先週の日経平均株価は、日銀の黒田総裁の円安けん制発言で急落したものの、反発しレンジ相場が続いています。週末12日は、日経平均先物・オプション6月限月の特別清算指数(SQ)算出日でしたが、SQ値は20,473円83銭となり、当日の高値以上となり、いわゆる幻のSQとなっています。実は、先週末のこの動きで、今週の日経平均株価の方向性は決まったと考えることが出来そうです。今週は、米FOMC・日銀金融政策決定会合と2つのビッグイベントが控えていますが、今週の上値が重いと考えるその訳は?
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先週は黒田円安けん制発言で急落も、反発しレンジ相場 |
先週の日経平均株価は、6/9に、日銀の黒田総裁の円安けん制発言から、ドル円が125円台から一気に122円台まで円高方向に動いたことから、日経平均は300円以上の急落となりました。しかし、11日は、ギリシャ問題について楽観的な見方が広まったことから、欧米の株式市場が急反発し、日経平均も急反発となりました。9日の急落、11日の急騰と、値動きはありましたが、1週間で400円強の値幅内に留まり、狭いレンジ相場での値動きが続いています。
12日(金)は、6月限月の日経平均先物・オプションの特別清算指数の算出日でしたが、高寄りする銘柄が多くSQ値は、20,483円83銭で決定しました。この水準が当面の上値のメドになるものと意識され、先物につれて日経平均株価も売りが膨らみ、一時マイナス圏に沈みましたが、結局小幅高で週末を迎えました。
今週に入って15日は、週末に再度ギリシャ問題の不安が高まったことから、欧米株式市場が軟調で、約200円安水準で始まりました。今週の米FOMC、日銀金融政策決定会合の2大イベントを前に、大きく売り込む動きは見られず、始値が安値となって、19円安の小幅安で引けています。売買高は、前週に比較して極端に減少しており、様子見気分が強いと言えそうです。
表1:日経平均株価 4本値
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | 出来高(株) |
---|---|---|---|---|---|---|
6月8日(月) | 20,538 | 20,545 | 20,359 | 20,457 | -4 | 1,397,995 |
6月9日(火) | 20,293 | 20,332 | 20,095 | 20,096 | -361 | 1,607,322 |
6月10日(水) | 20,126 | 20,265 | 20,016 | 20,046 | -50 | 1,832,266 |
6月11日(木) | 20,184 | 20,383 | 20,178 | 20,383 | 337 | 1,503,790 |
6月12日(金) | 20,432 | 20,437 | 20,331 | 20,407 | 24 | 1,899,209 |
6月15日(月) | 20,205 | 20,401 | 20,205 | 20,388 | -19 | 1,156,518 |
- ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
図1:日経平均株価(日足 3ヶ月間)
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成。
今週の注目スケジュールは、米FOMCと日銀金融政策決定会合 |
今週の注目ポイントは、米FOMCの結果・経済見通し発表と、日銀金融政策決定会合と黒田総裁記者会見の2つです。どちらも、金融市場には大きな影響があります。米国の焦点は引き続き、政策金利の引き上げ時期です。米景気回復の鈍化から利上げが年後半の遅いタイミング、または来年に持ち越されるとの見方もありました。しかし、5月の米雇用統計が想定外に大きく改善したことから、9月など早期の利上げ観測が再び台頭しています。イエレンFRB議長は、「経済データ次第」と繰り返し強調していますが、記者会見の発表内容や、新たに公表されるFOMCメンバーの経済・金利見通しも注目されています。
日本では、日銀金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が想定されます。前回は、景気判断を「緩やかな回復基調」から「緩やかな回復を続けている」と、景気認識を強めています。今回も、引き続き日銀の強い景気認識は維持されるか注目されます。また、6/9の実質実効為替レートに関する「さらに円安に振れることはありそうにない」の発言についての黒田総裁の回答が注目されそうです。
この2つのビッグイベントを消化して、前回125円台で止まった円安の流れが、完全に止まってしまうのか、逆に一気に126円台への円安と加速するのか、要注目です。
円安への加速がなければ、輸出関連銘柄中心に上値が重く、逆の内需関連銘柄への物色が続きそうです。日経平均株価の構成銘柄の日経平均への寄与度で考えてみると、内需関連は低位株が比較的多く、輸出関連は高株価の銘柄が比較的多い傾向にあります。円安への流れが完全に止まったと市場が認識した場合、日経平均株価の上値は重くなりやすいと考えられそうです。
表2:今週の主なスケジュール
日付 | 国 | 内容 |
---|---|---|
6月16日(火) | 日本 | 首都圏マンション販売(5月) |
欧州 | 独ZEW景況指数(6月) | |
米国 | 住宅着工件数(5月) | |
6月17日(水) | 日本 | 貿易収支(5月、速報) |
米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC) 1日目 | |
6月18日(木) | 米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)2日目、FRB経済見通しを発表 |
日本 | 日銀・金融政策決定会合 1日目 | |
米国 | 景気先行指数(5月) | |
6月19日(金) | 日本 | 日銀・金融政策決定会合 2日目・黒田総裁記者会見 |
欧州 | ユーロ圏経常収支(4月) |
- ※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成。
先週末に今週の方向性は決まった!?幻のSQ値20,473円を抜けない!? |
先週末12日(金)は、日経平均先物・オプションの6月限月の特別清算指数(SQ)算出日でした。朝方買い優勢で始まったことから、SQ値は20,473円83銭と高くなり、12日の高値を超えるいわゆる幻のSQ値となっています。
表3 は2015年のSQの翌週の日経平均株価の推移です。SQ日当日の終値がSQ値より安かったのが、1月と3月。逆にSQ当日の終値がSQ値より高かったのが、2月・4月・5月です。安かった1月・3月の翌週は、上値が重く前週末のSQ値を上抜けることが出来ず、週間でも始値より終値が安く陰線となっています。高かった2月・4月・5月の翌週は、下値が固く前週末のSQを下抜けずに、週間で陽線となっています。6月は、SQ日当日の終値がSQ値より安かったので、5月までと同様であれば、上値が重くなると考える投資家が多そうです。あくまで過去の株価推移なので、今回も絶対にこうなるというものではありませんが、日経平均先物を取引する投資家の多くが、「幻のSQは、当面の上値抵抗線になりやすい」と考えていると思われます。
まずは、今週の方向性として、「上値が重く、幻のSQ値20,473円を抜けない」と考えて、投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか?
