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2022-01-28 14:09:57

マーケット > レポート > 日本株投資戦略 >  ≪保存版!?≫「インフレ」「金利上昇」で上昇期待の銘柄は?

≪保存版!?≫「インフレ」「金利上昇」で上昇期待の銘柄は?

2022/1/14
投資情報部 鈴木英之

2022年1月の東京株式市場は波乱気味の展開が続いています。1/6(木)には、日経平均株価が前日比844円29銭も急落。1/11(火)までの3営業日で計1,109円68銭も下げてしまいました。1/12(水)は543円18銭高と戻しましたが、1/13(木)・1/14(金)と続落し、安値では28,000円を下回って1月前半を終えています。

株価波乱のおもな要因としては、世界的に金利上昇やインフレ進行が懸念されていることがあげられます。1/6(木)の急落にしても、足元の1/14(金)の株安にしても、インフレが続き、FRBなど世界の主要中央銀行が、金融引き締めを加速させるのでないかとの懸念が背景になっていると考えられます。

今回の「日本株投資戦略」では、「金利上昇」・「インフレ」が長期化した場合、株価上昇期待の大きい銘柄をご紹介することにしました。

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

日本株投資戦略新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(乗り鉄)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

1「インフレ」「金利上昇」で上昇期待の銘柄は?

世界的にインフレが続いています。1/12(水)に発表された12月の米CPI(消費者物価指数)は、前年同月比7.0%上昇。市場予想通りとはいえ、上昇率は1982/6の7.1%以来、39年6ヵ月ぶりの高さとなりました。世界的な商品市況の値動きを示すCRB指数も上昇基調が続いており、2014/12/11(木)以来の高値水準です。また、鋼材や非鉄金属、燃料など主要製品の卸値をもとに算出される日経商品指数17種も1/13(木)に最高値を更新しました。

世界的にインフレが進行している理由は以下の通りであると考えられます。

(1)多くの国・地域での大規模経済対策、緩和的金融政策等を背景とする家計の貯蓄増・純資産増。その結果としての消費増。
(2)同時に多くの国・地域で経済活動が再開され、エネルギーやサービス・モノへの需要が短期間で拡大。
(3)拡大する需要に対する供給不足。新型コロナウイルスの感染拡大を経て生産や物流に関わる人手が減少。
(4)脱炭素の動きが進み、石油や石炭、天然ガス等化石燃料の生産設備等に対する投資マインドが冷え込んだため。

このうち、(2)の要因は、一時的な要素が強く、近い将来解消も期待できそうです。しかし、(3)や(4)については構造的な問題も含まれており、インフレ長期化をもたらす可能性がありそうです。

さらに(1)に関しては、インフレ進行に歯止めをかけるべく、世界で中央銀行が金融政策の転換を試み始めています。このうち特に注目されているのがFRB(米連邦準備制度理事会)の動向です。FRBは2022/3までに量的緩和(QE)を終わらせ、その後は政策金利の引き上げ、さらには資産の縮小(QT)に移っていくとの見方が支配的です。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では、金利上昇やインフレが続いた場合に、株価が上昇しやすい銘柄をご紹介したいと思います。

金利上昇(象徴として米10年国債利回り)に強い銘柄としては、保険や銀行などの金融株が代表的と考えられます。また有力銘柄のタイプとしてはPERやPBRが低く、あるいは予想配当利回りが高い「バリュー株」が選好されやすく、逆にPERやPBRが高い「グロース株」は売られやすいという傾向があります。指数でいえば、NYダウやTOPIXは相対的に買われやすく、ナスダックや東証マザーズ指数は逆に売られやすいとみられます。なお、米10年国債利回りが上昇すると円安・ドル高になりやすいので、自動車株にも追い風が吹くことになります。

インフレに強い銘柄はどのような銘柄でしょうか。図表1では、インフレ局面で株価上昇が期待される銘柄として、CRB指数(商品価格の変動を示す代表的な指標)との相関関係が強い銘柄をご紹介しました。最初にCRB指数との相関係数が高い上位30銘柄(時価総額1,000億円以上の東証1部銘柄)を抽出し、相関係数の高い順に30銘柄を並べました。その後、各銘柄の米CPI、WTI先物、米長期金利との相関係数も記載しています。枠を黄色く着色されている銘柄は、当該分野の相関係数で上位30位まで入っている銘柄であることを示します。

たとえば、INPEX(1605)の場合、CRB指数との相関係数が全銘柄でトップですが、米CPI、WTI先物、米長期金利との相関係数についても、上位にランクインしており、「インフレ」「金利上昇」に強い銘柄であると考えられます。

図表1 「インフレ」「金利上昇」で上昇期待の銘柄は?

