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活況取り戻す米IPO市場、アマゾンが支援するリビアン、バフェットが投資するヌーなど注目企業が続々!!

2021/11/17
投資情報部 榮 聡

年後半の米IPO市場は当初低調に推移していましたが、アファームホールディングスの株価急騰、リビアンオートモーティブの時価総額1,000億ドル超え、前評判の高いヌーホールディングスの上場接近などを受けて活況を取り戻しています。上場予定のヌーホールディングスのほか、7月〜11月前半に新規上場した銘柄から注目銘柄をご紹介いたします。

図表1 注目銘柄

銘柄 株価(11/16) 52週高値 52週安値
リビアン オートモーティブ(RIVN) 172.01ドル 179.47ドル 95.20ドル
ギットラブ インク A(GTLB) 121.63ドル 137.00ドル 93.11ドル
オラプレックス(OLPX) 27.61ドル 30.13ドル 22.84ドル
インフォマティカ(INFA) 32.35ドル 34.33ドル 27.51ドル
フルエンス エナジー(FLNC) 36.51ドル 39.40ドル 32.00ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1活況を取り戻す米IPO市場

今回の外国株式特集レポートでは、今年7月以降の米国のIPO市場の動向をまとめました。

年後半のIPO市場は当初低調でした。7月には市場の注目を集めたロビンフッド マーケッツ A(HOOD)の上場がありましたが、上場直後に上昇した後のパフォーマンスは冴えず、現在では公募価格近辺まで下落しています。8月、9月前半までの調達額は低調でした。

一方、9月の後半から上場する銘柄も増えて、市場で幅広く注目される銘柄は少なかったものの、徐々にIPO市場への注目が高まってきました。

また、今年1月に上場した後払いサービスを提供するアファーム ホールディングス(AFRM)がアマゾンサイトでの採用をきっかけに8月下旬に大幅高となり、その後も継続的に上昇したことから、IPO銘柄に市場の目が向かうきっかけになったとみられます。公募価格49ドルから11/12(金)までの上昇率は204%に達しています。

11月に入ってからは図表2の通り、年初から9月まで30%前後以下だった公募価格からの株価騰落率平均が56%に拡大してIPO市場に対する注目の高まりがうかがえます。

11月の上場銘柄で、公募価格から11/12(金)終値にかけて大きく上昇した銘柄として、以下のようなものがあります。

・コスト管理のソフトウェアを提供するエクスペンスィファイ(EXFY)は76.4%上昇

・トラックにフォーカスしたEVメーカーのリビアン オートモーティブ(RIVN)は66.6%上昇

・自然由来の素材を多用した靴メーカーのオールバーズ A(BIRD)は41.0%上昇

・金融商品の比較サイトを運営するナードウォレット(NRDS)は38.6%上昇

特にリビアン オートモーティブ(RIVN)は、時価総額が1,000億ドルを超えて、「次のテスラ」との呼び声も高くなり、幅広い市場の注目をあつめています。同社については、第2節でご紹介します。

今後のIPO銘柄としては、10/27(水)に上場申請し、来月上旬の上場が観測されているヌーホールディングス(NU)も前評判が高くなっています。

同社は2013年にブラジルで創業した南米を主要市場とするフィンテック企業で、デジタルバンキングでは世界最大級とされます。米国の錚々たるベンチャー・キャピタルが出資しているほか、2021年6月にウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイから5億ドルを調達したことが知られています。第3節でより詳しくご紹介いたします。

ヌーホールディングス以外に2021年中にIPOの可能性がある注目企業として、以下があげられます。

Stripe(ストライプ): インターネット向け決済インフラ

ThoughtSpot(ソートスポット): 検索とAIを活用した分析プラットフォーム

Authentic Brands Group(オーセンティックブランズグループ): 不振企業の買収ファンド

The Fresh Market(ザフレッシュマーケット): グルメスーパーマーケット

Instacart(インスタカート): 食料品の宅配

Discord(ディスコード): ボイスチャットアプリ

Databricks(データブリックス): ビッグデータ管理のソフトウェア

Ascensus(アセンサス): 幅広い貯蓄プランの提供

S&P500指数は筆者が年内の高値目標とする4,700ポイントに到達しています。米国の主要銘柄の評価はかなりいいところまで高まってきたというのがコンセンサスと考えられます。このため市場参加者の注目は「周辺市場」へ向かいやすく、IPO市場はその一つと考えられます。

