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原油価格は急落ながら、17年の需給均衡ストーリーは維持可能!?

2017/03/15
投資調査部 榮 聡

原油価格(WTI原油先物価格)が50ドル割れまで急落しています。米国での市場予想以上の原油在庫増加、生産見通しの上方修正、サウジアラビアのファリハエネルギー相の発言などが要因と見られます。ただ、OPEC(石油輸出国機構)諸国等の減産で「17年に原油需給は均衡に向かう」とのストーリーは大筋で維持可能と考えられます。このところ原油相場の弱気材料が重なりましたが、年末にかけて価格回復が期待できるのではないでしょうか。

図表1:原油関連商品

◯国内ETFはこちら

コード 銘柄
1671 WTI原油価格連動型上場投信
1690 ETFS WTI 原油上場投資信託
1699 NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信
2038 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN
2039 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ベア ETN

◯海外ETFはこちら

コード 銘柄
VDE バンガード 米国エネルギーセクター ETF
XLE エネルギーセレクトセクターSPDRファンド
IXC iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF
  • ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
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原油価格下落の要因と今後の注目点

原油価格(WTI原油先物価格)が1バレル52〜54ドルを中心としたもみ合いレンジを3/8(水)に下抜けて、50ドル割れとなっています(図表2)。原油価格が下落した要因は、以下と考えられます。

【1】OPEC(石油輸出国機構)および非OPEC諸国の1月生産について順調な減産が確認されたものの、2月以降に米国の原油在庫の増加が市場予想を上回る週が多く、原油価格の押し上げに至らなかったこと。

【2】 3/15(水)FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げが確実視され、FOMCメンバーの政策金利見通しが注目される中、ドルの先高感が強まっていること。原油は国際的にドル建で取引され、ドル高は需要を抑える効果があるため、原油価格のネガティブ材料とされます。

【3】 3/6(月)からテキサス州ヒューストンで開催されたエネルギー産業の世界的カンファレンス「CERAウィーク」での各国要人発言がネガティブに捉えられたこと。

直近の価格急落に影響が大きかったと見られるのは【3】で、特にサウジアラビアのファリハエネルギー相の発言で、「過去の減産局面では、OPECの減産による恩恵を非OPEC諸国が享受するだけということが多かった。しかし今回は、サウジが“ただ乗り”の負担を負うことはなく、両グループが自発的な生産調整を通じて協力する必要があることをはっきりさせておきたい」、また、減産合意の延長について、「市場の動向と合意参加者の順守状況が重要で、年前半の評価によって年後半にどうするか合意参加者と決める」としました。

米国の増産をOPECの減産が一方的に引き受けることはないこと、また、市場で半ば所与と見ていた減産延長が必ずしもそうでないとしたことから、市場参加者に嫌気されました。発言は米シェール業者の増産を牽制する意図と見られますが、市場は文字通りネガティブに受け止めたようです。

筆者は、2/1(水)掲載の外国株式特集レポート「17年の原油は供給不足の見通し!原油価格に上昇余地!?」において、「OPEC(石油輸出国機構)および非OPECの減産参加諸国の順守状況が明らかになる中で、原油価格は一段高が期待できるタイミングに差し掛かっているのではないか。」としましたが、逆の結果になってしまいました。

今後の原油相場については、もみ合いレンジを完全に下抜けたため、当面は上値が重い状況が想定されます。一方、前回レポートで提示した「17年に原油の需給が均衡に向かう」とのストーリーについては、若干の修正は必要なものの、維持できると考えられます(図表3)。その点について、次節(2)で各要素について検討しています。

原油相場を見る上での当面の注目点は、以下になるでしょう。
【1】米国の原油在庫の動向。このところ市場予想を上回る増加ですが、何かトレンドを示しているのか、あるいは、一時的な要因によるものなのか注目されます。

