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デュアル・カレンシー債って何?
デュアル・カレンシー債とは、発行通貨と利払い・償還が異なる通貨に設定される債券のうち、発行通貨と利払いが同じ通貨で、償還通貨が異なる債券を指します。
デュアル(Dual)は二重、カレンシー(Currency)は通貨という意味で、日本語では「二重通貨建債券」となります。
定期的に利金が受け取れる!
デュアル・カレンシー債は、一般的な債券と同じくあらかじめ利金・償還の支払いスケジュールが決まっています。
また、固定クーポンのデュアル・カレンシー債であれば、運用期間中に受け取れる利金の金額も変動しません。
(例)利払日が年2回(半年に1度)のデュアル・カレンシー債(円貨償還条項付)の投資イメージ
購入・利払は円貨、償還は円貨または外貨で行われるスキームの場合の投資イメージです。
円建投資でありながら好利率!
償還時の元本の支払について、為替水準の変化による条件が付されることによって、同年限・同通貨建ての固定クーポン債よりも高い利回りが期待できます。
(例)利率が異なる債券に50万円投資した場合の利金のイメージ
為替レート円高局面でも一定程度の円高水準であれば元本割れしない!
外貨建債券に投資をした場合、償還時の為替レートが購入時より円安水準になっていれば償還差益(利益)が出ますが、円高水準となっていると償還差損(損失)が出てしまいますよね。
一方、デュアル・カレンシー債(円建て)には、償還時に為替レートが購入時より円高水準となっても、あらかじめ定められた条件を満たせば額面金額100%の円貨で償還するという条件付のものがあります(円貨償還条項付)。
このような条件付のデュアル・カレンシー債には、「償還通貨判定為替レート」が設定されていて、この水準以上であれば円貨で償還、この水準未満であれば外貨で償還、といったスキームが一般的です。
(例)デュアル・カレンシー債(円/豪ドル)の場合
【当初為替レート】1豪ドル=85.00円
【償還通貨判定為替レート】1豪ドル=75.00円(当初為替レート - 10.00円)
と仮定した場合、
出所:Bloombergのデータより当社作成
上記の為替チャートは過去のデータです。また、当初為替レートおよび償還通貨判定為替レートは説明のための仮定であり、実在の債券の条件等ではありません。
したがって上記の内容は、将来の投資結果および市場環境等を保証もしくは予想するものではありません。
償還方法決定のイメージ図
円貨償還条項付のデュアル・カレンシー債の償還方法決定のイメージです。
(1) | 債券の残存期間中の為替レートの推移は、償還方法の決定には影響がありません。 |
(2) | 期償還日の為替レートの水準も、償還方法の決定には影響がありません。 |
(3) | 満期償還日の数営業日前の時点で、為替レートが『償還通貨判定為替レート以上』となるのか、『償還通貨判定為替レート未満』となるのかが重要です。 |
(4) | 外貨での償還となった場合には、多くの場合、損失が発生します。 |
償還通貨判定日に『参照為替レート』が『償還通貨判定為替レート』以上であった場合、円貨での償還(額面金額の100%)となります。
償還通貨判定日に『参照為替レート』が『償還通貨判定為替レート』以上であれば、円貨での償還(額面金額の100%)となります。
満期償還日の『参照為替レート』が『償還通貨判定為替レート』以下であっても考慮されません。
償還通貨判定日に『参照為替レート』が『償還通貨判定為替レート』未満であった場合、外貨での償還となります。
満期償還日の『参照為替レート』が『償還通貨判定為替レート』以上であっても考慮されません。
※外貨建債券利金償還金受取方法を、「円貨」または「外貨建MMF(自動買付)」に指定されている場合でも外貨でのお受取りとなります。
ご注意事項
手数料等について
- 債券を募集・売出し等により、または当社との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
- デュアル・カレンシー債(以下「DC債」といいます。)の償還にあたり外貨を円貨に交換する際には、為替スプレッドがかかります。
仕組債投資のリスクについて
仕組債は、通常の債券に比べ非常に複雑な商品性を有しております。以下は、DC債の全てのリスクを網羅したものではありません。仕組債への投資を検討される方は、『契約締結前交付書面』、『目論見書』および『最悪シナリオを想定した想定損失額』等をご確認いただき、リスクを十分にご理解のうえでお申し込みください。
【価格変動リスク】
DC債は、償還通貨判定日の参照為替レートが、償還通貨判定為替レートよりも円高水準の場合には、外貨での満期償還となります。満期償還時の為替レートによっては、外貨での満期償還額の円貨換算金額が投資元本を下回り、損失(元本欠損)が生じるおそれがありますのでご注意ください。
DC債は、参照為替レート、参照為替レートの予想変動率(ボラティリティ)、金利水準、円と外貨の金利差、並びに、DC債の発行体等の信用力および格付の変化等の様々な要因に影響されて価格が変動すること等により、償還日前に途中売却する場合には、損失(元本欠損)が生じるおそれがありますので、ご注意ください。
【為替変動リスク】
DC債は、参照為替レートの変動が、償還通貨の決定および償還が外貨により行われた場合の満期償還額を円換算した価値に、直接的な影響を及ぼします。為替レートは、外国為替市場の需給関係によって決定し、この需給関係は現在・将来の国際収支、その他経済・金融情勢等のファンダメンタルズ、さらには政治情勢、政府の市場介入姿勢、投機的・突発的要因等、様々な要因が重なりあって影響を受けます。これらの要因が参照為替レートに影響を与え、DC債の価値を下げる可能性があります。
【信用リスク】
DC債の発行体や、DC債の元利金の支払いを保証している者の業務、財産または信用状況に変化が生じた場合、例えば、DC債の元本や利子の支払いの停滞若しくは支払不能の発生または特約による元本の削減などの悪影響を生じ、あるいはDC債の価格が下落するなどの可能性があり、その結果、お客さまに損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。なお、金融機関が発行する債券は、信用状況が悪化して破綻のおそれがある場合などには、発行体の本拠所在地国の破綻処理制度が適用され、所管の監督官庁の権限で、債権順位にしたがって元本や利子の削減や株式への転換等が行われる可能性があります。ただし、適用される制度は発行体の本拠所在地国により異なり、また今後変更される可能性があります。
【流動性リスク】
DC債の活発な流通市場は確立されておらず、一般の債券に比べて流動性が著しく劣ります。
当社では、原則としてDC債の償還日前の途中売却は受付けておりませんので、DC債を償還日前のお客様が希望する時期に売却することが困難となる可能性および購入時の価格を大きく下回る価格での売却となる可能性があります。DC債に投資される際には、満期償還日まで保有されることを前提にご検討下さい。