図表2 月別のIPO調達額と株価パフォーマンス(公募価格からの株価騰落率)

  • 注:11月分は11/12(金)までの集計です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2年後半に上場した注目銘柄をご紹介

7月〜11月上旬までに新規上場して、11/12(金)時点の時価総額が50億ドル以上の当社取り扱い銘柄を図表3にリストアップしています。ここから、事業内容からみて注目できそうなものを以下にご紹介いたします。

リビアン オートモーティブ(RIVN) 時価総額:1,135億ドル(11/12)

【会社概要】
2009年に創業したカリフォルニア州アーバインのEVトラックメーカー。顧客への直接販売を行い、販売後も各種の付加価値サービスを提供するテスラ式のビジネスモデルを志向しています。消費者向けトラックでは、5人乗りのピックアップトラック「R1T」を9月に、7人乗りのSUV「R1S」を10月に小規模に生産開始したところです。2021年の生産台数はR1Tが1,200台、R1Sが25台の見込みです。2021年10月末時点で両車種合わせて55,400台の受注を受けています。

商用トラックでは、アマゾンと共同開発したエレクトリック・デリバリー・バン(EDV)が最初の生産車種になります。アマゾンが宅配の配送車としてグローバルに使用する目的で、10万台の発注を行っています。2021年末までに10台の生産を行う予定です。

アマゾンが最大の株主で、IPO後に18.9%を保有見込みです。このほか、フォードが4番目の大株主で12.2%を保有見込みです。

【業績動向】
EVの量産を準備している段階にあるため、いまのところ、意味のある売上は立っていません。2020年12月期の純損失は10.2億ドル、2021年1-6月期の純損失が9.9億ドルです。生産開始に向けて企業活動のレベルが上がったことで、2021年7-9月期の純損失は11.7〜12.8億ドルに拡大する見込みです。

2021年9月末の現金および同等物は約51億ドルの見込みです。旺盛な資金需要を賄うため、今回のIPOで約100億ドルを調達する計画です。

【評価】
アマゾンが商用車の事業を支援しているため、普通のEVスタートアップ企業が潜り抜ければならない、量産が軌道に乗るまでの不安定な時期のリスクを軽減できる点が注目できるでしょう。

一方、同社が参入しようとしている米国のピックアップトラック、大型SUVの市場は、GM、フォードのドル箱となっている市場です。両社ともこの分野にEVを投入する見込みであることから、リビアンの量産体制が整った段階での競争は激しいものになると考えられます。

11/12(金)時点で、テスラの時価総額が1.0兆ドル、GMが920億ドル、フォードが779億ドルです。リビアンオートモーティブは1,135億ドルに達しています。GM、フォードよりもテスラが意識されている可能性がうかがえるでしょう。

ギットラブ インク A(GTLB) 時価総額:179億ドル(11/12)

ソフトウェア開発手法の一つであるデブオプス(DevOps)プラットフォームを提供する会社です。開発、運用、セキュリティ、ビジネスの各チームが単一のコードベース、統合データモデル、およびユーザーインターフェイス上で連携できるもので、ソフトウェアの開発と投入スピードを引き上げる目的で導入されます。

同社のプラットフォームは、無料・有料ユーザー含めて3千万人以上が利用していると推定され、幅広い産業で使用されています。グローバル企業では、チケットマスター、ジャガーランドローバー、ナスダック、ディッシュネットワーク、コムキャストなどを含みます。

2021年1月期の売上は152百万ドル、純利益は192百万ドルの赤字、2021年1-6月期の売上は108百万ドルで前年同期比74%増、純利益は68百万ドルの赤字で、前年同期の43百万ドルの赤字から拡大しています。

オラプレックス(OLPX) 時価総額:175億ドル(11/12)

