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2021-09-22 15:21:51

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≪次の主役候補か≫新興市場の好決算銘柄はコチラ!?

2021/8/11
投資情報部 鈴木 英之

東京株式市場では、日経平均株価が7月末、年初来安値が意識される27,200円台まで下落したものの、足元は28,000円台を回復するなど落ち着きを取り戻しています。

東京五輪が終わり、上場企業の2021/4〜6期決算もピークアウト。新型コロナウイルスの感染拡大は気になるものの、ワクチン接種は進捗し、投資家は次第に夏から秋にかけての相場をにらんだ物色方向を定めようとしているようです。

今回の「新興株ウィークリー」は、決算発表の終わった銘柄を分析し、好業績銘柄を抽出したいと思います。今後、新興市場に安定が取り戻されるとするならば、主役はそれらの銘柄になると期待しています。

なお、当ページにつきましてはSBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

新興株ウィークリー新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(のりテツ)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・好きな場所 秋葉原
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

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1新興市場の弱さは目立つが、時価総額トップのメルカリは堅調な動き

8/3(火)〜8/10(火)(8/9は休場)の騰落率は、日経平均株価+0.9%、TOPIX+0.3%、日経ジャスダック平均-1.1%、東証マザーズ指数-0.2%と、大型株市場に対する新興市場の弱さが目立ちました。

全国の新型コロナウイルス実効再生産数は、8/1(日)頃がピークになっているようです。また、上場企業の決算発表は8月第1週(8/2〜8/6)に、質の面でも量の面でも佳境を通過。クラスター化が懸念された東京五輪も特に大過なく8/8(日)に閉会となりました。

これら重要日程の通過に加え、8/9(月)にワクチンの総接種回数が我が国で1億回を超え、1日120万回ペースになっていることが判明し、投資家の不安心理は次第に後退しつつあるようです。こうした中、決算発表の終わった大型の主力株から、好業績銘柄を物色する動きが先行しているとみられます。

こうした中、新興市場で時価総額トップのメルカリ(4385)が堅調な動きとなりました。グループ会社のメルペイが消費者金融事業に参入すると発表した他、ブロックチェーン分析のBasset買収を発表するなど前向きな動きが目立ちました。同社は8/12(木)に決算発表の予定ですが、6/23(水)にすでに、2021/6期業績予想の上方修正を発表済み。市場の関心は、2022/6期の業績見通し(営業利益の市場コンセンサスは149億円)に移りつつあります。

一方、クラウドファンディング・プラットフォームを展開するマクアケ(4479)の上昇も目立ちました。今期業績予想の下方修正(7/27)を嫌気され、株価は7/27(火)終値6,310円から8/4(水)終値4,100円まで35%も急落。その後8/5(木)〜8/11(水)は反発の動きとなりました。

図表1 日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数の推移

  • ※SBI証券チャートツールを用いてSBI証券が作成。 ※2020/12/30終値を1として指数化。 期間:2020/12/30〜2021/8/10(日足)

図表2 主な新興市場銘柄の値動き

コード 銘柄名 市場 株価(8/10) 週間 年初来
4385 メルカリ 東証マザーズ 6,050 3.2% 32.2%
2702 日本マクドナルドホールディングス ジャスダックS 4,875 -1.3% -2.5%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ ジャスダックS 6,450 1.1% -29.9%
4816 東映アニメーション ジャスダックS 14,710 -1.6% 82.9%
7564 ワークマン ジャスダックS 7,430 0.7% -14.9%
4478 フリー 東証マザーズ 9,290 -2.1% -8.0%
4483 JMDC 東証マザーズ 6,110 9.5% 4.6%
2782 セリア ジャスダックS 3,825 -0.9% 1.8%
7716 ナカニシ ジャスダックS 2,311 -1.4% 2.8%
1407 ウエストホールディングス ジャスダックS 4,630 -8.3% 26.8%
【ご参考】 日経平均株価 - 27,888.15 0.9% 1.6%
TOPIX - 1,936.28 0.3% 7.3%
日経ジャスダック平均 - 3,935.23 -1.1% 5.8%
東証マザーズ指数 - 1,083.22 -0.2% -9.5%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(東証マザーズ市場およびジャスダック市場)の前月末時価総額上位10銘柄について、8/10時点での各種騰落率を掲載しています。
  • ※「週間」は8/3〜8/10の騰落率です。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末時価総額からのトータルリターンで、配当再投資や株式分割を反映しています。「-」は、昨年末時点で上場していない銘柄です。指数の「年初来」は株価による単純計算です。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表3 8/3(火)〜8/10(火)の株価上昇が大きかった主な新興市場銘柄