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フォリオ
コード 銘柄名 終値(1/13) 相関係数対CRB指数 相関係数対米CPI 相関係数対WTI先物 相関係数対米長期金利
1605 1605 1605 1605 INPEX 1,101 0.578 0.207 0.531 0.556
8031 8031 8031 8031 三井物産 2,927.5 0.540 0.247 0.479 0.537
8053 8053 8053 8053 住友商事 1,757.5 0.484 0.132 0.415 0.513
8002 8002 8002 8002 丸紅 1,194 0.481 0.249 0.394 0.591
5020 5020 5020 5020 ENEOSホールディングス 459.6 0.454 0.202 0.427 0.523
6361 6361 6361 6361 荏原製作所 6,510 0.444 0.241 0.421 0.492
7220 7220 7220 7220 武蔵精密工業 2,059 0.443 0.187 0.412 0.514
1662 1662 1662 1662 石油資源開発 2,753 0.440 0.172 0.422 0.457
5401 5401 5401 5401 日本製鉄 2,166.5 0.438 0.136 0.400 0.589
7013 7013 7013 7013 IHI 2,499 0.434 0.062 0.408 0.406
8015 8015 8015 8015 豊田通商 5,460 0.427 0.199 0.390 0.442
8058 8058 8058 8058 三菱商事 3,918 0.426 0.141 0.410 0.532
1963 1963 1963 1963 日揮ホールディングス 1,070 0.415 0.040 0.433 0.491
4182 4182 4182 4182 三菱瓦斯化学 2,075 0.412 0.041 0.463 0.410
5713 5713 5713 5713 住友金属鉱山 5,048 0.402 0.030 0.325 0.329
5706 5706 5706 5706 三井金属鉱業 3,350 0.390 0.092 0.361 0.422
3231 3231 3231 3231 野村不動産ホールディングス 2,721 0.388 -0.028 0.374 0.287
5411 5411 5411 5411 ジェイエフイーホールディングス 1,732 0.385 0.086 0.356 0.520
8078 8078 8078 8078 阪和興業 3,350 0.381 0.155 0.422 0.507
7201 7201 7201 7201 日産自動車 646 0.377 0.045 0.372 0.434
2146 2146 2146 2146 UTグループ 3,865 0.374 0.093 0.395 -
6301 6301 6301 6301 小松製作所 3,010 0.373 0.006 0.325 0.443
6841 6841 6841 6841 横河電機 2,092 0.369 0.096 0.347 0.442
6674 6674 6674 6674 ジーエス・ユアサ コーポレーション 2,645 0.368 0.008 0.410 0.331
5741 5741 5741 5741 UACJ 2,951 0.367 0.077 0.365 0.453
4023 4023 4023 4023 クレハ 8,840 0.360 0.081 0.282 -
6807 6807 6807 6807 日本航空電子工業 1,967 0.358 0.132 0.307 0.321
8304 8304 8304 8304 あおぞら銀行 2,731 0.356 0.102 0.296 0.451
7202 7202 7202 7202 いすゞ自動車 1,519 0.355 0.030 0.398 0.393
5714 5714 5714 5714 DOWAホールディングス 5,160 0.352 0.084 0.368 0.503
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。相関係数は2022/1/12(水)までの10年間のデータから計算されています。
  • ※相関係数は、2つの計数が同一方向に動く強さを示し、-1以上+1以下の値を取ります。+1に近いほど同一方向に動く傾向が強く、マイナスの場合は逆の方向に動きやすいと分析されます。

2抽出銘柄の投資ポイント

この項では、図表1で抽出した銘柄について、投資ポイントなどをご紹介します。

INPEX(1605)〜「インフレ」は追い風、「脱酸素」は逆風?

