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マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! > 「中国・新興国」への過度な懸念は一巡し、株価反転の準備へ?

225の『ココがPOINT!』

2015/10/20

「中国・新興国」への過度な懸念は一巡し、株価反転の準備へ?

日経平均株価は9/29安値16,901円から10/9高値18,438円まで上昇した後、もみ合いとなっています。テクニカル面で上値が重くなりやすくなっていることや、中国・新興国経済への不安を背景に、企業業績への不透明感が高まっていることが考えられます。このため、「中国・新興国」への不安が後退しないと、株価は本格的な上昇に転じないと考えられています。

しかし、日経平均株価採用銘柄の値動きをみると、上記のような懸念はやや行き過ぎであり、懸念に終わる可能性もあります。もともと市場の期待が強すぎたことや、天候不順の影響も無視できないとみられ、それらが織り込まれれば、日経平均は意外に早く本格的な反発局面に入る可能性もあるのではないでしょうか。

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「3分の1戻し」を達成した後は上値の重い展開

日経平均株価は9/29安値16,901円から10/9高値18,438円まで上昇した後、もみ合いとなっています。

テクニカル面で日経平均株価は、8/11の高値(20,946円)から9/29の安値(16,901円)までの下落幅に対する「3分の1戻し」水準(18,249円)を回復したことで戻り売りが出やすくなっているようです。 また、図1の一目均衡表は、上値抵抗ラインとなっている「クモ」が次第に厚みを増しつつあり、上値の重さが意識されやすい形になっていることを示しています。

折しも日米で決算発表が本格化する時期を迎え、市場参加者は様子見姿勢を強めているようです。米国では、ドル高の逆風もあり、2015年7〜9月期の純利益は前年同期比で数%程度減少する見込みで、決算発表ではとりあえず数字を確認したいという空気が強まりそうです。我が国でも、中国をはじめとする新興国の景気減速が企業業績に及ぼす影響を確認すべき局面に来ています。

図1:「強気シグナル」がひとつ点灯も「クモ」が上値抵抗ラインに

  • ※当社チャートツールをもとに、SBI証券が作成(2015/10/19現在)。

気になるのは、図2で示したように日経平均の予想EPS(一株利益)が10月に入り下落基調となっていることです。10/5には1,269円と、アベノミクス相場での最高水準まで上昇していましたが、10/16には1,240円まで下落してしまいました。足元で企業の先行き見通しが慎重になっていることを示しています。「アナリストによる業績予想上方修正数が下方修正数をどの程度上回っているか」を示す「リビジョン・インデックス」は、大手調査機関の推計では下落傾向に転じています。

こうした中、10/19には東証一部の売買代金が8/17以来、約2ヵ月ぶりに2兆円を割り込んでしまいました。この日は中国の主要経済統計発表を控え、午前中から買い手控えとなりやすかったことは確かですが、GDPや鉱工業生産の発表が行われた後も、上値追いの空気は乏しいという印象を受けました。NY株およびシカゴ日経平均先物の上昇と言う追い風を受け、10/20の東京株式市場で、日経平均株価は買い先行となりましたが、上値は重く感じられ、10/9の高値水準以下での推移が続いており、市場参加者の方向感は定まっていないと見受けられます。

図2:10月に入り、やや低下となった日経平均株価の予想EPS

  • ※日経平均株価公表データをもとに、SBI証券が作成(2015/10/19現在)。
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【ココがPOINT!】採用銘柄の値動きが示唆する日経平均株価「反発」の条件

日経平均株価が本格的に上昇するには、その下落要因になっている「中国や新興国経済への不安」が大きく後退することや、「米国の金融政策に対する不透明感」が解消に向かうことが重要というのが一般的な見方のようです。特に前者については、市場参加者や企業のマインド悪化を通し、企業業績見通しの引き下げ要因になっていると考えられます。

