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警報発動は近い!?プット・コールレシオの低下と取引戦略

2018/5/18

3月23日付のレポート「簡単に実践できる!?取引モデルの紹介」でトレンドを把握するテクニカル指標のパラボリックと、eワラントの取引指標であるプット・コールレシオを組み合わせた実践が簡単な取引モデルを紹介しましたが、先週末からプット・コールレシオが過熱感を示してきており、シグナルが変わる可能性が生じています。

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パラボリックとプット・コールレシオの復習

テクニカル指標の1つであるパラボリックはチャートの下に丸が出れば上昇、つまり買いのシグナル、上に丸が出れば下落つまり売りのトレンドを示すシグナルとなります。パラボリックは売り・買いのサインが分かりやすいため、初心者でも分かりやすく、本稿で紹介している取引モデルでは日経平均株価に対して日足のパラボリックの利用を推奨しています。

パラボリックは大きなトレンドを早期に捉えられることがある一方で、トレンドが発生していないと効きにくいという欠点もあります。日経平均株価のパラボリックはHYPER SBIの「チャート」画面の右側で「パラボリック」を選択するか(HYPER SBIについてはこちら)、又はeワラントチャートで日経平均株価を対象とする銘柄を選び、左上のメニューの「テクニカル選択」で「パラボリック」を選択すると表示することができます。例:日経平均コール第1145回のeワラントチャート

パラボリックがトレンドに従う順張り型の指標であるのに対して、eワラントのプット・コールレシオは逆張り型の指標です。プット・コールレシオが高いとプットの取引が多いことを示し、悲観的な相場観を持つ投資家が多いことを意味しますが、これは買いのタイミングとも考えられます。プット・コールレシオが低いとコールの取引が多いことを示し、楽観的な相場観を持つ投資家が多いことを意味しますが、これは売りのタイミングとも考えられます。なお、eワラントホームページのプット・コールレシオは日本株を対象としたもので、毎営業日、eワラント取引終了時間の午後11時50分以降の夜間に更新されます。

取引モデル例

図1は2017年6月以降の日経平均株価(日足)、パラボリックとプット・コールレシオです。
これらを組み合わせた取引モデルは次の通りです。

【買いシグナル】
・日足のパラボリックが「買い」(チャートの下に丸がある)
・プット・コールレシオが0.2以上0.5未満
⇒日経平均株価のコール型eワラントの買い、CFD、225先物等の買い建て

【売りシグナル】
・日足のパラボリックが「売り」(チャートの上に丸がある)
・プット・コールレシオが0.2未満
⇒日経平均株価のプット型eワラントの買い、CFD、225先物等の売り建て

【上記以外=中立】
・ポジションを取らない

本稿執筆時点の5月16日の寄り付き前、午前8時時点では、前日の5月15日の日経平均株価のパラボリックは「買い」、eワラントのプット・コールレシオは0.12でしたので、上記取引モデルでは「中立」となります。パラボリックが「売り」となり、プット・コールレシオも0.2未満の状態が続きますと「売りシグナル」となりますので注視しておきましょう。

運用シミュレーションを更新

昨年6月以来の日経平均株価でこの取引手法を実践した場合のシミュレーションをしたのが次の図です(2017年5月末を100として指数化)。シグナルを午前9時前に確認し、シグナルに変更があれば始値で取引したものとしています。売りシグナルが出た場合には日経平均株価を新規に空売りをしたものとし、仮に買い持ちしていれば売却した上で新規に空売りしたものとしています。100を起点にしてバイ&ホールド、いわゆる買い持ちした場合と比較しています。

シミュレーションの結果を見ると、2017年後半から2018年1月まではバイ&ホールドの方が取引モデルを上回る成績となっていますが、2018年の2月の下落で逆転しています。2018年1月末から2月中旬にかけて取引モデルは売りシグナルを出していたからです。直近ではパラボリックでは「買い」が続いていましたが、プット・コールレシオが0.2未満の状態が続いているため「中立」となっています。

実際の投資においては、買いシグナルが点灯しているときだけ買い持ちし、それ以外はポジションを保有しないということでも良いでしょう。本稿で紹介している取引モデルだけでなく、将来必ず収益が得られる保証のある取引モデルは存在しません。しかしながら、ご自身が有効と思われる取引モデルを複数同時に実践し、投資戦略の分散を図ることは有効かと思われます。

なお、シミュレーションでは取引に係る手数料は考慮されておりません。また、直接指数へ取引することはできず、eワラント、CFD、225先物など各種金融商品を通じて投資を行うことになりますから、運用シミュレーションは実際の投資成果とは異なること、また、将来の投資成果を保証するものではないことにはご注意ください。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)

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商号等 / eワラント証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2526号
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