ヘアケア製品を製造販売している会社です。2014年に科学の知見に基づいた「ボンド・ビルディング」というカテゴリーを持ち込み、プロのヘアケア業界で「ディスラプター(破壊者)」となっています。ベストセラーのヘアトリートメント効果をもつ「No.3ヘアパーフェクター」を筆頭に、トリートメント、メンテナンス、プロテクションの効果をもつNo.1〜No.7までの7つの商品を擁します。

上場目論見書によると、(1)76%のヘアスタイリストがオラプレックスは他社製品よりも品質が高いと考えている、(2)プロのヘアケアにおける「ボンド・ビルディング」カテゴリーでNo.1ブランド、(3)顧客ロイヤルティの指標が同様製品中でNo.1ブランド、(4)化粧品専門店セフォラのヘアケアブランドでNo.1(2020年)、などヘアケア業界のプロ、消費者ともに同社製品を高く評価していることがうかがえます。

2020年12月期の売上は282百万ドル、純利益は39百万ドルです。2021年1-6月期の売上は270百万ドルで前年同期比2.7倍、純利益は95百万ドルで前年同期の22百万ドルの赤字から黒字転換しています。同期の販売チャンネル別売上は、プロフェッショナルが47%、専門小売店が26%、消費者直接販売が27%を占めます。

インフォマティカ(INFA) 時価総額:90億ドル(11/12)

人工知能(AI)を利用したインテリジェントデータ管理クラウド(IDMC)プラットフォームを提供する会社です。従来からデータ管理のソフトウェアをオンプレミスで提供していましたが、オンプレミスからクラウドでの提供に移行中で、さらに人工知能の利用によってインテリジェント化しています。

2021年6月末時点で、世界100ヵ国にわたり約5,700社を顧客としています。これら顧客企業には、「フォーチュン10」の9社、「フォーチュン100」の84社、「グローバル2000」のうちの923社を含み、これら顧客向けの売上が2020年12月期売上の約半分を占めます。

2020年12月期の売上は1,323百万ドル、純利益は167百万ドルの赤字です。2021年1-6月期の売上は675百万ドルで前年同期比9%増、純利益は36百万ドルの赤字です。11/30(火)に7-9月期決算を発表の予定です。

フルエンス エナジー(FLNC) 時価総額:64億ドル(11/12)

米電力大手AESとドイツのシーメンスが2018年1月に設立した大規模蓄電池専門の合弁会社です。蓄電設備の設置実績では世界最大級で、前身企業を含めると13年の業界経験をもっています。2021年6月末時点で0.9ギガワットの設置実績があり、1.9ギガワットの受注残をもっています。

2020年9月期の売上は561百万ドル、純利益は47百万ドルの赤字です。2020年10月-2021年6月期の売上は492百万ドルで前年同期比53%増、純利益は75百万ドルの赤字です。

脱炭素に向けて風力発電や太陽光発電の利用が世界的に拡大していますが、これらの発電方式では発電量が大きく変動するため、有効な活用のためには蓄電システムを備えることが必要で、蓄電システムの需要は拡大の一途と期待されます。

図表3 7月以降の主要IPO銘柄(時価総額順)