ただ、本当にそうした見方は正しいでしょうか。「中国や新興国経済への不安」が後退しないと、株価は反発しないのでしょうか。

日経平均株価の動きを見極めるのであれば、採用銘柄の値動きを見るべきでしょう。表1は日経平均株価が当面の高値を付けた8/11から、先週末の10/16までにその変動に対して大きく寄与した銘柄を順にランキングにしたものです。この間、日経平均株価は2,416円下げましたが、その下落幅のうち477円(19.7%)がファーストリテイリングによるもので、その他ソフトバンクやKDDI等の通信キャリアの下落も大きく影響したことを示しています。

確かに、ファナックのようなFA関連企業や京セラ、TDK、日東電工などのエレクトロニクス関連企業の株価下落には「中国や新興国経済への不安」が影響していると考えられます。

ただ、これらの企業の製品は、納入先がその競争力を強めるために購入する場合も多く、マクロな中国経済の減速が業績悪化に「そのまま」つながる訳ではないとみられます。事実、日東電工などは好調な業績見通しを発表しています。むしろ、中国に納入しているということより「どの企業に納入しているのか」が重要かもしれません。

また、ファーストリテイリングは10/8の決算発表以降特に株価が下落しましたが、収益が市場予想に届かなかったことが要因とみられます。それでも、同社の業績自体は今期も増収増益予想です。見方によっては「市場予想が強すぎた」に過ぎないのかもしれません。

中国経済は高度成長から新常態に至る過程であり、株式市場はその変化に対し、神経質になっているように思われます。しかし、減速する見通しとはいえ、我が国から比べれば高めの経済成長は依然続くと見られ、企業業績への過度な懸念は不要なのではないでしょうか。むしろ、国内の天候不順等で消費の勢いがそがれたこと等が株価に影響したのではないでしょうか。日経平均株価の9/29を底値としたリバウンド相場は、今後も続く可能性が大きいと考えています。

  • ※10/19に第1回会合が開催された携帯電話料金に関する総務省の有識者会合で、透明性と公平性が重要との指摘が出たものの、単純な料金引き下げが目的ではないと理解され、10/20に携帯キャリアは反発に転じました。

表1:日経平均採用銘柄の推計寄与度上位(8/11〜10/16)

コード 会社名 東証業種 株価 寄与度 寄与率
9983 ファーストリテイリング 小売業 43,400 -477 19.7%
9984 ソフトバンクグループ 情報・通信業 6,399 -148 6.1%
9433 KDDI 情報・通信業 2,671 -148 6.1%
6954 ファナック 電気機器 19,725 -71 2.9%
4503 アステラス製薬 医薬品 1,626 -62 2.6%
4523 エーザイ 医薬品 7,000 -59 2.4%
6971 京セラ 電気機器 5,770 -54 2.2%
6762 TDK 電気機器 7,090 -47 1.9%
7267 本田技研工業 輸送用機器 3,863 -42 1.7%
7733 オリンパス 精密機器 3,875 -40 1.7%
4519 中外製薬 医薬品 3,880 -38 1.6%
6367 ダイキン工業 機械 7,692 -34 1.4%
4507 塩野義製薬 医薬品 4,260 -31 1.3%
6988 日東電工 化学 7,866 -31 1.3%
4063 信越化学工業 化学 6,772 -30 1.2%
4502 武田薬品工業 医薬品 5,674 -29 1.2%
7203 トヨタ自動車 輸送用機器 7,400 -28 1.2%
9735 セコム サービス業 7,612 -28 1.2%
4452 花王 化学 5,751 -27 1.1%
2801 キッコーマン 食料品 3,535 -26 1.1%
- 日経平均株価 - 18,292 -2,416 100%
  • ※日経平均株価公表データをもとにSBI証券が作成。
  • ※日経平均は8/11〜10/16に2.416円下落したが、その下落に寄与度の大きかった採用銘柄を上位としてランキングした。序数は10/16現在の数値を使用しており、実際の寄与度と多少異なる可能性があります。
  • ※各種資料よりSBI証券が作成。

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