12/6(水)に掲載した外国株式特集レポート「ブランドと社名、つながっていますか?」は、「このブランドがこの会社のものだとは知らなかった、参考になった。」「この会社の株が買えるとは知らなかった。」とご好評をいただきました。そこで、第2弾をお送りします。今回は米国企業に限らず、香港、韓国、シンガポールの上場企業も含めています。
ブランドと社名がつながってないかもしれない |
海外企業が提供する製品やサービスで日本で広く知られているけれど、会社名とつながっていない可能性のあるものについてご紹介いたします。
・「USJ」「ユニバーサル」「ドリームワークス・アニメーション」→ コムキャスト A(CMCSA)
大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」、映画の「ユニバーサル」、「ドリームワークス・アニメーション」などは、米メディア大手コムキャスト社の傘下にあります。同社は映画・TV番組制作、テーマパークのほか、米国でのケーブルTVをもう一つの主力事業としています。
・「ルーカスフィルム」「マーベル」 → ウォルト ディズニー(DIS)
スターウォーズの「ルーカスフィルム」、アベンジャーズの「マーベル」もウォルトディズニー傘下にあります。また、同社は21世紀フォックス社とエンタテイメント資産の取得で合意、現在は当局の承認待ちですが、「20世紀フォックス」も加わる可能性があります。
・「パラマウント」「MTV」 → バイアコム B(VIAB)
「パラマウント(Paramount)」は山頂と星のオープニングロゴが有名な、映画製作大手の一角です。同社を傘下にもつバイアコム社は、日本ではさほど知られていませんが、音楽チャンネルの「MTV」も保有する米メディア大手の一角です。
・「ワーナーブラザーズ」 → タイム ワーナー(TWX)
「ワーナーブラザーズ」は映画制作・配給、TV番組制作を行うメジャースタジオの一つです。出版のタイムと合併してタイムワーナーとなり、その後CNNのターナーブロードキャスティングと合併して、大手メディアの一角を占めるに至っています。現在、AT&Tから買収提案を受けていますが、司法省が認めない方針を示しています。
・「ホリデイ・イン」 → インターコンチネンタルホテルズ ADR(IHG)
同社は9つのブランドで、約100の国と地域において5,000以上のホテル、72万4000室を所有、運営、リース、もしくはフランチャイズ契約して、日本においては、インターコンチネンタル、ANAクラウンプラザホテル、ホリデイ・イン、ホリデイ・イン リゾート、ANAホテルの5ブランドを展開しています。イギリス国籍の会社で、当社では米国上場の米国預託証券(ADR)を扱っています。
・「LUX」「Dove」「Vaseline」「modshair」「ジフ」「Lipton」 → ユニリーバ ADR(UL)
日本では主に日用品のブランドが知られていますが、欧州ではアイスクリーム、紅茶など食品事業も展開しており、16年12月期売上の43%は食品が占めます。同社はイギリスとオランダの両方に上場していて、当社では米国上場の米国預託証券(ADR)を扱っています。
・「リッツ」「オレオ」「クロレッツ」「HALLS」「キューリグ」 → モンダリーズ インターナショナル(MDLZ)
旧クラフトフーズが北米食品部門を2012年にスピンオフして(同部門はクラフト・ハインツの一部になっています)、2013年に商号変更した会社です。16年12月の売上構成比は、ビスケット41%、チョコレート30%、ガム&キャンディ15%などと、お菓子が主力です。
・「NYダウ」「S&P500」 → S&P グローバル(SPGI)
金融サービスの会社で、NYダウもS&P500指数も、同社の傘下企業が算出・公表しています。16年12月の売上構成は、マーケット&コモディティ・インテリジェンス(金融産業への各種情報提供)45%、債券の格付業務44%、金融サービス(株価指数の算出などを含む)11%です。時価総額は5兆円近くになります。
知る人ぞ知る、ある分野の著名ブランド |
必ずしも一般的ではないかもしれませんが、ある分野では知る人ぞ知る著名ブランドをもつ企業です。
・ボトックス注射の「ボトックスビスタ」 → アラガン(AGN)
ボトックス注射はボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)を使って表情ジワの改善を狙う美容法で、アラガン社が開発しました。アラガン社は、これ以外にもヒアルロン酸注射などを扱い、美容関連に注力する特徴のある戦略をもつ医薬品企業です。
・化粧品の「雪花秀(ソルファス)」「HERA」「IOPE(アイオペ)」「LANEIGE(ラネージュ)」「ETUDE HOUSE(エチュードハウス)」 → アモーレパシフィック(090430)
韓国コスメは、韓流ドラマ、韓流スターの人気とともに市場が世界に広がり、中国、日本などでも人気です。韓国市場に上場するアモーレパシフィック社は、数多くの有名ブランドを保有しています。
・フライパンに使われる「テフロン」 → ダウデュポン(DWDP)、ケマーズ(CC)
焦げ付きにくい「テフロン」は普通名詞のように使われることもありますが、現在はダウデュポン社に統合されたデュポン社が製造するフッ素樹脂の商品名です。消費者向けの事業は15年7月にデュポン社からスピンオフしたケマーズ社が提供しています。
