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2024-11-14 03:44:40

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週刊日本株式アウトルック

海外勢の動向次第、円高一服なら先物に買い戻しか

2024/7/16
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2024/7/16~7/19)

 今週(2024/7/16-7/19)の日経平均株価の予想レンジは40,800円-41,900円。東京株式市場は4日立会いとなり、売り買い交錯でもみ合いの展開か。米国では経済指標の発表が多く、4-6月期の決算発表も出始める。欧州では7/18にECB理事会が開催されることから、海外の材料に一喜一憂することになるだろう。


 ディスコ、ASML、TSMCの決算発表が予定されており、グローバルな視点で半導体株の注目度が高まることが予想される。国内半導体株の多くは7/12に大きく下落しており、失望決算となった場合は値崩れにつながりやすい。一方、日本株に対する海外投資家の注目度が再び高まっているようで、業種を代表する主力大型株や好業績株の下値買い意欲は旺盛とみられる。そういった意味でも、引き続き海外投資家の動向次第であり、先週末からの調整が続けば売り越しに転じた可能性が高く押し目買いには注意が必要となる。


 先週発表された米国の物価指標を通じて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率は94%程度まで上昇した。連邦準備理事会(FRB)の利下げが徐々に為替相場に織り込まれている状況であり、ドル高材料が薄くなっている。


 一方、バイデン大統領に対して選挙戦からの撤退を求める声が相次ぐ中、日本の3連休中に飛び込んできたトランプ氏の銃撃事件によってよりトランプ優位に働くとの見方が強い。トランプ氏が大統領に就任した場合は、中国を中心に関税引き上げが予想され、米国が再びインフレになるとの声が高まっていることも、ドルの下値を支えることになる。


 ドル円は円安・ドル高方向に加速し始めた6月中旬ごろの水準まで一気に円高が進んだ。政府・日銀による介入への警戒は根強いが、短期的には円安方向への揺り戻しが予想され、日経平均先物などへの買い戻しにつながるかが焦点となる。



 ちなみに、昨年の三連休明けの週は、前半堅調、後半軟調で週間では下落した。米主要3指数が年初来高値を更新したことを受けて、三連休明け7/18の日経平均株価は3桁の上昇。円高に一服感が出てきたことから、翌日は400円を超える上昇となった。一方、7/20は決算を発表したネットフリックスやテスラの時間外の反応が警戒されたほか、オランダのASMLが決算を受けて売られたことなどから、半導体株が下げを先導して400円を超える下落。ダウ平均は強い動きが続いた一方、テスラ安などを受けてナスダックは上昇一服となったことから、7/21も半導体株主導で売りに押された。日経平均株価は週間では反落となり、約87円の下落。週足では3週連続で陰線を形成した。



 日経平均株価(図表1)は3月につけた史上最高値を更新し、一時は42,500円に迫る場面があるなど上値追いの展開が続いている。一方、7/11には25日移動平均線(39,730円 7/12)からの上方かい離率は6.5%程度まで拡大。短期的な高値警戒感もあり、7/12は下落幅が4ケタに拡大し、5日移動平均線(41,521円 同)を下回るほぼ安値引けに近い動きとなった。


 史上最高値を更新した7/11の値動きの両側にマドを形成する格好となり、目先の天井感が強いパターンにもみえる。週明け早々にマドを埋め戻す強い動きが生じれば下げを否定する格好になるほか、10日移動平均線(40,972円 同)や3月高値水準へのワンタッチで切り返せるかどうか。10日移動平均線を割り込む動きにつながると、25日移動平均線に向けて調整が長引く可能性が高まる。


 上値メドは、7/11安値(42,102円)、心理的節目の42,500円や43,000円、3/22高値から4/19安値までの下落幅に対する1.5倍返しの上げとみた43,260円などが考えられる。下値メドは、10日移動平均線、心理的節目の40,500円や40,000円、25日移動平均線などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/8/1-2024/7/12)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表は、5月第3次産業活動指数(7/16)、6月貿易統計(7/18)、6月全国消費者物価指数(CPI)(7/19)がある。


 企業決算の発表では、東宝、日置電、リテールPT、古野電、FPパートナー、AIT、日本国土、Chordia(7/16)、ディスコ、ブロンコB(7/18)、サーティワン、アルインコ、アジュバンH、光世証、ゲンダイAG(7/19)が予定している。


 海外の経済指標の発表やイベントは、中国4-6月期GDP、中国6月鉱工業生産、中国6月小売売上高、中国6月固定資産投資、米7月ニューヨーク連銀製造業景気指数(7/15)、独7月ZEW景況感調査(期待指数)、米6月小売売上高、米6月輸出物価指数、米6月輸入物価指数、米7月NAHB住宅市場指数(7/16)、米6月住宅着工件数、米6月鉱工業生産指数、米6月設備稼働率、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、米20年国債入札(7/17)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、米7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米5月対米証券投資(7/18)などがある。


