今週の株式見通し(2024/5/13~5/17)
今週(2024/5/13-5/17)の日経平均株価の予想レンジは37,400円-39,400円。東京株式市場は為替相場や米国株式市場など外部環境をにらみながら神経質な展開か。今週も国内では指数寄与が大きいソフトバンクGやソニーG、三菱UFJFGなど主力企業の決算発表が多く、それらの動向に影響を受けそうだ。経済指標では5/15に発表される米4月消費者物価指数(CPI)が注目を集める。市場予想を下回る結果となれば早期利下げ期待が高まり、米主要3指数の史上最高値更新が見込まれる。
ドル円の乱高下への警戒や国内企業の業績見通しへの期待値低下が日本株の重荷となっている。米国株式市場ではダウ平均の連騰が続き、ナスダックは史上最高値に近い。史上最高値更新が見込まれる中、為替市場に落ち着きがみられれば、日本株へのポジティブな反応が期待できそう。先週末に発表があった半導体製造装置大手の東京エレクトロンの決算で半導体関連の業績発表が概ね一巡したことから、米主要指数の中で出遅れ感が強いフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の追い上げなども日本株には追い風となる重要なポイントである。
米国では、小売大手のウォルマートや世界最大の半導体製造装置メーカーであるアプライド・マテリアルズが決算発表予定。国内の決算発表が一巡した後はこれらの結果に注目が集まる。
日経平均株価は(図表1)は伸び悩む展開が続く。取引時間中は上値を試すものの、終値ベースでは押し戻されるパターンが続いている。
5/10は75日移動平均線(38,453円 5/10)や25日移動平均線(38,227円 同)を上回り、一時は600円を超える上げ幅となる場面があった。一方、5/7高値(38,863円)を上値のフシとして意識し上げ幅を縮小。終値ベースでは75日移動平均線や25日移動平均線の下に押し戻される展開となり、3日連続の陰線で取引を終えた。
足元は正念場である。下向きで推移している25日移動平均線から下に押し戻される動きは想定の範ちゅうだが、直近3日間の引け味の弱さが気がかりである。
4/19安値を起点とした目先の戻り基調が崩れたわけではないが、100日移動平均線(37,294円 同)に向けて強い陰線が生じる可能性が高まっている点には留意が必要だ。その懸念を払しょくするためにも、25日移動平均線を一気に上回るような下げを否定する強い陽線を形成する必要がある。
上値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39,000円、4/12安値(39,457円)、心理的節目の40,000円、4/1高値(40,697円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38,000円、100日移動平均線、4/19安値(36,733円)、心理的節目の36,000円などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/5/1-2024/5/10)
![](https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/static/2024/market_report_dom_toku_240513_01.gif)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、4月企業物価指数、4月工作機械受注、5年国債入札(5/14)、4月訪日外客数(5/15)、1-3月期GDP速報値、20年国債入札(5/16)がある。
企業決算の発表では、ソフトバンクG、ブリヂストン、スズキ、SUBARU、パンパシHD、塩野義、日本酸素、サントリーBF、ヤマハ発、日清食HD、大日印、大林組、TOPPANHD、東レ、東急、大成建、コンコルディア、フジクラ、ふくおか、スクエニHD、日産化、清水建、クレハ、Gモンスター(5/13)、ソニーG、SMC、テルモ、INPEX、アサヒ、ニトリHD、三住トラスト、りそなHD、ENEOS、ネクソン、楽天G、鹿島、いすゞ、出光興産、荏原、電通G、ヤクルト、阪急阪神、ゼンショーHD、マクドナルド、ミツコシイセタン、京都FG、東センチュリー、浜ゴム、TBSHD、サンリオ、トライアル、アズパートナ、ジンジブ(5/14)、三菱UFJ、三井住友、リクルートHD、みずほ、HOYA、ゆうちょ、日本郵政、第一生命、日ペイントH、エーザイ、三菱HCキャ、T&DHD、三菱ケミG、光通信、かんぽ、三井化学、レゾナックHD、カウリス、ハンモック、情報戦略、ハッチ・ワーク、JSH、シンカ(5/15)、ヨシタケ、大同信、セキ、イクヨ、ホリイフード(5/16)、東北新社、うかい、TYK、イチケン、アーレスティ、大木ヘルケア、ムサシ、相模ゴム、サンユ建、創健社(5/17)が予定している。
海外の経済指標の発表は、米4月生産者物価指数(PPI)(5/14)、米4月消費者物価指数(CPI)、米4月小売売上高、米5月ニューヨーク連銀景気指数、米5月NAHB住宅市場指数(5/15)、米4月住宅着工件数、米4月輸出物価指数、米4月輸入物価指数、米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米4月鉱工業生産(5/16)、中国4月鉱工業生産、中国4月小売売上高、中国4月固定資産投資(5/17)などがある。