・除草剤の「ラウンドアップ」 → モンサント(MON)
農家には有名な除草剤のブランドです。除草剤の「ラウンドアップ」とこれに耐性を持つ(ラウンドアップ・レディと言われます)遺伝子組み換え作物の種子をセットにして販売するビジネスモデルで成長しました。
・サッカーゲームの「FIFA 18」 → エレクトロニック アーツ(EA)
エレクトロニックアーツは、米国の大手ゲームソフトウェアメーカーで、プレイステーション、Xboxなどゲームコンソール向けを中心に事業展開しています。スポーツゲームが有名で、サッカーのFIFAシリーズのほか、アメフト、バスケットボール、アイスホッケーなどのゲームシリーズを出しています。
・ウィルス対策ソフトの「Norton(ノートン)」 → シマンテック(SYMC)
「Norton」は世界的に最も一般的なアンチウィルスソフトウェアの一つです。同社は企業向けと消費者向けのセキュリティ事業を手掛けていますが消費者向けが主力になっていて、17年3月期の構成比は、売上が41%に対して、営業利益では81%を占めます。
・韓流スターの「東方神起」「少女時代」「BoA」 → SMエンタテイメント(041510)
韓国の大手芸能事務所です。音楽制作、著作権管理などを行います。時価総額は753億円程度です。
・韓流スターの「BigBang」「2NE1(トゥエニィワン)」「SE7EN(セブン)」 → YGエンターテイメント(122870)
韓国の大手芸能事務所です。音楽制作、著作権管理などを行います。時価総額は514億円程度です。
・クルーズ船ツアーの「プリンセス・クルーズ」 → カーニバル(CCL)
「プリンセス・クルーズ」は、同社が保有するクルーズ企業の一つで、日本発着のクルーズも運営しています。カーニバルはこれを含む10のブランドを保有し、世界最大のクルーズ客船の運航会社です。
・クルーズ客船の「ハーモニー・オブ・ザ・シーズ」 → ロイヤル カリビアン クルーズ(RCL)
16年5月に就航した世界最大級のクルーズ客船で、日本ではJTBがツアーを取り扱っています。
あっ、この会社の株買えるんですね! |
「日頃この会社の製品やサービスを利用しているけれど、上場企業だとは知らなかった。株が買えるんですね!」となる可能性のある、銘柄群です。
・ロクシタン(00973)
日本で100店舗以上を展開しているため、「L'Occitane」のロゴはお馴染みですね。フランスに本社を置く化粧品会社ですが、アジアの売上比率が高いため、香港市場に上場しています。国別では、日本の売上が18%を占めて最大です(17年3月期)。
・シャングリラ(00069)
香港を拠点とする高級ホテルチェーンの運営企業です。日本の「シャングリ・ラ ホテル東京」は、2009年開業で東京駅に隣接する丸の内にあります。
・レノボグループ(00992)
香港市場に上場する中国企業で、2004年にIBMのパソコン部門を引き継ぎ、「ThinkPad」を提供しています。日本ではNECや富士通のパソコン事業にも出資しています。売上の約7割をパソコンが占めていますが、中国ではスマホメーカーとしても知られています。
・Kakao (035720)
メッセンジャーアプリの「カカオトーク」は日本でも使われていますが、提供しているのは韓国のIT企業Kakaoです。同社は、韓国第2位のポータル「ダウム」も運営しています。
・シンガポール航空(SIAL)
同社は世界の航空会社の格付で上位にランクされることが多く、そのサービスに感心したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。シンガポール市場に上場する企業で、当社でのお取り扱いがあります。
・ゴープロ A(GPRO)
「GoPro」は、アウトドア活動の際に使われる"アクションカメラ"で有名なブランドで、SNS映えする写真や動画を撮りたいという方に人気のようです。YouTubeには、同社のカメラで撮影したアウトドアの動画が多数アップされています。
・サザビーズ(BID)
世界中で知られるオークションハウス(競売会社)です。1744年にロンドンで創業、1983年に米国の富豪が買収して1998年に公開企業となり、現在は本社をニューヨークに置いています。同社とライバル関係にあるクリスティーズも、かつてはロンドン市場に上場していましたが、現在は非公開企業となっています。
・アンダー アーマー A(UAA)
スポーツアパレルを主力とする会社で、ブランド名はユニフォームの下(アンダー)に着用するアスリートが戦うための鎧(アーマー)に由来します。17年12月期は北米を中心に販売が不振で、利益は半減となる見通しです。日本の事業は、総代理店が展開しています。
・アフラック(AFL)
アフラックはがん保険も医療保険も契約件数が14年連続No.1(同社HPより)だそうです。米国の保険会社ですが、実は日本法人の売上が、会社全体の69%を占め、米国法人売上の31%を大きく上回っています。
・メットライフ(MET)
メットライフは、グローバルに事業展開している米国最大の生命保険会社です。日本の事業はAIG傘下のアリコが1972年から展開していたものですが、金融危機後にAIGが同事業をメットライフに売却、その後日本法人はメットライフ生命保険となっています。
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