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【中国:電力不足で石炭依存高まるも、長期的に“脱炭素化”は変わらず】 〜脱炭素関連銘柄をご紹介〜

2021/10/27
投資情報部 李 燕

中国は足元の電力不足の対応策として、石炭生産の拡大に踏み切りました。これまでは脱炭素に向けて、石炭など化石エネルギーの比率引き下げを進めてきましたが、電力不足を受け、石炭への依存もある程度容認する姿勢を示しました。今回の動きは、あくまでも電力不足による影響を緩和するための短期的施策と思われます。長期的にみた場合、脱炭素への移行は変わらず、今後も引き続き、非化石エネルギー比率の引き上げや電気自動車(EV)化が進むと予想されます。非化石エネルギーやEV関連の動向を確認するとともに、脱炭素関連銘柄をご紹介します。

図表1 主な言及銘柄

銘柄 株価(10/26) 52週高値 52週安値
BYD(01211) 311.40香港ドル 324.60香港ドル 132.20香港ドル
ニオ ADR(NIO) 40.47米ドル 66.99米ドル 25.46米ドル
リーオート ADR(LI) 33.08米ドル 47.70米ドル 15.98米ドル
シャオペン ADR(XPEV) 45.34米ドル 74.49米ドル 18.50米ドル
シャオペン(09868) 190.30香港ドル 197.60香港ドル 131.00香港ドル
ガンフォンリチウム(01772) 153.40香港ドル 185.00香港ドル 43.85香港ドル
龍源電力(00916) 18.20香港ドル 20.25香港ドル 5.15香港ドル
信義光能(00968) 15.90香港ドル 24.80香港ドル 9.90香港ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1電力不足で短期的に石炭依存高まるも、長期的に「脱炭素化」は変わらず

中国では今年夏以降、深刻な電力不足が起きています。主な原因は、予想外の需要拡大と供給ショックです。夏季の高温気象やコロナ後の経済回復を背景に電力需要は夏以降、急拡大しました。一方、発電の6割を占める石炭需給がひっ迫するなか、一部の省・地域が“計画停電”を実施したことも相まって、供給ショックが起きました。

石炭需給のひっ迫は、老朽化炭鉱淘汰による中国国内の生産能力抑制や石炭輸入の減少によるものです。“計画停電”は、中国当局が上期の省エネ目標が達成できていない省・地域を名指しで警告したことがきっかけです。それを受け、一部の省・地域では今年通期の省エネ目標達成に向け、電力供給を制限しました。したがって、今回の供給ショックは脱炭素へ取り組む過程に起きた“ひずみ”といえます。

足元の電力不足に対応すべく、中国当局は9月末に2大石炭生産地の山西省と内モンゴル自治区に対し、石炭の生産拡大を命じました。冬季(暖房)の電力需要拡大や電力不足による実体経済への影響が懸念されるなか、短期的に石炭への依存もある程度容認する意向を示しました。

一方、中国当局は10月24日に脱炭素に関するガイドラインを発表しました。脱炭素の長期目標として、発電量に占める非化石エネルギーの比率を2060年までに80%強に高めることを明らかにしました。中期目標としては、2025年までに20%、2030年までに25%に高めることを改めて示しました。足元の石炭への“依存容認”は、あくまでも短期的な電力不足への対応策であり、脱炭素に向けた中長期目標は変わらないことを表明した格好です。

図表2 中国の電力源構成の推移(2025年以降は政府目標)

  • ※Bloombergおよび中国政府発表のデータをもとにSBI証券が作成

2中国の脱炭素関連銘柄

非化石エネルギー比率の引き上げでは、風力と太陽光が主役

2020年の中国の発電量に占める非化石エネルギーの比率は、2019年の15.3%から15.9%に拡大しました。比率拡大は主に太陽光と風力によるものです。2020年の電源別発電量の伸び率を確認してみると、太陽光が16.6%と高く、次いで風力が15.1%となりました。また原子力は5.0%、水力は4.1%となり、火力の2.5%や全体の4.0%を上回りました。電源別建設投資の伸び率では、風力が70.6%、太陽光が66.4%と高く、水力は19.0%でした。

中国当局は今後、風力と太陽光の発電施設建設をさらに加速させる意向を示しています。国家発展改革委員会(中国の経済政策を管轄)のトップは10月25日、非化石エネルギー比率の引き上げをめぐり、人民日報に寄稿しました。その中で、今後は大型風力発電や太陽光発電の建設を加速させ、地域の状況に応じて水力発電を開発し、安全を確保する前提で原子力発電を徐々に発展させるとしました。このようにみると、非化石エネルギー比率の引き上げにおいて、当面の主役は風力と太陽光となりそうです。

図表3 2020年の電源別発電量と建設投資の伸び率(前年比、%)

  • ※中国電力企業連合会のデータをもとにSBI証券が作成
香港と米国上場の非化石エネルギー関連銘柄は、図表4の通りです。具体的には、中国風力発電最大手の龍源電力(00916)や風力発電機最大手の金風科技(02208)、太陽電池出荷量で世界3位のジンコソーラー ADR(JKS)、太陽光発電用ガラス大手の信義光能(00968)、国有の原子力発電最大手の中広核電力(01816)などがあります。なお、太陽電池出荷量で世界1位と2位の隆基シリコン(601012)と通威(600438)は中国本土に上場しています(いずれもSBI証券では取り扱っておりません)。また、非化石エネルギーの活用においては蓄電が重要になってきますが、蓄電関連銘柄は中小型株が多く、その多くは中国本土に上場しています。香港上場銘柄では電気自動車(EV)中国最大手のBYD(01211) が蓄電関連の事業も手掛けています。

