中国の株安・通貨切り下げからはじまった世界同時株安が止まりません。日経平均株価も、大幅下落した後は、一旦は戻り相場に入るものの、すぐに反落してしまいます。今回の株価下落は、「2歩下がって、1歩前に」の値幅で動いているようです。次回の戻り相場では、一旦半値戻し近辺は上値のメドになりそうです。逆に、半値戻し近辺を突破したら、今回の下落相場に終止符が打たれる可能性が高そうです。
株価下落は継続 |
先週の日経平均株価は、前週末比−1,344円16銭と大幅下落し、今回の中国株安を受けた急落後の安値を更新しています。8/31(月)は、前々週末の3日間で日経平均株価が1,300円以上戻した反動などから、売られました。また、9/1(火)には、午前10時に中国の8月製造業PMI(49.7)の結果が伝わると、下げが加速し、今年3番目の下げ幅となりました。9/2(水)、9/3(木)は、一時18,500円に近づく水準まで戻す局面もありましたが、上下ボラティリティの高い相場が続きました。9/4(金)は、夜に米雇用統計があり押し目買いが入りにくい相場の中、ドル円相場が円高に振れた事から、大きく下げました。
9/4(金)の注目の米雇用統計は、強弱入り混じった内容で9月利上げの思惑が残ったことなどから、NYダウは下げて終わりました。
週明けの9/7(月)は、NY株安などから下落してはじまり、一時17,500円を切るなど、中国ショック後の安値を割り込んでいます。しかし、その後は急反発し一時18,000円台を回復するなど大幅高となりましたが、その後は反落し、小幅高で引けています。
表1:日経平均株価 4本値
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | 出来高(千株) |
---|---|---|---|---|---|---|
8月31日(月) | 19,007 | 19,020 | 18,750 | 18,890 | -246 | 1,676,295 |
9月1日(火) | 18,764 | 18,777 | 18,166 | 18,166 | -725 | 1,767,900 |
9月2日(水) | 17,862 | 18,467 | 17,857 | 18,095 | -70 | 1,978,854 |
9月3日(木) | 18,360 | 18,482 | 18,177 | 18,182 | 87 | 1,430,481 |
9月4日(金) | 18,312 | 18,312 | 17,608 | 17,792 | -390 | 1,711,334 |
9月7日(月) | 17,675 | 18,014 | 17,479 | 17,860 | 68 | 1,646,479 |
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
図1:日経平均株価(日足 3ヵ月間)
- ※当社WEBサイトより、SBI証券が作成。
今週の注目ポイントは、米・日・中の景気指標 |
来週は、14日・15日に日銀金融政策決定会合、17日・18日に米FOMCがあり、日本はシルバーウィークで19日から23日まで5連休となっています。今週の注目ポイントは、来週の日米のビッグイベント前に、米国(10日/卸売上高・在庫、11日/生産者物価指数PPI)、中国(10日/消費者物価指数CPI)、日本(8日/景気ウォッチャー調査、10日/機械受注)などの景気に関する指標です。
表2:今週の主なスケジュール
日付 | 国 | 内容 |
---|---|---|
9月8日(火) | 日本 | 経常収支(7月) |
日本 | 景気ウォッチャー調査(8月) | |
欧州 | ユーロ圏GDP(4〜6月期、一次推計) | |
9月9日(水) | 日本 | マネーストック(8月) |
日本 | 工作機械受注(速報) | |
9月10日(木) | 日本 | 機械受注(7月) |
中国 | 消費者物価指数(CPI 8月) | |
米国 | 卸売上高・在庫(7月) | |
9月11日(金) | 日本 | 法人企業景気予測調査(7〜9月期) |
米国 | 生産者物価指数(PPI、8月) |
- ※各種データより、SBI証券が作成。
2歩下がって、1歩前に 半値戻しが上値メド!? |
図2:日経平均株価(日足 1ヵ月間)
- ※当社WEBサイトより、SBI証券が作成。
図2の日経平均株価日足チャート(1ヵ月)で、今回の下落相場を1,2,3の3つに分解してみました。
●1回目の下落
8月17日終値2万0,620円26銭から6連続営業日安の急落となり、8月26日安値1万7,714円30銭で底値をつけ、3連続高で8月28日高値1万9,192円82銭まで戻しています。
下落幅2,905円96銭(=20,620.26ー17,714.30)に対して、リバウンド幅は1,478円52銭(=19,192.82ー17,714.30)で、リバウンド率は50.9%(=14,78.52÷2,905.96)。ほぼ半値戻しとなりました。
●2回目の下落
8月28日高値1万9,192円82銭を始点として、9月2日安値1万7,857円30銭で底値をつけ、9月3日高値1万8,481円57銭まで戻しています。
下落幅1,335円52銭(=19,192.82ー17,857.30)に対して、リバウンド幅は624円27銭(=18,481.57ー17,857.30)で、リバウンド率は46.7%(=624.27÷1,335.52)。ほぼ半値戻しとなりました。
●3回目の下落
9月3日高値1万8,481円57銭を始点として、9月7日安値1万7,478円72銭で底値をつけ、9月7日高値1万8,013円64銭まで戻しています。
下落幅1,002円85銭(=18,481.57ー17,478.72)に対して、リバウンド幅は534円92銭(=18,013.64ー17,478.72)で、リバウンド率は53.3%(=534.92÷1,002.85)。ほぼ半値戻しとなりました。
「半値戻しは全値戻し」という相場格言があります。「大きな下げのあと、下落分の半値まで戻した銘柄は勢いに乗って元の価格まで戻す」という考え方もありますが、「下落分の半値を取り戻したら、深追いせずその場で利食い売りをかけましょう」との考え方もあるようです。
今回の下落相場では、3回の下落局面の戻りは、ほぼ半値戻しとなった局面が戻りのメドとなっています。まさに「2歩下がって、1歩前に」を繰り返しています。
今後、4回目の下落局面があった場合、一旦は半値戻し水準が戻りのメドとなりそうです。逆に半値水準を一気に上抜けて行くような上昇があれば、トレンドの大きな変化があったと考えて、今回の下落相場は終焉したと考えるのも、ひとつの考え方です。
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