コード 銘柄名 市場 株価(8/10) 週間 年初来
4479 マクアケ 東証マザーズ 5,300 24.4% -35.8%
7826 フルヤ金属 ジャスダックS 7,340 13.6% 23.8%
4180 Appier Group 東証マザーズ 1,607 13.3% -
6736 サン電子 ジャスダックS 3,270 12.0% 4.8%
4483 JMDC 東証マザーズ 6,110 9.5% 4.6%
6612 バルミューダ 東証マザーズ 5,720 9.4% 16.7%
6957 芝浦電子 ジャスダックS 5,700 8.4% 86.5%
6030 アドベンチャー 東証マザーズ 6,950 7.6% 67.3%
4485 JTOWER 東証マザーズ 7,420 7.4% -30.7%
4490 ビザスク 東証マザーズ 3,770 7.3% -15.5%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(東証マザーズ市場およびジャスダック市場・前月末時価総額250億円以上)において、株価上昇率が大きい上位10銘柄を掲載。
  • ※「週間」は8/3〜8/10の騰落率です。
  • ※「年初来」は昨年末時価総額からのトータルリターンで、配当再投資や株式分割を反映しています。「-」は、昨年末時点で上場していない銘柄です。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

2≪次の主役候補か≫新興市場の好決算銘柄はコチラ!?

冒頭でご説明したように、投資家は次第に夏から秋にかけての相場をにらみ、物色方向を定めようとしているようです。そうした中、「新興株ウィークリー」は、決算発表の終わった銘柄から好業績銘柄を抽出したいと思います。今後、新興市場の安定が取り戻されるとするならば、主役はそれらの銘柄になると期待しています。

スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証マザーズ市場、またはジャスダック市場に上場。
(2)時価総額300億円以上。
(3)8/10(火)までに決算発表を終了。
(4)2021/4〜6期の営業利益(前年同期比)が黒字転換、または50%超の営業増益。
(5)同四半期の営業利益について事前の市場コンセンサスがある場合、それを上回っていること。
(6)過去5日間のうち、売買高が最高だった営業日の売買高が1万株以上。

上記のすべての条件を満たす銘柄を2021/4〜6期の営業増益順(ただし、黒転転換を優先)に並べたものが図表4です。

図表4 ≪次の主役候補か≫新興市場の好決算銘柄はコチラ!?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価(8/11) 営業増益率(前年比)
2021/4〜6 今期会社予想 来期市場予想
6736 6736 6736 6736 サン電子 3,175 黒字転換 未公表 -
3966 3966 3966 3966 ユーザベース(M) 2,263 黒字転換 1226.9% 46.3%
4080 4080 4080 4080 田中化学研究所 1,030 黒字転換 赤字拡大 -
6027 6027 6027 6027 弁護士ドットコム(M) 6,220 2809.3% 未公表 163.2%
6324 6324 6324 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 6,610 1087.1% 997.1% 41.7%
6145 6145 6145 6145 NITTOKU 3,995 461.3% 91.7% 38.1%
7826 7826 7826 7826 フルヤ金属 7,620 333.2% 12.9% -
6957 6957 6957 6957 芝浦電子 5,360 210.7% 30.7% 17.3%
7716 7716 7716 7716 ナカニシ 2,325 219.6% 52.2% 2.5%
4483 4483 4483 4483 JMDC(M) 6,180 131.4% 16.4% 31.6%
3891 3891 3891 3891 ニッポン高度紙工業 3,575 108.1% 34.0% 6.6%
4970 4970 4970 4970 東洋合成工業 13,380 96.2% 20.8% 33.9%
6960 6960 6960 6960 フクダ電子 10,110 79.5% -24.3% 10.0%
9639 9639 9639 9639 三協フロンテア 4,730 58.1% 11.0% 6.0%
  • ※Bloombergデータ・会社公表データをもとにSBI証券が作成。
  • ※銘柄名の右側に(M)と記載された銘柄は東証マザーズ上場銘柄。無印はジャスダック銘柄。
  • ※市場予想は、Bloomberg集計の市場コンセンサスです。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

