今週の株式見通し(2024/11/5~11/8)
今週(2024/11/5-11/8)の日経平均株価の予想レンジは36,000円-40,000円。東京市場は4日立会いの中、波乱要素が多い週となる。三連休明けの11/5からは取引時間が30分延長され、引けの時間が15時から15時30分に変更される。米国では11/5の大統領選挙の投開票が大きな注目を集め、直後11/6-7の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。国内では、任天堂、三菱重工業、トヨタ自動車、ホンダ、NTT、ソニーなど、注目企業の決算発表が目白押しだ。
大統領選挙の投開票に関するニュースは日本では11/6の午前中から消化することになるが、先行きへの不透明感の払しょくにつながるかが焦点となる。両者どちらが勝ってもともに織り込み済みの反応にとどまればよいが、大接戦が伝わる中で結果の判明には日数を要する可能性が高い。特にトランプ氏が劣勢となった場合の言動や相場の反応には留意したい。一方、今回のFOMCでは0.25%の利下げが濃厚であり、FRBの緩和的なスタンスは継続するとみられている。
国内では決算を材料に個別物色の活況が見込まれる。業績への期待値が低下する中、米国発のイベントが波乱要因となれば、リスク回避姿勢から相場全体の振れ幅が大きくなる展開が予想される。
日経平均株価(図表1)は方向感に乏しい展開となっている。先週は週初から強いスタートとなったが、週央に高値をつけたあとは大幅安となった。週間ベースでは上に往ってこいとなり、引け味の悪さが目立った。
一方、75日移動平均線(37,977円 11/1)まで下げており、同線を意識して早々に強めの反発がみられるかが焦点となる。現時点では、10/30まで3日間続いた陽線の反動安、10月からのもみ合いの範ちゅうであるが、終値ベースで10/2安値(37,808円)を下回ると37,000円どころまで調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、10日移動平均線(38,545円 同)、10/31安値(38,832円)、心理的節目の39,000円や39,500円、10/15安値(39,910円)などがある。下値メドは、10/2安値(37,651円)、9/12高値(36,902円)、9/17安値(35,828円)、9/9安値(35,247円)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/8/1-2024/11/1)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、東証が株式の売買時間を延長(11/5)、日銀金融政策決定会合の議事要旨(9/19~20開催分)(11/6)、9月毎月勤労統計、10月都心オフィス空室率、10年国債入札(11/7)、9月家計調査、9月景気動向指数、オプションSQ(11/8)がある。
企業決算の発表では、任天堂、三菱重、LINEヤフー、川崎船、横河電、ユー・エス・エス、東ソー、ヤマトHD、ニチレイ、全国保証、住友ベ、ファンケル、メルカリ、ワークマン、寿スピリッツ、コニカミノルタ、JMDC(11/5)、トヨタ、伊藤忠、ホンダ、ダイキン、NTTデータG、郵船、ニトリHD、シスメックス、キッコーマン、ヤマハ発、オムロン、IHI、JFE、ミネベアミツミ、JR九州、ALSOK、SBIレオス(11/6)、NTT、富士フイルム、テルモ、日本製鉄、花王、味の素、菱地所、キリンHD、フジクラ、日産自、東レ、島津製、資生堂、大成建、西武HD、東京メトロ、三井化学、ローム、マツダ、ソラコム(11/7)、ソニーG、ソフトバンク、オリックス、三井不、オリンパス、スズキ、セコム、クボタ、住友不、アシックス、エーザイ、東急、ダイフク、SBI、川重、東洋水産、リコー、SGHD、マクドナルド、スクエニHD、セガサミーHD、SUMCO(11/8)が予定している。
海外の経済指標の発表やイベントは、米9月製造業新規受注、米3年国債入札(11/4)、米大統領選挙 投開票日、米9月貿易収支、米10月ISM非製造業景況指数、米10年国債入札(11/5)、米30年国債入札、FOMC(~11/7)(11/6)、中国10月貿易収支、パウエルFRB議長定例記者会見、米9月消費者信用残高(11/7)などがある。
米国企業の決算発表では、ロウズ、フォックス、フランクリン・リソーシズ、マリオット・インターナショナル、PSEG、フィディリティナショナルインフォ(11/4)、デュポン、エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン、マラソン・ペトロリアム、エマーソン・エレクトリック、アーチャーダニエルズ、ヤム・ブランズ、ヘンリー・シャイン、カミンズ、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ(11/5)、クアルコム、アメリカン・エレクトリック・パワー、CVSヘルス、トリンブル、センプラ・エナジー(11/6)、タペストリー、ハリバートン、ハーシー、モデルナ、ロックウェルオートメーション、ラルフ・ローレン、デューク・エナジー、EPAMシステムズ、モルソン・クアーズ、エアープロダクツ(11/7)、バクスター・インターナショナル、NRGエナジー(11/8)が予定している。
