)

米国

FOMC結果発表

雇用統計(5月)悪化の影響で利上げの可能性がほぼゼロに

 

米国

6月NY連銀製造業景気指数

5月の-0.92から6月は-4.25に改善の予想

 

米国

5月鉱工業生産

4月の+0.7%(前月比)から5月は-0.2%(同)の予想

6/16(木)

日本

日銀金融政策決定会合結果発表

追加緩和への「期待」が高まる可能性も

 

米国

フィラデルフィア連銀製造業景況感指数

5月の-1.8から6月は1.0に改善の予想

 

米国

5月消費者物価指数

食品・エネルギー除く分野で5月は前年比+2.2%の予想

 

米国

6月NAHB住宅市場指数

5月の58から6月は59と小幅上昇の予想

6/17(金)

米国

5月住宅着工数

5月は年率114.9万件(前月比2.0%減)の見通し

6/19(日)

日本

選挙権が18歳以上に

 

6/21(火)

日本

日銀会合議事要旨

 
 

米国

イエレン議長議会証言(〜22)

 

6/22(水)

日本

参議院選挙公示(予定)

改選議席数は121(うち自民党50)

 

米国

4月FHFA住宅価格指数

 
 

米国

5月中古住宅販売件数

米住宅市場の趨勢を図る最重要指標

6/23(木)

英国

EU(欧州連合)離脱を問う国民投票

離脱賛成派と残留賛成派が拮抗し波乱要因に

6/24(金)

6月Ifo景況感指数

 
 

米国

5月耐久財受注

米設備投資の先行指標

7/1(金)

日本

日銀短観

3月調査で大企業・製造業の現況は+6、先行きは-3%

7/10(日)

日本

参議院選挙投開票

 
  • ※各種報道等をもとにSBI証券が作成。予想は市場コンセンサス。データは2016/6/14現在。
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【ココがPOINT!】大波乱も想定されるスケジュールを控えて採るべき投資戦術(例)

ここまでご説明してきた通り、6/23(木)の英国民投票でEU離脱が決まると円高が進んだり、株価が大きく下がるなどの波乱が想定されます。このため、その直前には株式等の買いポジションを少なくしておくことが重要かもしれません。なお、大波乱も想定されるのであればむしろ先物や信用取引で売り建てるという手もあります。ただ、逆に英国がEU残留を決めた場合、円安の進行や株価の反発も想定され、その場合は「売り建て」に損失が膨らむことになります。

英国民投票が「残留」または「離脱」のどちらに転んでも、株価は大きく動くという読みであれば、日経平均VI先物に投資する手段もあります。図2はその価格推移をみたものです。日経平均VIインデックスは、市場が1ヵ月先の変動率が大きくなると読むほど上昇し、小さくなると読むほど下落する指数です。足元、日経平均が大きく変動する可能性は強まりつつあるように思われる上、2/12にはこの先物価格が42.35ポイントまで進んだという経緯もあります。この先物は今が投資好機かもしれません。ただ、英国民投票で「材料出尽くし」となり、株価が逆に落ち着くケースも想定されます。

同様に市場が荒れると読むのであれば、オプション取引でコール・オプションとプット・オプションを両方とも買い建てる「ストラドルの買い」という戦略をとるのもひとつの手段です。図3に示されるように、このポジションは日経平均株価が大きく上昇または下落するほど利益が上がる計算になっています。ちなみに、図3の例ではコールとプットで合計980円分投資しています。オプション価格は市場の予想変動率が高くなると上昇する傾向があるので、すでに相当高くなっているとの印象です。したがって、英国民投票後の株価が思ったほど大きく変動しないと損失となる可能性もあるので注意が必要です。

以上、重要日程を控え大波乱も想定される市場でも、投資手段の選択肢は複数あることがご理解いただけたと思います。現在の投資環境はリスク回避すべき局面ですが、投資好機と感じている投資家も存在することになります。

図2:日経平均VI先物(日足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成

図3:ストラドルの買いの例

  • ※日経平均オプション取引データを用いてSBI証券が作成。日経平均オプション取引(2016/7限・権利行使価格15,875円)のコール・オプションを430円で、プット・オプションを550円で買い付け、SQまで保有したと仮定(ただし実際の取引価格を参照)した場合の理論損益図(諸コストは勘案しない)を示しています。

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