銘柄(コード) 事業内容 公募価格
(ドル)
公募価格
からの
株価騰落率
(%)
時価総額
(億ドル)
上場日
(月/日)
リビアンオートモーティブ(RIVN) EVメーカー 78.0 66.6 1,135 11/10
ロビンフッド マーケッツ A(HOOD) ネット証券 38.0 -7.3 303 07/29
グローバルファウンドリーズ(GFS) 半導体受託製造 47.0 19.1 298 10/28
トースト インク(TOST) レストラン向けソフトウェア 40.0 20.3 243 09/22
ギットラブ インク A(GTLB) DevOpsプラットフォーム 77.0 62.3 179 10/14
オラプレックス(OLPX) ヘアケア用品・化粧品 21.0 28.3 175 09/30
ハーツ グローバル ホールディングス(HTZ) レンタカー 29.0 -7.0 125 11/09
ライアンスペシャルティグループ A(RYAN) 保険仲介 23.5 71.7 105 07/22
ダッチ ブロス A(BROS) ドライブスルーコーヒーチェーン 23.0 169.8 102 09/15
フレッシュワークス インク(FRSH) 企業向けソフトウェア 36.0 4.8 99 09/22
チューリング ホールディング(TWKS) ITサービス 21.0 46.4 94 09/15
インフォマティカ(INFA) データ管理プラットフォーム 29.0 11.5 90 10/27
フルエンス エナジー(FLNC) 蓄電システム 28.0 34.0 64 10/28
ディフィニティブ ヘルスケア(DH) 医療情報システム 27.0 55.2 62 09/15
デュオリンゴ(DUOL) 言語学習プラットフォーム 102.0 52.0 58 07/28
ペイコー HCM(PYCR) 人的資本管理ソフトウェア 23.0 38.0 55 07/21
クリアウォーター アナリティクス(CWAN) 資産運用業者向けソフトウェア 18.0 25.0 53 09/24
パワースクール ホールディングス(PWSC) リモートワークソフトウェア 18.0 22.4 53 07/28
  • 注:11/12(金)時点のデータによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2今後の注目IPO銘柄、ヌーホールディングス(NU)

来月上旬に上場が観測されているヌーホールディングス(NU)のご紹介です。

【企業概要】
2013年にブラジルで創業した南米を主要市場とするフィンテック企業です。デジタルバンキングでは世界最大級で、フォーブズがブラジルのNo.1銀行に過去3年連続で選出し、2021年には決済関連メディアPymnts.comがデジタル・バンキング・アプリの世界No.1に、ユーロマネーがラテンアメリカのベストバンクおよびベストデジタルバンクに選出するなど、質の面でも評価が高い企業です。

2021年9月末に4,800万の顧客口座を有し、前年同期比62%増と高成長を継続しています。母国市場のブラジルでは、15歳以上人口の約28%が同社の口座をもっています。ブラジルのほか、メキシコ、コロンビアでも事業展開しており、将来的には米国への進出も視野に入れています。

同社が事業を展開するブラジル、メキシコ、コロンビアでは各国の大手5行で預金、ローン、銀行サービス収入の70〜85%を支配して、競争が抑制されている状態にあるとされます。また、南米では銀行サービスのコスト高を背景に普及率が低く、ブラジルの15歳以上の人口1億6,900万人のうち、銀行口座を保有していない人は30%もいます(世界銀行調査、2017年時点)。この比率はメキシコでは55%、コロンビアで65%に達します。このような市場にディスラプター(破壊者)として参入する同社が獲得できるビジネスは大きいと考えられます。

主要株主には、セコイアキャピタル、DSTグローバル、テンセント、タイガーグローバルなどが名を連ねるほか、2021年6月にウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイから5億ドルを調達したことが知られています。

【業績動向】
2020年12月期の収益は737百万ドルで、金利収入が52%、フィー収入が48%を占めます。金利収入の半分以上をクレジットカードの金利収入が占め、その他は貸出金の金利収入や金融資産の評価損益もここに含めています。クレジットカードのインターチャージフィーが約7割を占めます。

2020年12月期の収益は前年比20%増と、前年の同91%増、前々年の同106%増から伸び率が顕著に低下しました。パンデミックによってクレジットカードの利用が低迷したことが主因です。また、ブラジルレアルの対ドルでの下落がドル建の業績を押し下げたことも要因です。2021年1-9月期の収益は1,062百万ドルで前年同期比99%増と伸びが回復しています。

【評価】
中長期の事業成長期待は大きいものがあります。タダで誰でも銀行口座が開ける日本では実感がわかないかもしれませんが、途上国では銀行口座を持つことが当たり前でない国が多く存在します。インターネットを利用した低コストの金融サービスによって開拓できるビジネスは非常に大きいと考えられます。

一方、主力市場がブラジルであるため、ブラジルレアルが対ドルで下落する場合には、ドル建てで評価する業績がネガティブな影響を受ける点は注意が必要でしょう。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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