以下、図表4でご紹介した銘柄のうち、数銘柄についてその投資ポイントをご紹介したいと思います。

サン電子(6736) 隠れたグローバル企業〜子会社がDe-SPACの手法で米ナスダック市場に上場を計画

★サン電子(6736)・日足

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2020/8/19〜2021/8/11(日足)

■隠れたグローバル企業
「モバイルデータソリューション事業」が売上高の76.6%(前期)を占める主力事業です。この事業では、犯罪捜査機関等向けにモバイルデータの抽出・解析用の機器を開発・製造・販売。当社製品は、世界各国の犯罪捜査機関で携帯電話内部の証拠データ抽出に活用され、世界150ヵ国、6万のライセンスを提供し、トップシェアを有しています。

エンターテインメント関連事業(売上高の16.3%)ではデジタル技術、グラフィック表現力を駆使したパチンコ遊技機の制御基板などの開発・製造・販売を手掛けています。

海外売上高比率が7割を占める隠れたグローバル企業です。

■子会社がDe-SPACの手法で米市場に上場へ
2022/3期・第1四半期は「モバイルデータソリューション事業」の受注が好調に推移し、売上高が72.3億円(前年同期比31.0%増)、営業利益4.25億円(前年同期は10.3億円の赤字)と急回復しました。

イスラエルの「モバイルデータソリューション事業」関連子会社がDe-SPAC(株式新規公開された“SPAC”が買収対象会社と合併し、一連の買収取引を完了すること)の手法で米ナスダック市場に上場する計画で、8/10(火)、SEC当てに関連書類の提出が行われました。

これに関連し、当社は関連会社から1億ドル(約110億円)の配当を受け取ることが確定しています。2022/3期は、この子会社が持分法適用会社に変わるため、売上が減り、純利益等が一時的に膨らむとみられます。

田中化学研究所(4080) 「二次電池向け正極材」を製造〜2022/3期・第1四半期に黒字転換

★田中化学研究所(4080)・日足

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2020/8/19〜2021/8/11(日足)

■住友化学を親会社とする正極材メーカー
リチウムイオン電池やニッケル水素電池など、二次電池に用いられる「正極材」を製造・販売しています。2016年に第三者割当増資を経て、住友化学(4005)の子会社になりました。

二次電池はEV(電気自動車)などの環境対応車、およびスマホやノートPCなどの電子機器に用いられています。

■2022/3期・第1四半期は大幅黒字転換
本決算発表の翌日である5/13(木)には、予想以上の赤字が嫌気されてストップ安。7/9(金)には年初来安値を付けました。

8/2(月)に2022/3期・第1四半期決算を発表。売上高は97.5億円(前年同期比134.0%増)、営業利益3.4億円(前年同期から6.9億円増加)、純利益2.7憶円(同6.4億円増加)となりました。
車載向けの需要回復に加え、コバルトやニッケルの市況が高騰したことも追い風になったようです。

好決算を受け、8/4(水)には一時1,192円まで上昇しました。

今後はEV向けの需要拡大が期待できることに加え、商品市況は高水準が維持されており、下落トレンドからの脱却が明確になる可能性も出てきたようです。

チャート的には25日移動平均線が上昇に転じており、形状は強くなっているように見受けられます。

JMDC(4483)  「ビッグデータ」や「遠隔医療」を武器に成長

★JMDC(4483) ・日足

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2020/8/19〜2021/8/11(日足)