 海外企業の決算発表では、ゴールドマン・サックス、ブラックロック(7/15)、モルガン・スタンレー、ユナイテッドヘルス・グループ、ステート・ストリート、バンク・オブ・アメリカ、PNCファイナンシャル、プログレッシブ・コープ(7/16)、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、USバンコープ、ノーザン・トラスト、シンクロニー・ファイナンシャル、ASMLホールディング(7/17)、ネットフリックス、ドミノ・ピザ、M&Tバンク、ブラック・ストーン、キーコープ、マーシュ&マクレナン、スナップオン、テクストロン、アボット・ラボラトリーズ、シンタス、D.R.ホートン、TSMC(7/18)、フィフスサードバンコープ、アメリカン・エキスプレス、リージョンズファイナンシャル、ハンチントン・バンクシェアーズ、トラベラーズ・カンパニーズ、ハリバートン、シュルンベルジェ(7/19)が予定している。

今週の注目銘柄!(7/16~7/19)

銘柄
コード
銘柄名 目標株価
(円)
ロスカット株価
(円)
注目ポイント
3436 SUMCO 3,200 2,300 半導体用シリコンウェハの大手。製造装置を手掛けていないためか、半導体関連としては株価に出遅れ感がある。一方、市況が年後半から持ち直すとの観測も強まっており、ウェハ需要も持ち直しが期待できる。同社株も下期が始まったことから、業績底打ちの見方が強まることに期待したい。株価は4/12の年初来高値(2,684円)から4/23に2,249.5円まで下落し、いったん反発した。その後も何度か下げる場面があったが、4/23安値を割れずに下げ止まった。7/3には25日移動平均線や75日移動平均線を一気に上抜け、7/11には2,649円まで上昇。年初来高値に迫る場面があった。一目均衡表では抵抗帯(雲)を上抜けたことで三役好転。強い買いサインの出現により、上昇に弾みがつくと考える。ターゲットは3,200円、ロスカットは2,300円
3655 ブレインパッド 1,430 910 データサイエンティストを多く抱えるビッグデータ分析のスペシャリスト。2/26に年初来高値1,778円をつけたが、その後は小型株劣勢の環境下で大きく売られた。ただ、時価総額200億円~500億円の情報・通信業で比較すると、同社の現PER26倍台は決して高くない。今後もAI関連が注目される際、同社株が買われる機会は多いと考える。株価は6月後半から1,000円あたりで底堅く推移。ボリンジャーバンドも収束しており、次のトレンド発生を待つ状況といえる。7/10に992円まで下げたが、1,000円を割れたところではすかさず買いが入っている。大型株から中小型株への資金循環が期待されるなか、安値圏にある現在の水準は投資妙味がある。ターゲットは1,430円、ロスカットは910円
6958 日本シイエムケイ 800 550 プリント配線板最大手。自動車向けが約8割を占める。2月半ばに公募増資を発表したことで株価が急落。その後は上昇相場について行けず、550円~640円のレンジで推移している。5月半ばに75日移動平均線で跳ね返される場面があったものの、5月安値(555円)を前に下げ止まり、もみ合いから下放れることはなく600円前後に持ち直した。6月後半からは5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線が収束し、次のトレンドを探る段階に入ったと考えられる。このタイミングでスローストキャスティクス(9-3-3)が好転しており、レンジ相場上抜けの期待が出てきた。下値不安の後退から買いの好機とみる。PBRは1倍割れ。ターゲットは800円、ロスカットは550円
6976 太陽誘電 5,600 4,080 スマホや車で使用のセラミックコンデンサー世界大手。足元で電子部品株の評価機運が高まる中で、同社株も強い動きを見せている。7/11には4,847円まで上昇して年初来高値を更新した。2022年後半以降は4,500円近辺まで水準を切り上げると上値が抑えられることが多かった。しかし、直近の上昇で2022年11月につけた4,680円を上回っており、戻り売りは相当程度こなしたと考えられる。2021年9月に7,710円まで上昇した後、一気に3,000円台まで調整している分、ここから上は抵抗となりそうな水準が少ない。ハイテク株に流れが来ていることを追い風に、上昇に一段と弾みがつく展開を予想する。ターゲットは5,600円、ロスカットは4,080円
7278 エクセディ 4,300 2,480 自動車のクラッチ大手。5/27に発表した売り出しを受けて株価が急落したが、ほどなくして急速に値を戻した。6月半ばには旧村上系のシティインデックスイレブンスによる大量保有も判明し、その後一段高となっている。株価が上昇したとはいえ、現時点でPBRは0.6倍台にとどまる。アクティビストによる増配・自社株買い要求などへの思惑はしばらく続きそうだ。7/11には一時3,200円まで買われ、3月につけた年初来高値を更新した。日足の主要な移動平均線を上回る推移を続けており、下落トレンド入りの懸念は後退している。前述の思惑がなくとも、3.8%程度の配当利回りには投資妙味があり、買い優勢の展開が続くと予想する。ターゲットは4,300円、ロスカットは2,480円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・7/12現在、プライム市場に上場、時価総額が200億円以上、PBRが5.0倍未満、PERが35.0倍未満(市場コンセンサス)、株価が25日移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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