  • 期間:2021/7/19〜2022/1/14(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■原油、天然ガスの開発専業

原油・天然ガスの開発専業。資源開発としては国内最大手。原油・天然ガス生産では世界中堅クラスです。

2006/4に国際石油開発と帝国石油による共同持株会社「国際石油開発帝石ホールディングス」として設立されました。2008/10には傘下の国際石油開発、帝国石油を吸収合併。2021年に商号を国際石油開発帝石から現社名へ変更して現在に至ります。

権益取得から、探鉱、生産、製品販売に至るまでグローバル規模でエネルギー供給を担っています。新規開発に積極的です。筆頭株主は経済産業大臣で国策会社の側面があります。

売上構成比(2020/12期)は原油66%、天然ガス32%。原油は連結子会社が手掛けるアラブ首長国連邦の海上油田が主力。天然ガスでは、豪州での生産が2019年にスタートしています。

■「インフレ」に強そう。反面、「脱炭素」は逆風になりそう

2021年12月期第3四半期累計(2021年1〜9月)の連結業績は、売上高が8,492億円(前年同期比43.3%増)、営業利益が4,024億円(同2.1倍)、最終損益が1,377億円の黒字(前年同期は1,254億円の赤字)となりました。

原油価格の上昇が寄与しました。市況(ブレント)は平均1バレル=67.97ドルと会社前提(前年同期は42.53ドル)で推移しました。
2021年12月期の連結業績予想(会社予想)は、売上高を1兆1,340億円から1兆2,200億円(前期比58.2%増)に、営業利益を5,130億円から5,880億円(同2.4倍)に、最終損益を1,700億円の黒字から1,850億円の黒字(前期は1,117億円の赤字)に引き上げました。年間配当予想は40円(前期は24円)を据え置きました。

当社株はインフレ関連指標や米長期金利との相関係数が強く、「インフレ」には強そうです。会社予想EPSベースでの予想PERは8.7倍、PBRも0.5倍で、典型的なバリュー株であることも、現在の相場環境では追い風になりそうです。ただ「脱炭素」が重視される流れは逆風になりそうです。

三菱瓦斯化学(4182)〜脱炭素や半導体市場の拡大も追い風か

  • 期間:2021/7/19〜2022/1/14(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■川上から川下まで幅広く展開〜半導体材料に注目

当社は大手化学メーカーで、暮らしに密着したメタノール、アンモニア等の基礎化学品から高機能な機能化学品まで幅広く展開。世界にグループ会社147社を抱え、海外売上高が59%(前期)に達するグローバル企業です。

このうちメタノールについては、当社が「世界で唯一のメタノール総合メーカー」で、天然ガスを原料に製造し、そこからプラスチック、合成繊維、接着剤等多種多様な製品を生産しています。二酸化炭素からメタノールを生産する技術を持ち、環境保全への貢献も目指しています。

機能化学品の中では、BT(ビスマレイミド・トリアジン)樹脂が注目されます。耐熱性や電気特性に優れた材料で、半導体パッケージに材料面で革新的な変化をもたらしました。今後は半導体市場の成長に加え、パッケージ基板の高機能化や構造変化等もあり、成長の持続が期待されています。

この他、MXナイロン、光学樹脂ポリマー、MXDA(メタキシレンジアミン)、脱酸素剤等、多くの世界シェア1位製品を有していることが、当社の強みになっています。

■業績予想を上方修正。財務体質も堅固

当社は2021/11/5(金)に2022/3期・第2四半期(累計)決算を発表。売上高3,358億円(前年同期比26.0%増)、経常利益387億円(同134.3%増)となりました。メタノールの市況上昇や、半導体向けBT樹脂の好調などが追い風になりました。好調な上半期決算を受け、通期の会社計画売上高は6,600億円から6,900億円(前期比15.8%増)に、経常利益は610億円から680億円に上方修正されました。

今期第2四半期末の自己資本比率は63.3%で好財務体質。有利子負債は891億円ですが、現預金884億円を保有する上、流動比率(流動資産が流動負債の何%かを示す)も245%あり、金利上昇に強い財務体質と言えそうです。

1/13(木)現在、会社予想EPSを基準とした予想PERは8.6倍、PBRは0.8倍弱、予想配当利回りも3.86%となっており、典型的なバリュー株と考えられます。テクニカル的には75日移動平均線で跳ね返されていますが、下から上昇している25日移動平均線が下値抵抗ラインになりそうです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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