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2024-10-16 06:56:10

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週刊日本株式アウトルック

日経平均は直近3年間の9月後半は軟調、今年も日米の金融イベントが波乱要素に

2024/9/17
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2024/9/17~9/20)

  今週(2024/9/17-9/20)の日経平均株価の予想レンジは35,000円-37,500円。東京株式市場は4日立ち合いの中、日米の金融イベントを消化する窮屈な週となる。9/17‐18の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視され、利下げ幅は0.25%が濃厚。利下げ幅が0.50%になった場合や、政策金利見通しなどが変動要因となる。9/19‐20の日銀金融政策決定会合に関しては現状維持の公算が大きい。FOMCの結果に反応する市場の動向次第でもあるが、日銀政策が現状維持なら円安方向にいったん振れる可能性が高く、株高につながる展開に期待は持てそうだ。


  ただ、米国が0.50%の利下げに踏み切った場合、為替市場ではドル売り・円買いが強まることが予想され、日本株にとっては逆風(下落)となりかねない。その場合、日銀政策の決定が現状維持でも9/20の大引け後に予定されている植田総裁の会見内容を通じた一段の円高・ドル安に対する警戒感が強まり、短期筋による仕掛け的な売りやポジション調整の売りなどで軟調な場面が増えることになろう。


 日経平均株価は直近3年間の9月後半が軟調に推移した点からも、特に米国株式市場の地合いが軟化するケースなどは波乱の展開も想定しておきたい。



 日経平均株価は(図表1)は先週、35,000円台前半で下げ渋る展開となった。9/2の戻り高値(39,080円)からの調整を通じて、史上最大の下げ幅となった8/5や史上最大の上げ幅となった8/6のレンジ近くまで下落し、押し目買いが意識された可能性が高い。


 メジャーSQ算出日となった9/13は10日移動平均線(36,889円 9/13)に上値を抑えられ、前日陽線にかぶるような陰線を形成して終えた。


 依然として下向きが続く10日移動平均線が上値抵抗となり、目先的には横ばい(値固め)などがイメージできるが、10日移動平均線や25日移動平均線(37,325円 同)、200日移動平均線(37,553円 同)上への回帰が上目線における注目ポイントとなる。


 一方、横ばいがあまり長引く場合、ようやく上向きに転じた25日移動平均線が再び下向きへ変化するリスクが高まる点には留意が必要となる。


 上値メドは、25日移動平均線、200日移動平均線、心理的節目の38,000円、100日移動平均線(38,398円 同)、心理的節目の39,000円などがある。下値メドは、5日移動平均線(36,281円 同)、9/11安値(35,253円)、心理的節目の35,000円、8/9安値(34,445円)や34,000円、8/7安値(33,739円)などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/8/1-2024/9/13)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、7月第三次産業活動指数(9/17)、7月機械受注、8月貿易統計、8月訪日外客数(9/18)、日銀金融政策決定会合(~9/20)、8月首都圏新規マンション発売(9/19)、植田日銀総裁会見、8月全国消費者物価指数(CPI)(9/20)がある。


 企業決算の発表では、パーク24、サンバイオ、コーセル、テクノロジー、トウキョベース、システムディ、tripla、クシム、Mマート、LeTech(9/17)、ツルハHD、サツドラHD(9/20)が予定している。


 海外の経済指標の発表やイベントは、米9月ニューヨーク連銀製造業景気指数(9/16)、独9月ZEW景況感指数、FOMC(~9/18)、米8月小売売上高、米8月鉱工業生産、米8月備稼働率、米9月NAHB住宅市場指数、米20年国債入札(9/17)、パウエルFRB議長会見、米8月住宅着工件数、米8月建設許可件数(9/18)、米4-6月期経常収支、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米8月中古住宅販売件数(9/19)などがある。


 米国企業の決算発表では、ゼネラル・ミルズ(9/18)、フェデックス、ダーデン・レストランツ、ファクトセット・リサーチ・システムズ(9/19)、レナー(9/20)が予定している。

今週の注目銘柄!(9/17~9/20)

