先週は、ギリシャ・中国の2つの外部要因で大荒れだった東京株式市場。再度、上昇相場に戻れるかは、終値ベースで一目均衡表の雲の上をキープできるかがポイントになりそうです。
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ギリシャ・中国 2つの懸念で、株式市場は大荒れの1週間 |
先週も日経平均株価は大荒れの1週間でした。注目されたユーロ圏が求める緊縮財政案についてのギリシャでの国民投票は、財政緊縮反対派が賛成派を上回り、7/6(月)の先進諸国で最初に開く東京株式市場は、大幅安ではじまりました。しかし、2万円ギリギリで踏ん張って、2万円割れは回避されました。翌日7/7(火)は、海外株式市場が日本株ほど下げなかったことから、安心が広がり200円を超える反発局面となりました。7/8(水)は、欧米株式市場は反発したものの、中国・上海市場で、上場企業の3分の1強が売買停止となったことから、安くはじまりました。上海市場の下げが止まらず、日経平均も600円以上の急落となり、2万円を大きく割り込んで引けています。7/9(木)は、前日の米国市場では、NY証券取引所のシステムトラブルなどから急落したこと、ギリシャ問題の不透明感、中国・上海市場が下げ止まらないことなど、3つの要因が重なり、大幅安ではじまり、下げが投げ売りを呼び込む展開となり、一時19,115円と19,000円割れが目前の水準まで大幅下落しました。しかし、中国政府のなりふり構わない矢継ぎ早の株価対策によって、小幅安でスタートした上海市場が反発し大幅高となったことから、日本株も切り返しました。結局は前日比で小幅高となるなど、1日の値幅が740円もある大荒れの1日となりました。東証1部の売買高は今年最大、売買代金もSQ算出日を除き今年最大となっています。7/10(金)は、7/12(日)のEU(欧州連合)首脳会議の結果を見極めたいとする向きも強く、小動きで終わっています。
7/13(月)は、注目のギリシャ問題は決着せず先送りとなりましたが、中国・上海市場が上昇したことなどから、金融株中心に、300円を超える上昇となりました。
先週からは、今までのギリシャ問題に加えて、中国・上海市場の株式暴落と大きな2つの外部要因によって、日経平均株価は、大荒れの展開となりました。
表1:日経平均株価 4本値
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | 出来高(千株) |
---|---|---|---|---|---|---|
7月6日(月) | 20,200 | 20,311 | 20,012 | 20,112 | -428 | 1,636,787 |
7月7日(火) | 20,354 | 20,428 | 20,337 | 20,377 | 264 | 1,393,435 |
7月8日(水) | 20,282 | 20,311 | 19,738 | 19,738 | -639 | 2,075,793 |
7月9日(木) | 19,423 | 19,856 | 19,115 | 19,856 | 118 | 2,529,246 |
7月10日(金) | 19,830 | 19,978 | 19,720 | 19,780 | -76 | 1,930,316 |
7月13日(月) | 19,930 | 20,120 | 19,911 | 20,090 | 310 | 1,390,212 |
- ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
図1:日経平均株価(日足 3ヵ月間)
- ※当社WEBサイトより、SBI証券が作成
今週は、日米の金融政策に注目 |
今週の注目ポイントは、本来は先送りになるはずのギリシャ問題の行方でしたが、7/13(月)の東京株式市場取引終了後に、ユーロ圏首脳会談で約17時間にわたる協議を終え、ギリシャ議会が15日までに財政改革法案を法制度化し即時実行することを条件に、ギリシャへの金融支援を行うことで大筋合意したとのニュースが出ています。これでギリシャはユーロ圏にとどまり、国際通貨基金(IMF)との関与とともに、財政再建を目指すことになりそうです。7/5(日)の国民投票で否決されたユーロ案に、ほぼ近い形でギリシャが条件を飲んで、空港など500億ユーロ相当の国有財産を外部ファンドを通じて売却・民営化し、債務返済に充てるなど、ギリシャ側に大変厳しい内容での決着となっています。
先週の中国・上海株式市場の暴落も、中国政府のなりふり構わぬ政策で下げ止まり、ギリシャ問題も先行きが見えて来ました。今後の株式市場の注目ポイントは、米国の利上げ時期と、日銀の更なる追加緩和になりそうです。今週のスケジュールでは、米国の小売売上高や鉱工業生産などの経済指標、日銀の金融政策決定会合に注目が集まりそうです。金融政策決定会合では、金融政策の変更はなさそうですが、日銀展望レポートの中間評価と、黒田・日銀総裁の記者会見での発言内容に注目が集まりそうです。
表2:今週の主なスケジュール
日付 | 国 | 内容 |
---|---|---|
7月14日(火) | 日本 | 日銀金融政策決定会合1日目 |
欧州 | 独ZEW景況指数 | |
米国 | 小売売上高(6月) | |
7月15日(水) | 中国 | 国内総生産(GDP、4〜6月期) |
日本 | 日銀金融政策決定会合2日目・展望レポート中間評価・黒田総裁会見 | |
米国 | 鉱工業生産指数(6月) | |
7月16日(木) | 米国 | 地区連銀経済報告(ベージュブック) |
欧州 | ユーロ圏金融政策決定 | |
7月17日(金) | 米国 | 住宅着工件数(6月) |
米国 | 消費者物価指数(CPI 6月) |
- ※各種データより、SBI証券が作成。
ギリシャ・中国は「収束」で、今後は雲の上の安定飛行? |
大荒れだった先週1週間の日経平均株価を一目均衡表でテクニカル分析すると、7/8(水)の600円を超える大幅な下げで、一気に雲を下抜けてしまいました。翌日の7/9(木)には、雲を下抜けたことから、売りが売りを呼ぶ展開となり、19,000円割れも視野に入る19,115円の安値をつけています。しかし、中国・上海市場が急反発したことから、日経平均株価も急反発、結局小幅高での引けとなり、一目均衡表の雲の下限の上で引けています。その後の7/10(金)、7/13(月)も雲の中での推移となっています。
ギリシャ問題で、ユーロ圏のギリシャ支援がほぼ決まったことから、7/14(火)は、堅調な相場展開となりそうです。
今後の注目ポイントは、終値ベースで雲の上限を上回り、再度上昇相場入りできるかです。
先々週の「225のココがPOINT!」で解説したように、一目均衡表の雲の上限を、上昇相場と下落相場の分岐点として考えて投資戦略を考えるのも、有効な投資戦略です。
目先の相場展開としては、終値ベースで雲の上で推移できれば安定飛行で上昇相場、雲に入ったり、雲を下抜けると下落相場と判断しての対処が良さそうです。
図2:日経平均株価日足 一目均衡表
- ※当社WEBサイトより、SBI証券が作成。
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