今週の注目銘柄!(11/5~11/8)
銘柄 コード |
銘柄名 | 目標株価 (円) |
ロスカット株価 (円) |
注目ポイント | |||||||||
4507 | 塩野義製薬 | 2,750 | 1,920 | 抗HIV薬が大型製品に。感染症、疼痛・中枢神経領域に強み。10/28の取引時間中(13時)に上期決算を発表。連結の営業利益は前年同期比23%減の759億円と減益着地となったが、会社計画の690億円は上振れた。前年同期では一時金の影響があり、この影響を除くと増収増益であったと会社では説明している。また、通期の見通しに関しても1,600億円→1,650億円に引き上げられた。株価は10月に入ってから決算発表前までは2,050円~2,100円レベルでのもみ合いが続いていた。今回の決算を受けた反応は買いとなり、10/29は一時2,234円まで上昇。25日移動平均線を上回り、足元では75日移動平均線上を回復している。値固めの後の上放れと判断でき、当面は買いに勢いがつく展開を予想する。ターゲットは2,750円、ロスカットは1,920円 | |||||||||
6592 | マブチモーター | 2,600 | 2,100 | 小型モーター大手。11/1の後場寄りに3Q累計決算を発表し、営業利益は前年同期比81%増と伸長した。市場予想は上回り、通期計画に対する進ちょく率も84%と高い。通期見通しは据え置いたが総じてポジティブな印象である。株価は8/5に年初来安値(1,909円)をつけてからある程度回復し、2,100円~2,300円程度を行き来していた。方向感を欠く状況だったところ、上記の決算発表を受けて大きく上昇。前回高値(10/7の2,300円)を上回り、100日移動平均線も突破した。直近の信用倍率は3倍台であり、極端に需給が悪いわけでもない。年初来高値(3/22の2,838円)とのかい離も大きく、上値余地は大きいと考える。ターゲットは2,600円、ロスカットは2,100円 | |||||||||
6594 | ニデック | 4,500 | 2,600 | モーター世界大手。10/23に発表された上期決算は営業増益・最終減益となったが、これを受けた翌10/24は荒い動きとなりながらも大きく上昇した。以降も水準を切り上げており、決算に対する反応が良い。10/24のローソク足は陰線ながらも下に長いヒゲを形成した。25日移動平均線に続き、75日移動平均線も上回り、200日移動平均線上を回復する場面もあった。足元は、25日移動平均線までいったん下方に反動安が生じているが、大商いとなった10/24の水準にも到達しており再び買い方が優位になってくる公算が大きい。直近で底入れパターンを形成した今年3月の水準で値固めが進展しており、中期的な視点でも押し目買いと予想する。ターゲットは4,500円、ロスカットは2,600円 | |||||||||
6754 | アンリツ | 1,550 | 1,040 | 通信計測器の国内大手。携帯電話や基地局向けに強みを持ち、次世代通信の5G投資が活発だった時期は大きく利益を伸ばした。設備投資の波によって業績が浮き沈みしやすく、株価もそれに連動する傾向にある。一方、直近は配当性向を50%以上目標へ引き上げており、株主還元の強化に意欲的。足元の配当利回りも3.4%程度であり、東証プライム平均(約2.4%)よりも高い。株価はさえない動きを続けているが、10/30発表の上期営業利益は市場予想を上回る着地だった。翌10/31は安く始まったものの、プラスへ転じ結果的に大陽線を形成。最近の上値抵抗線になっていた100日移動平均線を上抜けている。8月以降の三角保ち合いから上方向に勢いづいたことで、上昇に一段と弾みが付くと予想する。ターゲットは1,550円、ロスカットは1,040円 | |||||||||
6849 | 日本光電工業 | 2,750 | 2,040 | 脳波計や心電計など医用電子機器の製造・開発を手がける。10/17に上期見通しの修正を発表。営業利益見通しは上方修正、純利益見通しは下方修正となったが、これを受けた翌日の株価は買いで反応した。国内販売が堅調で、これが営業利益の増加要因となった。一方、円高進行に伴う為替差損の計上が、経常利益や純利益の下振れ要因となった。今年の6月には2,460.5円まで上昇して上場来高値を更新していた銘柄。8月の全体株安で1,595.5円まで下落した後は着実に下値を切り上げ、9月以降は25日移動平均線にサポートされた動きが続いている。円高に対する警戒が大きく後退してくれば、本業の好調を評価した買いが続くと予想する。なお、上期の決算発表は11/7に予定している。ターゲットは2,750円、ロスカットは2,040円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・11/1現在、プライム市場に上場、時価総額が1,000億円以上、配当利回りが1.3%以上、PERが25.0倍未満、PBRが2.5倍未満、今期増収・営業増益予想(日経予想)、株価が13週移動平均線を上回っている中から、成長性や話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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