銘柄
コード
銘柄名 目標株価
(円)
ロスカット株価
(円)
注目ポイント
1873 日本ハウスホールディングス 450 310 注文住宅大手。9/6に1Q決算を発表し、1Q営業損益は黒字に転じた。住宅の受注棟数は減少しているものの、原価低減や経費節減によりカバーした。このところは国内住宅在庫も改善傾向にあり、物価高を反映した値上げが業界内で進んでいる。前期で損益悪化の底打ちが濃厚となり、今後の改善が続くことに期待できそうだ。株価は2022年からしばらく下げ続け、昨年末に275円の安値をつけて底打ちした。8月の急落で再び300円割れの場面があったものの、その後は順調に回復。7月は高値更新に失敗したが、9/12に年初来高値を更新。ここからの上昇に弾みがつくと考えられる。26週移動平均線が上向いていることから、中長期的な上昇トレンドへ転換した可能性が高い。ターゲットは450円、ロスカットは310円
3182 オイシックス・ラ・大地 1,750 1,120 安全配慮のミールキット軸にネット販売を手がける。コロナ禍での特需以降も売上高は成長しており、シダックス買収により今期は大幅な増収を見込む。原材料高や労務費の上昇などが利益を圧迫しているものの、円安一服は好材料。出遅れ内需株の一角として注目したい。コロナ禍の2021年9月に上場来高値(5,220円)をつけ、そこから低迷している。ただ、今年8月の急落からは持ち直しており、下落前の7/22につけた高値1,392円を超えてきた。戻り売りが一巡し、ここからの上値は軽いと考えられる。RSI(14日)などのオシレータ指標からも過熱感はなく、一段の上昇を予想する。ターゲットは1,750円、ロスカットは1,120円
4026 神島化学工業 2,750 1,500 建材やマグネシウムの化成品などを手がける。9/11の取引終盤に1Q決算を発表。営業利益は前年同期比57%増、上期計画に対する進ちょく率も58%と順調な滑り出しだった。住宅の需給バランスが改善傾向といった見方も出てきたため、2Q以降の業績にも期待したい。直近の株価は8月の急落で1,280円の安値をつけ、そこから順調で一時2,000円台を回復していた。その後は再び下げたものの、9/11は軟調な地合いのなか上記の決算が好感され急騰。大引けまで残り30分で一気に5日移動平均線を上回った。スローストキャスティクス(9日)などが好転しており、短期的には好業績などを手がかりに買われる展開を予想する。ターゲットは2,750円、ロスカットは1,500円
4071 プラスアルファ・コンサルティング 2,750 1,700 人材活用軸にデータ分析・可視化するクラウドサービスを提供している。今年前半の下落がきつく、公開価格2,300円を下回って推移している。ただ、当時の公開価格をベースにしたPERは77倍であり、足元は27倍まで低下。ほかのSaaS系中核銘柄と比べてもかなり低い水準であり、見直しの余地は大きい。株価は8月初頭の急落で年初来安値(1,463円)をつけ、いったん反発。8月半ばに決算を受けて再び急落したものの、そこが2番底となる形で再び持ち直した。その後は上値を切り上げる推移となっており、ここ数日で200日移動平均線に迫る動きとなっている。8月以降は出来高も増加傾向にあり、下値は堅いとみて順張りで狙えるタイミングと判断する。ターゲットは2,750円、ロスカットは1,700円
6455 モリタホールディングス 2,600 1,750 消防車や消火器などを手がける。7/30に発表された1Q決算では営業利益が前年同期比10倍増の14.3億円と業績が大きく改善した。消防車両事業が黒字転換したほか、防災事業で消火設備の大型工事案件が進行したことなどが利益の大幅増に貢献した。決算を受けた7/31の株価は急騰し、1,944円まで上昇。4月につけた1,937円を上回り、この時点での年初来高値を更新した。一方、全体株安の影響を受け、8/5には1,554円まで急落。しかし、この日に長い下ヒゲをつけて終えると、以降は順調に回復している。9/10には1,999円まで上昇して年初来高値を更新した。PERは10倍台前半でPBRは1倍を割り込んでおり、現状の株価に過熱感はない。2018年10月の上場来高値2,637円を試しに行く公算が大きい。ターゲットは2,600円、ロスカットは1,750円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・9/13現在、プライム・スタンダード市場に上場、時価総額が1,000億円未満、PERが30.0倍未満、株価が13週・26週移動平均線を上回っている中から、業績面、成長性や話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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