【2】OPEC・非OPEC諸国の2月減産順守状況。3/17(金)の監視専門家会合、3/25(土)-26(日)の監視委員会会合で明らかになる見通しです。

【3】減産合意の年後半への延長。5月会合で決定される見込みですが、今回の監視委員会会合でも話し合われる可能性があるようです。

図表2:原油価格(WTI原油)はもみ合いレンジを下抜けて200日移動平均線まで一気に到達

  • 注:WTI原油先物・期近物価格です。
  • ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表3:世界の石油需給は供給過剰から17年は供給不足へ

  • 注:17年の見通しは米国エネルギー情報局によります。
  • ※独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」の資料をもとにSBI証券が作成
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需給均衡ストーリーは維持可能ではないか

原油価格に影響を与える要素について、最近の動向を個々に確認してみましょう。

【米国の原油在庫】
米エネルギー情報局から発表される週次の原油在庫増加が、図表4の通り市場を大幅に上回る週が多く、市場はこれを嫌気しました。2月以降の原油需給を見ると、生産は増加しているものの輸入がそれ以上に減少して、原油の総供給は減っています。このため、在庫増の主因は製油所への投入量の低下と言えます。

製油所への投入量は季節変動が大きいため、年初からの製油所への投入量の推移を13年から比較したのが図表5です。これを見ると17年は16年と比べて増加幅が小さく、足もとで昨年に比べて下振れていることがわかります。

市場では価格の回復を受けてガソリンなど製品需要が低迷しているなどの説明が聞かれますが、何か需要サイドのトレンドを示すものなのか、あるいは製油所の事情など一時的な要因によるものなのか、注目されます。

【米国の原油生産】
原油価格が安定してきたことを受けて、米国の石油掘削リグの稼働数の回復が続いています。これを反映して、米エネルギー情報局の17年米原油生産予想は、1/10(火)時点の9.0百万バレル/日から3/7(火)時点の9.2百万バレル/日に引き上げられています。

ただ、世界の原油需給を考えた場合に、OPEC・非OPEC諸国が合意した減産目標は日量約180万バレルですので、米国の日量20万、30万バレルといったレベルの生産見通し引き上げが、減産効果を相殺してしまうことはないと考えてよいでしょう。

【OPECおよび非OPECの減産順守】
昨年11月に減産に合意したOPECおよび非OPEC諸国は、減産順守を監視するための「OPEC共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)」を組織しています。

同委員会が2/24(金)に発表した17年1月の減産順守率は86%で、過去の減産事例との比較で初月としては過去最高とされ、減産は順調と言ってよいでしょう。

2月の状況は3/17(金)に専門家会合を開き、この結果を踏まえてJMMCが3/25(土)-26(日)に開催されて明らかになる見込みです。OPEC諸国の2月生産は図表6の通り1月から若干低下したとされ(Bloombergの情報提供者によるデータ)、順守率は100%近い水準になると期待されます。

【市場ポジションの動向】
原油先物の投機筋ポジションは、減産合意から買い持ち超が急拡大しています(図表7)。

直近値は3/10(金)に発表された3/7(火)時点の数字で、もみ合いレンジを明確に下抜けた3/8(水)以降の動向は含まれていません。3/14(火)時点の数字が3/17(金)に発表されますので、投機筋の買い持ちが今回の下落を受けてどの程度整理されたかが注目されます。

結論としては、図表3に示した17年の需給均衡ストーリーは大筋で維持可能と見られます。年末にかけての相場回復は、まだ期待していてよいのではないでしょうか。

図表4:米国原油在庫の週間変化が市場予想を大幅に上回る週が多かった

  • 注:米エネルギー省が発表する原油在庫の前週比変化量です。
  • ※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

図表5:原油在庫の予想以上の増加は製油所への投入量下振れが主因

  • 注:米エネルギー省が週次で発表する原油の製油所への投入量で、4週移動平均値です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表6:OPECの減産は順調

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表7:原油先物市場の投機筋の買いポジションはどこまで整理されたか

  • 注:投機筋の「買い越し超」枚数です。最後のデータは、3/10(金)発表の3/7(火)時点です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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