図表4 香港と米国上場の非化石エネルギー関連銘柄

関連分野 銘柄名 事業内容 売上高*
(2020年)
純利益*
(2020年)
純利益伸び率
(2020年)
決算通貨
風力 龍源電力(00916) 風力発電会社。風力発電所の設計、開発、管理、運営に従事する。 28,667 5,025 10.0% 人民元
金風科技(02208) 風力発電機メーカー。風力タービン、風力タービン部品、風力発電機器、その他の機器を製造する。 56,146 2,964 34.1% 人民元
太陽光 信義光能(00968) 再生エネルギー製品メーカー。さまざまな種類の太陽光発電ガラスやその他関連製品を提供する。 12,316 4,561 88.7% 香港ドル
ジンコソーラー ADR(JKS) 太陽光製品メーカー。シリコンウエハー、太陽電池、ソーラーモジュールを 製造する。 35,129 230 -74.4% 人民元
水力・
発電設備
ドンファンエレク(01072) 発電機メーカー。水力発電、蒸気タービン発電および交流・直流電動機を製造する。 37,283 1,862 45.7% 人民元
原子力 中広核電力(01816) 原子力発電所の運営会社。原子力発電所の運営、 電力販売、原子力発電所建設などを手掛ける。 70,585 9,562 1.0% 人民元
  • *)売上高と純利益の単位は百万です。
  • ※Bloombergおよび各社資料をもとにSBI証券が作成

脱炭素に向けてEV化は加速

中国では脱炭素の一環として発電量に占める非化石エネルギー比率の引き上げと同時に、EV化も急速に進んでいます。中国当局は2020年末に新車販売台数に占める新エネルギー車(NEV=EV+プラグインハイブリッド車のPHEV)の比率を2025年に20%前後に引き上げることを目標に掲げました。

この目標は、EVに対する旺盛な需要を背景に、前倒しで実現される可能性が出てきました。今年1-9月の中国のNEV販売台数は181万8000台に急増し、前年同期の3倍となりました。EV販売をめぐっては、半導体不足による影響が懸念されましたが、その影響は限定的のようです。直近発表されたEV各社の7-9月の販売動向(*)も、予想を上回って好調でした(図表5)。

(*詳細は、「中国株 ココがPOINT!  〜GDP成長率は予想下回るも、ネット・EV関連を中心に株価は反転の兆し〜」を参照願います)

図表5 主要EVメーカーの販売台数(万台、四半期ベース)

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
なお、上記で触れた非化石エネルギー関連やEV関連銘柄の業績見通し等は下記の通りです。短期的にみて、EV業界では引き続き、半導体不足や原材料価格の上昇が懸念要因として残りそうです。他方、中長期的にみた場合、EV化は非化石エネルギー比率の引き上げと同様にメガトレンドとして変わらず、脱炭素の投資テーマとして引き続き、注目に値するでしょう。

図表6 非化石エネルギー関連やEV関連銘柄の業績見通し等(注)

銘柄
株価
10/26
(香港ドル)
52週高値

(香港ドル)
52週安値

(香港ドル)
PBR

(倍)
予想
PER
(倍)
過去5年
平均PER
(倍)
来期
予想
増収率
(%)
来期
予想
増益率
(%)
龍源電力(00916) 18.20 20.25 5.15 2.18 19.45 10.35 9.26% 13.54%
金風科技(02208) 15.58 19.50 9.28 1.59 15.79 13.08 5.17% 5.52%
信義光能(00968) 15.90 24.80 9.90 4.94 26.15 16.74 28.42% 13.32%
ドンファンエレク(01072) 12.00 14.50 5.17 0.96 12.07 10.30 10.37% 9.80%
中広核電力(01816) 2.22 2.55 1.56 0.95 9.20 9.11 5.26% 7.58%
BYD(01211) 311.40 324.60 132.20 9.00 147.42 72.30 27.72% 54.33%
ガンフォンリチウム(01772) 153.40 185.00 43.85 9.37 56.47 - 47.75% 52.18%
銘柄
株価
10/26
(米ドル)
52週高値

(米ドル)
52週安値

(米ドル)
PBR

(倍)
予想
PER
(倍)
過去5年
平均PER
(倍)
来期
予想
増収率
(%)
来期
予想
増益率
(%)
ニオADR(NIO) 40.47 66.99 25.46 13.35 - - 69.07% 赤字縮小
リーオート ADR(LI) 33.08 47.70 15.98 5.23 - - 58.84% 黒字転換
シャオペン ADR(XPEV) 45.34 74.49 18.50 13.14 - - 76.23% 赤字縮小
ジンコソーラー ADR(JKS) 53.52 85.32 28.39 1.49 21.13 20.48 23.54% 27.04%
  • (注)「業績予想」はBloombergが集計した市場コンセンサスで、増益率は調整後EPSベースです。シャオペンは香港上場のシャオペン(09868) もSBI証券の取り扱い銘柄です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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