■「ヘルスビッグデータ」と「遠隔医療」が売上の8割
主力事業は「ヘルスビッグデータ」(前期売上構成比61%)。健保組合のデータを分析したり、PHR(個人が自身の健康・医療データを手元で管理する仕組み)サービスの提供、医療機関に対する医療データ分析サービス等を行っています。

また、「遠隔医療」(同24%)も稼ぎ頭のひとつで、医療機関と放射線読影医や放射線診断専門医を結びつけています。

2022/3期・第1四半期は売上高45.3億円(前期比41.0%増)、営業利益8.3億円(同131.4%増。市場コンセンサスは6.7億円)と大幅増収・増益。通期では16.4%の営業増益が予想(会社予想)されていますが、それとの比較でも「好スタート」と言えそうです。

■ノーリツ鋼機(7744)が親会社
ペン先や金属部材の製造・販売を行うノーリツ鋼機(7744)が親会社で保有比率は49.1%です。

その他経営陣の保有株はそれ程多い訳ではなく、浮動株比率は約40%を確保。外国人保有比率は27.1%あります。
東証マザーズ上場銘柄の多くが「期待先行」とみなされがちですが、当社は過去4年間で計80億円近い営業利益を確保するなど、業績を伴った成長を遂げています。「プライム上場」の資格はありそうです。

株価は8/6(金)に6,310円の年初来高値を付けてきました。上値抵抗線を上放れてきたと言えそうです。

東洋合成工業(4970)  半導体用感光材で世界シェアトップの“テンバガー”

★東洋合成工業(4970) ・日足

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2020/8/19〜2021/8/11(日足)

■半導体用感光材で世界シェアトップ
EUV(極端紫外線)の技術を用いた露光装置(半導体製造装置のひとつ)に用いるフォトレジスト用の感光材を提供し、世界トップシェアを有しています。

感光材は特定の波長の光に化学反応を起こす材料です。JSR(4185)や東京応化工業(4186)など大手レジストメーカーが、同社の感光材を用いて、フォトレジストに加工しています。

ご参考までにEUVを用いた露光工程は、半導体の微細化に向けた最先端分野で、東京エレクトロン(8035)、レーザーテック(6920)、日本電子(6951)、SCREENホールディングス(7735)などが関わっています。

■株価は2018年末から23倍に
株価は2018年末581円から、8/11(水)には13,380円となり、およそ23倍超も上昇。本年はやや保ち合い商状となっていますが、ここにきて「保ち合い放れ」の様相です。

2018/3期以降、4期連続で増収増益を達成。

2022/3期も売上高10.4%増、営業利益20.8%増が会社計画です。こうした中、第1四半期は売上高26.1%増、営業利益96.2%増と好スタートになっています。

フクダ電子(6960) 医療用機器の製造・販売。心電計では草分け的存在

★フクダ電子(6960)・日足

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2020/8/19〜2021/8/11(日足)

■医療用機器の製造・販売
医療用電子機器メーカーで、循環器系に強いとの評価です。心電計については日本の草分け的存在で、トップシェアを有しています。新規上場は1982年で、ジャスダック銘柄としての歴史は古いといえます。

業績は安定成長の傾向です。2012/3期以降では、純利益が減益となったのは2015/3期のみで、それ以外は増益が続いています。新型コロナウイルスの感染拡大による病院経営への圧迫が気になる所ですが、結局、2021/3期の純利益147億円が過去最高益となっています。

■第1四半期も好業績。「プライム」への期待も
2022/3期の業績予想は当初未公表でした。しかし、7/30(金)に第1四半期の営業利益が前年同期比79.5%増であると発表。通期予想営業利益も150億円(前期比24.3%減)として、発表しました。

好業績に加え、利益水準自体高く、固定株比率も高そうに見えないことから、市場の一部では、再編後の東証で「プライム市場」へ上場するとの期待も強まっています。

ただ、株価はこうした好材料を織り込みつつあるようです。流動性が薄い点にも注意が必要です。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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