逆に言えば、20,473円を上抜けることがあれば上値抵抗線は一転、下値支持線となり、2000年4月高値、20,833円を目標に急上昇する展開も考えられます。今週は、先週末のSQ値である20,473円が大きなテクニカルポイントとなりそうです。
表3:2015年のSQの翌週の日経平均株価の推移
Date | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | SQ値 | 週間 始値−終値 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015/1/9 | 17,319 | 17,343 | 17,130 | 17,198 | 17,341.88 | |
2015/1/13 | 16,971 | 17,088 | 16,828 | 17,088 | -106.72 | |
2015/1/14 | 16,962 | 17,037 | 16,771 | 16,796 | ||
2015/1/15 | 16,873 | 17,142 | 16,856 | 17,109 | ||
2015/1/16 | 16,813 | 16,864 | 16,593 | 16,864 | ||
2015/2/13 | 17,892 | 17,962 | 17,865 | 17,913 | 17,886.04 | |
2015/2/16 | 18,024 | 18,074 | 17,979 | 18,005 | 308.29 | |
2015/2/17 | 17,950 | 18,009 | 17,901 | 17,987 | ||
2015/2/18 | 18,104 | 18,203 | 18,092 | 18,199 | ||
2015/2/19 | 18,237 | 18,323 | 18,237 | 18,265 | ||
2015/2/20 | 18,337 | 18,361 | 18,298 | 18,332 | ||
2015/3/13 | 19,120 | 19,336 | 19,042 | 19,254 | 19,225.43 | |
2015/3/16 | 19,245 | 19,349 | 19,227 | 19,246 | 314.84 | |
2015/3/17 | 19,426 | 19,480 | 19,373 | 19,437 | ||
2015/3/18 | 19,408 | 19,556 | 19,389 | 19,544 | ||
2015/3/19 | 19,515 | 19,557 | 19,313 | 19,477 | ||
2015/3/20 | 19,480 | 19,565 | 19,417 | 19,560 | ||
2015/4/10 | 19,990 | 20,006 | 19,845 | 19,908 | 20,008.47 | |
2015/4/13 | 19,967 | 19,976 | 19,826 | 19,905 | -314.5 | |
2015/4/14 | 19,829 | 19,923 | 19,829 | 19,909 | ||
2015/4/15 | 19,839 | 19,913 | 19,824 | 19,870 | ||
2015/4/16 | 19,862 | 19,894 | 19,742 | 19,886 | ||
2015/4/17 | 19,810 | 19,815 | 19,638 | 19,653 | ||
2015/5/8 | 19,316 | 19,459 | 19,303 | 19,379 | 19,270.79 | |
2015/5/11 | 19,638 | 19,680 | 19,587 | 19,621 | 95.34 | |
2015/5/12 | 19,608 | 19,627 | 19,468 | 19,625 | ||
2015/5/13 | 19,569 | 19,792 | 19,495 | 19,765 | ||
2015/5/14 | 19,662 | 19,718 | 19,547 | 19,570 | ||
2015/5/15 | 19,693 | 19,751 | 19,634 | 19,733 | ||
2015/6/12 | 20,432 | 20,437 | 20,331 | 20,407 | 20,473.83 | |
2015/6/15 | 20,205 | 20,401 | 20,205 | 20,388 | ? |
- ※Bloombergデータにより、SBI証券が作成。
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今週は重要イベント満載で、日経平均はどう動くか?
国内株式 日経平均レバレッジ・インデックス関連ETF
取引 | チャート | コード | 銘柄名 |
---|---|---|---|
1358 | 上場インデックスファンド日経レバレッジ指数 | ||
1365 | ダイワ上場投信−日経平均レバレッジ・インデックス | ||
1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | ||
1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 |
国内最高の3.7倍レバレッジを実現した、日本株3.7倍ブル・ベア登場!
日本の株式市場に連動するブル・ベアファンドとしては国内最高(※)である3.7倍レバレッジのブル・ベアファンドが2015/2/6(金)に登場しました!
※2015/1/20時点SBIアセットマネジメント調べ