米国の企業決算の発表では、アリババ・グループ、ホームデポ(5/14)、シスコシステムズ(5/15)、アプライド・マテリアルズ、バイドゥ、ウォルマート、ディア(5/16)などが予定している。
今週の注目銘柄!(5/13 ~ 5/17)
銘柄 コード |
銘柄名 | 目標株価 (円) |
ロスカット株価 (円) |
注目ポイント | |||||||||
2585 | ライフドリンク カンパニー | 6,200 | 4,590 | ペットボトル飲料の製造を手がけており、需要の多い水、お茶、炭酸飲料に集中している点が特色。気温が上がり、夏場に向けては飲料需要が高まりそうで、同社の業績に追い風が見込まれる。2024年3月期の会社の営業利益計画が46億円で、3Q累計時点で40億円を達成している。1Qが14億円、上期が29億円と着実に利益を積み増しており、通期上振れに対する期待も高い。株価は2021年12月の上場以降、上昇トレンドが続いている。今年1月に跳ねた分、2/8に6,040円まで上昇した後は調整が入ったが、足元では26週移動平均線をサポートに売りが一巡し、再び水準を切り上げつつある。25日移動平均線が下向きから上向きに転じており、買いの好機と判断する。決算発表は5/14(火)に予定されている。ターゲットは6,200円、ロスカットは4,590円 | |||||||||
3407 | 旭化成 | 1,500 | 1,000 | 化学のみならず、住宅や医療などさまざまな事業を手掛ける。5/9の後場寄りに決算を発表。今期ガイダンスは市場予想を上回る内容だった。出遅れ感のある化学セクターの中において、業績懸念が後退したことで買い需要も増えると考える。決算発表を受けて同日は一時1,169円まで上昇。年初来高値を更新した。5/10の翌日は早々に下に押し戻される動きとなったが、高値を更新したことで押し目買いが入りながらの上昇基調が続きそうだ。2018年10月の上場来高値1,765円に対し700円近い差がある。2021年3月の高値1,380円と比べても大きくかい離しており、上値余地は大きいと考えられる。ターゲットは1,500円、ロスカットは1,000円 | |||||||||
5333 | 日本ガイシ | 3,000 | 1,780 | ガイシで世界トップ。セラミックス技術で排ガス用ハニカムや半導体装置用など多角化展開している。4/26の後場に本決算を発表。2025年3月期の営業利益予想は前の期比13%増の750億円と、2桁増の見通しが示された。2024年3月期の着地は同0.5%減の664億円と微減益となったが、従来計画の620億円は超過した。株価も本決算に好反応を示し、4/26に2,188円まで上昇し、年初来高値を更新した。今年に入ってからは押し目をつくることなく上昇基調が続いており、本決算を確認してもその流れに変化はなかった。2020年3月に1,168円まで下落した後の戻り高値が2021年3月につけた2,153円で、これを4/26に上回った。当面は抵抗となりそうな水準がなく、決算を好感した買いが続くことが予想される。PBRは1倍割れで、配当利回りも比較的高い。ターゲットは3,000円、ロスカットは1,780円 | |||||||||
9369 | キユーソー流通システム | 1,500 | 1,080 | 食品物流最大手。3/27に1Q決算を発表。連結の営業利益は前年同期比82%増の12億円と業績が大きく改善した。共同物流事業が運送・倉庫関連のコストアップ要因があったものの、増収効果により大幅な増益を達成。インドネシアにおける取引拡大なども利益増に大きく貢献した。株価は決算を受けて3/28に大きく上昇し、4/11には1,262円まで水準を切り下げた。その後、全体市場が軟化したことで利益確定売りに押され、4/25には明確に25日移動平均線を割り込んだ。一方、立ち直りが早く5/10には大陽線で25日移動平均線上を回復した。PBRは0.7倍とバリュエーション面では割安感があり、2022年9月につけた1,417円までは抵抗となりそうな水準も少ない。ターゲットは1,500円、ロスカットは1,080円 | |||||||||
9474 | ゼンリン | 1,150 | 800 |
地図情報大手。4/26の取引時間中に本決算を発表。2025年3月期の大幅増益計画が好感され、同日の株価は大きく上昇した。直前の4/19には年初来安値を更新していたが、4/26に25日移動平均線や75日移動平均線を上回ると、4/30もギャップアップスタートから上げ幅を広げ、3/25につけた直近高値884円を上回った。その後は微調整を強いられているが、買い下がりのタイミングとみられる。PBRは1倍を割り込んでおり、良いタイミングで好材料が出てきた印象である。底打ちを期待した買いが株価を一段と上に押し上げると予想する。ターゲットは1,150円、ロスカットは800円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・5/10現在、プライム・スタンダード市場に上場、時価総額が100億円以上、PBRが7.0倍未満、PERが23.0倍未満、今期増収・営業増益予想(日経予想)、株価が26週移動平均線を上回っている中から、成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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